美女と野獣【四季劇場・夏】

初めての夏劇場観劇で、初めて大井町に降り立ちました。 劇場そのものは…昔あった大阪MBS劇場に似ている印象(っていわゆる四季劇場の造りなんだけど)で、「新しい劇場に来た」感が全く皆無。 団体観劇のグループがいくつもいて、劇場周辺やホワイエは恐ろしく騒がしいうえ、二階は節電の為薄暗いのに人がひしめきあっている様がなんたが異様な光景でした~。
四季作品では…多分一番回数観ていると思われる“美女と野獣”ですが、観劇日を辿ると…2008年の広島公演・千穐楽以来、実に約3年振りの観劇だった事に「いつの間にそんな月日が経っていたの?!」と驚愕。 アンサンブルさんのお名前も初めてみる方ばかりの上、お目当てのキャストの登板はありませんでしたが、細部まで知り尽くした…と言っても過言ではナイ作品の久々の観劇を楽しみました♪
総括。 全体的に凄く早い!! 歌い出しとかセリフとか芝居のタイミングがなんだか全てが“巻き巻き”で進んでいるような…さっぱり余韻が残らない~。 カーテンコールまでも間を置かずしてせわしなく連続される感じで。 一体どうしちゃったんでしょう??? しかしながら【Be Our Guest】【Human Again】ではコーラスの迫力にウルッと~。 やっぱり良く出来た作品だ!

久々拝見の佐野ビーストは歌がさすがの安定感で、独唱ではその声量に劇場がビリビリと震える感じに懐かしさを覚えました。 野獣のおちゃめな可愛らしさは薄味で、芝居では物足りなさもあったものの、ラスト王子に戻った瞬間「あれ?こんなに王子様が似合ってたっけ?」と記憶にはなかった“王子様ぶり”にビックリ! 佐野さん、若返ってません?
2005年の福岡公演で百々ルミエールのデビューの日を観た私。 多分それ以降、ルミエールとしての登板回数は一番多いのでは? セリフ回しや歌い方が道口ルミエールそっくりになっていたのには驚きました!
青木コッグスワースは堅物すぎて今ひとつ笑えず残念。 広島公演デビューで一度も遭遇出来なかった小川バベットは、容姿はお人形さんのようで◎ですが“段取り通り”という感が強く芝居に心がナイ印象。 寺田ダルクは、恐ろしくメイクが怖いことになっていて、セリフの声が無駄に大きくてビックリ! 林モリースは…あんなに芝居下手でしたっけ?ってなくらい、一番残念な印象でした。
…とは言え秋山タンス夫人今まで観た歴代のタンス夫人の中において全てが最高☆☆☆ これは東京公演ならではのキャストだなぁ~と羨ましく思えました。 遠藤ミセス・ポットも満足♪
あえて書かないキャストは相変わらずの安定感、という事で【美女と野獣】やっぱり好きな作品です☆

劇場 キャスト
ビースト:佐野正幸/ベル:坂本里咲/モリース:林和男/ガストン:田島亨祐/ルミエール:百々義則/ルフウ:遊佐真一/コッグスワース:青木 朗/ミセス・ポット:遠藤珠生/タンス夫人:秋山知子/バベット:小川美緒/チップ:伊藤綾那/ムッシュー・ダルク:寺田真実

スウィーニー・トッド【青山劇場】

2007年からの4年振り再演です!(って前回の観劇から4年も年月が経っていたとは…愕然~)。 あれからジョニー・デップ主演の映画も公開され、作品としても有名になったので、もっと早くに再演があるかと思っていましたが…市村正親×大竹しのぶ、というビッグ主演お二人のスケジュール調整が大変だったんでしょうね?、やっとです! 主なキャスティングはアンソニーが城田優さん→田代万里生さん、タービン判事が立川三貴さん→安崎求さんの変更のみで「更に歌に期待できそう♪+初演時の興奮再びに違いない!」と遠征観劇☆
耳をつんざくような警笛の音で幕が空いた瞬間「あぁ、コレコレ。そうだった、そうだった~」と一気に暗鬱としたロンドンへ再びタイムスリップ。 作品としての印象は初演観劇時と変わらず。 ただ、キャストの“死者の怨念メイク”が全体的に薄くなっていて、皆、以前より顔色が良くなっていたのが…なんだか可笑しかったです。 初演後公開された映画を観て…また舞台を見ると、計算されたスムースな場面転換に舞台美術と演出に改めて感嘆。 気が付けば私、今年は金閣寺も観劇してるし…ちょっと亜門作品づいている?!
主演お二人はやっぱり流石!です! お二人とも全く年を取らないような…パワフルな様は拝見するだけでパワーをもらえます!
二人の微妙な絶妙な関係のかけあいに息をのみ、笑い、グイグイと引き込まれました

大竹しのぶさん@ミセス・ラヴェットなんか、さらに若々しくラブリーになっているのでは?! 歌は~初演時と変わらない印象でしたが、腹をくくってからの“逞しい女のしたたかさ”に愛嬌が増し絶品でした。 トバイアスに対する母性もしかり! ラスト、彼の妻と知りながら隠していた事がバレた時の表情が哀れで可愛くて強烈な印象として残りました。
今回キャストチェンジとなったお二人は…どうやら期待しすぎたようで、という印象で「悪くはナイ。…けど~」でした。
田代万里生さん@アンソニー歌はさすがに上手いのでしょうが、なにせソンドハイムの不協和音旋律なもので、聴いていて耳に心地良くナイ訳で…で、演技は特筆すべき事はなく。
安崎求さん@ターピンは…すごくジジィ(言葉悪くて失礼!)な感じに作ってあって、それはそれで不気味で、Tバックでお尻まで披露しての熱演でしたが…初演の立川三貴さんの方が好みでした。
キムラ緑子さん@乞食女の演出は変わっていますよね? あそこまで彼女がフューチャーされていた印象はなかったので、ラスト身の上が判明した時の衝撃がハンパなかったのですが…。 今回は最初から「彼女は何かきっと重要な役所だ」とありありと判るような演出となってるような? 顔も髪ですっかりと覆われてあそこまでハッキリ見えていなかったような~? 映画が公開され、多くの人が彼女の身の上をすでに知っているから…という変更があったのかな?
この作品で初めてミュージカル作品で拝見したソニンさん@ジョアンナはその後すっかりミュージカル女優としての地位を確率しての安定感。 あの小鳥のさえずりのような小刻みに震える高音は健在。
武田真治さん@トバイアスのキャラクターはやっぱり舞台版のこちらが好み。 地下室でひき肉器を回す演出は…初演時はミセス・ラヴェットから習ってラストまで何回かやっていたような?…違ったかな? 武田さん、美形な方だけどやっぱトートよりはこういう役所の方が活きるような♪
そして斉藤暁さん@ビードルはやっぱりあの眉毛にクスッ。 漫画のような体型もツボです。
今公演、残念ながら福岡での公演はなく…の遠征でしたが、これから公演が予定されている地域の方は是非ご観劇を! 次回の再演、があったとしても何年先か判りませんから!!

ウィキッド【キャナルシティ劇場】

福岡公演開幕以来2回目の観劇です♪
「初日の客席の賑わいがこのまま続けばなぁ…」と危惧していたど、本日は平日夜の部でありながら~そこそこ客席が埋まっていた印象でホッ。 専門学校等の団体観劇も多かったようです。
エルファバ以外は主要キャストが変わっていて、特にグリンダは沼尾さんしか観たことがなかったので興味津々で観劇に臨みました☆
作品として、やっぱり凄く好きです【ウィキッド】!
一幕最後のエルファバの熱唱は必ずウルッときてしまいますし、二幕の…“悪い魔女として生きる事を決意”の熱唱の「フィエ~ロォ~!」では絶対ググッと心わしづかみされてしまいます。 江畑エルファバは真面目で一本気、不器用ながら熱い情熱を秘めている女の子を好演。 ますます凄みが増している印象でした。
私、他の演目でも山本さんと意識して拝見した事がナイので、グリンダを含めて「初めまして、山本貴永さん」です。 顔立ちが和風の方なので、あのブリブリしたガーリィな衣装やお姫様ドレスは、ん~。 江畑エルファバと並ぶと“同い年・同級生・親友”と呼ぶにはかなり年上に見える印象。 北澤フィエロとの並びもしかり。 お芝居は愛嬌が薄く感じるので、前半の親友になる前のくだりはホントに意地悪な女の子にしか見えず(【キャンディ・キャンディ】のイライザみたい…例え古っ!)観客の気持ちがグッとエルファバ寄りになったような~? しかし、グリンダか気持ち的に成長した後半は良かったです。 歌は安定☆ 「他の演目でも拝見してみたいな」と思わされた山本さんでした。
かな~りお久しぶりの北澤フィエロとの再会です。 …って北澤さん自身、福岡公演の登板は約6年振りくらいだそうで。 前半の軽薄なおぼっちゃまぶりがイイです(と言ってもやっぱりフケたな、北澤さん)。 さすがの安定感でした。
やっと許容のネッサに遭えたわ~」と思えた勝間ネッサローズ。 …と思いきや総督になってからは「あら~、あなたもやっぱり…」 どうしてあんな開口バリバリで不自然なセリフ回しになっちゃうんでしょうね…。
私、確信しました。 松下オズの魔法使いは苦手です。 エルファバが自分の娘と判明してからが特に「薄っ!怒!」 このキャラクターに対して怒りを覚えるのは正解なんでしょうけど…なんかなぁ~。
今の所、手元にチケットはありませんが…閉幕前に大きなキャストチェンジがあれば突発観劇しそうです♪

劇場 キャスト

グリンダ:山本貴永/エルファバ:江畑晶慧/ネッサローズ:勝間千明/マダム・モリブル:森 以鶴美/フィエロ:北澤裕輔/ボック:伊藤綾祐/ディラモンド教授:前田貞一郎/オズの魔法使い:松下武史

博多座四月特別公演【博多座】

藤山直美さん×前川清さんコンビでは2年振り、直美さんに至っては博多座登板6回目となる今公演。 24日は昼公演1回のみでしたが、特別公演【東日本大震災復興支援チャリティーコンサート】の開催が急遽決まり完売。 “1回限り”本公演とは違う内容で催されるという事です。
“W小島”が大好き~♪な私にとって小島秀哉さんが体調不良の為休演だったは残念!

紺屋の恋女房

ここ数年の博多座における直美さんの公演ですが“直美さん×○○○さん”という二枚看板である事が多く、“ザ・藤山直美”的な…【はなのお六】のような作品を期待している私にとっては、コンビの相方に華を持たせるような役回りである事が多い演目にちょっと不満。 それが今公演のお芝居では一番顕著に感じました…。
傾城高尾にひと目惚れして…ついには女房として迎える前川清さん@紺屋職人の久造。 朴訥とした正直・真っ直ぐなキャラクターがピッタリはまって、高尾に対する純な気持ちにニッコリさせられます。 高尾を嫁として迎える際に自身の母親に啖呵を切るシーンが決まった所で思わず拍手☆ “おどおどしたイイ人”キャラを演じたらピカイチな役者さんではないでしょうか♪
藤山直美さん@傾城高尾久造に心を寄せていく心情の描かれ方が薄く、唐突感が否めません。 「え?いつの間にそんなに~?!」って感じが強い。 気位の高い傾城ながら新造たちには優しく接する様で高尾の人となりは描かれているのですが、久造の嫁として認めてもらう為の行為として紺桶に手を突っ込んで心の様を表すのは…「え?それだけで?それで認めちゃうの?!」と呆気に取られました…。 って観賞後よくよく考えてみると、蝶よ花よともてはやされ綺麗綺麗で過ごしてきた傾城が手を汚すってだけで相当な覚悟が伺えると解釈すべきなんですよね。 うん。 やはり久造が主役なので、“藤山直美の舞台を観た”という満足感がとても薄く、かなり消火不良だったのは残念(二年前の博多座公演【三次とお玉の恋物語】は二人のバランスが良かったのに~)
オープンニングの…当時の華やかな様子が垣間みれるような、遊女をはじめとする一連の舞はとても素敵でした☆

二人のスプリングコンサート

前回公演よりお二人で歌う曲数が多かった印象。 グループサウンズ特集は客層に合わせた選曲だそうで、客席も手拍子で盛り上がっていたような。
途中“前川清グッズ”の紹介がありましたが、軽妙なトークで多いに客席が沸き終演後のグッズコーナーは大混雑してしまいた。
基本、直立不動で歌唱する前川さんですが、前方席に握手を求めてステージにかけよる観客に身を乗り出してしゃがみ込んで丁寧にお辞儀をしながら対応。 しかし!声は全くブレる事なく「歌ウマ~♪」と改めて聴き入る~。 そしてスラリと長身な前川さんは改めてスタイルがイイ! 派手な演出や衣装はなかったけれど“これぞ歌手”な聴かせる歌で耳が幸せ~☆ ラストはお二人のデュエット曲【ラブソングが聴こえない】で幕。

ウィキッド・初日【キャナルシティ劇場】

昨春、福岡から劇団四季が撤退してから1年、キャナルシティ劇場とその名を変えた劇場に劇団四季が8月迄の期間限定で戻ってきました! まさか福岡で【ウィキッド】が観れるとは思っていなかったから、大好きな演目の上演にすっごく嬉しくて初日から行ってきました♪
ロビーにはむせ返るほどズラ~リと花が並び、招待客と思われるスーツ姿の人がい~っぱい。 今日のチケットを確保する段階で判っていたとはいえ…純粋な四季ファンが後ろの席で我慢しなければならないって…やっぱり納得出来ないぞ!! とは言え、満員御礼でひしめきあうロビーと客席を目にし「この賑わいがずっと続いてくれればイイのにね~」と思ったり。
【ウィキッド】は東京開幕直後に電通四季劇場・海と昨年に大阪四季劇場で観劇してて、本日は3回目。 この巨大なセットは…福岡仕様になってたりするのかな?(この劇場は奈落が浅いらしく、よく“福岡仕様”に変更があった過去あり) 本日のキャスト、主役のお二人は前観劇時と同じ~。

沼尾みゆきさん@グリンダは前回の印象と変わらず。 あの細~い体型を維持しながら、これだけのロングラン公演を耐える体力と喉(声量)に驚かされます。 私、グリンダは沼尾さんでしか観たことがナイので、キャストチェンジがあった際には是非観劇してみたいと思います。
江畑晶慧さん@エルファバは前回全く笑えなかった「キラキラぁー、キラキラぁーっ」が◎ グリンダから口紅を塗ってもらってベタベタする様や、髪に差した花にとまどう様の堅物具合がチャーミングに自然と笑えました。 で、やはり1幕ラストはどうしても泣けます!! フィエロを救う際に夢中で魔法の呪文を唱えるシーンは鳥肌が立つ程の迫力でした。
保城早耶香さん@ネッサローズ、これって重要な役所だと思うのですが、観る度に「ん~…」という残念さが。 森以鶴美さん@マダム・モリブルは、やはかりこれくらいスラリと長身で若い魔女二人を見下ろす感じのヴィジュアルがイイですね。 でも…あんなに顔、真っ白なキャラだったっけ?!
手元には来月のチケットがあるので、福岡での進化を楽しみに観劇する予定です☆

劇場 キャスト
グリンダ:沼尾みゆき/エルファバ:江畑晶慧/ネッサローズ:保城早耶香/マダム・モリブル:森 以鶴美/フィエロ:李 涛/ボック:伊藤綾祐/ディラモンド教授:前田貞一郎/オズの魔法使い:松下武史