レベッカ 【シアタークリエ】

ヒッチコック作品の中でも特に好きな作品なので、あのサスペンス作品がミュージカルってどんなになるんだ?!と興味津々。 “カラーで観れる”ってだけでも新鮮なのに、曲が付いて歌い踊っちゃうって…全く想像が付きません! 初のシアタークリエ観劇となりました。
開幕前から客席にさざ波がBGMで響いていて…ボリュームUPし幕開き~という導入がすごく好きでした(幕間も流れていたような?) 「狭い、狭い汗」と聞いていた舞台ですが、その空間を上手く切り取り、転換し…最大限有効利用していた印象で舞台美術とセットもまた然り。 あのボリュームで充分ではないかと。 ただレベッカの肖像画は真っ黒てはなく、きちんと描いていて欲しかったです~(そうすると仮想舞踏会のドレスの驚きが薄れるから?) 映画では、肖像画の顔が見えそうで見えない→レベッカってどんな女性?…って想像がもすごく膨らむ効果があったので、ちょっと残念でした。
全篇通して、とにかく大塚ちひろさん@わたしが可愛い! そしてこんなに歌も演技も上手かったんだ~と驚かされっぱなしでした。 まずあの金髪ヅラがこんなにも違和感似合う日本人も珍しいし、衣装がどれも可愛くてとってもお似合い。 おどおどした自信無さげな女の子から、マキシム・ド・ウィンターの妻として凛とした成長を見せる様は、背筋の伸びっぷりから眼の表情までその変化は見事でした。 今後のご活躍が更に楽しみになった好演!
シルビア@ダンヴァース
対してシルビア・グラブさん@ダンヴァース夫人は想像通りでしたが、不気味な威圧感と存在感を表すのが終始目を見開いてばかりの単調なものに感じました。 歌はさすがの迫力と上手さで好演だったのでなおさら演技はちょっと残念汗 脚本でのキャクターの描かれ方かと思いますが、もう少し『何故彼女がこれほどまでにレベッカを崇拝しているのか』という部分を見せた方が良かったのに~と思いました。 【何者にも負けない】だけでは、恋愛感情を抱いていたかのようにだけ聴こえてしまい迫力はあるものの説得力が今ひとつに感じたので。 ファヴェルとのシーンは意外でしたので面白かったです。
そして特に驚かれたのは伊藤弘美さん@ベアトリス。【何を悩む】では弟を想う姉の心境がズシ~ンと心に響き打たれホロリと来ました! 失礼ながら、こんなにも歌が上手い方がったとは~!という新たな驚きと、深い演技に感嘆。 どうやら私、今まで役不足での配役でしか拝見していなかったようで悔しいっ! 伊藤さん良かった~♪
その他キャストは…
寿ひずるさん@ヴァン・ホッパー夫人がと~ってもチャーミングで好きでした♪ 吉野圭吾さん@ジャック・ファヴェルは“これぞ吉野さん”って感じのハマり役…だけど、彼が歌うとどの曲も同じに聴こえちゃうのは不思議。 治田敦さん@ベンは難しい役回りなので「治田さんは…」という感じではナイのですが、サスペンスの部分にもっと強く食い込んで欲しかったな、と。 石川禅さん@フランク・クロウリーは、そもそも存在の必要性に「?」で、「イイ人に見せかけて実は…」な展開があるかと思いきやそれもナシ(WIW後遺症か?!) 山口裕一郎さん@マキシム・ド・ウィンターは…正直、違う人で観たかった。
総括的にはサスペンスの部分は弱まったものの【“わたし”の成長物語】としてて面白く観れました。 ミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイのコンビの最新作ではありますが…そこかしこに“お馴染みの曲調”が伺えた事は、逆に安心感があったようにも感じました。

五月大歌舞伎・夜の部 【新橋演舞場】

おばけ 通し狂言 東海道四谷怪談
演目が発表された時「絶対観た~いっっっ!!」「楽しみ~っ☆」と大興奮したものの…チケット発売日に取りそびれてしまい汗…「そのうち戻りのチケットが出るさ~」と遠征間際までWEB松竹をチェックしてましたが、希望の座席は戻らず~悲しいで、予算オーバーのお席で観劇。 とにかく人気公演でしたね~♪
意外にも…吉右衛門さん@民谷伊右衛門、福助さん@お岩様、両者初役との事! 実は私、生の舞台で今作品を観たのは橋之助さん×勘三郎さんが唯一なので、比較がそれだけ…となるのであしからず。
今公演では【仮名手本忠臣蔵】の世界を用いた外伝という位置付けと、“鼠”というモチーフがそこかしこにあしらってあるという事がよく解った舞台でした。 なんたって今年は子年であり、福助さんは年男、季節もピッタリ~で絶妙のタイミングでの上演です。
お話の舞台は四谷であるから【甲州街道四谷怪談】と本来ならばなる所を、【東海道四谷怪談】としたのは『このお話はフィクションです』っていうメッセージを鶴屋南北がこめて付けたタイトルだそうですね(今回イヤホンガイドの解説で初めて知った次第汗

よつばのクローバー 吉右衛門さん@民谷伊右衛門
スッキリとした冷酷な二枚目で、15、6才の乙女(伊藤家娘・お梅)が一目でポ~ッと熱を上げてしまうほどの色男…という感じには遠く“色悪というよりは実悪”な印象の、どっしりとした大きさを感じる悪者ぶり。 このお話の伊右衛門とお岩様って…年齢設定はどのくらいなんでしょうか? 民谷伊右衛門には“キレる若者”ってイメージが私はあるので、吉右衛門さんには“もっさり感”が気になりました汗(あくまでも個人的な感想) 冷酷無比でカミソリの刃のような…触ればシュッと切れてしまうような鋭利な鋭さと狡猾さはなく…“大親分”というような太い印象を私は受けました。

よつばのクローバー 福助さん@お岩様
怖い…恐ろしいお岩様でした。 まさに“怪談”でした冷や汗
好みの問題ですが…お岩様って、観客が彼女に対して「なんて不運で可哀想な女なんだろう…」と感じて心を寄せ「伊右衛門ヒドイ!」「伊藤家許せん!」って…そういう対比が際立った方が面白いと思っているので、福助さんのお岩様にはそれが全く感じられなかったのは戸惑いました汗 コレは…もしかしたら今公演とは違った伊右衛門や伊藤家の人々(伊東家ぢゃナイよ!)との組み合わせだったら、また違った印象のお岩様になっていたのかもしれません。
私の涙腺決壊ポイント、持ち去られる蚊帳にすがって爪がはがれるところは…その後の痛がる演技がすご~く細かくて良かったです。
お岩様に武家の娘だった…という品が感じられず、伊右衛門に甲斐甲斐しく尽くしている様は、媚びているように見えてしまい(私は)、少しもお岩様に対して同情的な感情を抱くことがなかった故に、薬を服用~絶命までの一連がひたすら“怖い”に終始した印象。 薬って…一旦全て手のひらに出して口に入れるのが定番ですか? 「そのまま口に注ぎ入れた方がこぼすことなくキレイに飲めるのに~」と思う私汗 薬の効き始めがちょっと判りにくく、唐突に顔を痛がり始めるのには戸惑いました。 鉄漿を付ける様はホラーな上、髪梳きで「あぁ~っ」と悶えるのも不気味すぎ。 突然「宅悦さぁ~ん」と大声を上げて客席に笑いが起こるのは定番の演出なんでしょうか?
【四谷怪談=お岩様=オバケ=怖い】という世間一般のイメージにはピッタリな福助さん@お岩様ではなかったかと汗
私、お岩様が首からかけている紐は…何の意味だったかすぐ忘れてしまう汗ので今回は記述しておきます(麻で織った紐=安産の魔除け・長くて生みやすい、麻のように長くて丈夫に育ちますように、というお守り)

よつばのクローバー  段四郎さん@直助権兵衛
意外にもカラッした小悪党の軽やかな小気味良さに驚きました! つい最近も“韋駄天走りの段四郎さん”に驚かされましたが…なんだか最近若返っていらっしゃいません?

よつばのクローバー 伊藤家の人々
この公演ならでは!の大抜擢も楽しみのひとつ…ですが、この伊藤家の人々が今ひとつ弱く、常軌を逸した狂った残酷な人々の体が薄いので、お岩様への同情の念もあまり感じられなかったような~。 京妙さん@お梅は…可愛くないのは致命的(ゴメン!本当にゴメン!) 伊右衛門の見た目の格好良さだけにボ~ッとなっている15、6才の青い小娘風情の無垢な残酷さが欲しいと思うのですよ汗

よつばのクローバー 歌六さん@按摩宅悦
ボンの周りに飛ぶ蚊を団扇で追い払う演技が細かい! 蚊が…見えます! 今公演では毎回達者な演技に感嘆させられます。

五月大歌舞伎・昼の部【新橋演舞場】

今回の遠征は…近年稀にみる“キツキツ詰め込み観劇遠征汗 3泊4日の上京日程を確保する為、直前まで…これまたキツキツ詰め込み仕事で、バッタバタ~。 故に危惧していたけど…予想通り「せっかく頑張ってやっと観に来れたのに、なにやってんのよ?!私~悲しい」という気絶っぷりの昼の部。 遠征一日目の本日は新橋演舞場に缶詰。 昼夜入れ替え時に“眠眠打破”をグビッと服用して眠気撃退!…のはずが、あんなに楽しみにしていた夜の部【東海道四谷怪談】も、どうやら断片的に観てないところがある模様汗
新橋演舞場の【五月大歌舞伎】の筋書きって…今年から歌舞伎座と同じサイズに小さくなっちゃたんですね。 筋書きって観る度買う事はナイけれど、何故かしら今公演は毎年購入しているんで…大きさがバラバラなのは困る~汗
で、巻末の子役紹介で、須田あす美ちゃんが掲載されていてビックリ~びっくり あす美ちゃんは歌舞伎だけでなくミュージカル、芝居と博多座では常連の福岡の子役なんですが…お江戸にまで上がって舞台に立っていたとは初めて知りました。 これって、もうかなり前からなんでしょうか? す、凄いなぁ~(確か同じく博多座常連子役・森山優里ちゃんも歌舞伎座への舞台出演済み) 東京だったら…それこそ劇団に所属している子供とか沢山いるだろうに、わざわざ博多くんだりから~、って二人とも凄いです拍手
しか~し! そのあす美ちゃんの役はWキャスト。 昼の部【一本刀土俵入】の娘お君なんですが…私が観たこの日があす美ちゃんだったか否かは不明。 あの聞いたことがある愛らしい声と目の細さはそうかなぁ~とも思ったけど…確信は持てず~汗

 毛谷村
気が付けば、結構久し振りの観劇となる毛谷村で、弥三松秋山悠介くん高橋飛和くんWキャストで…本日はどっち?!)の可愛らしさにノックアウト☆ よく目にする弥三松よりも更に小さい印象で、亀治郎さん@お園が短剣をかざして小脇に抱えた際、一生懸命脚をプルプルさせながらすがっているのが可愛くて、可愛くて~♪ うっかり取り落とされた後の、受け身~くるりターンもお上手!
六助って、朴訥としていてドッシリとした丸い体躯で垢抜けない人…というイメージがあるのでスマートでお洒落さんな染五郎さん@六助ってどうなんだろう?と構えてしまいましたが、と~っても良かった! 正直者でユーモアの解るお人好しの優しい若者、という感じが全面に出ている六助でした(力持ちの剣の達人には見えないけど…汗) それぞれのキャラクターのと間合いが良く、いつも以上に魅力的な六助に感じました
急に女房気取りで飯の支度をした亀治郎さん@お園が空焚きする釜を見て、慌てて庭先の手水鉢に浸す所。 アレって最初は釜の下半分が赤くなっていて、しばらくして鉢から取り上げると冷えて黒くなっている→「おぉ~!どんな仕掛け?!」という驚く細工があると思うのですが、今回はナシ。 役者さんによって違うものなのかしら?
いつもこの演目を観て思う事。 “怒り爆発!”な六郎が庭先の石を踏んで地面にめり込む~という「どんだけ力持ちなんだよっ!」な仕掛けですが…この為だけに舞台全体を舞踏の時のようにカサ上げしているんでしょうか?
亀治郎さん@お園は、許嫁と分かってからのしおらしくなって迫る様が…ちょっと怖い汗 ヒタヒタと忍び寄るヘビのような感じで~。
吉之丞さん@一味斎後室お幸は何度拝見しても笑える。 六助とのお金の投げ合いの素早い動きの落差はツボです。

よつばのクローバー 藤娘
やはり季節に見合った演目ってイイですね。 舞台いっぱいに咲く藤の花とその精の艶やかさに暗転から一転パッと明かりが入った瞬間に「わぁ~、キレ~イ☆」と客席から歓声が上がりました。 福助さん@藤の精は海老反りが具合がスゴイ上に形が綺麗ですね~。 上手、下手、中央と藤娘の精がニッコリ微笑んで挨拶するのは…笑顔が“ニタリ…と”怖いよぉ~冷や汗

よつばのクローバー 三社祭
染五郎さん@悪玉×亀治郎さん@善玉という踊り達者な若手コンビ…という事で、特筆すべきものはなく演目を観たまま素直に楽しむという感じ。 何故かしら、ここ最近頻繁に観ている印象の演目です。

よつばのクローバー 勢獅子
歌昇さん@鳶頭×錦之助さん@鳶頭、というこの二人の組み合わせは珍しいですよね? 特に錦之助さんがこういう粋でいなせ江戸っ子風情で…って初めて拝見する印象でもあり、目に新鮮☆ 改めてスッキリと美しい二枚目だなぁ~と見とれるものの、踊りとなると、ん~と汗 歌昇さんは観ていて気持ちがスカッとする踊りっぷり。

おにぎり 一本刀土俵入
意外にも、吉右衛門さん@駒形茂兵衛は初役との事。 しかし今回の演舞場公演は昼夜共に「これぞ吉右衛門さん!」「中村吉右衛門を観た~♪」という満足感を個人的には得られず…ちょっと消化不良でした悲しい
朴訥としてデッカイ体躯と情けな~い様が茂兵衛にピッタリで、後半の博徒となり颯爽とした姿への変身ぶりにスカッとするものの…う~ん。 これは好みの問題かと汗 おにぎりを頬張るあどけなさは“裸の大将”を彷彿とさせる愛嬌にニッコリ。
芝雀さん@お蔦がイイ! 今までも「芝雀さんのアバズレ女がこんなにイイとは~♪」とビックリした事は何度もあるのですが(私が芝雀さんの役所に対して持っているイメージとは違うので)その中でも最たるものでした! こんな雰囲気も出せる方なんだぁ、改めてビックリしたものの、目が黒めがちなので表情の変化が解りにくいのがちょっと残念。
お金や簪をもらった茂兵衛が「これじゃぁ、姉さんが困るんじゃ…」という問いに対して「年がら年中困っているから、あってもなくても同じさぁ~」という気だるい投げやり感がなんとも良かった。 だって、こんな素敵なセリフがあったとは初めて気付いたくらいだもの~汗(恥ずかしながら) しかしお蔦さん、この時24才とは…恐れ入りましてございまする~。
あと印象的だったのは…
芝喜松さん@安孫子酌婦お松が、すご~く汚くてリアル(褒めてます!)
冒頭に売り歩く【奥州弥太郎虫】って何のお薬なんでしょうか?
上手の柵や土手の書割りがミョ~に写実的で目を引かれました♪

ドラキュラ伝説【福岡市民会館】

なんでも上様が本格的ミュージカルに主演するのは18年ぶりとの事。 私自身は近年も【暴れん坊将軍スペシャル ・唄って踊って八百八町!】とか、歌謡ショー【歌う絵双紙】などで歌い踊る金ピカ上様は度々拝見しているので、例えそれがトート風味でフライングしようともなんの意外性もなく「上様、洋物が演りたくなったのね♪」と冷静。 しか~し! この作品、ミュージカル好きには嬉しい豪華共演陣で、演出は宝塚歌劇団から藤井大介さんを起用という事で、期待倍増(笑う気マンマン☆ん?) なんてったってタイトルに“ミュージカルロマンス”なんてついちゃってるから、どんなナルシス上様に拝謁出来るかとウキウキ~♪
一言で言うなら『ヅカ作品を上様を主役にミュージカル俳優で上演してみました』って感じでした。 メインのソロの後ろで夢見るデュエットダンスがあってるとか…曲調とか…乙女ちっくなセリフまわしとか…“まんまヅカ”でした。 …が故に「この人はこういうシーンで観てみたいっ!」というファンの欲求に確実に応えてくれる演出になっており、歌が上手い人にはバーンと歌を聴かせるソロナンバーを、ヴイジュアルが美しい方には存分に堪能できる衣装を、ダンスが上手い方にはその見せ場を用意されているので、出演陣目当てに観劇した方には「○○さん目当てで観に行ったけど、意外と面白かった!」という満足を得られる事になっているようです♪
またミュージカル好きにとっては『このシーンはあの作品のアノ場面に似てる!』と激しく突っ込みを入れながら観れるのも楽しい。 オープニングの墓場で死体ワラワラ~とラストシーンは【エリザベート】?、カンテラを片手に墓を探す男女に【M!】?、ロンドン街の不穏な夜に【ジキハイ】?はたまた【ウーマン・イン・ホワイト】か? ヒロインが狼に襲われそうになり上様が助けにくる所や「嫌われるかもしれない」と上様が悩む姿に【美女と野獣】? 多分、ヅカファンの方だったらヅカ作品にも類似点を発見出来たのでは~?と思える演出が激しくツボ。

ヅカ作品なので(もはや断定か?!)曲も万人に口ずさめて耳障りの良い、フレーズが耳に残る(…でもどこかで聴いたことがあるような)曲になっていますし、ワルツ、タンゴ、フラメンコ調、一昔前の歌謡曲ちっく…などそのバリエーションも豊か。 なんてったって生オケなのは嬉しい♪
女性陣は皆さんヴィジュアルが美しく、その美を際立たせる衣装で魅了してくれるのですが…全員が全員、歌が残念すぎ~冷や汗 ヒロインであり唯一、歌を期待出来た剱持たまきさん@ミーナも「こんなに歌ヘタだったっけ?」と劣化具合ビックリ汗 声も細すぎますし…。 元ヅカの皆さんは想定内でしたが、ドラキュラLady’sは(真織由季さん初風緑さん初嶺麿代さん)ストーリーテーラーとしての役割担っているので『何を言っていいるのか聴き取れない』というのは困りました汗  紫吹淳さん@ルーシーは、生身の人間を超越したスタイルの良さを拝めるだけで…もうそれで良し!(首からデコルテも美しい~)
対して男性陣は大満足! 今作品で歌唱指導をされている安崎求さんをはじめ、鈴木綜馬さん園岡新太郎さん光枝明彦さん…この方々が歌うと「嗚呼~、ミュージカル☆」「歌、ウマ~♪」と聞き惚れ、作品に重厚さが加わります。 大澄賢也さんはダンスで魅せる上、美女たちに裸にされちゃうサービスシーン?付き。 藤本隆宏さんは、役所として今ひとつ弱く残念。
アンサンブルの皆さんは…ダンス重視だったのか?コーラスはちょっと厳しかったかな~汗
よつばのクローバー 松平健さん@ドラキュラ伯爵
単体で拝見するとすごく大きい人に見えますが、共演陣と居並ぶと背丈は突出する事はナイものの…「顔、デカッ汗」 特に紫吹淳さん@ルーシーとの対比は…なんか笑っちゃうほど(上様、お許しを~) 歌は時々ダミ声気味なのを除けば大健闘なのでは? ただ、デュエット等、他の方とのハーモニー…となると厳しく、独りで歌っている感じ。 ストーリーそのものが時代ものなので、大時代的なセリフ回しはお手の物♪ 光枝明彦さん@バベル(ドラキュラ伯爵の執事)にいつ「爺!」と言ってくれるかと期待したのですが…残念! 見ている方が恥ずかしくなっちゃくらいの衣装の数々を堂々と嬉しそうに着こなし、ナルシスぶりを存分に発揮する様が…なんとも微笑ましく思えてきちゃうから不思議なもんです。 話題のフライング?は『上様ご乱心!』のシチュエーションで笑わずには居られません! 飛ばす必要があったのか?と言われれば全くナイ訳で「上様、やりたかったんだろうなぁ~」と。 “嬉しくて舞い上がる=金ピカ衣装でフライング”って…これが笑わずにはいられようか~。 この作品、きっと『松平健以外で観てみたい』と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、上様以外でこのインパクトはあり得ないでしょう!
よつばのクローバー 園岡新太郎さん@メフィスト
まるで漫画【デスノート】の死神リューク!…なヴィジュアルの悪魔は圧倒的な歌唱力で強烈なインパクト。 伯爵と悪の取引をする不気味さと狡猾さは充分。 他の作品でも拝見したい~!と思わされた好演。
よつばのクローバー 光枝明彦さん@バベル
ドラキュラ伯爵の爺的存在の執事で「ぼっちゃま!」とかいがいしく付き従い、お笑いシーンを担う役所。 なんでも脚本家の高橋知伽江さんが、光枝さんのキャスティングを想定して書いた…との事で、劇団四季時代を知っている方はたまらないキャラクターになっているので、懐かしさに嬉しくてニッコリ、ホロリ~となっちゃいます。 なんてったってご主人様と共に“400年もフラフラしている存在”なんだもの!(=ペドロ親分byユタと不思議な仲間たち) あのフライングなら、上様と共に飛んで欲しかったなぁ~。 大好きなデビル(=夢から醒めた夢)とペドロ親分に再会出来たような嬉しい錯覚。 そして改めて光枝さんの歌の上手さに感服~
ストーリーとしてはあまりにもベタで、展開も丸見えなんですが…“チャレンジャー上様”に大拍手。 そして何よりも光枝さんの嬉しい役所に大満足な観劇でした♪

美女と野獣(6)+リハ見【広島・ALSOKホール】

実は…すご~く待っていた田島ガストンの登場です! 田島ガストンアニメから抜け出てきたような“まんまガストン”は、一番回数観ているようで…そうでもなかった事に気付きました汗 京都BB時では長期登板でしたが、福岡BB時は前半途中の2ヶ月間くらい?もっと?で、一度抜けたら…二度と戻って来てくれなかったので「また田島ガストンが観たいっ!」という気持ちがすご~く強かったんです。
前観劇時から主要キャストも結構入れ替わっていたうえ、リハーサル見学会も開催されたので、千穐楽まで我慢するつもりが…突発しちゃいました汗(だってキャスト替わっちゃうかもしれないし~)
見る リハーサル見学会【Be Our Guest】
またしてもBOG(4/11=BOG、4/18=Human Again、4/25=Gaston、5/16=BOG)…って私は4/18しか参加していないけど~。 ほぼ全篇通しで、ダンスキャプテンの石野喜一さんの厳しい指導が飛んでました。 ベルとナプキン’Sのカンカンって、あのスカートがナイと「どんだけ足上がってんだよ!」とビックリするくらいの上がりっぷりと回転具合である事が判明。 ALSOKホールの舞台は奥行きがナイようで、ベルとルミエールを芯にしてナプキン’Sが連続ターンで回転するシーンでは円の中側に入りがちで位置キープが難しいようでした。 ルミエールが音に合わせて上手から下手へお皿の上をピョンピョン飛びながら下りてくるシーンでは、重装備衣装がナイ故にすっごい跳躍で「道口さん、超身軽~♪」 一番印象的だったのはショーを終えてベルの反応を伺う一同の表情についての指導。 「あ~、美味しかった~☆」というベルの一言を聞くまでの期待と不安が入り混じった表情と緊張感をきちんと表すように、と。 本篇ではその一言後の皆の爆発した喜びっぷりがすっごく良かったです♪
質疑応答は田島亨祐さん進行で、世登愛子さん細見佳代さん上出匡高さん
以下本篇の感想を各キャストごとに…

よつばのクローバー 喜納兼徳さん@モリース
この広島公演でデビュー☆ お目めパッチリで表情が大きいので感情が解りやすく、お腹ポッコリだけど全体的にスマートな印象のパパ。 手がスッとしていてその表情が奇麗です。 「世界的な発明家になるわ」とベルに言われた後の「本気かい?」は「だろ~?」的な言い回しで優勝する気マンマンです。 ベルがふと見せる寂しげな表情に曇るパパの表情も見所。 お守りのマフラーもすっごく嬉しそうです(優勝を確信したようです?!) お城でバベットに絡まれた時のデレデレっぷりがイイ♪ 歌は言わずもがな高安定。
よつばのクローバー 田島亨祐さん@ガストン
雅彦さんからお名前が変わっては初ガストンですよね☆ もう観てるだけで顔がほころんじゃう筋肉バカっぷりの憎めない愛嬌は田島ガストンならでは♪ ベルから取り上げた本を見て「絵がナイじゃ~ん!」で笑いが起こるのは「あ゛~、この男アホやな~」とガトストンのキャラを強烈に印象付ける大切なポイントだと思うんです(野中ガストンは全く笑いが起こらず) プロポーズでベルの声マネ「Oh~ Yes~♪」はホント笑える☆ スィリーガールズに言う「いつも“あいぶき”してやる」ってのは、ちょっと難しい言葉をカッコつけて言ってみた結果“逢い引き”を上手く言う事が出来なかった…というガストンのアホっぷりを表しているセリフなんだそうです(リハ見:田島談) 深いな~。 印象的だったのは、助けを求めてモリースが酒場にやって来た時「ベルが捕まった!」と聞いて最初は本気で心配して真剣に話を聞いている所。 「ガストンはガストンなりにベルが好きなんだな…」と思わされて新鮮(他のガストンは鼻っからモリースを相手にしていない感じなので) ラスト橋の上での対決で劣勢になった際「頼む引っ張ってぇ~」という情けない滑稽さに“ディズニーの敵役はどこまでも卑怯で悪”という明確な図式が見えます。 田島ガストン、好きだな~♪
よつばのクローバー 青羽剛さん@コッグスワース
こちらもこの広島公演でデビュー☆ 私、WSSで拝見しているようですが…青羽さんと認識して拝見するのはこれが初めて。 道口ルミエールとほぼ同じ背丈で、織笠ポット、有永バベットと居並ぶと…めちゃくちゃ迫力ある召使い’Sです。 今のキャストとの年齢のバランスで言えばとてもしっくり来る感じですが、“召使いの長”としての威厳は厳しい。 ラスト、王子様から「嗚呼、愛しいコッグスワーズ」とハグされる特別感は「ん?なんでコッグスワースだけ?」とちょっと違和感を覚えます。 セリフ回しは爽やかなのでもっと堅物~な感じが出ればイイなぁ…と思うのですが、セリフの言葉をジェスチャーも併せて表現するのがとても解りやすくて◎ お城の案内役を頼むベルが「あなたなら全てお分かりでしょう?」としなだれかかる時の嬉しそうな事といったら! コッグスワースのお笑いポイントはすでにクリアされていて驚きました。 人間に戻ったコッグスワース…でかっ汗 ブーツの新調っぷりがやたら浮いてました~。
よつばのクローバー 他のキャストについて…
広島公演では「もう二度と会えない…」と思っていた坂本里咲さん@ベルは予想外の復帰で、特筆すべきこともなく高安定。 でも~、やっぱりラストが泣けないベルなんだなぁ~。 柳瀬大輔さん@ビーストは一幕ラストの【愛せぬならば】が…ブツ切りでヒドイ事になってました汗 ここまで来たら楽まて完走して欲しい! あんな状態なら寂しいけれど交替を!…と思っていらっしゃる方は多いかと。 道口瑞之さん@ルミエール、本日のBOGは客席の手拍子が大きく、ピンスポが当たる前は大拍手~。 …だもんで、いつもは照明さんを指して「有り難う」と艶をつけて言う所が、「おっ?」と、ちょっと驚いて感激したように客席に向かって「(あら~)ありがと~う♪」ペコリ、となりました。 笑えた~♪ コッグスワースの背中のネジ回しを取ろうと試みて「取れナイなぁ~」というセリフは、福岡BB時の軽~い口調に戻ってました! 有永美奈子さん@バベット、ルミエールと連携ブレーで敵をやっつけるシーンではお互いに投げキッスするようになってました☆ 竹原久美子さん@タンス夫人はかなり改善されてきてますが「さ、どうぞ」とベルにドレスを差し出す際にそっぽを向く表情は悲しんでいるべきかと思うのですが~汗 遊佐真一さん@ルフウは、もうホント何も特筆すべき事がなく安定。
実は…この日の客席は「こんなにガラガラでヤバいんじゃ~冷や汗」というような入り具合で(と言ってもALSOKホールは大きすぎ)心配したのですが、この日は私が観た広島公演の中で一番盛り上がった舞台でした。 劇中の拍手やBOGでの手拍子も熱く、客席で観ていて…ウキウキした気分♪(byチップ) カーテンコールは途中からスタンディングオベーションになり、回数も今までで最多でした。 「あ~、楽しかったぁ~」と心から思った観劇でした拍手

劇場 キャスト
ビースト:柳瀬大輔/ベル:坂本里咲/モリース:喜納兼徳/ガストン:田島亨祐/ルミエール:道口瑞之/ルフウ:遊佐真一/コッグスワース:青羽 剛/ミセス・ポット:織笠里佳子/タンス夫人:竹原久美子/バベット:有永美奈子/チップ:川良美由紀/ムッシュー・ダルク:田辺 容