三月大歌舞伎・夜の部【歌舞伎座】

連日、仕事に忙殺されてまして…当日は朝1便で東京入りしたので「何の為にわざわざ東京に来たのよ?!」と自分に腹が立つやら情けないやら…思いっきり寝てました。

伽羅先代萩

菊五郎さん@政岡vs段四郎さん@八汐! 段四郎さんが八汐…というのは珍しいのかな?  悔しがる様などがユーモラスな感じで、とことん 憎々しいキャラクターなんだけど、愛らしい感じ さえしました。
しかし…やっぱり特筆すべきは清水大希くん@ 千松でしょう! 自分の役目を心得「君を一生懸命 お守りする。 ひもじゅうない」と切々と訴える 様にウルウルしていらた…「エライっ!」という 大向こうがかかりました! ドッと客席が湧いた のですが、動揺することなく演技を続ける大希くん に“役者魂”を見て、またウルウルしてしまった…。 でも「エライっ!」というこの大向こうは、客席 皆の気持ちを代弁していたと思うので、泣ける シーンで笑いが起こったけれども、決して嫌では ありませんでした。 千松も大希くんも“エライっ”!

藤娘

芝翫さん@藤の精。 可憐だ・:*:・( ̄∀ ̄ )。・:*:・ 望月朴清さんの鼓が久しぶりに聴けたので 嬉しかった~♪

新口村

雀右衛門さん@梅川は、ものすごく久し振りとの事。 優しくてしっとりしてて…悲哀がにじんでいる表情は とってもとっても素敵でした。
そして仁左衛門さん@忠兵衛&孫右衛門。 私自身、 仁左衛門さんの老け役って殆ど拝見した事がナイので 孫右衛門はものすごく感動しました。 梅川がわざと 目隠しを取って、我が息子の顔が思わず見れてしまった 時の表情は胸にズーンと迫り、それから最後まで ウルウルしっぱなしでした…(゜ーÅ) ホロリ  良かった、ホント良かった~!

三月大歌舞伎・昼の部【歌舞伎座】

大石最後の一日

孝太郎さん@おみの。 待ちに待った登場に嬉々と していたら…見えない。 全く、見えない(;´д` ) そう、今回も私の前の席の人はデッカイ男性で… しかも前のめり。 お目当てのおみのちゃんは、私の 真っ正面一直線上に。 しかも、殆どその位置から 動かない。 見えない…。 どうやら自分で腹を刺した らしい…が、見えない。 悲しすぎ(T-T)
可愛かったんだろうなぁ…孝太郎さん@おみのちゃん。

達陀

初めて観ました! 出来ることなら…自分の意識が ハッキリしている時にもう一度観たい! また観たい! (前半ひどい睡魔と戦っていて意識が~) ラストのリズミカル&ダイナミックな群舞は迫力満点!
で、目はセンターで踊る菊五郎さん@僧集慶…の横の 岡村研佑くん!(ですよね?)凄い、凄い、スゴイ~! 一糸乱れぬ群舞に、バッチリ付いていっている…と いうより、むしろリードしている?! もう研佑くんしか 観てませんでしたね、ハッキリ言って ( ̄∇ ̄*)ゞ
演出やセット自体も斬新で沢山の驚きがあった演目 でした。 “紗幕”内での演奏って…他にはどんな 演目であるんでしょうか?
あ…もう一度観たいなぁ…。 観たいっ!( ̄ε ̄;)

【義経千本桜

仁左衛門さん@権太。 こんぴらでの初役での好演を 嫌というほど聞かされて悔しい思いをしていたので やっと、やっと観れる~、という嬉しい舞台でした♪
“上方風”とは、なるほど、こ~なるのかぁ((φ( ̄Д ̄ ) と、その違いも多いに楽しめました。 ラストの“もどり”。 こんなに泣けたのは初めて! 胸が痛くなりました。 縄をかけられて連れて行かれ てしまう、秀太郎さん@小せんとの目で交わす別れ。 泣けた~ 。゜゜(´□`。)°゜。
そして…孝太郎さん@お里ちゃん♪ 今度は動きが あるので見れました! しかし~、一番見たかった 「お月さんも…」が、丁度見えない位置での一言!! 泣けた…(T-T)
吉弥さんの弥左衛門もやっぱり好きだな♪

観劇時も体調を万全にして望む事を固く心に誓った遠征でした。

二月大歌舞伎(幕見)【歌舞伎座】

急な東京日帰り出張が入って…でもその目的のモノは遅い昼過ぎから。 「これは早く行って幕見をしなさい」という神のお告げだわ♪と思った私は、昼の部の三演目をちゃっかり観てきました。 どちらが本当の目的だったんだか~。

市原野のだんまり

久々に拝見する左團次さんのお姿にニッコリ♪ そして、先月の松竹座で“笑える梅玉さん”と いう衝撃のお姿を拝見した梅玉さんは… “本来の梅玉さん”に戻っていらして…安心? 残念? という印象ばかりで、今イチ演目に 入りこめませんでした。 アッ!という間に 終わってしまったし…。 でも歌舞伎座では ものすごく振りの上演なんですよね?

毛谷村

吉右衛門さん@六助時蔵さん@お園、のコンビは 久々…との事。 観れて嬉しかった~(*^m^*)
私は吉右衛門さんの六助って初めて拝見したのですが 今まで拝見した事がある六助の中で一番大柄だった ので「太鼓じゃ、太鼓じゃ」と子供をあやすトコが とってもラブリーに思えました。 大の男が子供に 振り回されている感じが強く思えて…。
時蔵さん@お園は、六助が許嫁と判っていそいそ< となって…それからハッと我にかえって武家の娘 らしくなる所が、その変わり際が絶妙でした♪

茨木

平日の昼間というのに…幕見、満席で立見の方も! 「皆、何をしている人たちなんだろう?」…と自分の 事を棚にあげて驚いてしまいました。
玉三郎さん@伯母真芝。 私自身、玉三郎さんの老婆 って拝見した事がなかったので、その声の出しようや 立ち姿がまず衝撃的でした。 そして茨木童子では、切り落とされた自分の腕を持って 「クワァ~ッ!」と真っ赤な口を開けての豪快な見え、 そして片手六法…と圧倒されっぱなしでした!
先月に続いて…隼人くん@太刀持ち、間狂言での 翫雀さん@番卒。 今月は観る予定がなかっただけに なんだか不思議でした~。

帰りの飛行機、1本乗り過ごしてしまいました~ 。

仮名手本忠臣蔵・夜の部【歌舞伎座】

五・六段目

“山崎街道二つ玉の場”の、信二郎さん@定九郎の色悪ぶり、闇に生える白塗りと口からしたたり足に落ちる流れる赤い血の…色の対比がなんと美しい事!! しかし…短いながらも強烈なお役なのに、印象が薄いのは残念~。 登場した時も「信二郎ここにあり!」的な存在感がナイのは寂しかった。 勘九郎さん@勘平の、人を打ったという驚きと、思わず財布を握りしめて逃げ出す時の、心の葛藤が表情からありありと見てとれて良かった。
家橘さん急病休演の為、代役・上村吉弥さん@母おかや。 「美人なお役で拝見したかったな~」と思いつつも、汗が落ちて膝上の着物の色がすっかり変ってしまうほどの熱演に引込まれた。 「舅殺し!」と勘平をなじり、その後疑いが晴れるが不幸な結果となってしまった悲劇を嘆き悲しむ様は、勘九郎さんの熱演と絡んで印象に残った。

七段目

一力茶屋の仲居や手代の人数にまずは圧倒された! “一発芸”では『天皇賞?で落馬の武豊騎手』『あざらしのタマちゃん&ウタちゃん』ネタも♪ 演技に演技を重ねる吉右衛門さん@由良之助の変りぶりが楽しめる。 特に扇雀さん@力弥が書状をもって尋ねた時のするどい眼光が素敵!
しかし、なんといっても好きだったのは、團十郎さん@平右衛門玉三郎さん@お軽の“兄妹愛”! いきなり斬りかかった兄から逃げてやりとりする花道での会話はなんとも楽しい。 この二人の組み合わせで“かわいい”という印象を受けるとは意外で新鮮♪

十一段目

浅葱幕が切って落されると、舞台に居並ぶ浪士たち。 もうその姿だけで鳥肌ゾゾ~の興奮もの! 季節は巡りめぐって雪が降る銀世界の冬。 着物の黒がキリリと舞台に映えて、討入りの気迫をも表現しているような…♪ 池にかかった橋の上での立ち廻り、池に落ちてしまう演出の工夫…そして池から這い上がってきた時の細かな演技。 勢いのある場面 だけにこういった細かな部分が印象に残った。

仮名手本忠臣蔵・昼の部【歌舞伎座】

“赤穂義士討入三百年”という事でこの上ない豪華な顔合わせ! 兼ねてから「一度、順番通 りに大序~討入まで観てみたい!」と思っていたので、睡魔に打ち勝つ自信はなかったものの、一日通しで観劇しました! 口上人形も…「やっとあなたと遭えた♪」的な感激の対面 ?! 今回は全体に対して言える事なのですが“日本の伝統色”の美しさ、そのバリエーションの豊富さに改めて大きな感銘を受けました! 色によって登場人物の性格を現す工夫はもちろん、とにかく、とにかく「うわぁ~、綺麗…」と思わず声に出してしまう事たびたびでした。
通しで観たことで“春~冬”と時間の経過、季節の経過が一年に渡っている事に、今回恥ずかしながら初めて気がつきました!

大序・三段目

古式の演出の…幕がそろりそろりと引かれ、板付きの登場人物ひとりひとりに魂が入っていく姿。 う~ん、やっぱり歌舞伎って面 白い♪
吉右衛門さん@師直鴈治郎さん@判官勘九郎さん@若狭之助。 それぞれ人物の性格をこの場でしっかりと観客に説得する力がナイと、この後のお芝居を最後まで引っ張っていけないであろう大序。 傲慢さと好色さの二面 性を大いに際立たせる師直は、憎々しいながらも駄々っ子のようで愛嬌がある。 “えっへん・バッサリ”の場の、板東吉弥さん@伴内がたまらなくイイ! 好きな役者さんに私の好きな“愛嬌のある道化役”を演じられると…もう頬がゆるみっぱなし♪
師直の激しい気分のムラやそれに振り回される周りの応対も解りやすく笑える。 判官をネチネチといじめる様、それにジッと耐える様は鴈治郎さんの表情が素晴らしく、吉右衛門さんの“イヤな上司”ぶりが際立ったように思えた。

四段目

富十郎さん@石堂彦三郎さん@薬師寺はその役柄の度量の広さを如実に表現されてさすが! 扇雀さん@力弥は、あまり立役で拝見した事がナイのもあって印象深い。 父親と無言の別 れを告げる場面、そして父親が待ちわびる由良之助の到着を身を乗り出しながら花道で伺う表情が良い。 團十郎さん@由良之助の登場は、やはり場内が湧き“さすが大きな役者!”といった所。 登場同時に家中一同が座に入ってくる様は、家臣と気持ちが同化してしまって心が痛い。 “扇ケ谷表門城明渡しの場”では、“引道具”の効果が素晴らしい。 暗闇に赤い門という色の対比、一同を見送った由良之助ひとりであるから余計にその効果 が発揮されているのでは?  團十郎さんの“表情”でジ~ンときたのは初めて。

道行

勘九郎さん@勘平福助さん@お軽で前半のしっとりとしたくどきを春の野を舞台に美しく舞ったかと思えば、翫雀さん@判内の登場で…スイマセン!後半は判内 しか観ていないっ! 重い重い前段の後にはこんな楽しい切となるのは嬉しい♪