夢から醒めた夢【四季劇場・秋】

昨年【ユタと不思議な仲間たち】にハマって騒いでいたら…「きっと“夢醒め”も好きな作品だと思うから是非観てみて」と薦められていたので、この度初観劇。

以前テレビ放映された映像やCDで予習?済みだったので、実はなんだか初観劇な気はしなかったのですが、劇場に着いて…この演目の目玉?【ロビーパフォーマンス】を目の当たりにし、よりこの作品の魅力を理解出来たような気がしました。 が、スゴイ人口密度でちょっと怖かった~。 “夢の遊園地”という世界が舞台や客席いっぱいに展開されて、役者さんも大道芸をしたり、ローラーブレードで滑ったり、スロープに乗ったり…と大変だなぁ…と驚かされました。
で、全体的な感想からすると…遊園地での群舞による華やかな舞台に魅せられたのですが、実は期待したほど感動…というか『心に残るものが、ひっかかる何か』がありませんでした。 しかし、あの原作をここまで膨らませた娯楽作品としている事にはやはり驚嘆でした! 脚本・演出、スゴイです。
印象に残ったシーンは、霊界空港での老夫婦の再会の会話。 ココの夫婦の会話は本当に素敵☆ あとラストの泣き所、マコのママの「行かないで」は歌に迫力はあるものの…二人の掛け合いに統一感がなくバラバラな印象で…残念。
吉沢梨絵さん@ピコや、北澤裕輔さん@夢の配達人は今回が初役との事ですが、ニンにあっていて好演でした。

青い旗キャスト
ピコ:吉沢梨絵/マコ:紗乃めぐみ/マコの母:早水小夜子/メソ:有賀光一/デビル:光枝明彦/エンジェル:藤原大輔/ヤクザ:野中万寿夫/暴走族:吉原光夫/部長:田中廣臣/老人:武見龍磨/老婦人:斉藤昭子/夢の配達人:北澤裕輔

美女と野獣【京都劇場】

まさか、今年になって2回も京都に行くことになるとは!と、自分でも驚きの突発遠征。 来月には福岡で開幕する演目だというのに、です。
だって…京都公演千穐楽間近で道口ルミエールがデビューしちゃったんですもの~! 「待ちきれなくて…」という訳ではなく「万が一、道口さん@ルミエールが福岡公演で出てくれなかったら…号泣どころの騒ぎじゃないわ!」と、いう事で、ご出演が確実な時にとりあえず1度は観て、福岡でのご登場をゆったりとした気持ちで待てる状態にしておきたかったのです。
で、1日通しで観劇して…“ゆったりした気持ちで待つ”どころか「また、すぐにでも観いっ!」という気持ちになってしまいました。
さて、その道口瑞之さん@ルミエールは…と言いますと「無茶して遠征した甲斐あった!」とガッツポーズしながら、涙してしまうほど、大満足でした☆  実は純和風なお顔の道口さんが“おフランス伊達男”のあのコスチュームが似合うのだろうか?…というのが一番気になっていたのですが、それはいらぬ心配でした。
歌、演技共に“つい先日、ルミエールデビュー”だなんて信じられないくらいの仕上がりで、嬉しすぎる驚きの連続☆ 表情はもちろん、声色までクルクルと変わって、セリフを言っていない時も細かい演技をしていて…目が離せません! やっぱりどんなお役でもなりきってしまう役者さんだなぁ、と改めてその魅力を再認識した、という感じでした。 二の線も三の線も嫌味なく◎なんですね~♪
グチルミ
佐野さん@ビーストは、セリフのスピードって…速いですか? 何か追い立てられるようにしゃべっている印象が終始ありましたが、ビーストのソロナンバーは圧巻の声量と低く深く熱い歌声で…感動でした。
井上さん@ベルは、強いイメージ。 意思や芯が…というのではなく“腕力がある”って感じの強さを受けました。 パパと唄う【二人で】では“変わり者”と言われて思い悩む乙女、という印象は薄く、パパに励まされる前に、すでに立直っている感じ。 城を飛び出して森で狼に襲われるシーンでは、棒をブンブン力強く振り回し、「ビーストが助けに来なくても大丈夫なのでは~」と思ってしまうほど。 しかしやはり歌声は素敵で、耳にとっても心地良かったです。
今回、残念だったのは…ベルがパパの危機を鏡で見て取り乱し、ビーストが彼女を父親の元に帰すシーン。 それぞれのセリフが早口のうえ、よく聞き取れず…アッという間にベルが舞台からハケて行った…という感じだったんです。 もし初見だったら、状況が把握できず「???」だった事でしょう。 あれはビーストが人を愛することを覚えたからこそ言える「行ってあげなさい」という大切な一言だと思うのに、その余韻は何も感じられず…前回の観劇時にとても感動したシーンだったので、ただただ残念でした。
吉谷さん@ コッグスワースは、笑いの間が絶妙ですね! セリフが分っていても、同じところで何度も笑ってしまいます 大好きなのは、城内を拡声器片手に案内するシーン♪ いいなぁ~、好きだわぁ
八田さん@バベット、可愛い! と~っても可愛い♪ あのメイクと衣装がとってもお似合い。 表情が大きくクルクル変わるので、と~ってもチャーミング☆
やはりキャストが替わると、観点はもちろん雰囲気とか芝居のリズムとか違っていて…また新たな楽しみ方が出来るものですね、と改めて思った今回の観劇でした。
さぁ、次はいよいよ福岡開幕だわ♪

青い旗キャスト
ビースト:佐野正幸/ベル:井上智恵/モリース:松下武史/ガストン:田島雅彦/ルミエール:道口瑞之/ルフウ:遊佐真一/コッグスワース:吉谷昭雄/ミセス・ポット:岩本潤子/タンス夫人:武 木綿子/バベット:八田亜哉香/チップ:岸本美香/ムッシュー・ダルク:高桑 満

エビータ【四季劇場・秋】

初観劇の演目でした。 「ストーリーも歌もセットも…とにかく内容盛り沢山だから予習して観劇した方がより楽しめるかも」というアドバイスをいただきまして、未だに観たことがなかったマドンナ主演の映画を事前に観て観劇に臨みました。
井上智恵さん@エビータ初役との事で、今まで井上さんに私が勝手に持っていたイメージの中にはナイお役だったので、まず「どんなエビータ像なのか?」というのが楽しみでした。
終始“野望を持った強い女”というイメージが強く、都会に憧れる若い田舎娘の持つ純な可愛さや国民の心を捉えてから“聖母”とまで崇められるまでになった時の風格というか気品ある威厳というか…その変化がちょっと薄かったような印象を受けました。 ですが、次々に変わる華やかな衣装を着こなし、難し~い旋律のメロディをさすがの歌唱力で聴かせてくれるし…で素敵なエビータでした。
セットは、円形で…ちょっと土俵のようなイメージ? 周囲にライトが配され、上からみるとその場面場面の情景を醸し出していてとても効果的。 中心部分のセリ上がりや、舞台のスライド…何処かで観た手法だわ、と思いつつも…時代や土地、場所が目まぐるしく変わって行く物語の進行がとてもスムーズに観る事が出来、感動しきりでした。
私的ツボは…かねてから「濃い役者さんだな」と思っていた佐野正幸さん@マガルディ。 濃い人が濃いキャラで登場で、もう登場しただけであまりのハマりっぷりに…肩が震えてしまいました いや~、佐野さん@マガルディ、いいなぁ(床屋さんよりよっぽどニンだ)
しかし…難しい曲が多いですね。 曲はどれも魅力的で好きなのですが、歌詞を覚えて一緒に気軽に口ずさめませんね~。 さすがプロ!な歌を堪能できた演目でした。

青い旗キャスト
エビータ:井上智恵 /チェ:芝 清道/ペロン:下村尊則 /マガルディ:佐野正幸 /ミストレス:久居史子

CATS 【キャッツ・シアター】

前観劇から半分くらいキャストが入れ替わっていたようです(キャスト表を見ないと判らない私)。 今回は猫が通路を走り回る様子も観たいと思って、1階通路側のお席で観劇。 蔡さん@ミストフェリーズと握手。 蔡さんは猫メイクをしていても、私が判った数少ない役者さん やっぱり彼の踊りは意識していなくても、目が惹きつけられますね。 あの跳躍の高さといったら!
猫は近いけど、ゴミが積み上げられたセットや段差が少ないため、通路側といえども死角があってちょっと残念だったかな。
今回、私はどの猫が気になるのかな?と思っていたら【マンゴジェリー&ランペルティーザ】のコソ泥カップル。 盗みをゲームとして楽しんでいる感じで、ユーモアがあって楽しい 他の猫も自身のことを語って、曲が一人歩きするくらい有名なものもあるけれど、この曲が何故だか好き 二人の物語りの言葉が素直に耳に入ってくるからかな?
他に気になったのは、金志賢さん@グリザベラ。 元娼婦だった…というのが、なるほど頷けるような艶っぽさを残し、ボロボロな容姿ながらも潤んだ瞳が色っぽく、前観劇で受けた印象とは異なるキャラクター、というか“女”という感じが強い。 【メモリー】の『私に触って…』というフレーズが哀愁がにじんでいて素敵でした。 カーテンコールの華やかな笑顔でのダンスでは“色っぽいメス猫”でした。
キャッツ・シアターの壁やセットのゴミは、美術さんが定期的にメンテナンスに入っていらっしゃるのでしょうか? 今回もじっくり“ゴミを堪能”してきました。 けど…作品的は私はハマって通ってしまうタイプのものではナイみたい…かな?

青い旗キャスト
グリザベラ:金 志賢 /ジェリーロラム=グリドルボーン:秋 夢子/ジェニエニドッツ:礒津ひろみ /ランペルティーザ:真鍋奈津美 /ディミータ:眞弓ヴァネッサ/ボンバルリーナ:池田さやか/シラバブ:荒井香織 /タントミール:滝沢由佳/ジェミマ:飛田万里/ヴィクトリア:大月 悠/カッサンドラ:大口朋子/オールドデュトロノミー:石井健三/アスパラガス=グロールタイガー&バストファージョーンズ:村 俊英/マンカストラップ:趙 宇/ラム・タム・タガー:荒川 務/ミストフェリーズ:蔡 暁強/マンゴジェリー:李 涛/スキンブルシャンクス:百々義則/コリコパット:虎尾信弘/ランパスキャット:三宅克典/カーバケッティ:丹下博喜 /ギルバート:千葉ヒカル/マキャヴィティ:上田龍雄/タンブルブルータス:齊藤 翔

美女と野獣【京都劇場】

7年前に福岡シティ劇場で上演された際は、何故だか見逃してて…観たいなぁ、と思っていたところに京都劇場での千穐楽が発表されたので、この機会に無理して足を伸ばしてきました(その後、福岡公演が決まったのですが~)
舞台美術や衣装の素晴らしさは写真や話で想像はいたけど、百聞は一見にしかず! アニメーション映画を再現を忠実に行っている事と、衣装さんの職人魂を垣間見るすばらしい拵えに驚嘆 セットもおとぎ話のイメージそのままに夢見るように可愛らしく、豪華で…小さな女の子だったら「お姫さまになりたい」って思っちゃうんじゃないかな?
キャラクターの中でも田島雅彦さん@ガストンは、もうアニメーションから抜け出てきたのかと思うほど“ガストン”でビックリ あの肉体美を保つ為に…日々鍛錬も大変あだろうなぁ、とか雑念がよぎりました。
役者さんも好きだという“図書館のシーン”はホロッときちゃいました~。 圧倒的な蔵書がズラリ…美術さんの心意気が拝見できる素晴らしい本棚。 その前で通い合う二人の心。 素敵なシーンですね♪
ビースト~王子への変身シーンでは、前回私が柳瀬さんを拝見したのは神様(ジーザス・クライスト=スーパースター)だったので、“神様降臨”という神々しい印象でした。 王子様の衣装、あれが似合う日本人男性は…なかなか居ないでしょうね。
とにかく楽しくて夢見るような可愛い舞台で、終演後子供たちが口々に「面白かったね」という言葉を聞いて「5月からの福岡ロングラン公演がどうぞ成功しますように」と祈らずにはいられませんでした。

青い旗キャスト
ビースト:柳瀬大輔/ベル:坂本里咲/モリース(ベルの父):松下武史/ガストン:田島雅彦/ルミエール:青山 明/ルフウ:遊佐真一/コッグスワース:吉谷昭雄/ミセス・ポット:岩本潤子/タンス夫人:武 木綿子/バベット:竹村千穂/チップ:川良美由紀