リトルマーメイド【四季劇場・夏】

ディズニー・シーの【マーメイドラグーンシアター】の上演を観た時、「これが丸々1本のミュージカルとして観れたら最高☆」と日本での上演を待ち望んでいた作品が、いよいよ今春、劇団四季で上演☆…とあらば、しかも“海もの”とあらば、早速観に行くでしょう!
私はディズニーのアニメ映画【リトルマーメイド】を観たことがナイので、いわゆるアンデルセン童話の悲しいラストとの違いを知らずにハッピーエンドにビックリでした! が「ディズニーだから王子様とお姫様はめでたく結ばれ末永く幸せに暮らしましたとさ」な訳ね、と納得。
今まで舞台でのワイヤーアクション…と言ったら、演者の数人が動く程度でしたが、舞台は海中。 殆どの役者がワイヤーで吊られていると言っても過言ではないくらい、あらゆるキャラクターが浮遊しながらのお芝居です(腰にひどくダメージがありそ~う) 海底や岩場に足を着けている時も、水中に漂っている様を表現するため全身をグラインド(これが目に慣れるまですご~く気になるっ!) アリエル達の髪は何故あんなソフトクリームみたいに尖ってるんだろう?と思っていたら…ガッテン!水中での表現なんですね~。 と、あらゆるところに素材や形、動きに工夫がされてあって目にすごく楽しい!! キャラクターを(動きを)前面に出しているせいか、背景やセット自体はすごくシンプルな印象。

楽しみにしていたのは【Song & Dance2】で耳馴染みのあったナンバー“ アンダー・ザ・シー”が、どこのど~ゆ~場面で唄われるんだろう?とワクワク待機(公演時、客席から舞台に引っぱり上げられた苦い思い出) 美女と野獣でいうところの“ビーアワゲスト”なんですね、楽しい~♪
で、ん~なんでしょう? 「面白かった」んだけど、「楽しかった」んだけど、「華やかで綺麗」なんだけど…。
何か心に訴える、残る“教訓?的なもの”がナイというか、そんな印象で“親子で楽しめるお伽噺ミュージカル”な印象でした。 大人が楽しむのには今ひとつ惹きが足りないかな、うん。

劇場 キャスト
アリエル:谷原志音/トリトン:村俊英/アースラ:白木美貴子/セバスチャン:飯野おさみ/スカットル:丹下博喜/グリムスビー:松下武史/フランダー:大空卓鵬/フロットサム:一和洋輔/ジェットサム:中橋耕平/シェフ・ルイ/リーワード:岩城雄太

サウンド・オブ・ミュージック (初日)【キャナルシティ劇場】

劇団四季の【サウンド・オブ・ミュージック】を観るのは今回が初めて。 これなら母も興味があるかも…と思って観劇を誘うも「私はジュリー・アンドリュースの映画が最高だと思っているから観なくてイイ」との事。 誘いがいのナイ人だ…。
この週末九州は豪雨に襲われ、福岡は朝から一度もやむ事のないくらいの雨で時折ちょっと怖くなるくらいの豪雨っぷりな時もあり…ですが、初日観劇して来ました♪ 入り口は例によって招待客用のデスクが出てて、それらしき人がい~っぱい。 苦労して初日チケットを取った身としては良席確保出来なかった理不尽さを感じながらも、スポンサーが居なければ、福岡での上演も叶わないので…有り難うございます。 ロビーにはユリの香りでむせ返るほどおそろいの花スタンドがズラリ並んでて圧巻の光景。
キャスト表で確認すると予想通り、今や劇団の看板俳優のお二人九州出身の井上×芝コンビ。 トラップ家の子供達は、どんたく前夜祭で観たあの子達が(名前も顔も判別不可だけど)頑張ってるんだな♪って、ちょっと知り合いのお子さんが出るような感覚で楽しみに観劇に臨みました。
総括的な感想は『とにかく映画通り』と言った印象で、舞台ならではの演出や美術、衣装、照明などにおいて特筆すべき事はなかったけど、生歌というのはやっぱりイイですね(音楽はテープだけどさ)。 どれも耳に馴染みのある名曲ばかりですので、「あ!あの曲だ」という出会う楽しみが♪ と~っても優等生的な作品ですし、名曲ぞろいですし…で、学校等の団体観劇や家族で…という客層が多いに見込めるので、動員を頑張って次回作の誘致を期待しています☆

各々のキャスト感想は…開幕キャストを揃えているので、歌に不満がある人がひとりも居なかった! 例えチケット確保が困難でもこれが初日観劇にこだわる大きな理由です。
秋山知子さん@修道院長の声が、歌が、声量が素晴らしい! シスター達のコーラスは表情が妙に個性的だけど、素晴らしいハーモニーで心が洗われるようでした。
井上智恵さん@マリアは超安定。 登場時の裸足での熱唱では…見事な外反母趾で驚く(どこ観てるんだよ!)わりと素に近い舞台メイクの井上さんは「ん~年相応だな」な印象でしたが、久々の井上さんの歌声に聴き入りました。
芝清道さん@トラップ大佐歌い出すシーンは…それまでが女性の歌声ばかりだったので、芝さんの美声が殊更耳に響き心に染みてきました。 失礼ながら「芝さんって上手いのは知っとったばってん、ここまで上手かったとは!」的な驚きがあり、エーデルワイスでは何故かしらホロッと来てしまいました。 改めて「イイ声だぁ」
オーディションで選ばれた地元の子供たち@トラップ一家の子供たち。 セリフの言い方の不自然さは…すでに立派な四季俳優でした。 現代語の…普通の話し言葉のセリフをしゃべってるのに、歌舞伎の子役なみの不自然さを感じるの何故なんでしょう? とはいえ、この日まで厳しいオーディションを勝ち抜き、厳しいレッスンを重ねての登壇ですし、何一つミスは感じられず素晴らしい出来だったかと。 ダブル?トリプル?キャストで回していくんでしょうけど、この中から将来ミュージカル界を背負って立つミュージカルスターが出るかもしれませんね♪ 目指せ!福岡LKの池松壮亮くん@ヤングシンバ☆  私は一度観ればイイな、というキャストが変わってもリピート観劇はナイであろう作品でしたが、福岡公演に通われる方は、子役ちゃんたちの頑張りを見守る楽しみがありますね。

劇場 キャスト
マリア:井上智恵/トラップ大佐:芝 清道/修道院長:秋山知子/エルザ:田野聖子/マックス:勅使瓦武志/シュミット:はにべあゆみ/フランツ:青山裕次/ミシスター・ベルテ:久居史子/シスター・マルガレッタ:保城早耶香/シスター・ソフィア:山本志織/ロルフ:一和洋輔
フォン・トラップ家の子どもたち
リーズル:五所真理子/フリードリッヒ:水流健心/ルイーザ:中原茉鈴/クルト:東 倫太朗/ブリギッタ:辛島玲奈/マルタ:黒木理代/グレーテル:畠山和心菜

ユタと不思議な仲間たち【四季劇場・秋】

2009年?に一部新演出になって初観劇…って事は気が付けば3年振りのユタ観劇とは自分にビックリ! 今回は昨年に引き続いての東北の被災地巡業の為の試運転と報告会的な短い期間での東京公演(…にしても客入り悪い) 実際、どこぞの公的機関のお偉いさん方っぽい集団の招待客がゾロリ。 2009年秋には物語のモデルとなった旅館・岩手県二戸市の金田一温泉【緑風荘】も消失してしまったんですよね…。 一度行って見たかったな~、改めて残念。
♪タララ~ラ~ラ~ラ~ ラ・ラ・ラ・ラ~♪な【オーヴァーチュア】が劇場に鳴り響くとスコーンと物語の中へ。 はぁ~、あれだけ回数観てるのに3年振りになると懐かしく感じるのだなぁ…と、オープニングだけでちょっとウルッと。 上川一哉さん@ユタといじめっ子の皆さんはほぼお初でした(四季自体も久々の観劇) 上川ユタ、歌も踊りも全く心配がナイ“安心ユタ”なんですね。 容姿は“もやっ子”というよりは“気弱なおぼっちゃん”って感じですが…ラストの開脚ジャンプも上川さんだから?なのか復活してて、久々観れて嬉しかったです♪
わらし達は和田侑子さん@モンゼのみお初。 でもって超ラッキーな事に道口瑞之さん@ヒノデロです!!(ココからヒノデロonly語り) ちょ~っと法令線が深くなったかな?くらいで相変わらず御見足とうなじと顔と仕草と…あ~!もう全部キレイです☆ ただ【おれたちゃペドロ一家】のご挨拶では他のわらし達のを聞いている時の細かい演技が殆どなくなってて残念でした。 「足だって付いてるほうがイイんだわよ~」の時、あんなドスンってシコ踏む感じでしたっけ? 青空教室で一郎にちょっとづつ近づいて膝に触れてウフッ♪~膝枕で昼寝、ってのは、最初から隣にいて…手にちょっと触れてウフッ♪~肩にもたれて座り寝に変ったんですね(どっちも可愛いけど)
【鐘の音の輪にのって】の新演出。 ヒノデロはフライングしないんですね…。 「わぁお~ん♪」と舞い上がって綺麗な御見足ラインを右に左に曲げながらお手振りが大好きだったので、ヒノデロ好きとしては寂しいなぁ。 …けど“鐘の音の和”に乗るって事がすごくイメージしやすい演出になってますね。 長者山に着いてフラフラになったユタが思わずヒノデロのお尻につかまって「キャッ!」と驚く萌えポイント追加で…う~ん、フライングは帳消しにしてあげよう(←何様!)

カーテンコールは今まで通り【友だちはいいもんだ】を客席と合唱、に加え昨年の被災地巡業の模様がスライドショーで上映があり、吉谷昭雄さんから報告と今年の意気込みが語られ、出口でお見送りでした。 今年も“生きているって素晴らしい”という大切なメッセージと笑顔を届けてくださいね。 改めてユタという作品が好きになった今観劇でした。

劇場 キャスト
ペドロ:菊池 正/ダンジャ:柏谷巴絵/ゴンゾ:伊藤潤一郎/モンゼ:和田侑子/ヒノデロ:道口瑞之/ユタ:上川一哉/小夜子:奥平光紀/寅吉:吉谷昭雄/ユタの母:あべゆき/クルミ先生:丹 靖子/大作:小原哲夫/一郎:厂原時也/ 新太:赤間清人太/たま子:安宅小百合/ハラ子:齋藤 舞/桃子:原田麦子

ウィキッド・千穐楽【キャナルシティ劇場】

4月に開幕以来、約5ヵ月間の公演期間を経て本日千穐楽を迎えました。 四季専用劇場の時は入り口からロビーまで千穐楽仕様の飾り付けで開演前から気分が盛り上がったものですが、本日はいたって普段通り。
私は初日、5月(リハーサル見学含)、千穐楽と今福岡公演は計3回の観劇となりました。 が!本日の千穐楽を観て、もっと通っとけば良かったなぁ~と思わされたほどの素敵な舞台でした(エルフェバが変わったら突発しようかと思っていたら…まさかの完走。グリンダは毎回違ったけど☆)
やはり何度観ても一幕最後の『自由を求めて』は、その迫力に押されますし、エルファバの決意に涙が出て震えます。 二幕後半『あなたを忘れない』、ここはいつもグッと来ますが、涙がこぼれたのは初めてでした! 二人の感情がものすごくこもっていてとても良かった☆
千穐楽特別カーテンコールは初めて観ましたが、ネッサとボックの仲睦まじい様が観れてすごく幸せな気分になりました。 フィラモンド先生も鳴き声じゃなくて、しゃべらせてあげたら良かったのに~(言葉を取り戻せて良かったね~的な) エメラルドシティ市民の衣装をじっくり観たいなぁ~と常々思っていたけど、動きが激しくてなかなかチェック出来なかったので、一人ひとりじっくり観れたのは嬉しかったです♪ あと、常々「かかしの衣装なのは残念~!」と思っていたフィエロが隊長コスになっていて(でも顔はドすっぴん)良かった、良かった☆ 江畑さん、エルフェバ完走ほんとにホントにお疲れさまでした(他にも完走のキャストは多いみたい?)
通常カーテンコールは例のごとく形式的な動きが果てしなく思えるほど繰り返されるだけで「もう勘弁してあげてもイイんじゃ…」と思うほど。 苫田さんが四季俳優には珍しい個性を出した弾けっぷりだったのには驚きました。 でもこれが自然な反応だと思うし、観ている側も楽しいんだけどなぁ。
今福岡公演期間の平均入場率は80%だったそうで次回の四季公演も期待出来るようです♪

劇場 キャスト
グリンダ:苫田亜沙子/エルファバ:江畑晶慧/ネッサローズ:山本貴永/マダム・モリブル:森 以鶴美/フィエロ:北澤裕輔/ボック:伊藤綾祐/ディラモンド教授:前田貞一郎/オズの魔法使い:松下武史

美女と野獣【四季劇場・夏】

初めての夏劇場観劇で、初めて大井町に降り立ちました。 劇場そのものは…昔あった大阪MBS劇場に似ている印象(っていわゆる四季劇場の造りなんだけど)で、「新しい劇場に来た」感が全く皆無。 団体観劇のグループがいくつもいて、劇場周辺やホワイエは恐ろしく騒がしいうえ、二階は節電の為薄暗いのに人がひしめきあっている様がなんたが異様な光景でした~。
四季作品では…多分一番回数観ていると思われる“美女と野獣”ですが、観劇日を辿ると…2008年の広島公演・千穐楽以来、実に約3年振りの観劇だった事に「いつの間にそんな月日が経っていたの?!」と驚愕。 アンサンブルさんのお名前も初めてみる方ばかりの上、お目当てのキャストの登板はありませんでしたが、細部まで知り尽くした…と言っても過言ではナイ作品の久々の観劇を楽しみました♪
総括。 全体的に凄く早い!! 歌い出しとかセリフとか芝居のタイミングがなんだか全てが“巻き巻き”で進んでいるような…さっぱり余韻が残らない~。 カーテンコールまでも間を置かずしてせわしなく連続される感じで。 一体どうしちゃったんでしょう??? しかしながら【Be Our Guest】【Human Again】ではコーラスの迫力にウルッと~。 やっぱり良く出来た作品だ!

久々拝見の佐野ビーストは歌がさすがの安定感で、独唱ではその声量に劇場がビリビリと震える感じに懐かしさを覚えました。 野獣のおちゃめな可愛らしさは薄味で、芝居では物足りなさもあったものの、ラスト王子に戻った瞬間「あれ?こんなに王子様が似合ってたっけ?」と記憶にはなかった“王子様ぶり”にビックリ! 佐野さん、若返ってません?
2005年の福岡公演で百々ルミエールのデビューの日を観た私。 多分それ以降、ルミエールとしての登板回数は一番多いのでは? セリフ回しや歌い方が道口ルミエールそっくりになっていたのには驚きました!
青木コッグスワースは堅物すぎて今ひとつ笑えず残念。 広島公演デビューで一度も遭遇出来なかった小川バベットは、容姿はお人形さんのようで◎ですが“段取り通り”という感が強く芝居に心がナイ印象。 寺田ダルクは、恐ろしくメイクが怖いことになっていて、セリフの声が無駄に大きくてビックリ! 林モリースは…あんなに芝居下手でしたっけ?ってなくらい、一番残念な印象でした。
…とは言え秋山タンス夫人今まで観た歴代のタンス夫人の中において全てが最高☆☆☆ これは東京公演ならではのキャストだなぁ~と羨ましく思えました。 遠藤ミセス・ポットも満足♪
あえて書かないキャストは相変わらずの安定感、という事で【美女と野獣】やっぱり好きな作品です☆

劇場 キャスト
ビースト:佐野正幸/ベル:坂本里咲/モリース:林和男/ガストン:田島亨祐/ルミエール:百々義則/ルフウ:遊佐真一/コッグスワース:青木 朗/ミセス・ポット:遠藤珠生/タンス夫人:秋山知子/バベット:小川美緒/チップ:伊藤綾那/ムッシュー・ダルク:寺田真実