What is 狂言?【福岡アクロス】

九州市民大学の6月講演会(私は受講生ではナイのですが)、講師は狂言師・野村萬斎さんで1時間半に行ってきました。
公演タイトルにあるように『狂言とは…』という簡単な歴史から決まりごと、楽しみ方などの解説をサラサラとよどみなく、あの美声で解説。 終始背筋がピーンと伸びているので、聴講している側も自ずと姿勢が良くなる感じ~。 映画【のぼうの城】の話しもチラっと。
講義後半に袴狂言【附子】が上演(演者:野村萬斎・中村修一・内藤連)。 私、これ、小学生の時に国語の教科書に載ってて…その年の学芸会で上演しました。 太郎冠者?次郎冠者?、どちらの役を演じたのかは忘れましたが、剣道部から袴だけ借りて身につけ、上半身は自分の服(青いカーディガンだったかと)というシュールな拵えで舞台に立った苦い?思い出があります。 一休さん(アニメだけ?)にもこのエピソードはありますよね?
狂言や能を観て思うのは「やっぱり三味線の音が欲しい」。 歌舞伎に慣れ親しんでしまうと、聴覚にも視覚にも物足りなさを感じてしまう事が悩まし~い!…と思った講演でした。

六月博多座大歌舞伎・夜の部【博多座】

今公演は夜の部のみ観劇…という事で彌十郎さんを拝見出来ずに無念!

小栗栖の長兵衛

中車さん@小栗栖の長兵衛。 中車さんの歌舞伎、初めて拝見。 …というか生の香川照之さんを拝見するのも初めてのような。 “演技派”とよばれる器用な俳優さんでも、歌舞伎でのお芝居というのは独特で一朝一夕ではすごく難しいんだなぁ…と痛感させられた一幕。 危惧していた空気感よりも、新歌舞伎としてもセリフまわしの方が聴いていた辛かったのは意外でした。
でもって個人的には久々に博多座の歌舞伎の舞台で観た段治郎改め月乃助さん@堀尾茂助。 嬉しい、よりも寂しい気持ちでいっぱいに…(あんた5年前はスーパー歌舞伎で主役張ってたじゃないのさ!)

襲名披露口上

今公演は…残念ながら段四郎さん、猿翁さんが休演です。 四代目市川猿之助の襲名披露口上に、ご自身のお父様、そして伯父様が列座出来ないとは…なんとも寂しい事です。 並びは上手から…
秀太郎門之助寿猿猿弥彌十郎藤十郎猿之助中車笑也春猿月乃助笑三郎右近
手元に書面を用意して読み上げながらの紹介は初めて見たよ、藤十郎さん! 彌十郎さんの「猿翁のお兄さんに付いて20年勉強をした」というお話しに、その頃の舞台をもっと観たかった!と悔やみ、寿猿さんの「澤瀉屋で50年」という言葉に感嘆し「どうぞ末永くお元気で」と強く思いました。 そして私が知らなかっただけなのですが、秀太郎さんの澤瀉屋さんとの、先代の猿翁さんから続く長く濃いエピソードに大変驚き、改めてこの席にご本人が居ない寂しさを感じました。 そして中車さん、ご自身の息子・團子くんと親子で歌舞伎の世界に飛び込んだ並々ならぬ決意の様を痛いほど感じ「團子くん、こりゃ大変だぁ」と思った口上でした。

楼門五三桐

猿翁さん@真柴久吉で親子対決~が見所だったのに残念! 代役は右近さん
中車さん@石川五右衛門。 上演時間が短いとはいえ、何故この役を演じさせたのでしょうか?…と大変失礼ながら気の毒になるほど「ちっせぇ」。 小栗栖の長兵衛ではなんとか乗り切れたものの、露見してしまった!というような印象を受け、中車さんがこれから歩み続ける歌舞伎の道の険しさを一観客ながら案じた次第

川連法眼館の場

藤十郎さん@源義×秀太郎さん@静御前という…プラチナ婚を迎えていそうなくらいのカップルに、ん~歌舞伎!と思ってしまう~。 秀太郎さん、お姫さまじゃナイにしてもその衣紋はちょ~っと抜き過ぎじゃナイでしょうか(驚異的に綺麗だけども!)
猿之助さん@佐藤忠信実は源九郎狐は、ただもう安心して観れいられる感じ。 今まで何度となくいろんな役者さんで観てきた四の切ですが、『一番子ギツネらしかった!』 猿之助さんの小柄さとチョコチョコ細かく動く動作や表情に子供の無垢な愛らしさが良く出ていて、親を想う気持ちが切々と観る者の心に訴えてきます。 鼓を手に喜びいさんで宙乗りで引っ込んでいく様に「良かったね、ホント良かったね♪」と誰もがニッコリと見送った感じでした。 やっぱり…悔しいけど(←何故か?)上手いぜ、亀ちゃん(←もう猿之助さんです)、と思った打ち出しに、場内総立ちのスタンディングオベーション~カーテンコール。
祝・四代目市川猿之助!! 澤瀉屋~!