akko-3 について

博多座観劇お役立ちサイト【博多ざ・んまい】の管理人・akko-3です

七月大歌舞伎・夜の部【歌舞伎座】

桜姫東文章・下の巻

★三囲土手の場
いきなり夜の部から観たら「???」な、だんまり。 段治郎さん@稲野谷半兵衛も出る予定がカットされていましたので、大詰でいきなりの登場に「???」 上の巻からの通しで観ると「ガッテン!」で必要な場なんでしょう…ね?

★岩淵草庵の場
歌六さん@残月と、笑三郎さん@長浦の落ちぶれた暮らし振りや、そうなってもなお残月を独占しようとする長浦の嫉妬ぶりなど可笑し味のある二人。 身包み剥がれた姿での道行は愛嬌たっぷり♪ 今公演では、特にこのお二人の役者ぶりに驚くことが多かったです。
この場では、玉三郎さん@桜姫あでやかさとお姫さま言葉と岩淵草庵の古びれた建物とのコントラストが面白く、桜姫の美しさを一層引き立たせている感じ。 権助が刺青をみせるため、桜姫の袖をめくってみせると、真っ白い腕に“釣鐘と桜”が浮き彫りに見えて艶っぽい。
段治郎さん@清玄は…ちょっとその顔のつくりは~と思ってしまうほどのヤツレようでしたが、桜姫に対する執着の様はすざまじく、経本を使っての二人の立廻りは見所がありました。 が「あれ~」「あれ~」と盛んに言いながら最後は執念と塊と化した清玄をあっさりと殺してしまう辺りに苦笑。 花道でムシロを巻いての段治郎さん@権助とのツーショットはウットリ…。

★山の宿町の場 ★権助住居の場
春猿さん@葛飾のお十は桜姫の赤子に授乳するシーンがあるのですが…客席には背を向けているもののミョ~に生々しい感じ。 ハッキリ言うと…乳房がある感じ。 「春猿さん、ホントは胸、あるでしょ!」と言う…う~んなんだかドキマギしました。 授乳が終わり着物の衿を引き上げながら胸元を整えるのは「うわぁ…」とかなり動揺した私。
“風鈴お姫”という人気の女郎となり“下々の生活と習慣”が板についてきた玉三郎さん@桜姫。時々、お姫さま言葉や所作が出るのが面白い♪ 『枕元に幽霊が立つ』といってお客に気味悪がられ家に帰されてきてからの段治郎さん@権助との夫婦の会話にニッコリ。 家に帰ってきた途端、二人で布団を敷いて寝てしまうだなんて【桜谷草庵の場】で見せたあの恥じらいは微塵も残ってないのね~。 だだをこねる桜姫に対して「よしよし」と言う権助のセリフが何度も出てくるのですが「もう、仕方ねぇなぁ~」という、愛情をのぞかせる雰囲気と表情で私的にハナマルでした。
桜姫は権助がお家の敵と判ってからは結構さばさばと、権助の血が流れている赤子と権助を殺してしまうのには「なんとも飽きれたお姫さま」であ~る。 「んな、バカな~」な、またしても歌舞伎な感じのお話

★大詰 浅草雷門の場
桜姫は権助を討ち、家の家宝を取り戻し再興が出来ました、めでたしめでたし…という所で切り口上。 澤瀉屋一門を従えて、玉三郎さんが美しい赤姫姿で客席を見渡しての口上はジーンときました! あ~、【桜姫東文章】面白かった~。

義経千本桜・川連法眼館

最初から最後まで…右近さん@佐藤忠信実は源九郎狐の汗が気になって気になって仕方がありませんでした!
狐がパッと姿を消したかと思えば、すまして佐藤忠信として障子から顔を出したりと「何処から出てくるか分からない」というスピード感はさすがで楽しめましたが…「とにかく汗を拭いてくれ~」という感じ。 右近さん、ますますふくよかになられた…ようで…子狐という雰囲気が、私的には厳しかったです。 親と引き裂かれた子供の悲しみ、親を恋い慕う気持ちは、私は残念ながら感じられなかったかな。 鼓をもらって喜ぶ様は無邪気で愛らしかったです。
ラストの宙乗りは、とにかく汗が~、汗が~! 降ってきて降ってきて花横のお席だったので相当ビクビクでした。  終始、汗に気を取られてしまった観劇でしたので、ちょっと離れたお席で再度拝見してみたかったです~。

ユタと不思議な仲間たち【福岡シティ劇場】

日本のミュージカルはこんなに面白いものだったのか。』というキャッチフレーズと、怪しげなポスターで「ホントかなぁ~」と今イチ観劇にノリ気ではなかったのですが…2回の観劇を経て、ハマりました。
ミュージカルといえば外国の作品しか観たことがなかった私にとって、日本の懐かしい風景が広がるセットや、東北弁セリフ、演歌や民謡を取り入れた歌、そしてだっさーい田舎の服装…と軽いショックを受ける事が多かったのも要因
ストーリーは父を亡くした少年・勇太が、母の故郷である東北の山奥の村へ転校するが、もやしっ子の勇太は“ユタ”と呼ばれ、村の子供たちと馴染めずイジメに! ひとりぼっちのユタは村の老人から“座敷わらし”の言い伝えを聞き、彼らとの出会いを通してユタは心の成長を遂げていくというお話し。
『友達はいいもんだ』『生きているって素晴らしい』…とその言葉だけ聞くと説教っぽくて拒否反応があるかもしれませんが、そこは個性的な愛すべき5人のキャラクター“座敷わらし”からのメッセージである事で、観る者の心に素直に響いてきます。
【学級崩壊】【いじめ】【命を軽んじる事件】【教育現場の荒廃】…と、’80年代に作られた作品であっても、現代においてなお一層深刻になっているこれらの問題が提議されている所が興味深い。 これは学校観劇や家族で劇場に足を是非とも運んでほしい舞台。 劇団四季の作品の中でもリクエストが常に高い人気の作品というのはなるほど、そうだろう!…と思える、素敵な作品。
そんな“教育的テーマ”の作品にあって、何故ハマったかと言いますと~
☆ 日本の懐かしい風景を再現したセットの素晴らしさ
☆ …かと思えば、レーザー光線、本水、ワイヤーフライングの最新演出
☆ サエない服装の子供たちがものすご~くダンスが上手い事
☆ 座敷わらしの一人、道口瑞之さん@ヒノデロにグッときた事

座敷わらしは皆、歌舞伎の隈取りのようなメイクをしているのですがヒノデロは女形、という感じ。 所作がと~っても綺麗なんです!! 「きっと歌舞伎の女形をみて研究したんだわ!」と思える役者ぶり。 カーテンコールでも「ヒノデロ~」と客席から声がかかるほどの人気です。 しかもこの道口瑞之さん@ヒノデロ、中村芝のぶさんに似てるんですよね~。 公演期間中、通ってしまいそうです!
この作品、歌舞伎が好きな人は…きっと好きだと思いますよ♪

青い旗キャスト
ペドロ:光枝明彦/ダンジャ:増本藍/ゴンゾ:吉原光夫/モンゼ:高城信江/ヒノデロ:道口瑞之/ユタ:望月龍平/小夜子:八幡三枝/寅吉:吉谷昭雄/ユタの母:西島美子/クルミ先生:丹 靖子/大作:菊地正/一郎:澤村明仁/ 新太:小川善太郎/たま子:種市万理子/ハラ子:大口朋子/桃子:大月恵

六月博多座大歌舞伎・夜の部【博多座】

十種香

『これぞ歌舞伎!』的な大道具の機構と、舞台演出。 そして豪華絢爛な衣装で、目に“美”という気が送られてくる感じ。 舞台に近いお席の方は、実際にたいているお香の香りが…なんですよね?私もいつの日か、そんなお席で拝見してみたいです。
魁春さん@八重垣姫は「こんなに表情が愛らしい人だったんだ…」とビックリなほど素敵で、とってもいじらしい…けど大胆!、な感じがピタッとハマていらっしゃいました。
時蔵さん@濡衣は、凛とした美しさ。 黒のやお着物がとっても映えて素敵。
二人の対照的な女性に挟まれて、鴈治郎さん@武田勝頼富十郎さん@長尾謙信。 豪華です、実に贅沢な気分です。 翫雀さん@白須賀六郎は、力強いアクセントにぴったり!躍動感あふれる動きと勢いで、短い時間だけど、息を飲んで惹き付けられてしまいました。

年 増

久々に一人舞踏、というのを拝見した…と思います。 昼の部での、しまり屋さんのお辻@お江戸みやげ、でのラブリーさでビックリしていたら、この年増でも魅せていただきました! さすが、な舞踏です。 次から次へといろんな人物になってお話を進めていく様は、まるでパントマイムのようで、周りにいるであろう誰かが見えてくる感じ?! 特に好きなのは、籠の座布団を琴にみたてて弾くとところ。 ちょっとツバつけて琴爪をはめる仕草とか、こまかくてこまかくて…。
これだけの舞踏をお一人で勤めて観客を魅了するって…ホントにスゴイですね~。

勧進帳

幸四郎さん@弁慶は、博多座で二度目の上演です。 勧進帳でいうなら、柿落とし公演の際に團十郎さんがされて、『博多の人は三回目』となる博多座での公演。 それだけ、やっぱり人気狂言なんでしょうね…。 幕見も一番の人気のようです。
今公演は人間国宝が三人(芝翫・鴈治郎・富十郎)もご出演の為“一役”という方(もったいなぁーーーいっ!)が結構いらっしゃって高麗蔵さん@亀井六郎もそう。 高麗蔵さんはこの前の二月も博多座ご出演で、またまた嬉しいご来福だったのに、残念!

其小唄夢廓

上の巻、しか観たコトがなかったので、ものすご~く楽しみに観劇。
演出の工夫で“幕が切って落とされる”というのは、歌舞伎独特の素晴らしいものだと思うのですが、この演目は結構使われていますね。 客席が感嘆の声をもらすのも楽しい。 きっと大道具さんはこの客席のどよめきで「や~りぃ~♪」 なんでしょうね。 “天紅”っていう色っぽい文、コレは私、初めて知りましたが、なんとも風流ですね。
下の巻では【権八髪梳きの場】では、梅玉さん@権八時蔵さん@小紫の、言葉は多くは交わさないけれど、ひとつひとつの仕草が「あなたを想っていますよ」という事がひしひしと伝わってきました。
前髪、ポロッととれるのはイイのですが、剃った後、おでこの部分も濡れタオルで拭き取ってあげてほしい…と、何故だかそんなトコが猛烈に気になってしまった!
立腹の場】では、ほんの短い時間なのに、船が三艘も出てくるし…幕は切っておされるし…で「大道具さんに大拍手~」な贅沢な場で、大満足!

六月博多座大歌舞伎・昼の部【博多座】

寿猩々

片砂切が鳴って幕開くと、ズラッと居並ぶお囃子方。 なんだか観ているこっちも背筋がピン!としてきて「観るぞ~!」と気合いが入ります。
梅玉さん@猩々。 抜き足や流れ足…といった足さばきが、観ていてウキウキするような面白さ♪ 水の上をほろ酔い気分で歩いている情景なんだそうですね。 ちょっとアルゼンチンタンゴっぽい素早い足さばを交互にして後ずさっていくの様にはビックリ。 梅玉さんの舞踏のイメージって、優雅にゆ~ったりと踊る…のしか拝見したことなかったので。
翫雀さん@酒売り。 うん、綺麗です!(激しく贔屓目?)

金閣寺

魁春さん@雪姫って、ホントとっても愛らしいです。 朱鷺色のお着物がとっても似合ってる♪ 縄で縛られて肩を揺らして一生懸命ほどこうとする所がかなりツボでした。  鴈治郎さん@此下東吉翫雀さん@佐藤正清が二人並んで花道登場、ってのは、すっごく嬉しかったです♪ 桜の木をスルスル…と登る鴈治郎さんに「さすがお初17才!」とその若さに感服いたしました。
信二郎さん@松永鬼藤太。 今月、信二郎さんは赤っツラのこの一役だけなので、白塗りのイイ男役でもなんぞ拝見したかったなぁと思いました~。
やはり金閣寺が大ゼリで上下するなど舞台機構や、雪のように降り注ぐ桜の花びらは生で観ると圧巻ですね! “これぞ日本の美”…という感じでウットリ~

口 上

大広間をイメージしたセットの襖、引手まで家紋があしらってあって…色も優しくて素敵です。
皆さん、ほぼ真面目なお話で「夜の部も観てね」という程度のご愛嬌。 唯一、翫雀さんが「天神や中州へのお供には是非私も連れていってください~」くらいかな? あと、孝太郎さんの口上…というか正装姿も初めて拝見しました。 今公演では魁春さんと孝太郎さんのお二人だけ女形さんの正装なので目立ってます。

お江戸みやげ

今公演って『梅玉さんが5役でフル回転』という印象は強くあったのですが、『時蔵さんが立役をされる』という事は全く頭に入っていなかったので、その登場と艶やかさに衝撃☆  時蔵さん@阪東栄紫にみとれる、芝翫さん@お辻…のように見入ってしまいました! 時蔵さんファンには嬉しい今月の博多座公演ではないかしら?
芝翫さん@お辻、富十郎さん@おゆう絶妙のコンビぶりは予想以上にかわいらしくて素敵☆  ただ…富十郎さん、プロンプ入りすぎ…。
孝太郎さん@お紺は、好きな人と二人の世界しか目が入らず、自己中心的な感じの浮かれようがとっても良く出ていたと思います。 スネたり、甘えたり…栄紫と一緒に「よしよし」と言いたくなる可愛らしさ。 その分、お辻さんのせつなさが引き立って、ラストはしんみり…しちゃいますね。

サウンド・オブ・ミュージック【博多座】

映画は大好きな作品で何度も観ているし、音楽ももちろんどれも好きで、中でも好きなナンバーは【私のお気に入り】。 JRの『そうだ、京都行こう』 キャンペーンでもいろんなアレンジがされてBGMで使われていますよね☆  今回の舞台では『私の好きなもの~♪』という歌詞で唄われていて、私的にはしっくりこなくて残念だったんですが…。
舞台は初観劇でした。 が!大地真央さんは5/25夜の部公演で“マリア役・350回目”を迎えた…という人気の舞台のようです。
私自身、今回一番の目的は今井清隆さん@トラップ大佐。 1月にはレ・ミゼラブルで博多座にご出演されたばかりで、再びご来福♪ 厳格な父親からマリアと出会って本来の自分を取り戻す…という大佐のイメージがビジュアル的にもピッタリとハマっていらっしゃいました。 でもって…やっぱり歌に聴き惚れてしまいます! 地元でオーディションで選ばれた子供達の活躍はそれは愛らしくて見事なものでしたが、やはり今井さんが唄うと『これぞミュージカル!』ってな空間になります。
大地さんは、相変わらず『私か主役よ!』オーラはさすがでお美しいのですが、私的には肝心の歌がどうしてもしっくり来なかった…。 演技も前回博多座で拝見した【マイ・フェア・レディ】のイライザと大差なく、“大地真央”でした。 ご自身のオーラが強すぎて、観劇していてもそのキャラクターとして入っていけないのかなぁ…私 。
杜けあきさんは2000年7月の博多座公演【出雲の阿国】以来の拝見でしたが、お美しい…。 お金持ちで頭も良くて、ちょっぴりプライドも高くて…というキャラクターにピッタリハマってました。
全体を通して感じた率直な感想は「もっと歌で舞台に引き込んでほしかった」。 ミュージカルですもの…さすがプロ!な歌を聴かせてほしかったです。
今回、博多座の客席には親子連れがものすご~く多かったのには驚きました! 子役さんのお友達なのか? オーディションで落選した人なのか? 客席がとっても微笑ましい博多座にニッコリな観劇でした。