天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~【博多座】

映画は2まで観てる好きな作品だれど、2014年のミュージカル舞台日本初演の時はワイドショーでに「モリクミさんと瀬奈さんのWって?!」くらいの印象で触手が動かず、今上演が初見。 観劇後「初演のキャストで観たかった〜!!」と思ってしまった(吉原さん、藤岡くん、村井さん!)
今日のキャストは蘭寿とむさん@デロリス・ヴァン・カルティエ×石川禅さん@カーティス。 日曜日だったけれど、正直【満員御礼】の札を目にしてビックリ! 立見も多く、初日以来リピーターも増えていったんでしょうか? カーテンコールで客席と一緒になって踊る【Raise Your Voice】もあり、【マンマ・ミーア】状態(振付講座動画がサイトにUPされてたのを観劇後に知った!)年の幕開けにはピッタリの華やかでハッピーになれる楽しい作品でした♪

教会のセットが重厚でありながら転換も鮮やかで見事ですね! ミラーボール☆の光を受けるシスター達の衣装も目にも華やかで楽しい! 拡散する光の粒を捕まえようとするシスターの仕草には子供頃を思い出してニッコリ♪ 「指揮者、すっごくノリノリだなぁ」と思っていたら塩田さんでした。 やっぱり…。

蘭寿とむさん@デロリス、私、蘭寿さん博多座宙組公演【コパカバーナ】以来の観劇(←2006年公演って!もう10年前って!ビックリ〜!!)。 歌は歌詞が聴き取れない部分や不安定な部分が多々あって厳しいけど、パァーンと明るい快活で豪快なキャラクターが凄くハマってる♪ センターで踊る様は流石にキマってる! ストレートプレイで拝見してみたい女優さんかも(コパカパーナの半ズボン姿は強烈だったもん!)
石川禅さん@カーティスは「なんで禅さん?」が正直な感想。 残念ながら美声が印象に残る曲もなく、芝居も「キャラじゃナイなぁ…」と観ているからかもだけど“無理してる感じ”がちょっと辛い。 「禅さんじゃなきゃ」っていう役で拝見したい!

そして「歌ウマなのに、もったいなぁーーーい!!」と思ったのは今井清隆さん@オハラ神父泉見洋平さん@TJ。 印象に残る曲が〜! 特に今井さんは先月近くの劇場で観た【貴婦人の時間】でも、消化不良だったのに! 歌が聴きたいのよぉ〜!

対して印象的だったのは…
石井一孝さん@汗っかきエディ! 観てるだけでニコニコ楽しくなっちゃう! そして歌でも大満足♪ 宮澤エマさん@スター・メアリー・ロバートは透き通る声がその周囲とは異質で際立ち、キャラクターにピッタリ☆ 春風ひとみさん@シスター・メアリー・ラザールスの“おばあちゃん”ぶりにビックリ! 浦嶋りんこさん@シスター・メアリー・パトリックはパワフルで素敵。 鳳蘭さん@修道院長は威厳を保ちながらチョコチョコ口の悪い本音が出る様が絶妙の塩梅でした。 シスターの皆さんは本当は歌ウマ〜なのに、ひどく下手に歌うのって大変そう。 あの下手Verにも楽譜ってあるのかな? 

新春浅草歌舞伎・昼の部【浅草公会堂】

なんと!私【新春浅草歌舞伎】、初めての観劇。 1月にお江戸遠征は何度もしてるけど、いろいろなタイミングが合わず毎年見合わせ〜、今遠征でやっと壱くんが出演の昼の部のみ観劇。 浅草公会堂内に足を踏み入れるのも初だったけど、とっても観やすいですね♪(三階席だったので階段が思いのほか大変でビックリ!) 女性スタッフさんは着物姿で素敵☆華やか♪(ご本人たちはいろいろと大変でしょうけど) 「せっかくお正月に浅草に来たんだから♪」と観劇後、空港に向かう前にコロコロ引いて立ち寄ったら…考えが甘かった! もの凄い人で本殿に行き着けず断念!残念!

観劇前に劇場外で今公演ポスターや招きを見て、私が歌舞伎を観始めた当時とは出演メンバーがガラリと入れ替わっている事にしみじみ「若い…」

お年玉の【年始ご挨拶】、本日は梅丸さん。 5年連続の浅草歌舞伎出演という事だけど、若い!可愛い!綺麗!五月人形みたい! それもそのはず、今月9日の成人式の新成人だそうで♪ しばらくは女形で拝見したい愛らしさ☆ これからがホント楽しみ!

傾城反魂香

壱太郎さん@又平女房おとくは猿之助さんに教わったそうで、安心して観ていられる女房ぶり。夫をサポートするしっかり妻、というよりも可愛らしさが際立った印象。
巳之助さん@浮世又平後に土佐又平光起は“悲壮感漂う又平”。 観ていて重過ぎて辛かった。 「 かか。ぬ、抜けた!」からの打って変わってのハッピーエンドへの流れを持ってしても、観劇後に「良かったねぇ」というカラリとした心持ちにはならず。巳之助さん、硬派な印象が強いからかなぁ?
梅丸さん@土佐修理之助は、又平との対比が見た目もキビキビとした動きや話し振りも鮮やかでキャラクターが際立った印象。大谷桂三さん@土佐将監光信がビックリするほどセリフが棒で聴き取り辛い。

吉野山

松也さん@佐藤忠信実は源九郎狐は初役とのこと。 狐の所作は大振りな印象で“子狐”っぽさはナイ。 壱太郎さん@静御前との“女雛男雛”は絵になる☆「ご両人!」
巳之助さん@早見藤太は踊りはさすがに達者なもののコミカルさにやや欠ける印象。 やっぱ硬派な印象が強いからか?…というのは私だけかも、なのでスミマセン! 初春に相応しい舞台を満喫♪

初春歌舞伎公演「通し狂言・しらぬい譚」国立劇場

国立の“新春☆菊五郎劇団”の公演を観るのは久し振り♪ 館内も初春の飾りが華やかで素敵なのは『国立劇場開場50周年記念』という事で例年以上なのか? 過去公演のポスターの掲出もあって【秋の河童】や【霊験亀山鉾】があって懐かしむ。 もう“国立劇場新作歌舞伎脚本入選作品”の上演はしないのかな?
ロビーで福岡や九州お菓子が販売されていて「?」…と思ったら、演目の舞台が九州だったんですね!(いや、初めて観るから…)
くろごちゃんグッズが更に充実していたっ!(観劇数日後“PNSP”動画で話題に!)前回は館内で遭遇したのに会えなくて残念。

原作は『江戸時代初期に実際に起きた筑前黒田家のお家騒動や島原の乱を題材に、江戸末期から明治期にかけて90編が刊行』されたもので、国立劇場では1977年、河竹黙阿弥が脚色した版を76年振りに復活上演!今回はそれ以来の再演だがほぼ新たに台本を…との事。

蜘蛛の巣あり、化け猫あり、筋交い宙乗りあり!の大立廻りに加え、屋台崩などの様々な仕掛けを駆使して見所満載! 亀蔵さん@ピコ太郎が茶屋から登場して『お照とお照でAh〜!!』で客席多いに湧く。 去り際、鳥居をくぐる前にちゃんと手を合わせて低頭する様が更に笑えた!(23日にはピコ太郎ご本人が登場)
でもでも、それよりも何よりも時蔵さん@鳥山家乳母秋篠が、乳母として育てた松緑さん@鳥山秋作に「お前の子が欲しい〜!」と迫る様が相当に笑えた! 最期には自らの命と引換えに病のを秋作を救うんだけど、この救われた秋作、急にメッチャ元気になり過ぎ! そりゃ〜あの乳母のバイタリティー溢れる血が入ったのだからさも有りなん、だけど落差がこれまた笑える。 昨年6月の博多座公演以来“菊ちゃん熱”が上昇中の私。 菊之助さん@大友若菜姫七草四郎はいずれも“折り目正しい正統派な美しさ”を堪能。

派手で楽しく、カッコよく、晴れやか痛快!で初春に相応しい「あ~、楽しかった♪」と帰路につける舞台。 これ、舞台も九州だし、博多座で上演してくれないかな?

壽新春大歌舞伎・夜の部【新橋演舞場】

義賢最期

こういうお役で拝見すると「やっぱり主役を張る華のある役者なんだなぁ」と思う海老蔵さん@木曽先生義賢。 いつも自分の台詞まわしに酔っているような印象があって、歌うように滔々と述べる口跡は聴き取り辛くて苦手だけど、迫力の立廻りでカッと決める見得はやはり絵になって美しい! 隣席の方は初観劇だったようで【戸板倒し】や【仏倒れ】で、肩をビクッとさせて息を呑んでいたのがイイ! 右之助さん@葵御前って、右之助さんの女形って、ものすっごく久し振りに拝見!新鮮! 猿弥さん@矢走兵内笑三郎さん@小万はソツなく、米吉さん@待宵姫は本当に愛らしい♪ 中車さん@下部折平実は多田蔵人、やっぱり歌舞伎って…すごく特殊なお芝居様式?なのかなぁ、としみじみ。

三代目市川右團次襲名披露 口上

市川右近改め三代目市川右團次襲名披露、二代目市川右近初舞台です。
下手より、門之助中車右近右團次梅玉猿之助男女蔵右之助海老蔵。 81年振りの右の誕生に、左團次さんのご出演と挨拶を楽しみにしていたら「歌舞伎座出演ですので代わりに私が出演」とは男女蔵さん。 海老蔵さんは「古典の時は仁丹、スーパー歌舞伎の時はフリスク」とTVで言ってたエピソードを披露。 右近くんは今舞台で“宙乗り”と“早替わり”を最年少で!らしく、その堂々とした挨拶にも大きな拍手が♪ ず〜っと応援してきた者からすると澤瀉屋から屋号が変わることが、とっても寂しく思っていたけど、今公演を観て、なんかいろいろと安堵。 「高嶋屋〜!

錣引

新・右團次さんの襲名披露狂言で『源平合戦の時代、双方の英雄が兜の“錣”というツバの部分を引き合い力比べをする』というお話。 “しころびき”私、初めて観ました。
右團次さん@順礼七兵衛実は悪七兵衛景清(平家)×梅玉さん@虚無僧次郎蔵実は三保谷四郎(源氏)で、テンポの良い踊りで兜をひっぱりあう様は、様式美に溢れていて楽しい♪ また九團次さん@木鼠次段太×米吉さん@伏屋姫の重宝の奪い合いでは、姫が果敢に向かっていく様に、思わず拳を握って「頑張れ!」と思ってしまう可憐さ☆
ラスト、右團次さんの飛び六方での引っ込みに「髙嶋屋!」「三代目!」大向うと大きな拍手。 すごくお目出度いんだけど「もう澤瀉屋じゃないんだ…」と改めてしんみりしながら、ん〜“襲名狂言”に合ってた…のか? 何故だか今ひとつシックリこない感じが残った。

黒塚

「猿之助さん(三代)の黒塚を生で観たい!観たい!」と思い続けて、ついにその願いが叶うことがなく…。 “何を演じてもソツなく上手い” 当代・猿之助さん@老女岩手実は安達原の鬼女なので安心して観ていられた…のですが、やはり“老婆”を表現するのは所作は出来ても“空気感”というか、枯れた感じ…というか表現するのは難しいんだなぁ、と。 ゆっくりとした動きで常に膝を曲げて、というあの体勢は全身の筋肉を総動員しての大変な動きかと。 対して鬼女はさすが!
猿弥さん@強力太郎吾は、道化役なんだけど…関係ない場面でも客席から笑い漏れるのはちょっと気の毒というか、なんだかなぁ〜。 右團次さん@阿闍梨祐慶中車さん@山伏讃岐坊門之助さん@山伏大和坊

ノートルダムの鐘【四季劇場・秋】

劇団四季×ディズニーミュージカルは【美女と野獣】【ライオンキング】【アイーダ】【リトル・マーメイド】【アラジン】に続いて今作が6作目! 【アイーダ】以外、ファミリー向け+ハッピーエンド娯楽作品が多い中、今作は“大人向け! ダークで奥深い物語”で異質。 私は【Song&Dance】で【僕の願い】を聴いて以来ず〜っとこの作品を観る事を熱望していたので、やっと! 「開幕キャストで観たい!」とチケット争奪戦に参戦するも、全く繋がらず過去一番開幕チケット入手が大変だった印象。

コーラスの“圧”が凄い!!!!!!』これは声を大にして言いたいっ!!! これは劇団四季での上演だからこそ出来る圧倒的な体感だと思う! 全編を通して男女8名ずつの聖歌隊が舞台奥に列座し大音量で劇場全体を震わせる様は荘厳であり、何故だか涙が出てくる不思議。 とにかくこれは是非劇場で全身で体感して欲しい!

物語のテーマ?は『人間と怪物、どこに違いがあるのだろう』。 ディズニーアニメーションって『悪役が先導して民衆が暴徒化する』ってのが定番な印象があるけど、今作でもそれは踏襲されている。

舞台転換はなく、常に7つの大きな鐘が再現されているノートル大聖堂のまま。 ステンドグラスを通す照明の美しさは“荘厳”で物語の重厚感に大きな役割を担っているように思える。 カジモドの友達であり、親でもあるかのように彼の吐露する気持ちに同意したり、アドバイスしたり、叱咤するのは教会の石膏像たちであり、また彼らが黒子のように大聖堂の柵や街並みや牢屋などを移動させ、組み立てて場面を変えて行く見事さ!

飯田達郎さん@カジモドは舞台に登場してから、背中の異形を背負い、顔を汚して役に入っていき物語が始まり…ラストはその逆の行程を行い、対して彼を取り囲んでいた人々が登場時のカジモドのように顔を汚して不自由な体勢を取って幕、という趣向は興味深い。 期待していた【僕の願い】は、アニメーション映画と歌詞が違うので「ついに聴けた〜!」という達成感?は、なかったもののやはり心震える素敵な曲だった。 劇中「どうぞ彼に幸せを!」と願いながら観劇し、胸が痛くなる好演。

しかし、なんといっても印象的なのは野中万寿夫さん@フロロー。 登場人物の中では“普通の人間に近い”彼が一番感情移入がしやすく、自分ではコントロール出来ない自身の感情に戸惑い、振り回され、苦悩する様が手に取るように解る。 故にエスメラルダに対する思いが暴走して、周囲を巻き込む様の怖さが際立つ印象。 野中さんは“戸惑いフロロー”。 「どうしちゃったの?自分…」と度々自問自答しながらもブレーキがかけられない自身に苦悩する様に人間味が溢れる。 フロロー役、これは是非いろんな役者さんで拝見したい!

岡村美南さん@エスメラルダは、強い意志を持ち、ジプシーという“定住しない、捕らえ所のナイ”感じが三人の男の運命を翻弄させる魅力的な女性として存在するものの、ちょっと彼女の心情の変化が解り辛かった印象。 彼女との出会いでカジモド、フロロー、フィーバスの運命が悲劇へと動き出す【Esmeralda】は演出、曲、共に圧巻! 牧清水大星さん@フィーバスは、観客はカジモドとフロローに激しく感情移入してしまうので、難しい役所かと。

キャスト
カジモド:飯田達郎/フロロー:野中万寿夫/エスメラルダ:岡村美南/フィーバス:清水大星/クロパン:吉賀陶馬ワイス
劇場
四季劇場・秋
日時
2017.1.13(金曜日)/13:00~