魔法をすてたマジョリン【宗像ユリックス】

劇団四季のファミリーミュージカルは…以前、仕事でその設立の経緯や活動理念を伺う機会があり、その企業姿勢に深く感銘を受けまして、大好きなんです♪ 家族連れいっぱいの賑やかな会場は可愛い笑い声や歓声、時には泣き声が連鎖反応を起こし大合唱~となる事もありますが、それも“ならでは”で楽しいですし。
この作品は私、今回が初めての観劇。 開演と同時に【幕をあける歌】を一緒に歌う気マンマンでしたが…この作品では歌わないんですね。 ♪手をたたいて(パンパンパパァ~ン)手をたたいて(パンパンパパァ~ン)幕をあけよう~♪って歌いたかったなぁ。
勇気、愛、友情、 平和、命の大切さ…など人生に必要なテーマをもとにした劇団四季のファミリーミュージカルですが、この作品の大きなテーマは『思いやりの心を持とう』ということ。
勇気ある明るくて素直な主人公が仲間と力を合せ、悪者に毅然と立ち向かって戦いを挑み、そして改心させ平和が訪れる…という、ストーリーの大きな流れは皆同じであるものの、企画やキャラクター設定(役名がいつもナイス)、歌、ダンス…と、巧みな演出のバリエーションでどの作品も、子供~大人まで十二分に楽しめる仕上がりには毎度感嘆させられます。
“舞台美術・衣装好き”の私としては、視覚的にも子供達を楽しませる事にも重きを置いているのも毎回高ポイント(衣装が一瞬にして変わる歌舞伎の“引き抜き”の手法もあり♪)なのですが…今回は、ちょ~っと何故だか“和風テイスト”が加味されているセリフ回しがツボでした!
味方隆司さん@ニラミンコが魔女の信条【一日一悪】を、関根麻帆さん@マジョリンに説く♪ひとつとせ~ ふたつとせ~…♪って歌とか、マジョリンの生い立ちを語るくだりの「ととさんがぁ~」とかのセリフは、もう完全にツボにHITS☆ はにべあゆみさん@ブツクサスも「すみからすみまで ずずずい~っと…御願い申し上げたてまつりまする~」って! 劇団四季のファミリーミュージカル作品は和物も結構?あるようなので、その影響?(【九郎衛門】って作品が猛烈に観てみたい!)
でも「その言葉は子供にはちょっと解らないのでは」ってのも所々あって気にもなった所も。 “示談”って…言われても、ねぇ汗
今回、この作品をご覧になった方は皆、味方隆司さん@ニラミンコに釘付けで笑いっぱなしだった事でしょうね! 私、多分、こんなに声を出して笑いながら観たファミリーミュージカルは初めてだったかと♪
いや~、もうあまりの芸達者振りに感動、感動、感動☆ 今さらながら大変失礼なんですが…凄い役者さんなんですね。 スリムで背が高い方だから、ちょっとヒステリックでギスギスした小ウルサイ意地悪な魔女って感じが風貌からも感じ取れたし、濃いキャラクターだから“くさく”なりがちだと思うのに、さらっと軽い感じで…でも、猛烈に面白く、ドッカンドッカン!客席がウケるウケる。 いや~、スゴかったです~♪ メイクと表情、手の細かい動き…どれもツボにハマってしまい大感動でした。 素晴らしかった☆
最後、カーテンコールで喜納兼徳さん@オカシラスが魔女のマスクを取って、客席にめちゃめちゃ元気に笑顔で手を振ってくださって、おちゃめだったのですが…“口裂け女”みたいでしたっ(口元だけメイクが魔女で顔が素だったので) 先月、大人の作品【AOL】で拝見したばかりだったので、そのギャップがスゴかったです 守備範囲広いなぁ…喜納さん(セリフの声は何故だか美輪明宏に似てた)

青い旗キャスト
マジョリン:関根麻帆/ブツクサス:はにべあゆみ/ニラミンコ:味方隆司/ダビッド:鎌滝健太/オカシラス:喜納兼徳/プレッツェル婆さん:西山愛由美/ステファン:和田翔子/タツロット:近石博昭/花嫁:山邊千恵里

クレイジー・フォー・ユー【広島郵便貯金ホール】

昨年より『観たことがナイ四季作品は一度観てみよう』キャンペーン中の私は、とりあえず観た事がナイ作品がかかると可能な限り足を運んでいる現状…と7月の【オンディーヌ】レポートで公言しておりましたが…この作品も何故だか観劇の機会を逃していたので、広島まで行ってきました! 新幹線日帰りで昼&夜の部を観たのですが「これぞミュージカル」な作品なんですね。 これまた今まで断片的に知っていた曲やシーンがストーリーとして繋がって「スッキリした!」
あいにくの雨の広島でしたが、昼・夜ともに会場はとても賑わっていて、ロビーには福岡シティ劇場から…出張でしょうか? 柳瀬ビーストと木村ベルの等身大パネルがお客様をお出迎えしてました♪ 私的には【コーラスライン】のPVに釘付けでしたけど(これで京都公演行く事を決意!)
で、舞台は…と言いますと、舞台美術好き&衣装好きの私にはたまらない細部までのこだわりに感動! オペラグラスでセットの造りや小道具の数々をじ~っくり堪能していたら、舞台手前ではガンガン踊っていたりするので、かな~り忙しい観劇でした(昼&夜観てヨカッタ) ストーリーの進行に従って“育つヒナギク”だったりするんですねぇ…スゴイ! 衣装もそろぞれの人物のキャラクターを巧みに表現していて楽しかった♪
ストーリーは…簡単に言えば“Boy meets Girl” 映画にしちゃうと何てことナイ、よくあるタイプのストーリーながら“ミュージカル”という手法だからこそ、引き込まれる要素が多く楽しめるんですね。 改めて、名曲揃いの作品ミュージカル作品である事を再認識♪
キャストは、舞台に出演される役者さん全てに個人名が付いていて、結局どの人がなんて名前か?なんて事が判らず仕舞いのキャラクターも多かったです。
印象に残った役者さんは…広瀬明雄さん@ベラ・ザングラー。 べラの「どうも、どうも、どうも」ってセリフ、すっごく耳に残りますね。 今、マイブームです。 一人の女性の為に私財を投げ打って…ってまるでラスベガスを作ったベンジャミン・バクジー・シーゲルみたいですね。 彼がモデルなのかな? 広瀬さんって、ちょっとクスッと笑えるお役で拝見することが多いような気がするのですが、あの絶妙の間が素晴らしいですね。 これからご出演時は追ってしまいそうです。
そして…池末絵己子さん@パッツィー。  かわいい☆可愛い!カワイイ♪ 常にニコニコしているか、キョトンとしている時は口をポカ~ンと開けて“ちょっと抜けてる可愛い女の子”って、マリリン・モンローの持つ、可愛さと色気が同居してもっと親しみやすくした感じ。 と~っても楽しそうで観ているだけで気持ちがホンワカしてて釘付けでした。 ダンスも素敵で、私の中では『本日のベスト・アクトレス』
それから…斉藤昭子さん@ボビーの母。  結構重要な役どころなのに名前がナイ…んですね ラストの一目ぼれのシーンが、音楽にあわせて横スキップですり寄っていくところが猛烈に可愛くって笑えました。 カーテンコールではシャキシャキ踊ってらしてビックリ!
『最高にハッピーなミュージカル』というキャッチコピーに頷けた舞台でした♪

青い旗キャスト
ボビー・チャイルド:加藤敬二/ポリー・ベーカー:樋口麻美/ランク・ホーキンス:牧野公昭/アイリーン・ロス:八重沢真美/ベラ・ザングラー:広瀬明雄/エベレット・ベーカー:武見龍磨/ボビーの母:斉藤昭子/テス:有永美奈子/ユージーン・フォーダー:田中廣臣/パトリシア・フォーダー:加藤聖恵/
ムース:川辺将大/サム:岩城雄太/ミンゴ:畠山典之 /ビリー:石野喜一/パーキンス/カスタス:坂元剛 /ジュニア:平田郁夫/ピート:中山大豪/ジミー:和泉沢旭/ワイアット:関与志雄 /ハリー:村中弘和/
パッツィー:池末絵己子/シーラ:姚詠芝/ミッツィー:柴田桃子 /スージー:眞弓ヴァネッサ/ ルイーズ:大石眞由/ベッツィー:市川友貴/マギー:伊藤恵 /ベラ:ソン インミ/エレイン:荒木美保/

拝啓 お父さんです。【ぽんプラザホール】

ひのあらたさん主催の演劇ユニット【アプローチシアター】のお芝居
今回の作品は、原案は出演も兼ねる“マッチョルラス”こと坂元健児さん。 他の出演者は、代表のひのさんはもちろん、安福毅さん、田中裕悟さん、坂口祐未衣さん…とくれば、劇団四季OB会という感じ。 しかし、歌やダンスなどはなく(吉岡健二さん@ゆりかもめ二郎を除く)純粋にコメディタッチのお芝居。
皆さんリズム感がイイ方ばかりだから?、コメディセンス…というか“間”が抜群にイイんですね☆ チームワークの良さは劇団時代から培ったものがありバッチリ!でしょうし 各々のキャラクター作りもナイスで「いるいる!こんな人!」とニンマリ。 “5本指ソックス”を履く25才って…汗
私的には一昔前の“一家庭”の家のセットにたまらなくこだわりを感じ、小道具を細かくチェックしては興奮してしまいました。 黒電話とか、旧式の保温ポットとか、よくあんなの揃えたなぁ~。 壁にかけてある観光地で買い求めたような木彫り枠の鏡もツボだし、ジュースの瓶を体にして作った飾り人形や…あ~、言い出したら切りがないですが、一番感動したのはこの小道具一連だったと言ったら失礼かしら汗 光男の部屋の…机の横に立ててあったポスターは岡田奈々ですよね?!
居間の雰囲気からすると、時代は昭和?と思って最初は観てたけど、【コンビニ】の話題や、【ファブリーズ(消臭剤)】が登場したからには、現代ですよね? 田舎だから、時代が止まったようなインテリアだった、という理解でOK? “六本木”に対して“ゆりかもめ”だったし… ん?コレは違うかなぁ?

鉛筆あらすじ
舞台は田舎の農家。急逝した村の村長の父親をもつ子供たちが、その葬儀を終え、遺書を読む…という所から物語が始まる。
長男(ひのあらたさん)は八王子で焼き芋屋を、長女(坂口祐未衣さん)は幸福を呼ぶ水晶に傾倒している主婦を(旦那さんが田中裕悟さん)、次男(安福毅さん)は父親の跡を継ぎ農業を…という兄弟だが、各々が問題を抱え、その遺言の内容を知りたくて躍起になっている所に、怪しげな弁護士と称する男(坂元健児さん)が現れてひと騒動が…。

終始、大小の笑いの連続、そしてちょっぴりホロリ…な部分もあり、楽しい作品 各々のキャラクター設定が楽しく、中でも一番好きだったのは、吉岡健二さん@ゆりかもめ二郎。 挙動不振なオドオド振りや、息を留めて聴きいってしまうナイスな?歌とダンス。 おもしろすぎです! 演じていらっしゃる役者さんも楽しそうで「お芝居が本当に好きなんだなぁ」という熱も伝わってきました。 ただ…ちょ~っとラストのまとめ方に難あり、かな?
最後に…ひのさん、足、長っ!

青い旗 キャスト
小笠原長一郎 :ひのあらた/小笠原光男 :安福 毅/馬場菜々子 :坂口祐未衣/馬場信玄 :田中裕悟/ゆりかもめ二郎 :吉岡健二/六本木五郎 :坂元健児/小笠原正一郎(声) :前田昌明