六月博多座大歌舞伎・夜の部【博多座】

 💡 ぢいさんばあさん
この演目って打ち出しにかかる印象が強かったので、ここからの〜口上って不思議な感じ。 中車さん@美濃部伊織で、扇雀さん@伊織妻るんは、中車さんの襲名披露公演で演じて2回目、なのかな?  猿弥さん@下嶋甚右衛門は初役との事で、やっぱり何をやってもソツなく上手いなぁ…と、憎々しい敵役を好演。 でも…上方の名跡の襲名披露公演で、森鴎外原作の新作歌舞伎って…どうなんだろう?

 💡 四代目中村鴈治郎襲名披露 口上
下手より…扇雀、亀鶴、壱太郎、藤十郎、鴈治郎、梅玉、秀太郎、中車、東蔵。
梅玉さんが紹介役なのですが、公演前のインタビューで『紹介する役なので、真面目なことしか言えない』と残念がっていらっしゃいました。 なにか面白暴露ネタがあったんですよね? 残念!聞きたかったなぁ〜。 亀鶴さんもお正月公演からずっとお付き合いいただいてますね♪

 💡 芸道一代男
『鴈治郎の名付け親でもある川口松太郎の原作を、今回の襲名披露に合わせて歌舞伎作品として手直しした演目』との事で私、初見。 『自分の親が役者だとは知らずに役者になったという、初代鴈治郎の半生記』なので、梅玉さん@中村翫雀亀鶴さん@中村翫蔵、と劇中も役者の名前が出てくるので、ちょっと混乱してくる〜。 大向うさんも、勉強してかけないと!ですね。 劇中劇で【河庄】がかかるのもお得な感じ♪  これは、成駒家でしか上演しない演目でしょうから、次に劇場でかかるのは…壱太郎くんの襲名の時かな?  鴈治郎さん@林玉太郎後に實川雁二郎は、朴訥とした呉服屋の行商から、洗練した役者となる成長ぶりが楽しめました。 竹三郎さんが残念ながら休演の為、東蔵さん@山村友五郎

来年まで続く襲名披露公演。 4月の【四国こんぴら歌舞伎大芝居】は残念ながら遠征叶わず。 とりあえず大劇場と巡業公演は全てミッション遂行!…という事で、満足しましょう!

六月博多座大歌舞伎・昼の部【博多座】

1、2月の松竹座、4月の歌舞伎座と追っかけて「待ってました!がんじろはん!」。 ようこそ博多座へ! 博多座での襲名披露公演って、いろんな劇場をまわりに周って“一年くら経ったラスト公演”って感じが多かったので、襲名をしたその年にこんなに早くおらが街の博多座で拝見できるとは思わず感涙。 5月29日、最高気温30℃の中、行われた【船乗り込み】では、緑の上下を身につけて先頭舟で笑顔で手を振る鴈治郎さんを拝見する事が出来て、また感涙…。

 💡 播州皿屋敷
博多座では初上演! しかし、襲名披露の…朝イチの演目って、どうだろう? 扇雀さん@腰元お菊って「そんな事くらいで死なんやろ?」ってなドンと構えた印象なんですが、だから亡霊になったら絶対怖いよね〜、って感じの情念の深さを感じました。 梅玉さん@浅山鉄山の横暴さ、冷たさは真骨頂。 やっぱり梅玉さんのあの声って凄いなぁ。 猿弥さん@岩渕忠太って、猿弥さんがこのお二人と絡むのは珍しいなぁ…と思っていたら『梅玉さんとセリフをやり取りするのは初めて』との事! お化け屋敷のような、古典的なおどろおどろしい仕掛けに客席が湧きました。

 💡 連獅子
鴈治郎さんさん@狂言師右近後に親獅子の精+壱太郎さん@狂言師左近後に仔獅子の精。 親子で…というのは演じる側も感慨深いものがあるでしょうが、私にとって、この親子での連獅子は特別。 またしてもちょっとウルウル。 亀鶴さん@修験者は蟹山伏! 初めて拝見しましたが、これは絶品!面白いっ! イケボなのに顔が思いっきり道化の落差が更に可笑しみ二倍増し。

 💡 曽根崎心中
『アンコールにお応えして坂田藤十郎一世一代にてお初相勤め申し候』』です。 昨年、歌舞伎座で私、見納めたはずなんですが…あれ? すでに夏の暑さの博多で、藤十郎さん@天満屋お初、やっちゃいます! やっぱりこの人間国宝は超人的だ! 鴈治郎さんが公演前のインタビューで「襲名披露狂言ではありませんよ、皆様のアンコールに私は付き合っている立場です」って! 中車さん@油屋九平次との絡みは新鮮けど、中車さん“歌舞伎の嫌な奴”じゃなかったです、うん。 梅玉さん@平野屋久右衛門って…珍しいですよね? 実は梅玉さん、お正月の襲名披露公演にず〜っとお付き合いくださっているので、上方の演目への配役が目に新しいんですよね。 有難うこざいます!(私、ただの贔屓ですが) 安定の鴈治郎さん@平野屋徳兵衛(この人の襲名披露公演です!)