八千代座こけら落とし公演【八千代座】

熊本県山鹿(やまが)市にあり江戸時代の面影を残す、国指定重要文化財の芝居小屋【八千代座】。
平成8年から保存修理を始め、この春ようやく修理が完了。 平成こけら落としとなりました♪

傾城反魂香

主人公の翫雀さん@又平は、言葉のハンデがあるが故に、師匠から名字を受ける事が出来ません。  又平が絵師としての将来を悲観し、自害を決意するまでのくだりは、申し渡される理不尽な道理と、夫に替わって師匠に直談判する、孝太郎さん@女房おとくの夫に対する愛情とで涙を誘います。 「手も二本、指も十本ありながらなぜ吃りには生まれしゃんしたぞいなぁ」という、おとくのセリフに涙腺全開! そして自害を決意した後、入魂の遺作として描いた手水鉢の 絵により、事態が一転。 その喜びを体全体で表現する“愛らしい夫婦”がとっても 可愛くて素敵でした♪ 世話女房の“おとく”は、夫にひたすら尽くすしっかりもの。 それがラストにはハッピーエンドとなるのでとっても嬉しい。 孝太郎さんの鼓も聴けました♪

身替座禅

大名の仁左衛門さん@右京は、恋仲の花子との逢瀬を楽しみたい けど…右京の奥方はものすご~く嫉妬深くて 恐いコワイ翫雀さん@玉の井。 そこで「最近夢見が悪いので 仏堂にこもって座禅をする」という口実を思い付き、 玉の井をだまし、 家来の太郎冠者に自分の替わりに座禅をさせ、花子の元へと 出掛けていきます。 しかし…仏堂に玉の井が尋ねてきたから、さぁ大変!というコメディー♪
ものすごく嫉妬深い奥方と、その嫉妬深さにおびえながらも 浮気を画策する右京&家来の太郎冠者とのやりとりが大爆笑(^o^)  私の大好きな翫雀さんの玉の井は、 恐いながらも「夫の事が好きで好きでたまらない可愛さ」が あって、その表情や仕種が、スーパー・ラブリ~v(^o^)v  玉の井は立役さんがされるのが通例だそうですが、 恐い奥方を演じられても“+ラブリー”な役者さんはなかなか いないのでは?!
仁左衛門さん@右京。 愛之助さん@太郎冠者。 歌舞伎界の二枚目がそろいもそろって翫雀さん@玉の井を 恐れる様子は…そりゃ~もう~大爆笑でした~!!

團菊祭五月大歌舞伎【歌舞伎座】

メディアで見聞きしていた“新之助人気”を目の当たりにして、まずは劇場の雰囲気にビックリ!(2月の博多座では…そんなでもなかったので) いや~、スゴイです。 舞台では福助さん@明石の君がせつなくて美しい…。 ラスト、雪が舞い散る中での 母娘の別れでは涙腺全開! 小さな姫の「お父ちゃま」「お母ちゃま」という呼び方もツボにハマって…。 あとは…菊之助さん@葵の上の嫉妬ぶりがカワイらしくて好きでした♪
三幕通しての新之助さん@光の君は…ちょっと持続が辛いかな?と思いました(特に声)  公演ポスターはファンにはたまらない“三之助勢揃い”の 平安絵巻でシビレました♪

摂州合邦辻

菊五郎さん@玉手御前の、新之助さん@俊徳丸への迫り具合がスゴイ! お話の前段を知らないと、かなり「?」な合邦庵室の場。 本当の事情を知らなかったとはいえ、娘・玉手御前を刺してしまう團十郎さん@合邦と狂った(フリ)娘を案じる田之助さん@妻おとくの悲哀にも魅せられます。
病鉢巻きが似合う…新之助さんはハツラツとしたキャラよりも ちょっと憂いている方が“美しさ”が際立つなぁ…と思ってしまいました。

英執着獅子

イヤホンガイドでも「80ウン歳とは思えない」と再三繰り返すほど 雀右衛門さんは可憐で、躍動感あふれる舞いは美しい! 前段は傾城姿で華麗な舞いを、後段では力強い獅子の舞いで魅せられました! 素晴らしい!!!

伊勢音頭恋寝刃

夏の風情が感じられるセットや衣装がとても楽しめました♪ 菊五郎さん@万野はほんと憎らしいキャラで、團十郎さん@福岡貢と一緒になってイライラしてしまいました! 貢が大勢の人の前で辱められたのに逆上して次々と人を殺してしまうくだりが、あまりにも唐突で「?」 恋仲の時蔵さん@お紺までも斬り捨てるし…「?」 陰惨な殺戮の前に芸妓が居並んで伊勢音頭を踊るシーンは綺麗でした♪

関三奴

三津五郎さん&辰之助さんの奴♪ 毛槍を持って二人の奴によるかけあいは絶妙でした。 奴もの(と言うのかな?)って、フラメンコのような激しい足拍子があってすごく好きなんです。 軽快なリズムで踊る様子は見ていて元気をもらえました☆

新・三国志II【新橋演舞場】

「Part2として作る意味があったのかな?」と いうのが正直な感想です。 宙乗りにしても…「宙乗りにしなくてはいけない必要性」 は感じられず、お約束シーンを盛り込んだ…という感じが強かったですし、 アクロバットの連続技に魅せられたとしても 「そこまでする必要があるの?」という、ちょっと過剰気味演出である印象が ぬぐえませんでした。 “スーパー歌舞伎”の“スーパー”な部分が、私の中ではちょっとズレてきた感じがしました…。

衣装は今回も素晴らしかった! チーム編成によるカラーリングはもちろんの事、 細部にわたるデザインまで魅せてくれました♪ 南方国の美人姉妹の衣装、胸の部分が…昔のアニメ【マジンガーZ】の“おっぱいロケット”のようにどうしても見えてきて、バーンと飛び道具が胸から出ないかなぁ…と期待しましたが、それはなかったデスね、やっぱり。  舞台セットや表現の手法に「お~っ、オグリだ!」「お~っ、八犬伝だ!」 というものが見受けられ、その時の感動も思い出されて 楽しめました♪

役者さんに関しては、前半のくどさが気になりつつも笑三郎さん@祝融が好きでした♪ 恋を知ってた女心の経過をとても自然に観ることができ、グッときました…。 ご自身も より一段とシャーブになって美しさに磨きがかかり、衣装替えも多く 視覚的にとても楽しませてもらいました♪

ご贔屓役者・段治郎さん@馬謖は、若き武将という精悍な感じが出ていて好演でしたが、ストーリー自体がもう少し死に至るまでの馬謖の活躍が描かれていると、より「殺すには惜しい…」という点が 際立ったのではないかしら?…とちょっと残念。  猿之助さん@孔明のセリフのみで説明される状況はちょっとツラかったような気がしました。

そして、今回のお気に入りのキャラは…仲達親子☆ 段四郎さん@仲達猿四郎さん@子元段三郎さん@子尚の“紫三人組”はナイスでした♪  弟が兄に向かって「兄上」というのは分かるけど、 兄が弟に向かって「弟!」と呼ぶのには笑えた~。 …名前を呼んであげなよ。
実は、途中からこの仲達親子が【おじゃる丸】にでてくる“小鬼たち”にイメージがダブってしまって、しょうがなかったんです、私☆  「やい!孔明、今日こそはお前の命をいただくでごんす!」 「ひとまず今日は退散するでごんす!」ってな感じで…。

最近、何故か“笑いどころ”探してしまう自分の観劇姿勢に困っています〜。
来年3月の博多座では、どのように変わっているか楽しみです♪