團菊祭五月大歌舞伎・昼の部【歌舞伎座】

船 渡海屋・大物浦
今年の博多座【二月花形歌舞伎】獅童さんで拝見したばかりなので演目の記憶も新しく、その比較を楽しみながらの観劇となりました。
夜の部の弁天“浜松屋宗之助”で、むず痒いものを感じていた海老蔵さんですが…「海老蔵さんはこうでなくっちゃ!」というスカッとさせられる錦絵のようにキリリと美しい渡海屋銀平実は新中納言知盛の最期でした。 ファンではないけれど、こ~ゆ~お役で見得を切る海老蔵さんは本当に奇麗で見とれちゃいます。 私の席そばで外国の方が数人観劇されていたのですが、海老蔵さんが豪快な見得を切る度に身を乗り出してはち切れんばかりの拍手をされていたのが印象的でした(前のめり観劇はNGですが見ててコレは微笑ましかった♪) 白装束の血だらけ具合はものすご~くリアルで、口に含んだ血糊もセリフを言う度にゴホッと吹き出て…迫力満点! 鬼気迫るものがありました。
魁春さん@女房お柳実は典侍の局は…、こ~ゆ~石持女房(って言葉はナイけど)はピカイチ☆だと思います。 対して典侍の局は無念の色が色濃く出ていて◎
博多座ではすご~く珍しい四天王で強烈な印象でしたが汗こちらは若手イケメン四天王で(男女蔵さん亀寿さん亀鶴さん松也さん)知盛を追いつめる勢いと迫力は十分。 團蔵さん@武蔵坊弁慶のラストの髪型。 そのモミアゲだけ残して剃るのはさぞ大変だろうから…もう全部剃っちゃいないヨ!と思っちゃいました。 あのホラ貝の音って黒御簾の方がライブで…ですよね? イイ音に「我も出陣!」と思わず走り出したくなっちゃいます?!
最近、やたら葵太夫さんの髪型について書いてますが…今回は“あぜ道カット”でした! 演目によってご自身の中で髪型を決めていらっしゃるのでしょうか? 気になります~汗

桜 喜撰
三津五郎さん@喜撰法師のユーモラスさはいわずもがな絶品。 楽しげで軽快で、観ていて顔がほころんじゃいます♪  時蔵さん@祗園のお梶の艶っぽさに法師と共にうっとりしながらの観劇。 残り10分でゾロゾロ出てくる豪華メンバーの所化たちに加え、下手に清元連中+舞台奥に長唄囃子連中がズラ~リの大所帯に「さすが歌舞伎座!」の贅沢さに酔いました

熱燗 幡随長兵衛
市川新七さん改め新十郎さん@舞台番でお披露目。 あの固い台の上でまんじりともせず正座しているのは大変だろうなぁ~と思うのと同時に口跡の良さに驚かされましした。 おめでとうございます♪
珍しく上手客席通路を使った登場があるんですね! 珍しいといえば、團十郎さん@幡随院長兵衛×坂田藤十郎さん@長兵衛女房お時という組み合わせ。 これは『江戸歌舞伎の市川團十郎と上方歌舞伎の坂田藤十郎が歌舞伎座で共演』と話題となった今年三月公演で、藤十郎さんが喜寿記念として【京鹿子娘道成寺】を踊った際に團十郎さん@大館左馬五郎照剛で花を添えたお返し…との事。 どっしり構えて何もかも吞み込んで夫を送り出す女房の懐の深さと、玉太郎くん@倅長松の愛らしさが別れの切なさを倍増。 袴は必ず左足から履くものなんですね。
長兵衛の後ろに控える子分たち(海老蔵さん松緑さん権十郎さん松江さん亀寿さん亀鶴さん松也さん)に加え、三津五郎さん@出尻清兵衛梅玉さん@唐犬権兵衛。 全員が全員、縞の着物なのに全て色とその縞具合が違っていて、デザインのバリエーションに驚かされ「着物ってオシャレだなぁ~」と思いました。 血気盛んで喧嘩っ早い風情の子分たち風情がとっても良く出ていて面白かったです。 この子分達をまとめる親分の気苦労はいかばかりかと~汗
菊五郎さん@水野十郎左衛門不気味な敵役ぶりに、狡猾に仕掛ける罠に真っ向から立ち向かってゆく團十郎さん@幡随院長兵衛の勇壮さと人物の大きさが際立つ感じ。 とても彦三郎さん@近藤登之助のゆる~い一撃で倒されるようには見えないんだけど~汗 自分の棺桶を持って子分達に迎えに来させる…だなんて、なんて腹の座った男なんだよ!と感動しなから、風呂のセットに「浮世風呂、観たいなぁ~」と思ったりもしてました~汗
いや~、今年の團菊祭、特に見応えがあって面白かったです♪

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