天璋院篤姫【博多座】

大河ドラマ【篤姫】は、堺雅人さん@徳川家定が出ている期間だけ観た…という私。 故に実はどんなお話か知らず…でも、連続テレビ小説【ちゅらさん】は何度かあったSPバージョンも全て観た(沖縄ものだからな!)…という私。 舞台初出演にして主演の国仲涼子さんに観に行く事を迷っていたら…な、なんと~!! 石川禅さんの御出演が判明→「行く!(即決)」 まさかミュージカル作品以外で博多座への御出演があるとは思わなかったし、それがまさかの西郷どんで…というビックリなキャスティングに初日開けてすぐに観劇。
博多座のロビーは“まるで鹿児島物産展”のよう。 春に九州新幹線全線開通とあって、北部九州からの観光客の呼び込みにかなり力を入れている模様。 確かに博多~鹿児島が約1時間20分だなんて凄く魅力的☆ これで潜りに行くのも楽々~(あとは財布との相談だな)
“噴煙を上げる桜島(鹿児島)”と“籠・鼓・紙風船(江戸)”の道具幕…というのかな?の仕切りが、この幕がどの場か…という観る側に解らせ、演者が透けて見えて…幕が上がりお芝居が始まる、という手法が印象的でその世界に誘われます。
♪お~くの お~くの おくのおく~♪という歌は辞めてほしい(大奥シーン)。 手紙や回想シーンですっぽんを上手く使われていたのが印象的。 …なのに、衝立ての後ろからふいに登場する西郷輝彦さん@島津斉彬には拍子抜け(なんか、なんだかなぁ~)。 だけど幽霊となって出て来る富田恵子さん@ばあやと篤姫のコミカルなやり取りは面白い!  家定と姫のシーンはどれもとても良かったです。 『生まれ変わったら菓子職人に』というくだりに涙。 終盤の雑巾がけのシーンはいろいろな事を象徴していて印象的。

国仲涼子さん@おかつ(篤姫)は、わざとそういう演技なんでしょうけど可愛い無邪気さがすごくテレビ的な感じがしました(これは篤姫になっても“テレビ的感”は拭えず) 篤姫になってからも、大奥はもとより表の政治にも影響を及ぼす存在…には厳しい印象ですが、所作は綺麗ですごく努力されている様が見えたような。 細かい表情の演技は良いのでしょうが、やはり3階席迄にはなかなか伝わりづらかったです。
私、実は日本人役の禅さんもミュージカル以外の作品で拝見するのも初めてです(時代劇は初出演との事) 石川禅さん@西郷吉之助は、登場の闇夜での立ち廻りは鹿児島弁のせいか?激しい動きのせいか?…何を言ってるのかさっぱり聴き取れません。 「おいおい、切腹している人が目の前に居るなら介錯してから逃げてやれよ~」とスタコラ逃げる様に爆! ビックリな事に、西郷どんなのに、なんと禅さんの歌が聞けます! 酒宴の席で【鹿児島おはら節】を一曲、朗々とイイ声で歌い上げます。 ミュージカルの禅さんファンには嬉しいサービスシーンですね♪ 幕開き~終演まで一貫して出ている…という意外な出番の多さにビックリで、段々と芝居の熱さが“暑さ”に変わる感じが楽しめました。 「暑いよ、禅さん…」と苦笑いながらも、篤姫の書と桜を受け取り涙ぐむシーンは引き込まれました。 「えへんっ、えへんじゃ!」
その他の役者さんは…
西郷輝彦さん@島津斉彬は、意外に印象に残らず。 床嶋佳子さん@お幸の方と篤姫の二人の兄がイイ! 特に二番目の兄はナイスなキャラ好演。 徳川家定役の方もそのキャラクターにすごく似合ってました。 青山良彦さん@勝海舟はさすが、さすがです! お一人で時代劇を背負ってる、と言っても過言ではナイくらい青山さんのシーンは“これぞ舞台での時代劇”感がハンパなく、お芝居をピシッと締めている印象でカッコイイです。 宮本真希さん@皇女和宮も好演。
ひとつのお芝居としてきちんとまとまっていた作品でした(以前観た【大奥】より断然好き)