平成20年・博多座船乗り込み

昨日からの大雨で、本日の天気予報も開催が危ぶまれる空模様でしたが、無事開催されました(テレビジョン 動画ニュースはコチラ)
役者陣がキャナルシティ博多での乗船式典を終え、清流公園から船に乗り込んだまさにその時、日差しさえ~♪
乗船式典
キャナルでの乗船式典でサンプラザステージにズラリ豪華に居並んだ役者陣でしたが…「なんだか皆、覇気がナイ…汗」 表情がどんよ~りしていて一様に眠そうな感じ冷や汗 昨夜からの雨で今日の船乗り込みは中止に違いない!と思って中州でドンチャン☆…で、思いがけなくも本日開催でボ~ッと…なのでは?!と想像してしまったり~汗 笑顔が全く伺えないのはとっても残念でした悲しい
それでも船に乗り込み、両岸の見物客の声援を受けると皆さんイイお顔♪(例のごとく左團次さんの仏頂面は除く)
船一号船:藤十郎・菊五郎・梅玉 船二号船:左團次・時蔵・東蔵
船三号船:翫雀・菊之助・松緑 船四号船:團蔵・右之助・秀調
船五号船:権十郎・男女蔵・松江 船六号船:亀三郎・亀鶴・松也
船七号船:梅枝・萬太郎

以下、下船後に博多リバレイン・フェスタスクエアで執り行われました式典の各役者陣の挨拶をご紹介。

のぼり
青りんご 藤十郎さん
二年振りと思いますが【坂田藤十郎襲名公演】で二月に伺いまして、六月は久し振りでございます。 船に乗りまして、雨が降らないでイイ気持ちで両岸のお客様と手を振って…イイ心持ちでございました。 昼の部は【京鹿子娘道成寺】を、夜の部は音羽屋さんと初めてご一緒させていただきます【達陀】の青衣の女人。 二つとも若い役でございます! 喜寿記念というのはタイトルだけで、私まだまだ若こうございます! どうかお一人でも多くの方々の博多座へお越しくださますようお待ち申し上げております。
青りんご 菊五郎さん
昨年六月に引き続きまして、お招きいただき誠に有り難うございます。 私は昼の部【髪結新三】、夜の部【達陀】と演らせていただきます。 一生懸命務めますので宜しくお願い致します。
青りんご 梅玉さん
私も二年振りに大好きな博多座に出させていただくことになりました。 今回は昼の部では【対面】の工藤、夜の部では【菅原伝授手習鑑】で桜丸を演らせていただきます。 博多座で初めて切腹をいたします! その死に様を是非とも皆様にご覧いただきたく思います。
青りんご 左團次さん
私も昨年に引き続きまして務めさせていただきますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
青りんご 東蔵さん
私もご当地では二年振りに芝居をさせていただきます。 この元気な博多で、美味しいものを沢山食べ、大好きなお芝居を少しだけ演りまして…楽しみたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いします。
青りんご 時蔵さん
一昨年、昨年と続きまして三年連続で博多座に出させていただく事となりました。 また今年は私の二人の息子も出演させていただくことになりまして、こんなに嬉しい事はございません。 一生懸命務めますので応援宜しくお願いします。
青りんご 翫雀さん
私も一昨年、昨年引き続きまして三年連続で大好きな博多に来させていただきまして大変嬉しく思っております。 昼夜四役出させていただいておりますので皆様お一人でも多くの方に観ていただきたいと思っております。
スタッフTシャツ
青りんご 松緑さん
去年の二月以来、久し振りに博多座に来ることが出来ましてどうも有り難うございます。 私も今月は昼夜四役務めさせていただきます。 いろいろなバリエーションのお役をさせていただいておりますのでどうぞ期待して観に来てください。
青りんご 菊之助さん
本日沢山の方に暖かい声援をいただきまして有り難うございました。 皆様のお力を借りまして、口コミで宣伝をしていただきましてどうぞ二度、三度とお越しください。 そしてその声援に応えるべく一生懸命務めたいと思っております。
青りんご 松江さん
前回、博多座に出たときは一昨年の二月“中村玉太郎”として最後の舞台を務めさせていただきました。 今回は“中村松江”として初お目見えになります。
青りんご 権十郎さん
私も昨年に引き続きまして出させていただきました。 今日お集まりのお客様、お一人お一人必ず10人の知り合いを連れて博多座にお越しください。
青りんご 右之助さん
私も昨年の二月に引き続きましてのお目見えでございます。 一生懸命務めさせていただきますので、どうぞ宜しくお願い致します。
青りんご 秀調さん
一昨年、昨年六月に続きまして…家内の里で舞台が出来ますのはこんなに喜ばしい事はございません。
青りんご 團蔵さん
私も昨年の【十二夜】続きまして今年もお招きいただきまして有り難うございます。 皆様!博多座にどうぞお運びいただきまして…「ルッキンぐぅ~!」していただきたいと思います。(※本日B.Dで「お誕生日おめでとう♪」の大向うあり)
青りんご 男女蔵さん
私も二月に続いて今月も呼んでいただき嬉しく思っております。 私、博多大好きでございます!
青りんご 亀三郎さん
今回私は昼夜二役を務めさせていただきますのでどうぞ宜しくお願いいたします。
青りんご 亀鶴さん
私も今年の二月に続いて再び博多座にお呼びいただき誠に有り難く思っております。 皆様、どうぞまた博多座に足をお運びいただきたく思っております。
青りんご 松也さん
私も昨年の【十二夜】に続きまして出させていただきます。 一生懸命務めさせていただきますので、皆様どうぞ何度でもお運びくださいませ。
青りんご 梅枝さん
一昨年の二月振りの博多座でございます。 一生懸命務めますので宜しくお願いします。
青りんご 萬太郎さん
再び博多座に呼んでいただき非常に光栄に思います。
船乗り込み後半

團菊祭五月大歌舞伎・昼の部【歌舞伎座】

船 渡海屋・大物浦
今年の博多座【二月花形歌舞伎】獅童さんで拝見したばかりなので演目の記憶も新しく、その比較を楽しみながらの観劇となりました。
夜の部の弁天“浜松屋宗之助”で、むず痒いものを感じていた海老蔵さんですが…「海老蔵さんはこうでなくっちゃ!」というスカッとさせられる錦絵のようにキリリと美しい渡海屋銀平実は新中納言知盛の最期でした。 ファンではないけれど、こ~ゆ~お役で見得を切る海老蔵さんは本当に奇麗で見とれちゃいます。 私の席そばで外国の方が数人観劇されていたのですが、海老蔵さんが豪快な見得を切る度に身を乗り出してはち切れんばかりの拍手をされていたのが印象的でした(前のめり観劇はNGですが見ててコレは微笑ましかった♪) 白装束の血だらけ具合はものすご~くリアルで、口に含んだ血糊もセリフを言う度にゴホッと吹き出て…迫力満点! 鬼気迫るものがありました。
魁春さん@女房お柳実は典侍の局は…、こ~ゆ~石持女房(って言葉はナイけど)はピカイチ☆だと思います。 対して典侍の局は無念の色が色濃く出ていて◎
博多座ではすご~く珍しい四天王で強烈な印象でしたが汗こちらは若手イケメン四天王で(男女蔵さん亀寿さん亀鶴さん松也さん)知盛を追いつめる勢いと迫力は十分。 團蔵さん@武蔵坊弁慶のラストの髪型。 そのモミアゲだけ残して剃るのはさぞ大変だろうから…もう全部剃っちゃいないヨ!と思っちゃいました。 あのホラ貝の音って黒御簾の方がライブで…ですよね? イイ音に「我も出陣!」と思わず走り出したくなっちゃいます?!
最近、やたら葵太夫さんの髪型について書いてますが…今回は“あぜ道カット”でした! 演目によってご自身の中で髪型を決めていらっしゃるのでしょうか? 気になります~汗

桜 喜撰
三津五郎さん@喜撰法師のユーモラスさはいわずもがな絶品。 楽しげで軽快で、観ていて顔がほころんじゃいます♪  時蔵さん@祗園のお梶の艶っぽさに法師と共にうっとりしながらの観劇。 残り10分でゾロゾロ出てくる豪華メンバーの所化たちに加え、下手に清元連中+舞台奥に長唄囃子連中がズラ~リの大所帯に「さすが歌舞伎座!」の贅沢さに酔いました

熱燗 幡随長兵衛
市川新七さん改め新十郎さん@舞台番でお披露目。 あの固い台の上でまんじりともせず正座しているのは大変だろうなぁ~と思うのと同時に口跡の良さに驚かされましした。 おめでとうございます♪
珍しく上手客席通路を使った登場があるんですね! 珍しいといえば、團十郎さん@幡随院長兵衛×坂田藤十郎さん@長兵衛女房お時という組み合わせ。 これは『江戸歌舞伎の市川團十郎と上方歌舞伎の坂田藤十郎が歌舞伎座で共演』と話題となった今年三月公演で、藤十郎さんが喜寿記念として【京鹿子娘道成寺】を踊った際に團十郎さん@大館左馬五郎照剛で花を添えたお返し…との事。 どっしり構えて何もかも吞み込んで夫を送り出す女房の懐の深さと、玉太郎くん@倅長松の愛らしさが別れの切なさを倍増。 袴は必ず左足から履くものなんですね。
長兵衛の後ろに控える子分たち(海老蔵さん松緑さん権十郎さん松江さん亀寿さん亀鶴さん松也さん)に加え、三津五郎さん@出尻清兵衛梅玉さん@唐犬権兵衛。 全員が全員、縞の着物なのに全て色とその縞具合が違っていて、デザインのバリエーションに驚かされ「着物ってオシャレだなぁ~」と思いました。 血気盛んで喧嘩っ早い風情の子分たち風情がとっても良く出ていて面白かったです。 この子分達をまとめる親分の気苦労はいかばかりかと~汗
菊五郎さん@水野十郎左衛門不気味な敵役ぶりに、狡猾に仕掛ける罠に真っ向から立ち向かってゆく團十郎さん@幡随院長兵衛の勇壮さと人物の大きさが際立つ感じ。 とても彦三郎さん@近藤登之助のゆる~い一撃で倒されるようには見えないんだけど~汗 自分の棺桶を持って子分達に迎えに来させる…だなんて、なんて腹の座った男なんだよ!と感動しなから、風呂のセットに「浮世風呂、観たいなぁ~」と思ったりもしてました~汗
いや~、今年の團菊祭、特に見応えがあって面白かったです♪

わが魂は輝く水なり-源平北越流誌-【シアターコクーン】

今月、歌舞伎座では團菊祭だというのに…音羽屋さんから菊之助さん&亀三郎さんがご出演とは本当に驚きましたびっくり
私、初の“生・野村萬斎”なうえ、かねてより「亀三郎さんの声の良さを堪能出来る、もっとセリフが多い役で拝見したいなぁ~」と思っていた所にきて歌舞伎以外の舞台で初めて拝見出来る…おっ♪秋山菜津子さんもご出演だ~☆…で観劇決定! 実はどうやら来月の松竹座【七月大歌舞伎】も観る事になりそうなので(本目的は別の舞台ですが)、今月~六月博多座~七月松竹座…とまるで菊之助&亀三郎の追っかけをしてるかのようであります汗(とりたててファンでもナイというのに~) でもって気が付けばコクーンat蜷川作品も間をおかずして観劇している事に気が付きました(3月公演【覇王別姫】)
菊&かめさぶ
狂言界のブリンス・野村萬斎×歌舞伎界のプリンス・尾上菊之助の初共演を蜷川幸雄が演出…という事が話題となった今舞台ですが、一番印象に残ったのは詩的なセリフでした。 フレーズの一言一言が耳に残る…というものではありませんが、等々と流れるように語られるセリフには異空間に引きづり込まれるような感じを受けました。
このお話を書いた清水邦夫さんは自分の生きた時代をその作品に重ね合わせて書く事が多いそうで、表向きは源平合戦の様子が描かれたこの作品にも、実は書かれた当時(1970年代初頭)の連合赤軍による武装闘争が根底にあるらしい。 …のですが、もはやその時代から遠く離れ、歴史の出来事としか知らない私にとって「そんなの聞かなかったら全く解らんやった~」でした。
話題のプリンス共演は…野村萬斎さん@斎藤実盛尾上菊之助さん@実盛息子・五郎という役所。 平家の武将でありながら、源氏の木曽義仲の命を助けた過去がある実盛。 対して、その敵方である義仲軍に身を投じ、そこで切り株につまづいて命を落としてしまった(コレは嘘ですが)息子・五郎。 親子ともに敵方の懐深く入り込んでしまったが為の悲運の武将であり、その死に場所(五郎はもはや死んで亡霊ですが)を求めて彷徨う姿に壮絶な執念と悲哀を感じます。
いつまでも子供のようタダっ子のな頑固さと快活さを持ち合わせた老武将・実盛はピーターパンのようで、その実盛に陰のように付き添いながら心配し助言し、時には尻を叩く五郎はティンカーベルみたい…と思ったのは私だけでしょうか?(大っきいけど) 菊之助さん@五郎のお着物のフワフワ感に浮遊して飛び回っている雰囲気もあり、ふっくらと色白の肌にパッチリお目めめのストレート黒髪には“女の子”を感じたからでしょうか? 父親にしか自分の姿が見えないと思っていた所に、弟・六郎があたかも見えるように言った嬉しさに思わず抱きつこうとした所にサッとかわされ、地面にビタン!と顔から倒れ込む爆笑シーンでは、ハラッと袴がはだけて見える白い生脚に「女の子だぁ~」と思っちゃいましたし汗

よつばのクローバー 野村萬斎さん@斎藤実盛
もっと大きい方かと思っていたら…菊ちゃんと同じくらいの背丈なんですね。 甲冑を着ているものの、細い~。 60歳という年齢設定の為、大袈裟に顔に書き込まれた皺とウェービィ~な白髪に…ちょっとドラマ【のだめカンタービレ】の竹中直人@シュトレーゼマンを連想してしまった汗(ゴメン!萬斎さん) 若き日に義仲に託し、破れた夢をいまだに求めながら死に場所を探している老武将の錯乱する様はラスト迫真となりつつ…でもちょっと笑いも混ぜて引きつけられました。 戦場で己の白髪が目立つため黒く染め、なおかつ皺を隠すため化粧を施す様は…面白いながらも、鬼気迫るものがありました。

よつばのクローバー 尾上菊之助さん@斎藤五郎
幕が上がって紗幕の奥に佇む後ろ姿は…最初女性かと思いました汗 この初っぱなの五郎の膨大なセリフの量にまず圧倒されました。 前段でも述べましたが亡霊というよりは…でしたが「この人は生前、心が真っ白で真っすぐな人だったんだろうなぁ」と思わされる透明感が印象的でした。
「生きている人間は淫らだ、淫らな夢を追いすぎます」「死人は立派すぎる、高貴な夢を語りすぎる、とくにお前のような若い死人はな」…という親子の会話は特に印象的でした。
しか~し!團菊祭を蹴ってまで出るほどの舞台だったか?」…と言われれば、歌舞伎ファンとしては「團菊祭に出て欲しかった」と思ってしまったのが正直な感想です。
よつばのクローバー 坂東亀三郎さん@斎藤六郎
とにかく歌舞伎以外の拵えで拝見する亀三郎さんが新鮮! 無精髭にウェーブがかかった長髪を後ろで束ね、前髪がハラリと顔にかかっている様に「浅野忠信に似ている?!」と思ったのは私だけ?汗 声はさすがに良く、セリフにもすご~く表情があるものの…体が止まっている。 セリフを言っている時の体が全く動かず、しかも言っている相手に思いっきり向いているので…時には舞台奥に声が飛んでいってしまったり、袖に飛んでいってしまうのは残念汗 と言っても鮮やかな口跡なのでハッキリと聞き取れるのですが~。 とにかくセリフにすごく情感がこもっているのに体がパキッと固まってしまっている事に違和感がありました。 しかしながら総体的には今後の…歌舞伎以外の舞台でのまたのご活躍を期待させる舞台でした♪

よつばのクローバー 秋山菜津子さん@巴
「何故にロングブーツ?!」と今舞台で一番気になってしまいましたが~汗 こ~ゆ~タイプの凛とした強いカッコイイ…でも陰ある女はハマリ役ですね(でもTVだとコミカル系が多いのは何故?) 実盛親子三人を翻弄させ破滅へと導く魅力と、狂気の集団と化した集団を率いるカリスマ性は説得力がありました。 印象的だったのは唯一彼女の弱さを垣間みた「その眼は絶えずこの巴を責め続けた。時には哀れむように、時には冷たく刺すような視線で…」という五郎に対してのセリフでした。

よつばのクローバー その他のキャスト
長谷川博己さん@平維盛はひょうひょうとしたおどけた面白さに引き込まれました。 セリフの間とトーンがなんとも絶妙♪ 戦術をあたふたと練る家臣に「やっと私の意見を聞いてくれた」「ほれぇ~」には大爆笑☆ 背が高い方ですね~。 津嘉山正種さん@藤原権頭は実盛とのポンポンと遠慮のナイ会話が楽しくも、ピリリと〆る重厚感もあり。
舞台は森~海とそれぞれを行き来するような場面転換ですが、その転換がなんとも鮮やか☆ 合戦後の死体うごめく戦場の惨事では天井から白馬が逆さに吊るされていて衝撃的でした。 今回は…鏡はなかったな(客席通路使用は多用だったけど)

ルドルフ【帝国劇場】

宮本亜門さん演出のミュージカル作品を観るのはこれで三作目。 【スウィーニー・トッド】があまりにも好きだった為、【 トゥーランドット】にも期待したのですが…「あらぁ~」だったもんで汗(これは脚本やキャストにも問題が~)、今作品も一体どうなる事やら~と危惧しながらの観劇でしたがコレは○なのではナイでしょうか。 周囲の観劇の友に聞くと亜門さんって“イイか悪いか…の振りが大きい”らしいですが。 ウィーンものを亜門さんがどのように演出するのか、ものすご~く興味があったので観劇に至ったのですが観て良かったです。
印象的だったのは大きな舞台空間をセットや照明で巧みに切り取り、ものすごく奥行きとスケールを感じさせる舞台美術だった事。 特に城内の大広間は果てしない大きさと重厚さ、威圧感を感じました。 また帯状のライティングにより道や廊下を浮き上がらせ、馬車に注ぎ浴びせる流れるライトはスピードと焦燥感を感じさせ巧み。 オープニングとラストシーンにリンクするルドルフの額縁に入っての自殺シーンは、【ルドルフの自殺】というようなタイトルの有名絵画が存在するのでしょうか?(勉強不足ですんまっせん汗) 有名西洋絵画を室内壁装飾にあしらった工夫も面白かったです。 今作品と【トゥーランドット】で思ったのは巨大セットと舞台空間の使い方の上手さでした。 空間デザインが…立体的なデザインが出来る人って憧れます(二次元デザインで限界な私汗
人を使った表現では、床から“モグラ叩き”のように人が出てくるとか、足長竹馬&半身スケボー?(ひのあらたさん、長い脚が更に長~く)とか…悪夢や強迫観念にうなされている妄想部分の表現が新鮮でしたが…浦井健治さん@ヨハン・ファイファーの必要性は「?」でした(本家の演出でも登場キャラですか?) ストーリーテーラーとしては弱く、夢先案内人のような雰囲気でしたけど…「?」でした。 あの動きなら森山開次さんで観てみたかったなぁ~(歌がなければネ)
ストーリーは個人的には【エリザベート】を観た事があるから楽しめた…という部分が多分にあり、この作品単独で観たら果たして楽しめたか?というのは謎でした。 各々のキャラクターの描かれ方が今ひとつ魅力的でなく、特に主人公の二人には嫌悪感を抱いてしまった事は致命的。 …ってコレは私の井上芳雄さんと笹本玲奈さんに対する苦手意識が大きく作用している事も要因だと思うのですが汗 しかしお二人とも…特に井上くんは歌も演技も格段に上達されていたのには驚かれました。 キャラクターとして唯一好印象だったのは香寿たつきさん@ラリッシュ。 楽しみにしていた壤晴彦さん@フランツ・ヨーゼフは、ことごとく自分の意に添わない息子に対してのイライラ感の表現が巧みで感嘆(どうしても六平直政さんに見えて困った!)
曲は…多分、回数聴くとリフレインするナンバーもあるかと思うのですが、印象に残ったのは井上芳雄さん@ルドルフが民衆に対して演説する曲。 [井上くん、歌ウマ~…」と素直に感動。 改めて貴公子然としてたヴィジュアルと帝劇ロビーでのグッズの充実ぶりの人気に「彼はプリンスなのね~」と思った次第(苦手だけど今回は素直にそれを認めざるおえなかった)

團菊祭五月大歌舞伎・夜の部【歌舞伎座】

シアタークリエにて【レベッカ】マチネ公演観劇後カーテンコールをブッちぎって、ダッシュで歌舞伎座へ! …ってそれでも序幕15分ほど遅刻しました汗 周囲のお席の方ご迷惑かけました~ 滅多に観れない序幕だったのに…ホント残念。

白浪ゴレンジャー
地球 青砥稿花紅彩画 白浪五人男
実は来月、博多座にて菊之助さん@弁天小僧菊之助で【浜松屋見世先より稲瀬川勢揃いまで】がかかるので、このとほか楽しみに観劇(今月は團菊祭というのに菊ちゃんはコクーン出演で不在) その【浜松屋見世先】での菊五郎さん@弁天小僧菊之助「もう化けちゃあいられねぇ~」からの痛快なまでの鮮やかな変わり身はさすがに楽しく、“てやんでぇ~、べらぼうめぇ~”ポンポンと飛ぶ勢いのある会話が耳に心地良い♪ ただ…ちょ~っと娘姿には頬のタルタル具合が今回はひどく気になりました汗
先月の【浪花花形歌舞伎】に続いてまたしても橘太郎さんのラブリー番頭だったのが激しくツボ! 愛嬌あふれる番頭さんはホントにハマり役なうえ、浜松屋の番頭与九郎はラストには丁稚二名と三人でオリンピックネタを披露。 笑わせていただきました~♪

そして意表をつかれたのは海老蔵さん@浜松屋宗之助。 團菊祭ならではの配役でしょうが…ファンの方、いかがでしたか?汗 後ろに大人しく控えていても、どうしても目がいってしまうのは華あるオーラのせいか? はたまた…“舞台あらし”か?!(byガラスの仮面)
今回【稲瀬川勢揃いの場】で初めて思った事、それは…キラキラ五人男のツラネは『スーパー戦隊シリーズの原点だ!』キラキラと。 きっと白浪五人男からアイデアを得たに違いナイ!と。 もしかしてこの考えは激しく既出?! ちなみに私、原点【秘密戦隊ゴレンジャー】世代。 なにせ祖父から初めて買ってもらったレコードがゴレンジャーの主題歌だったもんな♪ 敵を倒す前に5人のヒーロー達が各々の自己紹介を節を付けて次々と述べ「五人揃って~」となるのは正にコレですよ、コレ! 今までにも何度となくこの場は観ているのに、こんなふうに感じたのは初めて。 おそらく菊五郎さん@弁天小僧菊之助團十郎さん@日本駄右衛門左團次さん@南郷力丸時蔵さん@赤星十三郎三津五郎さん@忠信利平…という豪華配役で、このうえない贅沢で心地よいツラネに「ハッ☆」と気付くものがあったようです。
二十一世紀にもなった現代でも脈々と受け継がれているこのスタイルの生みの親・河竹黙阿弥…スゴイよ。
【極楽寺屋根裏立腹の場】が圧巻! 下座音楽が奏でるスピードと立ち廻りのスピードがリンクして、菊五郎劇団の素晴らしいチームワークの技が次々に繰り出され手に汗握ります! 立腹~がんどう返し~山門セリ上がり~、という大迫力の場面転換に「歌舞伎、カッコイイ~っ♪」と改めて歌舞伎の面白さに感動~。 でもって、團十郎さん@日本駄右衛門が石川五右衛門のようにドーンと構えてカッと目を見開き見据える姿に「でっけぇ~!」 富十郎さん@青砥左衛門藤綱のスコーンと鮮やかに突き抜けた口跡で壮快な〆。

サル 三升猿曲舞
“しかくばしらさるのくせまい”…って読むんですね。 この…“しかくばしら”ってのは四人の奴を指すのでしょうか? 松緑さん@此下兵吉はりりしく、ソロ舞踏では久々拝見しましたがキビキビしていて心地良い打ち出し~。