博多座文楽公演・昼の部【博多座】

文楽を楽しもう

夜の部と全く同じ内容でしたので割愛。

花競四季寿

舞踏って自身が踊るのも難しいでしょうに、それを人形を遣って…って改めて凄いです~。 人形遣いさんはご自身も舞踏のお稽古ってされてるんでしょうね?
【万歳】 実際、一週間後にはもう新年…なので、その幕開けがなおさらウキウキと待ち遠しい華やかな気分になりました。
【海女】 海好きとしてはこの設定だけでものすごく楽しめるのですが…まさか海女と連れ舞うのがタコだとは!! 歌舞伎でもそうですが、文楽に出て来るタコも表情がすごくユーモラスで愛らしいんですね♪
【関寺小町】 老婆が実は小野小町のなれの果て…と知ると老いとはなんと残酷な、と思わされる作品。 息を止めて見入って…余韻が胸に痛い感じでした。
【鷺娘】 これまた出だけで「うわぁ~綺麗…」と思わずため息。 歌舞伎では何度も観ていますが文楽では初めて。 器用に傘を手に心情を表す静かな所作にみとれていたら、衣装の引き抜きなどの派手な演出もあり、白の世界から始まって舞台全体が徐々にに色着いてカラフルに華やかになっていく…ヴィジュアル移り変わりも見所でした!!

生写朝顔話

【明石船別れの段】はあまり上演されないようですね? 月夜での再会と別れは大掛かりな情景で物語の発端としてグイッとお話に引き込まれました♪
桐竹紋壽さん@萩の祐仙のお手前の一連の所作が見事! シャカシャカシャカ…シャシャシャ~~!!ってな(ニュアンス伝わります?)…見事なんだけどユーモラス☆  これまた主遣いさんが当たり前なんだけどポーカーフェイスなんで面白さが増すような? 笑い薬を飲んだ祐仙の語りは竹本住太夫さんで…人形を観たらイイだか、住太夫さんを観たらイイだか~、とまるでテニスの観客のように首が忙しい事に。 しまいに咳き込んでしまうんじゃ~、と心配になる笑いっぷりに客席、大拍手☆
吉田一輔さん@娘深雪の琴の演奏は、琴の爪を付ける所作から何から見とれてしまいました。 手は…あれはどうなってるんでしょうか?? 三味線とか他の楽器を演奏する時もそうなんでしょうか? 細かい作業用とイイますか。 舞踏の時も思いましたが、人形遣いさんご自身も楽器の演奏をお稽古されるんでしょうね。 前半は美雪の悲しい運命に聴き入ってしんみり…なのに後半、全てを知って乱れる美雪の激しさにいささか唐突感もいなめず呆気にとられてちょっと笑ってしまう所もあり「女って、強いな」と。
【大井川の段】の場がパッと目の前に現れた時、見事なセットに「おぉ~」と客席からどよめきが☆ 大井川の川渡りって…時代劇とかもいろいろなものを引き裂いたり、逃がしたり、断ち切ったり…と悲哀が絡んだ物語の場としてよく出てきますよね。 激情かられた美雪の嘆く様は…可哀想だけど美しく見入ります。 歌舞伎でもよく『悲しみに泣きくれて目を潰した』~『○○の生き血を飲めば治る』ってのがありますが…あれはその当時流行った迷信のようなものなんでしょうか?
久々に歌舞伎でも観たくなりました。

博多座文楽公演・夜の部【博多座】

もはや毎年年末恒例となった【博多座文楽公演】。 今年も行って参りました♪
今回、大夫と三味線が演じる床に上下で開閉する幕が登場していました。 別になくても…だって屋根が陰になって演者の顔がよく見えナイんだもの~。 観る側としては相撲の取り組みみたいに、呼び出し~土俵に上がる~取組…という一連の所作の流れも見てて楽しいんだけどなぁ。
筋書きに博多座公演に関する寄せられたコメントで『巡業では博多座だけ人間国宝揃いの凄い座組 ユニークな狂言建て』と書かれてて…改めて贅沢な公演なんだなぁ♪と嬉しく思いながら今年も観劇☆

文楽を楽しもう

毎年変わらず勘十郎さんが、またしても立ちトークのみで15分。 昨年も思ったのですがやっぱり本当に文楽初観劇の人には不親切だと思うんです。 文楽の演目は【時代物】【世話物】【景事】の三つに分けられる…というくだりで「景事ものは…例えば“鷺娘”とか」と説明すると「刑事もの=詐欺娘」と勘違いされるというお話には客席がドッと沸きました♪ 公開されて間もない映画【最後の忠臣蔵】のお話が出ないかな~と期待していましたが、残念ながら。

二人禿

か、か、可愛い…。 数え唄に合わせて羽根つきをする様はとっても愛らしく可愛らしく思わず頬がゆるんでしまいました。 これ、全て男性が動かしてるんだよなぁ…と改めて驚いたといいますか。

ひらかな盛衰記

吉田簑二郎さん@女房およしが、豊松清十郎さん@腰元お筆の登場に『夫の女か?!』と一人でやきもきする一連の動作が可愛らしくて客席が湧きました。 人形がこ~ゆ~コミカルな動きをする時って、主遣いさんがシレ~っと、平然と、ポーカーフェイスなのが余計に面白さを引き立たせているように見えるのは私だけ?
「やっしっし~やっしっし~」と舞台袖から出て来た船は「沈むんじゃないの?!」ってなくらいギュウギュウ詰めで乗ってます…って人形的には最大乗船人数は守られているのですが、人形×3名の乗客数になってるもんだから…船上がもうぎゅうぎゅうです! 立ち廻りの時、いつも思いますが…足遣いの方は無理な体勢で激しい動きに付いて…なおかつ音も鳴らすので大変だなぁ、と。
【神崎揚屋の段】は上演される機会は少ないそうで、それが博多座で上演とはなおさら貴重な機会♪とばかりに楽しみに観劇。 桐竹勘十郎さん@傾城梅ケ枝の登場に「はぁ~、綺麗…」と客席から思わずため息が! いや、ホントなんだか見とれちゃうくらい綺麗なんですもの!! 主遣いさんが自分が遣う人形を着付けるという事ですが、各々オリジナルな飾りとか…そんな工夫もあるのでしょうか?
好きな男の為に身を売って苦労しているその上に「預けてた鎧がナイだなんて…ボク死んじゃう!」とのたまう吉田和生さん@梶原源太景季に「私がなんとかするから!」という梅ケ枝に「どんだけ献身的なんだよ!」と思うと同時に、【封印切】で「梶原源太は、わしかしらんて」と色男の代名詞として挙げられる男が実はこんなに小っちぇ奴なんだぁ~と怒りを覚える~。
無間の鐘をついて金を得る替わりに無限地獄に落ちる覚悟を決める所まで追いつめられる梅ケ枝の心情を庭先に咲く梅の花に重ねて表現する様が見事。 “二階から三百両”が降って湧くとは…呆気に取られたオチてすが、大量に降り注ぐ小判の小道具の工夫にうなりました!
しかし源太よ! 恋人にも母親にもこれだけ迷惑かけて…あんた“だめんず”じゃん!

鋼鉄番長【嘉穂劇場】

東京開幕後、客演の池田成志さんが怪我の為に休演(代役:河野まさとさん)で残念に思っていたら…主役の橋本じゅんさんが病気の為休演→降板という衝撃的なニュースが!!どちらもYahoo!ニュースのトピックスでその一報を知ったのですが「ヤフトピに来るなんて劇団☆新感線って超人気劇団になったもんだなぁ~」と劇団創立30周年という記念公演というのに、なんとも残念なニュースながら感慨深いものが…。
残念ながら何回かの東京公演は休演になってしまったようですが、じゅんさんの代役が三宅弘城さんに!という事で私、一気にテンション↑↑↑ …というのは私、TVドラマ【怪物くん】が大好きで、それに出演されていた三宅さん@おまわりさんがすっごくお気に入りキャラだったんです。 代役に決まった時、三宅さんは「これはマズイねぇ~」(←おまわりさんの決めセリフ)と言ったはず?! 劇場に掲出されているポスターも『再起動』というキャッチコピーで三宅さんバージョンが♪
嘉穂劇場って何度か行った事はあるんですが、実は観劇するのは今回が初めて。 福岡市内から嘉穂劇場のある飯塚市内に移動の道中、視界が真っ白になって帰りの道中が心配になるほどの雪が降っている本日。 福岡、初雪です!
昔ながらの芝居小屋なので、寒さ対策は万端で☆ 音響や照明は設備的に劣るんだろうなぁ…と勝手に覚悟していましたが、全く遜色なし! 毎度、大音量のOPや笑える力作のスクリーン映写の映像もクリアに楽しめました(終演後、小屋の外には照明用の電源車もスタンバイしていた事に気付き、な~るほど♪)

おバカ、おポンチ、くっだらなぁ~い事を真剣に全力投球ハイテンション&フルスピードで展開する舞台に、ここ最近ちょっと上質な?文芸作品並み?になってしまった“いのうえ歌舞伎”作品が続いていたただけに「やっぱコレだね~」と懐かしい安堵のようなものを感じながら大爆笑。 肩をフルフル震わせて…吹き出す事数知れず。 後方スクリーンに流れる数々の力作おバカ映像も全て三宅さんバージョンで撮り直したんだろうなぁ…とそのご苦労を伺いながらひたすら爆笑。
もうね、逆木圭一郎さん@蟹江田刑事の出だけで吹き出しました! 逆木さん、その目張りは反則でしょう!!(大好き!) 保坂エマさん@沢々尻モニカは、エマさんがここまで大きなお役をされるのは初めて拝見したので、改めて「スタイル抜群の美人でなのにフリきってるなぁ~」と軽く感動。 河野まさとさん@井尻亀吉は、胡散臭さ満載は健在で、まさとさん好きな私としてはその頑張りは見てて痛々しいほどでしたが、残念ながら歌になると何を言っているか判らな~い。 村木仁さん@真毛校長のハナ肇ちっくな銅像ぶりや、ネエ子の映画【Hairspray】のトレイシーを意識したファッション(しかし牛だけどな!)のプリティぶりはドツボにハマり「可愛い~!カワイイ!」と思わず連呼。 右近健一さん@九竜伊崎教頭は假屋崎先生的な出で立ちだけで「きたぁ~っ!右近さぁ~ん!」で笑えたのに、バックがそんな事になっているとは! 前方桟敷に座っていた知り合いによると、あのお尻は「キラキラファンデが塗ってあった!」と言ってました。 あれ、衣装を作る時…パタンナーさんとか、お針子さんとか…いろいろ大変だったろうなぁ~。 採寸した時の様子を想像すると…かなり笑えます。 高田聖子さん@権田原ユカは由美かおるを意識してますか? 白いセーラー服がとってもお似合い♪
そして…やっぱり一番笑ったのは古田新太さん@天王寺天牙の登場。 青い照明にシルエットが浮かんで怪しくメロディアスに、ダンサブルに登場。 コレって東方神起のパロだそうで…元ネタを知らないけど無駄にキレのあるダンスに大爆笑! ビックリするほどスリムになった古田さんに驚いていたら、舞台上でもネタにされてました。
客演のお三方は…
三宅弘城さん@兜剛鉄は、とにかく拍手喝采! 主役交替から本番までどのくらいの期間があったのでしょうか? とにかくお疲れさまでした…。 小柄な体躯で筋肉隆々な様が他のキャラとの対比となってイイ味が出ていたかと
坂井真紀さん@浅見山サツキ。 南野陽子バージョン【スケ番刑事】がモチーフなのは…坂本龍馬ブーム→土佐弁だから? ゆ~っくりしゃべる土佐弁がとってもキュートでした。 まさかあのTBCのCMが見れるとは!
田辺誠一さん@土方夢知彦。 私、映画【少年メリケンサック】のTELYA役が猛烈にツボだったので凄く期待してましたっ。 マッチか?トシちゃんか?的なバンダナ+Gジャン=アイドルな時代のフリ切った様がナイス(特に映像)。 早口になるとちょっとセリフが聴き取りずらい~。
30周年にこ~ゆ~作品を持ってくる所に改めて新感線の魅力を感じ、「やっぱり新感線だな!」と嬉しくなった公演でした♪

忠臣蔵【博多座】

2004年以来の上様見参!の博多座です♪ お芝居は【忠臣蔵】で…しかも昼公演のみの日にはアフターイベントとしてマジー(=真島茂樹)の【みんなで踊ろう! マツケンサンバ?】が開催されるとあっては開幕前からテンション↑

忠臣蔵

討ち入りを果たした後~浪士たちが各々の逗留先にて切腹の場に赴くまで…の描写に重きを置いて描かれているお芝居でした。 松平健さん@大石内蔵助はドッシリと構え、紺野美沙子さん@妻りくは健気に支え好演。 浪士達は討ち入り後、四家に分かれて正式なお沙汰を待ち切腹になった…との事ですが、皆、内蔵助と一緒に最期を迎えたかったんじゃないかなぁ~と思ったり。 切腹の場に向かう白装束の同志に心情を吐露する様に引き込まれました

唄う絵草紙

高まる期待を裏切ることなくド派手衣装に華麗なステップで歌い踊る上様。 スパンコールが2割増じゃないの?!ってなくらいの光り輝く“人間ミラーボール”と化した上様に視線を投げられた客席が湧く!沸く! 本日、劇場に足を踏み入れた時からヘビィーローテーションで流れていた【暴れん坊将軍テーマ~松平健バージョン~】で気分は最高潮! ゴレンジャーのような5人5色の裃を身に付けた従者が富士山をバックに大セリで上がって来ると「おぉ~!」 まるで早馬を走らせるかのような振り付けはツボ~。 ♪愛 愛 あい~(LOVE!)、夢 夢 ゆめ~(DREAM!)♪って素敵すぎる!
私【暴れん坊将軍テーマ~松平健バージョン~】のCDお買い上げ。 おまけに上様ミニうちわが付いてきました☆(裏面歌詞入り)

みんなで踊ろう! マツケンサンバ?

マジー(真島茂樹)のアフターイベント。 花道からの登場で【花吹雪 不夜恋】と【宝島伝説~ワクワク愛の伝道師~】2曲を披露で感激☆(このCDも持ってる私) 腰元ダンサーズを従えて、観客にテキパキと指導するマジーは“THEダンサー”って感じ。 でもその口調は…改めてホントおネェなんだなぁ。
【唄う絵草紙】だけでも、もう一度観たい!と思っていたのに今月は初のグループ展が控えていてその準備と運営でバタバタしてしまって…残念。 でもヤル気と気分転換にとても楽しい1日でした♪

橘菊太郎劇団・夜の部【博多新劇座】

初めて大衆演劇というのを観たのは三年前で、この橘菊太郎劇団。 それから数えてこの劇団を観るのは今回が三度目。 座長、若座長以外にも顔を覚えている役者さんが今年も奮闘中…とあらば、応援したくなるのが心情。
今回は「是非一度“生の新劇を観て欲しい”」と常々思っていた同僚二人をお連れしての観劇。 やはり最初が肝心!と、私が観た数少ない新劇の劇団の中で、平均的に安定している橘菊太郎劇団がイイだろう…と考えての事。 最初は雰囲気にのまれて戸惑っていたようでしたが「面白かった」と概ね好評。 1900円で3時間15分の毎日違う舞台…にビックリ。ホント、どうやって儲けを出しているんだろう?…といらぬ世話ですが、毎度心配になるほどのサービス満点ぶり。

本日は三部構成で第一部は【顔見世ショー】で、団員が自己紹介よろしく曲に載せて踊りながら登場♪…でテンション↑
第二部のお芝居は【お家騒動けんか旅】。
とある武家の奥方が悪妻で、家の用心棒の“先生”と結託して自分の夫を亡き者にしようと策略。 実子である娘や主人に忠実な奴を疎み追い払い、果てはは刺客まで出すし始末。 娘と奴はこの悪事を伝えようと奔走する中、人情に厚い股旅に出会い力を借りてお家乗っ取りを阻止する…ってな感じのお話(確か。観劇から時間が経ちすぎてかなり忘却)
なんかいろいろ唐突で「は?」と驚かされる事が多かったけど、ベタベタなお話しで可もなく不可もなく。 でもやっぱりこの劇団は役者さんが揃っててお芝居は皆安定しているから観やすい印象。 本日は客席のスポンサーの○○生命の方が観劇との事で、劇中度々「生命保険は…」「保険をかけるなら…」と社名を連呼。
第三部の【魅惑のショー】では、この劇団で初めて子役ちゃんを観ました! 小学生…低学年でしょうか? 一生懸命“シナ”を作って踊る様に、子供の頃からこういう環境で役者として育っていくんだなぁとしみじみ。 橘良二さんは…なんか化粧が変に険しくなっていて残念。 前の方がよっぽど男前だったのに~。 橘大五郎さんの女形は色気が増した印象。 うん、綺麗。
特筆すべきは、本日午前中に来月の博多座サブちゃん公演記者会見の為、来福していた沢竜二さん特別出演。 劇団に対するエールを送り、三曲ほど熱唱。 シンプルな着流しにおよそ不釣り合いのキラキラキラキしためっちゃ大きな光る石を輝かせ「え~っ…と。その趣味はいかがなものか?」 しかし曲中にセリフがあるものには「さすがプロの役者」と感心! なんか…曲中のセリフって聞いてて寒い感じがしませんか? それがいっさいなくて聴き入る感じでビックリ。
そして…ラッキーだったのはショーのラストに【白浪五人男】が! 昼の部ではいろいろと手際が悪くて失敗だったらしいけど、夜の部はキマッタ! 橘歌舞伎っていうんですね~。 いわゆる土手の勢揃いは障子に名前が書かれていてそこから出てくる…というもので並びもビミョ~に違う。 でも衣装や鬘も頑張っていて遜色ナイ! 立廻りはロック調のBGMで激しく立ちさ様は新鮮☆ 日本駄右衛門が座長の為、独りすごくめだつ演出となっていましたが、捕り手達が客席から御用後用とわらわらと現れて、本格的。 めっちゃ得した気分でした!

観劇を終えて知った事。 以前、市川亀寿さんに似ている~と印象に残っていた橘浅太郎さんは今春急逝されたそうで…合掌。