エリザベート(山口×鈴木×浦井)【帝国劇場】

計らずも…自分のウッカリ!で観劇となりました本日の公演。
青りんご山口祐一郎さん@トート
全体的に押さえた印象を受けたのと、歌う音を伸ばす際の両手の動き(上下、左右)が以前にも増して目障りで気になりました。
今回の演出の意向か?デブレツィンでの【闇が広がる】の、子守唄のような歌い方に驚き! 今公演で観客が一番戸惑ったところではないでしょうか? 謎だけど笑えて好きだったルドルフとの【闇が広がる】の際の寄り目がなくなっていたのが、個人的には残念! やっぱり“なんか不思議で気になる役者さん”です、山口さんって。
青りんご鈴木綜馬さん@フランツ
前日の禅フランツは、そういうつもりでは決してナイのだけど結果的には“笑う構え”で観劇してしまったので汗、落ち着いてフランツを観れました。 久々の綜馬さんフランツ拝見です。
今公演では、結婚に至るまでの若いフランツ時代が印象的。 母親の意向に振り回されながらも、シシィは自らの意思で選び~結婚式までのくだりは、皇太子としての難しい立場がより強く伝わってきました

青い旗キャスト
トート:山口祐一郎/フランツ:鈴木綜馬/ルドルフ:浦井健治

エリザベート(内野×禅×浦井)【帝国劇場】

今回は“禅フランツ”目的の観劇です(キッパリ!)
2004年版で、かなりハマってしまった“禅フランツを再び”で、チケット発売日はほぼ終日電話をかけ続け、携帯電話本体が熱をもってものすごく熱くなり火を噴くんじゃないか?!と思ったほどかけ続け…ようやく確保した1枚。 けど…夕方ようやくかかって案内してもらったお席は(8日ソワレ)ヒドく悪くて「じゃ翌9日マチネも1枚!」と勢いで購入。 し、しかし…チケットが手元に届いたさらに数日後にようやく気が付きました! 勢いで追加した1枚は『禅フランツではなかった!』と冷や汗 かくして計らずも、Wトート&Wフランツを今公演でも拝見する事となりました(両日共ルドルフは浦井さん)
久々の【エリザベート】にもっと興奮するかと思っていましたが、幕が上がり舞台が進行しても、何故かひどく冷静に観劇している自分に驚きました。 観劇…というよりは観察に近い感じでしょうか?(どこが変わったのかな?とチェックしているというか)
演出の舞台セットや衣装を含む基本は2004年版で、大不評だった電光掲示板は姿を消し、背景スクリーンにその情景(イラスト)を映し出すものに変更。 ヘレネが皇太子とお見合いをする旨を親戚一同に発表するシーンなどでは、林の人影がどんどん増えていったり…と画面に奥行きが出たり、大好きな【夜のボート】では海の情景と冷たい月を映すことで、よりあの世界を悲しく、心に響く歌として伝わってきた印象を受けました(シシィが木から落ちるシーンは前回とさほど変わらず)
しかし【ミルク】で、冷静に観ていた自分の気持ちにスイッチオン☆ 「これよ、これっ!コレが観たかったのよぉ~」! そして【HASS!】~【闇が広がる】の大好きな流れになると以前の興奮状態の観劇の感覚が完全復活♪ あ~、やっぱり私は【エリザベート】という作品が好きなんだなぁと再確認しましたね。
初風さんの代役として今回初参加の寿ひずるさん@ゾフィー すでに出来上がったカンパニーに大役で初参加とは、大変なご苦労があったかと思われますが…素晴らしい☆ 初風さん@ゾフィーは観過ぎてすでに愛着のようなものがあったので「そんなに意地悪で恐くてもホントはイイ人よね?」的な思いで観ていたのですが、初めて拝見する寿ゾフィーは「こ、こわい~っ」。 威圧感がものすごくあって、エリザベートを憎んでいる感じすら。 二幕目以降のフケっぷりも素晴らしく、でも臨終の歌には息子と国を憂う愛に溢れ…と涙を誘われました

青りんご一路真路さん@エリザベート
シシィ時代が…ツラかったです、かなり。 可愛く作ろうとしているのに、ひどく無理がありわざとらしい感じが目立ちました。 コレは今までは感じたことがなかったので、今回は特に“可愛らしく・純粋で・奔放で”という意図があったのでしょうか?
青りんご内野聖陽さん@トート
もはや歌に関してドキドキと心配する事はナイですね! 昨年から比べても歌の上達ぶりが(エラそうに)またまた素晴らしくて驚きました! 歌い方もさらなる工夫が感じられて『常に進化と工夫と努力を重ねる役者さんだなぁ』と感心しきり
青りんご浦井健治さん@ルドルフ
こちらも目を見張るような歌の上達ぶりでビックリ! ダンスも更にキレがよく、形のひとつひとつが綺麗でジャンプが高いっすっごく☆ 以前から馬車から飛び降りる姿にはホレボレするものがありましたが「トォーッ!」と戦隊ものヒーローのような擬音を付けたくなるような飛びっぷりに「カックイイ~っ」。 今後、違ったお役でも拝見してみたくなりました。
青りんご石川禅さん@フランツ
お久しぶりです! 素敵です☆ 面白いです?! 熱いです! 【悪夢】は灼熱です! いや~、禅フランツに関してはココでは書ききれないので別レポート“禅・ファイヤー・フランツ”に記しますが、「観に来てヨカッタ…」と心底思いました。 楽しい時間をアリガトウ、禅さん♪

青い旗キャスト
トート:内野聖陽/フランツ:石川 禅/ルドルフ:浦井健治

アスペクツ・オブ・ラブ【自由劇場】

自由劇場という空間にピッタリな、上質な大人の作品…という印象。 小屋と作品のカラーとのマッチングもかなりの効果を得ていたのでは?と思いました。
この作品は、きっと観劇時の自分の年齢、境遇、心情などの状況がどうなのか?で、その時々で感じ方が違ってくるのではないでしょうか?
いくつかの曲は聴き覚えありましたが、この作品も私、初見。
アンドリュー・ロイド=ウェバー(以後ALW)のミュージカルで、当然のことながら観客は耳には心地良いのだけれど、歌う側は“超難曲”なのではないかしら?というようなナンバーが目白押し! それを心地良く聴き、舞台を芝居を堪能できたのだから、今日のキャスティングには大満足☆ 主要人物は少ない上、歌は超難曲、演技力も不可欠…とあらば、キャスティングに負う所は非常に大きい作品だと思います。
ストーリーは、アレックスとローズの17年間に及ぶ恋愛を軸とした5人の男女の物語。 映画的な内容…だけど、映像にしてしまうと陳腐なものになりそうな所を“ミュージカル”という手法によって、芸術作品として高めてしまうから“音楽”という威力はスゴイです!
セットや衣装、そして場面転換で仕様される沢山の道具幕(っていうのかな?)は、狭い空間を巧みにワープさせ、次々と変わるシーンの場を自然につないでいく演出は素晴らしいく、感動しきり。 印象的だったのは作品のアイコン的に登場するジョージの死別した妻の肖像画。 彼女の愛したドレスを纏った、ローズや娘のジェニーにまだなお動揺する彼は、なんだか映画【レベッカ】を連想してしまいました。

青りんご保坂知寿さん@ローズ
“歌・ダンス・演技”三拍子揃った…と評される、劇団四季の看板女優・保坂さんですが、私、今回のこの作品で『なるほどようやく納得!』でした。 次々と変わる衣装は、ローズの心情を巧みに表し、その服に表現された役の感情の移り変わりを見事に体現。 私はなんとなく保坂さんの歌い方に“演歌ちっく”な部分を感じ、苦手意識があったのですが…ごめんなさい。 今回、素直に「歌、上手い…(←失礼すぎ)」。 ジョージの葬儀でのダンスシーンでは、他のダンサーを観ていたのに、自然と目が惹き付けられてしまう素晴らしくキレのある美しいダンス☆ 納得です!
多分、この役はローズ次第で観客の受ける印象は大きく変わるのではないかしら?と思えるのですがいかがでしょうか?
ジョージを失ったローズが「行かないで」とアレックスにすがる行為に対して、観客がどのように思うのか、ここは演じる人によって受ける印象の違いが大きそうな気がしました。
青りんご光枝明彦さん@ジョージ
久し振りに“ガンガン歌う光枝さん”を拝見し、改めて、その歌の上手さに感動☆ そして細やかな演技にももちろん! ただ…こんなにお年を召されてたっけ?と軽いショックも(役作りですよね)
青りんご大鳥れいさん@ジュリエッタ
大鳥さんは博多座で【宝塚公演】と【松平健特別公演】で拝見しているものの、まさか四季の舞台で三度拝見する事になろうとは! “綺麗な女優さん”という印象はあったものの、ALWの超難曲をサラッと歌えるほどとは!と失礼ながら大きな驚き。 四季特有の独特なセリフまわしや、歌い方もなく、自然にジュリエッタという女性を好演。 今後、更なる四季での客演の可能性が感じられました。
場面や時代、登場人物の心情もめまぐるしく変わる濃厚な芝居でしたが、上質なものを観た、という満足感を得たひと時でした。

青い旗キャスト
ローズ・ビベール:保坂知寿/アレックス・ディリンガム:石丸幹二/ジョージ・ディリンガム:光枝明彦/ジュリエッタ・トラパーニ:大鳥れい/マルセル・リチャード:喜納兼徳/ジェニー・ディリンガム:紗乃めぐみ/ヒューゴ:鈴木 聡/エリザベス:武 木綿子

嵐の中の博多座【博多座】

『9月の台風上陸』というのは、九州・沖縄にとっては風物詩的なほど毎度の事なので、この時期のイベントごとや長距離の移動の予定を組むのは、もはや“賭け”ですよね。
昨年2004年は台風の上陸が記録的に多く、私もダイビングで予定していた沖縄行きを2回も見送りましたし、9/7は朝から台風18号が九州最接近で福岡市内の公共の交通機関は地下鉄を除いて全面ストップ!の中、それでも博多座【北島三郎特別公演】にも出かけたり(2004.9.7おぼえ書き参照)…と台風発生の度に気をもんだものでした。
で…今年2005年9月6日。 数日前に発生した台風14号が、この日朝から福岡を暴風雨圏内に巻き込み、21時頃は最高に危険…という予報が出され、まさに“嵐の一日”強風

そんな中、本日の博多座は【着物の日】が設定されていたので…私、夜の部のチケットを押さえていたんですねぇ。 「昨年に続き、台風のまっただ中、博多座へ出掛けた」という、強者となりました(私は唯一動いている公共の交通機関の地下鉄利用なので行けるんです)。
“二度あることは三度ある”…来年も台風の日に遭遇するのかしら、私汗
しかし…台風の中、劇場へ…というのは、どうにも速水真澄(byガラスの仮面)の「歩いていく」というシーンがフラッシュバックするのよねぇ(32巻参照)
もちろん着物着用は諦めて、完全防備のカッパに足下はビーサン(履き替えの靴持参)。 家から地下鉄の駅に歩くわずかな距離でも斜めから降る雨でスブ濡れ。 通りは車の往来もなく閑散としてて、地面に叩きつける強い雨の跳ね返りで全体的に白っぽく見えて恐いくらい(でも博多座に行く)。
博多座に到着すると、のぼりや正面玄関に飾ってあった『玉さんと一緒に写真に写ろう!特製パネル』も片付けられてガラ~ンと寂しい感じだったものの、男性職員総出?!と思うくらいの博多座スタッフさんが正面玄関にズラリお出迎え☆
チケットをもぎってもらうと「本日はお足下の悪い中、ご来場有り難うございました」と…おそらく【着物の日】用に用意されていたであろう粗品をいただきました。
席について幕開きを待っていた開演10分前。 博多座スタッフさんより挨拶と説明がありました。
本日はこのような状況ですので、前の方から空いている席を詰めてお座りください
との驚きの案内があり、まず同一階内での座席移動が行われました。
それでも1階客席はかなりの空きがありましたので、2・3階席の観客には他階への移動の案内があり、ドドーッ!とひとしきり民族大移動タイム。
当初、私は3階席の…今公演で押さえたお席の中で一番悪いお席だったのですが、階を移動して素晴らしく見晴らしのイイお席へ(観客の移動により、3階席はスッカラカン…だったのでは?)
「C席がA席に~!だなんてスゴイ!スゴイ!」と瞬間的に興奮しましたが…このようなラッキーに恵まれたのは、残念にも、博多座に来る事が出来なかった方がいらっしゃった事が…であるからな訳で、激しく反省汗
『暴風雨は、福岡は21時頃が一番強くて危険』と言われていたので、まさに夜の部の終演時間にあたるため、昼の部に比べて観客はより少なかったとの事。
昼の部は同一階での移動のみで、階の移動はNGだった…との事ですから、いかに夜の部の入りが少なかったかはご推察いただけるかと。
そんな異常な状況下、このような“粋な計らい・柔軟な対応”を行い、終始テキパキと笑顔で対応される博多座スタッフの皆さんに大感動し、“ますます博多座ファン”となった嵐の日でした。

舞台を務められる役者さん、鳴り物さん、裏方さんも、空き空きの…真っ赤な客席を目の前にしての上演は複雑な心境だったかと思いますが、もちろんいつもと変わることなく全力投球の素晴らしい舞台を拝見させていただきました。 拍手は…満員の客席に劣る事がナイくらい(ちょっと言い過ぎ?)大きくて熱かったと思いますし、【四の切】の宙乗りでは、この少ない観客なのに…やはり出ました!手拍子が☆
いろいろな事に大感動して泣きながら、すさまじい天候を覚悟して博多座を出ると…
「あら?台風、行っちゃった?」と肩すかしの外の様子。 雨、風ともになく、道路にはバスも走り通常の賑わい。 あっけに取られて帰宅して、しばらくすると…吹き返しでしょうか?ものすごい暴風が再び吹きはじめました 終演時間は、ちょうど台風の目の中だったのかしら?
お客も、運営側も、興業側も…それぞれに大変な1日でしたが、忘れられない舞台となったのではないでしょうか。 改めて「博多座、小屋も人もイイ劇場だなぁ」とホレ直しました 有り難う博多座!
(注:私は博多座の回し者ではありません、くれぐれも)

鉛筆追 記
今回、交通機関の事情により観劇できなかった方は、別の日に振替(ただし空いている席となるので席種は希望に添えない事もある)、もしくは払い戻しの対応もしていただけるようですので、博多座に直接お問い合せください。

Blast! 【福岡サンパレス】

2003年の夏に日本初上陸以来、話題を独占しているステージをこの度初めて観ることができました♪
映画【ドラムライン】を観て以来、マーチングバンドに少し魅了されていたので(作品的には…だったけど)、私的には絶好のタイミングで得た今回のステージ。
【ブラスト!】とは爆発の意。 『マーチングバンドを進化させ、音楽と色彩の洪水のエンターテインメントはまさにステージも客席も爆発』というコピーは…本当だった!
【打楽器(パーカッション)】【金管楽器】【ヴィジュアル・アンサンブル(ダンスチーム)】の3つのパートから構成される舞台は、楽器とダンスが融合し【動】と【静】を巧みに取り混ぜ、舞台を彩る色彩構成も美しく各シーンにテーマ・カラーがあり、聴衆がその色からもイメージを膨らませながら思いっきり楽しめる☆ 聴覚と視覚をフルに稼働させてた上、自分のイマジネーションの中に置き換えて楽しめる…という、初めて観るタイプのパフォーマンスに終始圧倒されっぱなしでした。
各々の演者は楽器の演奏も、ダンスも、歌も、演技も…と披露し、その多彩な才能をもつパフォーマンス集団の驚異的なチームワークの良さは素晴らしい!
休憩時間はロビーで打楽器のパフォーマンスもあり、メンバーの巧みな日本語でのトークも楽しめ、フィナーレーの曲は演奏しながらメンバー全員が客席通路を練り歩き、ロビーへ出て客をお見送り…という、演者を身近に感じる事、驚異的な演奏技術を目の前で観れる事は貴重な機会でした とにかくショーの構成者のセンスにも脱帽!です。
唯一の日本人キャストである、ドラムの石川直さんのご出演がなかったのが、ちょっと残念。
すでに来年のジャパンツアーも決定しているようなので、まだ【ブラスト未体験】の方は、是非足を運んでみてはいかがでしょうか?