博多座【2004年公演】観劇記録

博多座での歌舞伎公演に関しては開場当初から、観劇記録を自分のサーバ内に残していたものの、その他の公演記録は、外部の無料WEB日記帳にUPしていたものだから…ある日突然予告も無しにドロン! 突然サービスが利用不可となり、データを救済する手立てもなく消えてしまい呆然自失!(ここでバックアッブの重要性を学ぶ。 分かっちゃいたけどさぁ…)
…という事で、記憶を辿った【博多座2004年公演】観劇記録。
2月の歌舞伎と4月以降の演目は観劇レポート個別記事にUP済み(以降、観劇レポートは全て個別記事でUP)

1月・レ・ミゼラブル

今まで、どうしても作品の暗いイメージが先行して観劇の二の足を踏んでいました。 ミュージカルでここまで全てが歌なんだ!という感嘆と、あの壮大な歴史の流れの構成に驚く。 キャストの組み合わせに大いに悩む…という事も初体験。
山口祐一郎/別所哲也/石井一孝/今井清隆/内野聖陽/今拓哉/高嶋政宏/岡幸二郎

3月・松平健特別公演

上様、芸能生活30周年記念☆という事で【暴れん坊将軍スペシャル~唄って踊って八百八町~】。 上様、まさかのミュージカルです! いろいろ面白すぎて大興奮!(面白すぎて、後の新宿コマ公演まで行ってしまった!) 『マツケンサンバ』ブレーク後、という事で客席も大いに盛り上がり、フィナーレではお芝居に出演の大御所出演者もキラキラの法被とサンバ棒を恥ずかしそうに振って登場!
松平健/浜畑賢吉/大鳥れい/熊谷真美/浅利香津代/近藤洋介/太川陽介

博多座文楽公演【博多座】

毎年12月の博多座は【市民桧舞台の月】ですが、今年は“博多座開業五周年”という事で二日間四公演、初めて文楽公演がかかりました。 太夫・三味線・人形と人間国宝の方が4人もご出演で、ビギナーにはなんとも贅沢な舞台でした。
私は、今まで何故だか観劇の機会を何度も逃していたので“文楽初体験”となりまして、一日通しで観劇しました 客席は二階までお客さんを入れていて、昼・夜ともに補助席まで出て満員御礼! 来年も、再来年もこの人気ぶりに公演が決定したそうです。
イヤホンガイドがなかったので、パンフレットに付いていた床本集を手元において観劇しまして、ビギナーには頼もしかったです。
どちらの部も、最初に解説【文楽を楽しもう】があり、それぞれその後上演する演目に沿っての解説となっており、とても解りやすかったです。 とにかく初めて観るものばかりで「定式幕は上手から下手に開けて、下手から上手に閉めるんだ…」って事から、いろいろビックリする事が多くて忙しかったです~♪
昼の部

菅原伝授手習鑑

【寺子屋】では、沢山の子供の人形の後ろに、人形遣いの方がズラリと並んでいるのは、まだ目が慣れてなくて、とっても不思議で面白かったです 黒子さんの被り物の形も歌舞伎とは違うんですね…。 【車曳】を含めて、どの場面も歌舞伎では馴染みがあるので判りやすかったですが、やっぱり歌舞伎では絶対観れない【天拝山】は菅丞相が髪振り乱して激怒し山を駆け上ってくる様は、すごい迫力で圧倒されました。 人形なのに…あんなに表情が、感情が伝わってくるんでしょう?!
夜の部

寿式三番叟

これは歌舞伎では祝儀舞踏(っていう言葉あるのかな?)で静かに厳かな感じで観る演目…という印象しかなかったので、三番叟が踊りをサボったり、汗をふいたり…とユーモラスな笑える部分があったのに驚きましたし、これは博多座だけかもしれませんが客席から手拍子が起こった事もビックリでした! 「楽しい演目だったんだ…」
便箋【博多座往来】12/28号より
夜の部の「三番叟」では客席から手拍子まで出て「初めてですよ、日本では博多座だけですね、こんなに乗ってくれるのは」と出演者も興奮気味だった。

曾根崎心中

とにかくお初は鴈治郎さんでしか拝見した事がなかったので、と~っても楽しみでした心中を決心する…床下にいる徳兵衛がお初の足を取って喉元に当てるシーンとか、とっても色っぽくて素敵でした また、足を取ったあとに徳兵衛がお初の着物の裾を直してあげてたりする、という細かい所作もあり大感動!
そして心中は、帯を使っての上下の見得の形の綺麗な事といったら そして喉を刺して抱き合って倒れ込む…という所まであるとは思わなかったので、これまた驚きでした。
お初は一つ一つの動きが丁寧で細かくて綺麗で可愛くて仕方がありませんでした!

十二月大歌舞伎・夜の部【歌舞伎座】

鈴ヶ森

終始舞台は暗くて、人を斬り刻む演目なうえ、雲助は汚いし…で、実はあんまり好きではナイ演目 斬られる様は様々な工夫があって楽しいですが♪ 七之助さん@白井権八橋之助さん@幡随院長兵衛、共に私は初見でしたが…殆ど気絶してました 仲一郎改め山左衛門さん飛脚でご挨拶。

阿国歌舞伎夢華

玉三郎オンステージ”と、いう感じ。 いかに玉三郎さんが夢のように美しく見えるか…という、ありとあらゆる趣向をこらした舞踊のような印象です。
満開の桜の下で、まずは猿弥さん右近さんの男集が出てくるのですが、この衣装(柄と色合い)が好き!大好き! ド派手な柄と色なんだけど、素晴らしく品があって美しい色をしていて…でも派手で…まさに“歌舞伎者!”という感じ。
続いて玉三郎さん@阿国が、春猿さん笑也さん笑三郎さん芝のぶさんと…それぞれに違ったタイプの美女4人(ホントのトコは全員男だけど~)を従えての花道での出の踊り。 この時の黒いお着物がまた素敵! 大好き! と~っても斬新な柄と色合いで、縦兵庫(字あってます?二人椀久の松山の髪型)のヅラとのマッチングも◎
でも、私が一番注目していたのは芝のぶさんでした。 全員で並ぶと一番小柄で華奢なので、本当に可憐で可愛くて…。 今月公演では芝のぶさん大活躍で、いろんなお役で拝見できますが…私、どれも大注目。 どうやら、ファンのようです、私 可愛かったなぁ~☆
で、段治郎さん@名古屋山三は…と言いますと…綺麗です 玉三郎さん@阿国と並ぶと、そりゃ~も~絵になります! が、踊りを観ていると心配で手に汗握ります。 扇を落としてしまいそうになる所があり、表情にはでなかったものの、手が思いっきりアセってました。 私もアセりました 段治郎さんの踊りって「頑張れ~!頑張れ~!」と思って観てしまうからか、観劇後ドッと疲れがでます~。
でも今回、初めて「段治郎さんって綺麗」と思いました カッコイイとは思っていたものの、容姿に見とれる…という事はなかったもので、上手で控えている時の横顔なんて、と~っても綺麗でウットリでした(踊ってナイ時なので安心して見れる?!)
私はご贔屓なので、堪能した舞踏でしたが…公平に考えると…ちょっと長過ぎのような気もしないでもなかったです。 ハイ…。

たぬき

コレラって…昔から日本にあった病気だったんですね。 冒頭の焼き場は、その情景がとてもよく出ているし、各々のキャラクター描写が抜群で面白いですね♪
三津五郎さん@柏屋金兵衛の女房おせきの扇雀さん。 「この愛想ナシ加減なら、夫も息を吹き返しても戻りたくないわなぁ…」と思ってしまう愛想なしぶりが、ほんのチラッとの所作で一瞬で飲み込めてしまいます。 ウマイっ!
福助さん@妾お染橋之助さん@狭山三五郎の、奥座敷でのシルエットいちゃつきぶりは…ちょっとやり過ぎ! 福助さん、その声は聞てる方が大テレです~。
東蔵さん@芸者お駒勘九郎さん@太鼓持蝶作のコンビはナイス! 特に東蔵さんには最近「すごいなぁ…」と大注目の私には嬉しいお役で拝見する事ができました。
度々ナイスタイミングでやってきて、場を収める弥十郎さん@備後屋宗右衛門と、お話のキーになる齋藤勇一郎くん@倅梅吉が今ひとつ役割がピリッと明確ではなく、弱かったのが残念な印象でした。

今昔桃太郎

こちらは“勘九郎オンステージ” 今年の俳優祭の“連鎖劇”を思わせる趣向で、勘九郎さんの初舞台【桃太郎】の映像から始まり、現在の変わり果てた中年の桃太郎の登場。 着物には「かんくろー」「あほ~」とか書いてあってチェック柄の地に、背中には三日月の模様。 この月は舞台が進行するに従って満月となり、最後には太陽が…という趣向がありまして「衣装さん、大変だったろうなぁ」と思うほど。
正直、ちょっとおふざけが過ぎたような印象があったものの、頭にちょこんと桃を乗せた出で立ちで真剣に踊る【藤娘】【まかしょ】【船弁慶(台詞のみ)】【棒しばり】【紅葉狩・山神】【身替座禅】【鏡獅子】【高杯】【連獅子】(←NAOさんご協力感謝!)は見応えがあり、さすが!
初舞台で犬役を務めた又五郎さん長老の犬というお役で登場。 久々に舞台で拝見する感動と、「こんなに小柄な方だったっけ?!」という驚きとで私、小パニック! 小山三さん@キジのダンスや赤姫姿も!
“勘九郎”という名前では最後の舞台という事を聞けば、感慨深い舞台と…なった、かな?

十二月大歌舞伎・昼の部【歌舞伎座】

嫗山姥

実は、今回の観劇の一番の楽しみは、猿弥さん@腰元お歌♪ 絶対ラブリーなのは判ってたけど…やっぱりラブリーでした! まんまるコロコロ、ひゃ~っ! ふと思ったのですが、道化役の腰元って萌黄色(黄緑色)の着物、ってのは決まりなんでしょうか? いつもそんな色を着ている印象があります。
弥十郎さん@太田十郎の“タバコづくし”も、上手くハマって拍手喝采☆ まさかの「セーラムライト、セーラムライト~」で終わる強引さに脱帽。
そして…先月の【積恋雪関扉】に続き、福助さん力量をまざまざと見せつけられた感じでした またまた失礼ながら「福助さん、ウマいなぁ…」という驚きで、ググッと舞台に引き付けられ見入ってしまいました。 【しゃべり】といわれる語りの部分では、自分の境遇をつらつらと心情豊かに語り、ラスト立ち廻りの鬼気迫るような迫力は「なるほどこんな女性から生まれた金太郎は強いはずだわ」と思わされるような強人ぶり
信二郎さん@煙草屋源七実は坂田蔵人時行は、「別に自害しなくても…」と思っちゃう頼りなげな感じが◎でした。

身替座禅

勘九郎さん@山蔭右京三津五郎さん@奥方玉の井…というからは、おのずと期待が高まるのは無理はナイでしょう…と、この名コンビへの期待が高すぎたのか、意外と何も残るものがなく、私的には拍子抜けの感がぬぐえませんでした。
もちろん笑いどころは大いに笑え、右京が花子との逢瀬を玉の井に語って聞かせるくだりは大いにみせられたものの…う~ん。
左京のキャラクターが日頃の勘九郎さんのキャラクターと、私の中でダブっているからかなぁ。 ちょっとカタブツな感じの人が恋人との逢瀬でメロメロに豹変している…という所が笑える、と思うからかな。 落差があまりナイ、と思うからかな。
三津五郎さん@奥方玉の井は、う~ん う~ん…。
私、玉の井ってただ怖いだけの奥さんじゃナイと思うんですよ。 旦那様の事が好きで好きでたまらないから、猛烈な心配症でやきもち焼き屋さんなんだと思うんです。 ある意味一途で可愛い女性(ちょっと怖いけど)な訳で、「え~ん、え~ん」って顔を隠して泣くところでは、お客さんの気持ちを玉の井側に引き寄せてくれる方が好きですなんです。
そんな訳で、私のベスト玉の井は翫雀さんなんですけども (←結局はソレかい!)

梅ごよみ

これほど大掛かりな川のセットって観たことない」と、その舞台の造りに圧倒され、のっけからスコーンとハマってしまいました! この10分くらいの場の為に…スゴイです!贅沢です!太っ腹です! このシーンだけで「遠征してヨカッタ!」と心の中でガッツポーズ 川を表現するのに、一体どれだけの布が使われているんでしょう?
段治郎さん@丹次郎と春猿さん@お蝶の舟に乗っての花道の引っ込みは、花横のお席だったので、舟底に潜んで運転?しているであろう黒子さんの様子を伺いましたが…判りませんでした!
今回も大抜擢の段治郎さん@丹次郎ですが、江戸弁(って言うのかな?)が、上っ面な感じで…なんていうか、私は江戸っ子じゃないけど「その江戸弁は違うでしょ?」って感じ 例えば地の人が聞けば明らかに「ソレは違う!」って指摘するような違和感が、地の者じゃナイ私にも感じられた…という印象。
玉三郎さん@芸者仇吉が「イイ男だねぇ」と一目惚れする美しさはあるものの、それは“若さ”であって、“色気”が感じられる男っぷりでは残念ながらなかったです。 サッパリとした気性の勘九郎さん@芸者米八が、すがってまで好きな魅力ある男性、という感じは…乏しい。
「俺ってモテすぎて困るなぁ」というような、女性に対して開き直ったふてぶてしさや、はんなりした色気がなく“気弱なイイ人”って感じが強く、でもこれはきっと回と年齢を重ねていけばクリア出来るんじゃないかしら!と思われました。
玉三郎さん@芸者仇吉vs勘九郎さん@芸者米八は、さすがに見応えがあって、楽しい、楽しい♪ 私、玉三郎さんのちょっとハスッパな物言いって、味があって好きなんです☆
深川辰巳芸者って、羽織をはおっているのがトレードマークで“羽織衆”と呼ばれていた事をイヤホンガイドで初めて知りました。 だから、仇吉が丹次郎に羽織をプレゼントする…という行為はものすごく気持ちのこもったものなんだ、という事や、その羽織を米八に草履(下駄)で踏みつけられる…という行為がどれほどの侮辱か、という事がよく理解できました。 その当時の風俗、知って観劇するのは面白いですね。
ま、いろいろな女性といろいろあったけど…最後はいつもの恋人役の春猿さん@お蝶の元に戻っていくのが、私的にかなりツボでした 仇吉&米八の「シラけるねぇ」のセリフのタイミング、抜群です。
役者さん的には笑三郎さん@政次が印象に残りました。 玉三郎さん@仇吉の仲良しの同僚ぶりが、とっても自然! 実年齢は玉三郎さんより、ずっと若いのに…不思議な役者さんです。

コーラスライン【自由劇場】

映画も含めて…この作品、私は全くの初見でした。 【キリン一番搾り】のCMソングって、何故か【ニューヨーク・ニューヨーク】と混同してて(似てませんか?)、【ONE】がこの作品のフィナーレ曲というのは今回しっかりと認識した次第でございます。
なんとなくストーリーと、そしてラストの金ピカ衣裳のダンスくらいしか知識がなかったので、今回の観劇はとっても楽しみでした♪
加藤敬二さん@演出家ザックと、中山大豪さん@演出助手ラリーは置いといて…、オーディションの最終選考に残った17人のダンサー。 面白いです。
“人の数だけ人生はある”のでしょうけど、皆ひどくバラエティーに富んだ人生を歩んできてて、その語りは友達の悩みを立て続けに聞いている感じ
ブロードウェイが舞台で、いろんな人種がいる…という事からのキャラクター像なんでしょうけど、日本が舞台だったら…これほどバラエティーに富んだ17個の人生が語られたかな?と、ふと考えてしまいました。 これって各々の人物に注目して観たくなるし、役者さんが替われば、また観たくなるだろうし…という、ハマってしまったらとんでもなく通いそうな作品でした。 福岡での上演じゃなくて助かった~(お財布ピンチです!)
舞台は黒一色で床には、白いコーラスラインと番号が書かれているだけ。 セットはミラー板が様々な方向で回転したり、上下したり…とてもシンプルなもの。 それ故に、人物が舞台上により浮き彫りになって…とても感動!しながらも、スーパー歌舞伎の某作品の演出法を思い出したりしてました。
キャラクターで気になったのは、高城信江さん@コニー大平敦子さん@ヴァル
コニ-は中国系の小柄な女性で、その背丈ゆえに酉年(32才?)なのに今だに子供の役しか来ない事を気にしている。 身長151cmのチビっ子の私も若くみられがちですが、あんまり若く見られるのも考えものだったりするので、コニ-のように複雑です。
ヴァルは“ダンス10:ルックス3”の通り、ダンスの才能は抜群なのにルックスが原因でオーディション落選続きの女性。 美容整形で生まれ変わり今じゃイケイケよ!…という♪プリン~と ボイン~♪は笑いながらも「やっぱ見かけっちゃ大事なんやね~」と、しんみり思ったりしました。 だって、いくら美容整形したって151cmが170cmにはなりっこないもの! 要は元の良さも必要なのです。 う~ん…。
…と、こんな感じで観客はきっと自分の悩みに近いキャラクターに気持ちを寄せて観る舞台なのかしら?と思ったりもしました。
役者さんでは、八重沢真美さん@シーラのスタイルの良さに見とれてました! 綺麗、カッコイイ~♪
で…、結局ザックの選考基準って…何がポイントだったのでしょうか? 謎です~。

青い旗キャスト
ザック:加藤敬二 /ラリー:中山大豪/ダン:高 栄彬 /マギー:上田亜希子 /マイク:望月龍平/コニー:高城信江/グレッグ:武藤 寛 /キャシー:高久 舞/シーラ:八重沢真美/ボビー:荒川 務/ビビ:石倉康子/ジュディー:八田亜哉香/リチー:西尾健治/アル:川口雄二/クリスティン:村中ちえ/ヴァル:大平敦子/マーク:藤原大輔/ポール:田邊真也/ディアナ:木村花代/フランク:品川芳晃/ロイ:金田暢彦 /トム:内御堂 真/ブッチ:塚下兼吾/ビッキー:滝口律子/ロイス:宮内麻衣/トリシア:金井紗智子