秀山祭九月大歌舞伎・夜の部【歌舞伎座】

「体力の限界!」by千代の富士…って感じで、一日通し観劇を断念。 ラストの【河内山】は泣く泣くパスして劇場を後にしてしまいました。 何度となく、経験している早朝の福岡→羽田→歌舞伎座一日通し観劇、ですが初の途中リタイア。 体調もあったのかも…ですが、恐らくは年のせいかと?悲しい

近江源氏先陣館

激しく気絶。 …以上冷や汗
…ってあんまりなので、自分の怪し気な記憶を辿って、観劇の記録を残してみることにします汗
吉右衛門さん@佐々木盛綱と玉太郎くん@小三郎。 私、この二人の並びがツボなんですよ~。 ただ並んでるだけで何故だかニッコリしちゃうんです…ってこれは重いお話ですけどね。
玉三郎さん@盛綱の妻早瀬って…“玉三郎さんと吉右衛門さんの夫婦”って、すごく珍しいですよね?! 宜生くん@小四郎。 あら?橋之助さんトコのお子さん方は皆、三越歌舞伎へのご出演かと思ってましたが…掛け持ち? 歌六さん@北條時政は安定感があって良かった…はず汗
もうホント、ごめんっ! 『時代物の名作を豪華配役で上演』って格好の機会だったのに~、何やってのよ私怒り 気絶する自分が悩ましい~汗

鳥羽絵

天王寺屋親子富十郎さん@下男の升六×鷹之資くん@ねずみ、の親子共演舞踏。 初めて観た演目でしたが…可愛いっ♪ こしらえもストーリーも、すっごく可愛い☆ 「すりこぎに羽が生えて飛ぶって…それ何?!」みたいな事は考えてはいけません。 そういえば、今年は子年でしたネ。

河内山

吉右衛門さん@河内山宗俊だったのに~汗 「体力&気力の限界!」で、観ずして帰ってきてしまいました…。 後日、幕見の気力もなく~涙悲しい

秀山祭九月大歌舞伎・昼の部【歌舞伎座】

何故かしら【秀山祭】は毎年欠かさず遠征観劇しています。 9月って台風シーズンだから、遠征ってカケなんですけど…ラッキー(実際、今回一週間後ろにズレてたら危なかった汗

竜馬がゆく【風雲篇】

昨年の上演では“第三十六回大谷竹次郎賞受賞”という事を受けての続篇。 昨年は、歌六さん@勝海舟と歌江さん@すぎの印象が強烈で…はっきり言って主役の印象があまり残っていなかった私汗
染五郎さん@坂本竜馬の登場では、バックライトがピカーッ☆で、そのシルエットが浮かび上がるド派手な登場でBGMには【必殺仕事人】のトランペットの音色でも聴こえてきそうな雰囲気で…ちょっと苦笑。
しかし、この真っ暗な舞台に明かりがつくと、大道具や書き割りにかけられていた暗幕が一斉にサッと引かれ、視界が鮮やかになる美術はお見事~☆ 新作だといろいろな冒険的手法も面白く楽しめますね。 池田屋のセットが引く→隣りの材木屋…とか◎
松緑さん@中岡慎太郎亀治郎さん@おりょうは、想定内の役作りで違和感なく好演でしたが、錦之助さん@西郷吉之助というのが意表を突かれました!
亀治郎さん@おりょうは【十二夜】の麻阿を彷彿とさせる弾けぶりで、「あたしゃ半日で後家かっ!」には大爆笑♪
今回も染五郎さん@坂本竜馬にはサラッと流れてあまり印象には残らなかったですが「生きるという事は面白いのぉ~」…だっけ?そのセリフが耳に残りました。

ひらかな盛衰記・逆櫓

多分、恐らくこの演目は私、映像も含めて初めて観た…はず。 『これぞ歌舞伎』って感じの演目でドカンと濃厚でドッシリ、なんですね。 …と言ったところで、私、激しく気絶してしまったようで記憶が今ひとつ定かではなく~(昼食後ってのも災い)汗 時間があればコレだけ幕見でガッツリと腰を据えて観てみたかった! 今月って、一つ一つの演目上演時間が長くてボリュームがありますよね。 早朝便で遠征しての一日通し観劇がこんなにも体に堪えたのは久し振り悲しい
演題の逆櫓は遠見で演じられる事が多いそうですが、この度は歌昇さん錦之助さん染五郎さんという三人の船頭、という豪華バージョン☆ その後一気になだれ込む大立ち廻りには豪快で見応え充分!
吉右衛門さん@船頭松右衛門実は樋口次郎兼光の形相は「いつもよりより多めに流しております」ってなくらいの流血ぶりに迫力が増し引き込まれました。
歌六さん@漁師権四郎。 近年、吉右衛門さんと共演されている際に際立つ上手さ“歌六さんキラリ”度がツボなんですが、今回も好演。 でも…しかしながら何故かしら年寄りキャラが多くなっているので、ちょっと残念でもあります。

日本振袖始

これは…京都の春秋座杮落とし公演の映像しか観たことがなく(猿之助さん@岩長姫実は八岐大蛇×玉三郎さん@稲田姫)生では初観劇。 上演自体も十年ぶりとの事。 近年、玉三郎さんのこ~ゆ~舞踏演目は激しく能チックに寄っていたので「高尚で美しいんだろうけど…面白くはナイなぁ」という印象だったので、久々手に汗握る迫力に大満足。 面白かった!
福助さん@稲田姫。 思えば玉三郎さん×福助さんのバトル舞踏自体も珍しいのでは? 思いのほか(失礼!)稲田姫が楚々として儚げな雰囲気で美しく、玉三郎さん@岩長姫実は八岐大蛇の妖しく冷たく美しい不気味さ、その迫力が際立つ感じ。
気を失って長い間舞台に伏している稲田姫って…寝ちゃわないのかな?っな長さ。
7人のスネークズを従えて二段上でのクワッとした鬼女の見得は、美しくてカッコイイ~っ♪
こんなに面白いのにあまり上演されないのは何故なんだろう?と不思議に思った久々の観劇でした。

團菊祭五月大歌舞伎・昼の部【歌舞伎座】

船 渡海屋・大物浦
今年の博多座【二月花形歌舞伎】獅童さんで拝見したばかりなので演目の記憶も新しく、その比較を楽しみながらの観劇となりました。
夜の部の弁天“浜松屋宗之助”で、むず痒いものを感じていた海老蔵さんですが…「海老蔵さんはこうでなくっちゃ!」というスカッとさせられる錦絵のようにキリリと美しい渡海屋銀平実は新中納言知盛の最期でした。 ファンではないけれど、こ~ゆ~お役で見得を切る海老蔵さんは本当に奇麗で見とれちゃいます。 私の席そばで外国の方が数人観劇されていたのですが、海老蔵さんが豪快な見得を切る度に身を乗り出してはち切れんばかりの拍手をされていたのが印象的でした(前のめり観劇はNGですが見ててコレは微笑ましかった♪) 白装束の血だらけ具合はものすご~くリアルで、口に含んだ血糊もセリフを言う度にゴホッと吹き出て…迫力満点! 鬼気迫るものがありました。
魁春さん@女房お柳実は典侍の局は…、こ~ゆ~石持女房(って言葉はナイけど)はピカイチ☆だと思います。 対して典侍の局は無念の色が色濃く出ていて◎
博多座ではすご~く珍しい四天王で強烈な印象でしたが汗こちらは若手イケメン四天王で(男女蔵さん亀寿さん亀鶴さん松也さん)知盛を追いつめる勢いと迫力は十分。 團蔵さん@武蔵坊弁慶のラストの髪型。 そのモミアゲだけ残して剃るのはさぞ大変だろうから…もう全部剃っちゃいないヨ!と思っちゃいました。 あのホラ貝の音って黒御簾の方がライブで…ですよね? イイ音に「我も出陣!」と思わず走り出したくなっちゃいます?!
最近、やたら葵太夫さんの髪型について書いてますが…今回は“あぜ道カット”でした! 演目によってご自身の中で髪型を決めていらっしゃるのでしょうか? 気になります~汗

桜 喜撰
三津五郎さん@喜撰法師のユーモラスさはいわずもがな絶品。 楽しげで軽快で、観ていて顔がほころんじゃいます♪  時蔵さん@祗園のお梶の艶っぽさに法師と共にうっとりしながらの観劇。 残り10分でゾロゾロ出てくる豪華メンバーの所化たちに加え、下手に清元連中+舞台奥に長唄囃子連中がズラ~リの大所帯に「さすが歌舞伎座!」の贅沢さに酔いました

熱燗 幡随長兵衛
市川新七さん改め新十郎さん@舞台番でお披露目。 あの固い台の上でまんじりともせず正座しているのは大変だろうなぁ~と思うのと同時に口跡の良さに驚かされましした。 おめでとうございます♪
珍しく上手客席通路を使った登場があるんですね! 珍しいといえば、團十郎さん@幡随院長兵衛×坂田藤十郎さん@長兵衛女房お時という組み合わせ。 これは『江戸歌舞伎の市川團十郎と上方歌舞伎の坂田藤十郎が歌舞伎座で共演』と話題となった今年三月公演で、藤十郎さんが喜寿記念として【京鹿子娘道成寺】を踊った際に團十郎さん@大館左馬五郎照剛で花を添えたお返し…との事。 どっしり構えて何もかも吞み込んで夫を送り出す女房の懐の深さと、玉太郎くん@倅長松の愛らしさが別れの切なさを倍増。 袴は必ず左足から履くものなんですね。
長兵衛の後ろに控える子分たち(海老蔵さん松緑さん権十郎さん松江さん亀寿さん亀鶴さん松也さん)に加え、三津五郎さん@出尻清兵衛梅玉さん@唐犬権兵衛。 全員が全員、縞の着物なのに全て色とその縞具合が違っていて、デザインのバリエーションに驚かされ「着物ってオシャレだなぁ~」と思いました。 血気盛んで喧嘩っ早い風情の子分たち風情がとっても良く出ていて面白かったです。 この子分達をまとめる親分の気苦労はいかばかりかと~汗
菊五郎さん@水野十郎左衛門不気味な敵役ぶりに、狡猾に仕掛ける罠に真っ向から立ち向かってゆく團十郎さん@幡随院長兵衛の勇壮さと人物の大きさが際立つ感じ。 とても彦三郎さん@近藤登之助のゆる~い一撃で倒されるようには見えないんだけど~汗 自分の棺桶を持って子分達に迎えに来させる…だなんて、なんて腹の座った男なんだよ!と感動しなから、風呂のセットに「浮世風呂、観たいなぁ~」と思ったりもしてました~汗
いや~、今年の團菊祭、特に見応えがあって面白かったです♪

團菊祭五月大歌舞伎・夜の部【歌舞伎座】

シアタークリエにて【レベッカ】マチネ公演観劇後カーテンコールをブッちぎって、ダッシュで歌舞伎座へ! …ってそれでも序幕15分ほど遅刻しました汗 周囲のお席の方ご迷惑かけました~ 滅多に観れない序幕だったのに…ホント残念。

白浪ゴレンジャー
地球 青砥稿花紅彩画 白浪五人男
実は来月、博多座にて菊之助さん@弁天小僧菊之助で【浜松屋見世先より稲瀬川勢揃いまで】がかかるので、このとほか楽しみに観劇(今月は團菊祭というのに菊ちゃんはコクーン出演で不在) その【浜松屋見世先】での菊五郎さん@弁天小僧菊之助「もう化けちゃあいられねぇ~」からの痛快なまでの鮮やかな変わり身はさすがに楽しく、“てやんでぇ~、べらぼうめぇ~”ポンポンと飛ぶ勢いのある会話が耳に心地良い♪ ただ…ちょ~っと娘姿には頬のタルタル具合が今回はひどく気になりました汗
先月の【浪花花形歌舞伎】に続いてまたしても橘太郎さんのラブリー番頭だったのが激しくツボ! 愛嬌あふれる番頭さんはホントにハマり役なうえ、浜松屋の番頭与九郎はラストには丁稚二名と三人でオリンピックネタを披露。 笑わせていただきました~♪

そして意表をつかれたのは海老蔵さん@浜松屋宗之助。 團菊祭ならではの配役でしょうが…ファンの方、いかがでしたか?汗 後ろに大人しく控えていても、どうしても目がいってしまうのは華あるオーラのせいか? はたまた…“舞台あらし”か?!(byガラスの仮面)
今回【稲瀬川勢揃いの場】で初めて思った事、それは…キラキラ五人男のツラネは『スーパー戦隊シリーズの原点だ!』キラキラと。 きっと白浪五人男からアイデアを得たに違いナイ!と。 もしかしてこの考えは激しく既出?! ちなみに私、原点【秘密戦隊ゴレンジャー】世代。 なにせ祖父から初めて買ってもらったレコードがゴレンジャーの主題歌だったもんな♪ 敵を倒す前に5人のヒーロー達が各々の自己紹介を節を付けて次々と述べ「五人揃って~」となるのは正にコレですよ、コレ! 今までにも何度となくこの場は観ているのに、こんなふうに感じたのは初めて。 おそらく菊五郎さん@弁天小僧菊之助團十郎さん@日本駄右衛門左團次さん@南郷力丸時蔵さん@赤星十三郎三津五郎さん@忠信利平…という豪華配役で、このうえない贅沢で心地よいツラネに「ハッ☆」と気付くものがあったようです。
二十一世紀にもなった現代でも脈々と受け継がれているこのスタイルの生みの親・河竹黙阿弥…スゴイよ。
【極楽寺屋根裏立腹の場】が圧巻! 下座音楽が奏でるスピードと立ち廻りのスピードがリンクして、菊五郎劇団の素晴らしいチームワークの技が次々に繰り出され手に汗握ります! 立腹~がんどう返し~山門セリ上がり~、という大迫力の場面転換に「歌舞伎、カッコイイ~っ♪」と改めて歌舞伎の面白さに感動~。 でもって、團十郎さん@日本駄右衛門が石川五右衛門のようにドーンと構えてカッと目を見開き見据える姿に「でっけぇ~!」 富十郎さん@青砥左衛門藤綱のスコーンと鮮やかに突き抜けた口跡で壮快な〆。

サル 三升猿曲舞
“しかくばしらさるのくせまい”…って読むんですね。 この…“しかくばしら”ってのは四人の奴を指すのでしょうか? 松緑さん@此下兵吉はりりしく、ソロ舞踏では久々拝見しましたがキビキビしていて心地良い打ち出し~。

三月大歌舞伎・昼の部【歌舞伎座】

植物 春の寿
舞踏三題は居所変わりでセットが変わる手際が鮮やかで美しく、こちらも堪能♪
【三番叟】 今回は新しい振り付けとの事。 板付きで大ゼリでセリ上がってくるのってカッコ良くって大好き♪ 進之介さん@千歳我當さん@翁は天下泰平、国土安穏祈願の舞い、歌昇さん&翫雀さん@三番叟は五穀豊穣祈願の舞。 私、兼ねてよりこのお二人はよく似てるなぁ~と思っていたのですが、こうして並びで拝見する機会はなく今回が初めてのような? 改めて注目すると…そんなに似てませんでしたネ汗 スッキリと軽快な舞で心地良い☆
【萬歳】 梅玉さん@萬歳で商売繁盛を祈願!の舞いでしたが…何故だか久々に拝見した感のある葵太夫さんに目が釘付け。 改めて寸分の狂いもないセンター分けのヘアスタイルに懐かしの“あぜ道カット(by斉藤清六…古っ汗)”を思い出してしまいました…ってどんな感想よ?!

【屋敷娘】 これは初めて観ました! 扇雀さん@お梅孝太郎さん@お春。 屋敷奉公している二人が久々の宿下がりの道中でウキウキと“恋ばな”をしている様子。 孝太郎さん、すっごく可憐で可愛い~♪

日の出 一谷嫩軍記【陣門・組打】
16才前髪の若武者に喜寿の藤十郎さん@熊谷小次郎直家(+無官太夫敦盛)! そしてその父・團十郎さん@熊谷次郎直実。 凄いです…歌舞伎でしかありえない配役です! 花道より「いで切りいらん」と駆けつける小次郎の足取りの軽やかさと若さに驚愕です。
戦の出で立ちの…背中の気球のような?風船のような?幌のような球体は…アレは何ですか? 子供の遠見は非常に効果的☆ ラスト、黒い愛馬に息子・小次郎の遺品を乗せ、馬の顔の下に入っての男泣きの團十郎さん@熊谷に涙。 馬もイイ演技です!

赤りんご 女伊達
痛快☆長唄舞踊。 菊五郎さん@木崎のお秀に絡むのは秀調さん@淀川の千蔵権十郎さん@中之島鳴平。 この組み合わせって…珍しいですよね。 菊五郎さんの女形を久々拝見したのですが…こ、こんなに綺麗じゃなかったっけ?とヴィジュアルがかつての精彩を激しく欠いていた事に戸惑いました汗 『菊五郎劇団の総力を結集』ってな鮮やかな立廻りでスカッとする楽しい一幕。

かどまつ 吉田屋
仁左衛門さん@藤屋伊左衛門。 私、意外にも拝見するのは随分久しぶりだったようで…またおヤセになったのか?ひどくお年を召した様子の伊左衛門にちょっと驚きました。 演技はもう何も言う事はナイ“伊左衛門その人”でした! でも…あんなに、あそこまで子供っぽさが強調されていたかしら?と思ったりもしました。 夕霧の名前を出すまでのジリジリとして様子や、お座敷を探してまわるチョコチョコした足取りなど可愛くてたまらないのですが~♪
福助さん@扇屋夕霧は初役との事。 しかも仁左衛門さんと恋人役…ってのも珍しいですよね? すごく新鮮なカップルでしたが相性は…いかがなものか?と。
秀太郎さん@吉田屋女房おきさ絶品☆ も~うこのようなお役は揺るぎない安定があり大好きです! 千穐楽ネタとして「松嶋屋さんは来月歌舞伎座で勧進帳~」ってな事をおっしゃってました♪
10億円の借金を作っておいて…この甘々なラストはどうよ?!と毎回思うこの演目ですが、ニッコリ笑顔になれる打ち出しなので劇場を後にする足取りは軽くて好きです。