2007・松井誠奮闘公演【福岡市民会館】

初・マコ様…でした
女形の美しさから【生きる博多人形】と称され、ショーでは自身が博多人形となり人形ケースから出てきて舞う…というのが人気の演目。
私、失礼ながら…マスメディアで拝見する限りにおいては松井誠さんの女形って、綺麗と思った事はなかったんです汗 だから【長谷川一夫の再来】というのは頷けても、美しい女形…ってのは「はて???」だったんです。 で、この度“生・マコ様”を拝見し…「綺麗!」です、ハイ。 ショーの途中に客席通路を何度か練り歩いてくれるのですが、間近で観た方が艶っぽくて綺麗~! 遠目より近くで観た方が美しい…ってのはスゴくないですか?!
只今、大河ドラマ【風林火山】で北条氏康を演じているマコ様なので(私、全く観たことがナイんです~)、ガッシリした武将体型でもあるのですが、これには歌舞伎の女形にはナイ“肉感的な色っぽさ”があるんですね~。 今後控えている舞台【乾いて候】の為に減量の必要があるそうですが、あまりヤセちゃうと女形をする時に困るとの事(体重の5~7kg増減は常時コントロール可能らしい)
総括。 先日、大衆演劇デビューした私。 再度言いますが…大物演歌歌手の豪華座長公演より断然面白いっ! “お客を楽しませる趣向”を存分に心得た演出と満載のサービスで、泣いて、笑って、目の保養をして…理屈抜きで楽しめる! 人気に納得☆の初・マコ様でした。

【第一部】娯楽時代劇:男涙の子守唄

あらすじ
とある温泉旅館の大切な一人娘が父親知れずの子を生んだ…という事で、家人らがその父親探しに躍起になっていたところに、一年に一度の贅沢!と温泉宿でくつろいでいたヤクザ者の旅人・時雨の半次朗がひょんな事からその父親に仕立て上げられる。 生まれたばかりの乳飲み子を押し付けられて「この子はあっしの子じゃねぇが、これも何かの縁。おいらが立派に育てらぁ。後で返してくれと言っても返さねぇ。後悔するな!」と子供を引き受ける。 太郎吉と名付け、男手ひとつで苦労を重ね育て上げ、親子の情も厚くなった太郎吉8才の時、生みの両親と思わぬ再会となる。 息子の将来を考え断腸の思いで身を引く半次朗であった…。
1時間弱のお芝居でしたが、私、最後はダダ泣きでした…悲しい 大衆演劇の王道・これぞ人情芝居!という感じで、会場のあちらこちらから親子の情愛に心を寄せてすすり泣きが漏れてました。
松井誠さん@時雨の半次朗は第二部のショーとの落差も計算されているのか?すご~く小汚い人足風情のむさ苦しい男を情愛深く熱演。 女優の五十嵐めぐみさんが客演されており、半次朗の務める大工店の男勝りな女親方お熊でピリッ!と締めます。 半次朗とのクスッと笑える演技のやりとりは絶妙☆ 驚いたのは子役ちゃん達の達者な演技! 近藤海太くん@太郎吉と、近藤杏海ちゃん@お弓は実際にも本当の兄妹らしいのですが…ウマイっ! あの涙を誘うあどけない無垢なセリフ回しに、私、ダダ泣きに拍車がかかりました~。
立ち去ろうとする半次朗にすがる太郎吉。 しかしその太郎吉の手を幼い妹・お弓が「兄上さま~」と手をとって引き止める演出の幕には大拍手拍手

【第二部】ショー:華・艶・舞 誠版レビュー

マコ様通常このような二部構成の場合、芝居の方が長い…というイメージがありましたが、マコ様はショーの方が長い! 和洋折衷の上、美はもちろん笑いも随所に織り交ぜてあり見応え充分!ってか、おつりが来るくらい大満喫・大満足のショー。 マコ様のお召しになる着物は全てご自身がデザインされたもので、この着物を観るだけても楽しい、楽しい♪ チラリと見える襦袢や八掛、掛け襟の細部に渡ってこだわりのデザインで、チェックに忙しく、その遊び心溢れる独自のデザインセンスに感嘆しきり。 す、すごいよ…マコ様。 途中、舞台上でお着替えタイムがあったのですが…その衣装替えの早さと、お尻を振ったり、表情で笑いを取りながらも完璧なお太鼓をご自身で美しく結び上げて…ハイ、鬘チェンジの素早さで拍手喝采! これはTVで観たことありましたが…舞台で観た方が数倍面白くてその手際の良さに驚きましたっ!
第一部の芝居で活躍した子役ちゃん兄妹が【壺坂情話】で夫婦役で舞踊る様は可愛いのはもちろんの事、すっごく、ものすっごく上手いっ! もうホントに驚き! どこぞの歌舞伎の御曹司よりよっぽど…上手いかと~汗
男性ゆえタカラジェンヌへの夢を諦めた…という客演ダンサー・神崎順さんが中心となった“タカラヅカ讃歌”ともいえるレビューショーも綺羅やかで楽しい! 神崎さんも洋装の女形で披露する一幕もあったのですが、チャイナドレスのスリットから覗く脚線美に「あら?ホントは女性?」と疑うほどの美しさ~。
大衆演劇の劇団には“三枚目女形”って定番なんでしょうか? お名前が判らないのですが…芝居、ショー共に客席ドッカン☆ドッカン☆湧く大活躍でした♪
終演後は、マコ様が拵えのまま出口でお見送り。 ココまで大きな人気劇団となった今でも、大衆演劇の原点にいる姿勢に驚き、マコ様人気に納得した奮闘公演でした。

松平健特別公演【福岡市民会館】

会場は“マツケンサンバ”の一時的なブームも過ぎ去り、本来の客層と入り…に戻ってました。 ブームとは、人気とはこうもアッサリと冷めるものかと驚き、この世界で活躍し続ける大変さを観客ながら思い知った次第です、ハイ汗
ま、以前から観続けている者にとっては、とっくの昔から披露されていたショーでの定番曲が、いきなり今更突然の大注目を受け、異様なまでの盛り上がりを見せた事に戸惑った訳ですから…よ~やく静かに、本来の姿で上様拝謁する事が出来る環境に戻り、少しホッとしている事も確かです。 が、私の観劇は夜の部だった…という事もあるのでしょうが、ちょっと寂しすぎる客席で、切なくもありました悲しい

【第一部】遠山の金さん ~桜が泣いている~

松平健さん@北町奉行の遠山金四郎が、“遊び人・金さん”として町に繰り出し、事件の真相を探り裁いていく…というTVでお馴染みのストーリー。
偉い身分の人が、町人姿を装って…という所が、どうしても【暴れん坊将軍】を彷彿とさせてしまい、終盤の大立ち廻りの殺陣では、あの成敗BGMが流れない事に激しく不満を感じたほど。 健さんの殺陣は相変わらずの超高速で目を見張るものがあり、流石!なんですが~。 ラスト、お白須での裁きには「おぉ~♪桜吹雪を生で観れた~!」と感動はあるものの、個人的にはもっと違う題材のお芝居が良かったのでは?と思ってしまいました汗
今回の見所は、京唄子さん@油問屋の女将・佐和舞風りらさん@娘おくみのご出演。 唄子師匠はさすがの存在感でドッシリと構えた芝居で締め、ヅカ退団後初舞台?の舞風りらさんは可憐な娘を好演。

【第二部】唄う絵草子

マツケンパラパラオープニングは【マツケンパラパラ~俺様ゲーム~】。 芝居で「あ~、観に来なくてヨカッタかなぁ…」という軽い後悔が先立っている気持ちがフッ飛びました! 「うわぁ~ん、観に来て良かったわ、お母さ~ん!」 ホスト系ヅラに和の要素もプラスされた白いフリンジ洋装+白ロングブーツでパラパラを踊り歌うマツケンの後ろにはべる腰元ダンサーズ。 すごい図です! 面白すぎます!
衣装を替える度に、そのゴージャスさと目も眩むような輝きっぷりと、「そのデザインセンスって…」と突っ込みを入れたくなる不思議デザインを、ガツンと着こなすマツケンに客席は湧き、その世界に引き込まれていきます~。 【マツケンサンバII~III】への流れは圧巻! 今回、マジー・真島茂樹先生のご出演がなかったのは残念!
京唄子師匠の立役でのキリリとした舞は、御歳80才とはとても思えない達者さに感嘆。
マツケンと“四季・蝶の連れ舞”を披露する舞風りらさんの華奢で可憐な美しさとその繊細な踊りに目を見張る…が、故に並んで踊るマツケンに、改めて「顔、デカッ!」と思ってしまったのは…上様、失策かと存じます~汗
パソコン 松平健公式サイト

KBCラジオ【博多座夢舞台】=ゲスト:石川禅さん

博多座情報TV番組【ザ・博多座】と同時期に放送が開始?になって…もう何年も経っているだろう、ラジオ番組【博多座夢舞台】。 私、今朝やっと2回目の拝聴でしたっ汗 前回聴いたのはゲストが内野聖陽さんで…やっぱりレミゼ公演の時だったはず(こう書くと、私、すご~くレミゼが好きな人みたいだなぁ) ラジオをタイマー録音する機材を持ってないし、日頃ラジオを全く聴かないので放送内容のチェックも全然しないんですよね。 OAが日曜朝7時~ってのもネックだし。
それが何故、今朝2回目を聴くに至ったかと言いますと…ゲストが石川禅さんだったから(よくご出演情報を見逃さなかったな~と、自分に驚いた!GJ私グッド) しかし朝から禅さんのあのふんわりとした穏やかなトークの声を聴くと、危うくまた眠りに引き込まれそうに…汗 『ジャベール役を演じ終わり、今度20周年SPでマリウス役で登場』という事でその部分を中心としたお話でしたが、各々の役を深く掘り下げたすごく興味深いお話だったので、初のラジオ番組レポート(日曜早朝OAの上、めちゃめちゃローカル番組で聴けた人はごく僅か…というのが勿体さすぎる内容!)
インタビュー内容を要約していたら…各々のキャラクターに対するとても深い考え方や微妙なニュアンスの部分が全く伝わらないあっさり文章になってしまったので、お話されてた言葉をほぼそのまま書き起こしになっちゃいました(己の文才のなさに愕然)。 …ですので、著作権侵害の可能性が濃厚です。 ご指摘受ければ、後日あっさり要約文に改めたいと思いますので、何卒ご了承ください。

さくらんぼ 福岡、博多座の印象は?
前回博多に来た【MA】の時は1月冬でホントに寒く、その前の【エリザベート】は10月秋、今回は9月真夏という事で「ああ、博多という地はやっぱり暑いんだなぁ」と感じつつ、毎日毎朝欠かさずウォーキング。 博多の朝は気持ちがイイ♪ 「やっぱり、ああ僕はココが好きだなぁ」と思いながら毎日歩いてました。 今回はマリウスという役をする事もあり、真夏なのにサウナスーツを着込んでフラフラになりながらウォーキングをしていました。 大仏様のある東長寺にお参りしたりする日もあるんですけど…そこでお賽銭入れて、お灯明あげて、線香3本差して、般若心経唱えて…それで本番に臨んだりしてました。 気分は博多っ子♪

さくらんぼ MAの時はルイ16世、そして今回はジャベール、20周年SPではマリウス。
それぞれの役所の違いついて

これは…役の核(格?)について話さなくてはならなくなります。 簡単に言うと、僕自身はジャベールとマリウスというのはそんなに違う人物とは思っていないんですね。 マリウスはもちろん繊細で…線は太いけれど優しさとかに溢れた青年で繊細であるという事ですよね。 ではジャベールはどうかというと、この人もすごく“繊細さん”なんですね。 なんでかというと自殺をしてしまいますでしょ? これだけ屈強の男のようにに見せているのに『何故この人は最期に自殺をするのか?』という事を考えると、やはりこの人の精神構造の奥深いところにあるものは、マリウスとは全く違うモノかもしれないけれど、やはり繊細であるガラスの神経を持っている、っていう事は非常に共通点があると思う。 ただ唯一違うのはマリウスは愛に満ちた人生だったけど、ジャベールには愛がなかった。 つまりこの人は生まれた時から母親、要するに両親からも見放され「牢獄で俺は生まれた」っていうふうに歌詞で歌いますけれど、愛情というものを一切注いでもらえず生きて来た人生なんですね。 だからその違いだけだと思う。 でもその愛があるかナイかだけでこんなに違う人物になる、枝分かれいってしまうんだ…という事を常に念頭に置きながら…レミゼは“愛”がテーマですからね。 誰かを愛する事は、神様のお側に居る事が出来ますものね。 神様のお側に居たからマリウスは…おそらく天国に行けるでしょう、まだ生きてますけどね、最後。 ジャベールは自殺してしまう訳ですから神様のお側には行けない。 なぜなら誰も愛した事がなかったからという事だと思うんですけどね。

さくらんぼ 愛とは無縁のジャベールと愛に満ちたマリウス。
この究極の違いは?

マリウスは愛を欲しがっていた人ではないですね。 …というのは、マリウスの周りには愛が沢山あるので欲しがらずとも愛してもらえた人なんですよ。 ジャベールは愛してもらいたくてしょうがなかった人なんだけど、でも結局は愛を皆くれなかった訳ですよね。 だから…究極論を言っちゃうと、どうなんでしょうね? だからジャベールの方が寂しい人生なんですよね。 非常に哀しい男だなって思いますね。 で、結局最終的には愛してもらえない自分…という以前に、ならこちらから愛を捨てる…「愛に背を向けて闇と戦う」ってのを私今回ジャベールのキャッチフレーズにしたんですけど…この違いかな。 マリウスというのは本当に幸せな青年で、ジャベールは逆に本来ならこの人こそ神に救ってもらいたいな、という人物かな。 ただその哀しみを「私は哀しい人間です」って演じてもちっとも面白くナイので、自殺を遂げる人間なら自殺を遂げる人間らしくそこはビシッ!と締めて行ければ…と思ってますけどね。

さくらんぼ 20周年SPキャスト、マリウスとして戻って来る石川禅さん。
エポニーヌ役で共演する島田歌穂さんについて

7月上旬に帝劇ではすでにこのコンビで演らせていただいたんですけど…まぁ~、歌穂さんはオバケですね! 一昨年もSPキャストとして7年振りにマリウスとエボニーヌを演ったんですけど、7年振りに演じるわりには見た目も若いし、何よりも非常にスレンダーに…あっ!そんな事言ったら現役時代が太ってるなんて…いやいやそうじゃナイんですよ! 健康的だった…んですけどね。 マリウスがエポニーヌを抱き上げるシーンがあるんですが、その時「ええっ?! 歌穂さん、軽いっ!」と思って、非常に彼女はいろいろ鍛錬を積んでいらっしゃって、なおかつ自分を磨いて、ああここまでこられたんだなぁという事が一瞬にして判ったので、「わぁ~、コレは大変だ」!と思って…。 そしたら今年、更にまた若返って帰って来られて、なおかつ演技も磨いて帰って来られたので、私的には「もうホントに胸をお借りします!」という状況で演らせていただいている次第でございます、ハイ。

さくらんぼ 最後にラジオの前の皆さんにメッセージを
ジャベールを観てくださったリスナーの皆さんもいらっしゃるかと思うんですが、あのですね…180度キャラが変わりますので、是非「あのオヤジ演っていた奴がこんなに若作りするんかいっ?!」という所を…
(めちゃめちゃ若い声で可愛く→)ぜひ観に来てくださぁ~い ラブ
…ちょっと笑ってますが、すみません! え~、損はさせないと思います。 僕は、アンジョルラスを僕がマリウス時代ずっとコンビを組んでいた岡幸二郎くん、あと岸佑二くん、原田優一くんという3人と組むことになるんです。 この原田優一くんに関してはスゴイですよぉ~、20才くらい年が違いますので。 「これを観ずしてレミゼSPは語れない!」っていうくらい貴重な公演になると思いますので是非観に来ていただきたい、息子とコンビを組んでるみたいな感じになりますんで。 これはみものです!! どうぞ劇場に足をお運びください。 宜しくお願いします。 お待ちしております。
「ああ、やっばりこの役者さん好きだなぁ」「これからもいろいろなお役で拝見したいなぁ」と思わされる役に対する洞察力とお人柄が伺えるお話ぶりに感動しつつ、このインタビューを念頭に置いて、もう一度禅ジャベールを観たくなって困りました悲しい  また、他のジャベール役者さん各々にもどのように考えていらっしゃるのか、改めて伺いたくなりました。
それにしても禅ジャベ、次に拝める日は…一体いつになるんだろうなぁ…。

レ・ミゼラブル(別所×禅×笹本=千穐楽カーテンコール)【博多座】

本日マチネで別所バルジャン、禅ジャベール、笹本エポニーヌのお三方【ウーマン・イン・ホワイト】チームが千穐楽でした。
本編の観劇レポートは別記としまして…カーテンコールの様子をおぼえ書き。 但し!挨拶の内容は、観劇の感動でボーッとなっていたので記憶があやふやですから「こんな内容の事を話していた…」くらいで、ゆる~くご一読を(後日、訂正&追記入る予定)
禅ジャベお姫様抱っこ
最初の登場時、別所バルジャンは迎えた禅ジャベールを強烈ハグ。 …の体勢まま禅さん、片足をピョコンと後ろに跳ね上げて喜ぶ(乙女かっ汗
二度目の登場時に舞台袖から花束が投げ込まれて、キャストがそれを拾い集め舞台奥に下がって居並んだところで、徳井テナルディエが客席の拍手を静止して…笹本エポニーヌに前に出るように促す。 「えっ?私がトップバッターですかぁ?」とビックリ困ったように一人前でご挨拶。
よつばのクローバー 笹本エポニーヌ
この作品は役者としての原点に帰れる不思議な、そして大切な作品です。 また、この作品のエポニーヌという役でココに戻ってこれるよう頑張りますので、その時は是非また笹本エポニーヌに会いに来てください。 有り難うございました。
よつばのクローバー 禅ジャベール
博多座に初めて立たせていただいたのは2004年10月の【エリザベート】でフランツという役で…それから今年の1月に【MA】ルイ16世、そしてこの度は大好きな【レ・ミゼラブル】で、しかも憧れていたジャベールという役で立たせていただけて、本当に幸せです。 ……泣きませんよ。
で、ホントだったらココで終わるんですけどぉ…(と、後ろに下がって藤岡マリウスを前に引っぱり出す→「えっ?なんで俺っすか?!」とビックリの藤岡くん)、実は来月“この人”になって戻ってくるんです~(もう用済みですと、藤岡マリウスにお辞儀→後列に戻る藤岡くん) 10月の17日から21日迄で、この時にはなんと!20才も年が違うアンジョルラスと組む日もあるので…これは~見モノですよぉ~。 平日のチケットはまだ残っているようですので是非!
よつばのクローバー 別所バルジャン
毎回とても緊張して公演に臨むのですが「お客様は敵ではなく【レ・ミゼラブル】という素敵な世界を一緒に旅する仲間なんだ…」と思い、お客様の暖かい拍手に支えられてなんとか乗り切ってこられました(←この辺りの言い回しの記憶は激しく怪しいのでご容赦!)
この場をお借りして博多座の皆様、本当に有り難うございました。 共演者・オーケストラの皆さん、そして何より劇場に足をお運びいただきましたお客様。 九州はもとより、帝劇の公演から博多座まで足を伸ばしてくださった方、山口・広島などからも…本当に有り難うございます。(←とにかく感謝の言葉を沢山に述べられていたのですが、記憶飛んでます)
私は本日が千穐楽ですが、公演はまだまだ続きますので【レ・ミゼラブル】という素敵な世界にどうぞお出かけください。
その後何度か続いたカーテンコールは…
3人中央に手を繋いで並んでお辞儀 別所バルが笹本エポをお姫さま抱っこで登場(笹本さんは観念したような表情で照れ~) 別所バルが禅ジャベをお姫さま抱っこで登場(禅さんは「マイッタなぁ」という表情で御手振り) 藤岡マリウスが「俺もやってイイっスか?」みたいに別所バルに聞いて…笹本エポをお姫さま抱っこ&回転 下りた後「あ~、目が回った~」の笹本エポ 別所バルが渚ファンテをお姫さま抱っこで登場(渚さんのバイバ~イ付き) その体勢のままお辞儀を何度かしながら…足はステップを踏んでの引込み~
…って訳で、別所さんは相当体力的に消耗した千穐楽カーテンコールだったかと思われます。 千穐楽おめでとうございました 拍手
【ウーマン・イン・ホワイト】楽しみに遠征しま~す♪

レ・ミゼラブル(別所×禅=千穐楽)【博多座】

前期一番好きな別所バルジャンでしたが、今期初にして千穐楽となってしまいました~。 禅ジャベールとの対決は“熱い演技対決になるに違いないっ!”とは確信していましたが、本日はお二人共千穐楽という事で、なお一層気合いの入った期待を裏切らない気迫の舞台であり、役者と一緒に舞台に入り込んで、観劇後は“共に闘いきった!”というような達成感と疲労感と脱力感と…涙。 イイ舞台でした~悲しい
石川禅さん@ジャベールについては別記事で語りつくしたので、本日は別所哲也さん@バルジャンと笹本玲奈さん@エポニーヌについての感想を…。
青りんご 別所哲也さん@バルジャン
“ならでは”のセリフ?…というか、つぶやき…というか、あるんですね。 燭台を盗んで捕まった時に「もらったんだよっ!」でまず驚きました。
その後の【独白】は“魂の叫び”という感じで、すごい気迫。 ♪またっ!あのっ!地獄へ~~~っ♪の血を吐く叫びから、一転しておびえ切った…♪先も見えない~♪という流れには、19年間の牢獄生活における壮絶な苦しみと怒り、恐れと不安が伝わってきて、燭台へキスという行為は、久々に人間らしい優しい心を取り戻した瞬間だったのではないでしょうか。 仮出獄書を破り捨て叫ぶシルエットに、映画【ショーシャンクの空に】の脱獄に成功したティム・ロビンス@アンディのあの両手を広げて空を仰ぎみて叫んでいるシルエットが重なりました!!(イイ映画だ…)
法廷のシーンでは、自分と間違えられて裁判にかけられている罪人を抱き起こして、ハグするんですね悲しい 他バルジャンはタイを投げ捨てて正体を明かすシーンから暗転までは、ジャベールに挑みかかるような目線というか、表情が多いと思うのですが、別所バルジャンは表情は険しいながらも目が悲しくおびえているような感じが、これまた印象的でした。
病院での対決は気迫と気迫のぶつかり合いで息を呑みました。 別所バルジャンは、最初の方はもしかしたら事情を正直に話せば解ってもらえるかも?と、ジャベールに切々と訴え始める感じで、次第に「あ…この人には何を言っても無駄なんだ」という諦めに変わっていく…という、という気持ちの変化が感じられました。
コゼットと森で出逢って、宿屋までの帰路の二人はどのバルジャンでも大好きなシーンですが、この二人はホントに楽しそうで微笑ましい。 遇った時からすでに父と娘な感じ。 テナルディエ夫妻との取引の場の芝居が細かいっ! ちょっとした笑いが起こる事も特筆すべきかと。 コゼットにお着替えさせてグルグル~の後は「おじさん、目が回っちゃったよ~」となって優しい笑顔でニッコリ。 きっとコゼットは母親以外に今まであんな笑顔を向けてくれた大人は居なかったんじゃないかな? それで一気に安心してお父さんとして胸に飛び込んでいったんじゃないかな?と思える“神が使わした人”の笑顔です。
別所バルジャンの、コゼットに対する父性愛はちょっとした仕草や表情にも溢れていて、愛情を一身に注がれて育ったんだろうなぁ…と思われるコゼットが、より一層素直で可愛らしい娘に見えてきます。 どの人間にも…弱者に対しても、砦で戦う学生に対しても、そしてジャベールに対しても平等に慈悲と愛を持って接している様が10年後パリ冒頭から溢れているので、すでに悟りを開いたような聖者くさい所が気にもなった事も確かです。
砦でのジャベールとの対決は…あんな哀れみを持ったような目で見られると、ジャベールはどんな罵倒よりも耐えられないだろうなぁ、と思う。 彼の孤高のプライドをズタズタにする懐の深い男・バルジャン。 “北風と大陽”みたいな…相手を折れさせるのに刃は要らないんだなぁ、と。
学生の中にマリウスという青年の存在に気がついた時「マリウスっ?!」と小さく叫んで、その後声をかけようとしてタイミングを逃す様とか…細かい(好きな人への告白のタイミングを伺ってる青年みたい♪) 【Bring Him Home】は、ただ歌が上手くて聴かせる…というより、牧師さんが教徒に教えを説いているような深い暖かさ。 そして砦で倒れた若者の残骸を目にして首を振りながら「ばかものっっ!」と叫ぶのは衝撃的! 「若い命を祖末にしやかって~っ」という父性愛溢れる叫びに涙、涙悲しい
下水道でマリウスを担いで歩くシーンでは天から差し込む僅かな明かりを見上げて「神よ!」と呟くのも印象的。 あの僅かに刺し込む一筋の光りに、地上の空の広がりと希望の光りまでをもイメージさせられたのは驚きました。
【エピローグ】では役者も観客もダダ泣き。 コゼットのおでこにキス。 別所バルジャンは命を終えて、次の世界に「はい、今、入った!」という瞬間が判るのですね。 フッと体が持ち上がったような感じで、「ああ、この人は旅立ったんだ…」と。 あなたはジャン・バルジャン、でした
青りんご 笹本玲奈さん@エポニーヌ
今期は“乙女度UP”なイメージ。 マリウスの事が本当に好きで好きで!という感じが溢れていて切なさ度は増しているものの、前半の“やさくれ度”というか、はすっぱな感じが薄くなっていてちょっと残念。 声も意図的に押さえ気味にしているのかな? それが“元気がナイ”ように取れた時もあり…。
その分…といいますか、表情がすごく良かった! 帽子を被ったてコートに身を包んだ様はまさに男の子って感じで、幼さが残りながらもマリウスからの言葉に一喜一憂する様は切ない。 初めて彼から頼まれた用事は恋敵への手紙の伝令と知る下りの表情の変化は素晴らしかった~!!
藤岡マリウスの「どうしたらこの君を助けられる?!」という必死さとアセリが【恵みの雨】を一層泣けるせつない感動的な最期でした。

青い旗キャスト
バルジャン:別所哲也/ジャベール:石川禅/エポニーヌ:笹本玲奈/ファンテーヌ:渚あき/コゼット:富田麻帆/マリウス:藤岡正明/テナルディエ:徳井優/ テナルディエ夫人:瀬戸内美八/アンジョルラス:坂元健児

青い旗男性アンサンブルキャスト
グランテール:松村曜生/クールフェラック:麻田キョウヤ/ジョリ:中本吉成/コンブフェール:菊地まさはる/フイイ:石井一彰/レーグル/司教:中井智彦/バベ:櫻井太郎/ブリジョン:藤田光之/プルベール:野島直人/モンパルナス:赤座浩彦/クラクスー:五大輝一/ガブローシュ:原田光
青い旗女性アンサンブルキャスト
買入れ屋:わたりあずさ/マテロット:清水彩花/ファクトリーガール:浅野実奈子/ジベロット:歌納有里/マダム:井上珠美/少年1:穂積由香/少年2:吉岡里奈/かつら屋:本田育代/リトルコゼット:田村遥果/リトルエポニーヌ:弓木野綾架