嵐の中の博多座【博多座】

『9月の台風上陸』というのは、九州・沖縄にとっては風物詩的なほど毎度の事なので、この時期のイベントごとや長距離の移動の予定を組むのは、もはや“賭け”ですよね。
昨年2004年は台風の上陸が記録的に多く、私もダイビングで予定していた沖縄行きを2回も見送りましたし、9/7は朝から台風18号が九州最接近で福岡市内の公共の交通機関は地下鉄を除いて全面ストップ!の中、それでも博多座【北島三郎特別公演】にも出かけたり(2004.9.7おぼえ書き参照)…と台風発生の度に気をもんだものでした。
で…今年2005年9月6日。 数日前に発生した台風14号が、この日朝から福岡を暴風雨圏内に巻き込み、21時頃は最高に危険…という予報が出され、まさに“嵐の一日”強風

そんな中、本日の博多座は【着物の日】が設定されていたので…私、夜の部のチケットを押さえていたんですねぇ。 「昨年に続き、台風のまっただ中、博多座へ出掛けた」という、強者となりました(私は唯一動いている公共の交通機関の地下鉄利用なので行けるんです)。
“二度あることは三度ある”…来年も台風の日に遭遇するのかしら、私汗
しかし…台風の中、劇場へ…というのは、どうにも速水真澄(byガラスの仮面)の「歩いていく」というシーンがフラッシュバックするのよねぇ(32巻参照)
もちろん着物着用は諦めて、完全防備のカッパに足下はビーサン(履き替えの靴持参)。 家から地下鉄の駅に歩くわずかな距離でも斜めから降る雨でスブ濡れ。 通りは車の往来もなく閑散としてて、地面に叩きつける強い雨の跳ね返りで全体的に白っぽく見えて恐いくらい(でも博多座に行く)。
博多座に到着すると、のぼりや正面玄関に飾ってあった『玉さんと一緒に写真に写ろう!特製パネル』も片付けられてガラ~ンと寂しい感じだったものの、男性職員総出?!と思うくらいの博多座スタッフさんが正面玄関にズラリお出迎え☆
チケットをもぎってもらうと「本日はお足下の悪い中、ご来場有り難うございました」と…おそらく【着物の日】用に用意されていたであろう粗品をいただきました。
席について幕開きを待っていた開演10分前。 博多座スタッフさんより挨拶と説明がありました。
本日はこのような状況ですので、前の方から空いている席を詰めてお座りください
との驚きの案内があり、まず同一階内での座席移動が行われました。
それでも1階客席はかなりの空きがありましたので、2・3階席の観客には他階への移動の案内があり、ドドーッ!とひとしきり民族大移動タイム。
当初、私は3階席の…今公演で押さえたお席の中で一番悪いお席だったのですが、階を移動して素晴らしく見晴らしのイイお席へ(観客の移動により、3階席はスッカラカン…だったのでは?)
「C席がA席に~!だなんてスゴイ!スゴイ!」と瞬間的に興奮しましたが…このようなラッキーに恵まれたのは、残念にも、博多座に来る事が出来なかった方がいらっしゃった事が…であるからな訳で、激しく反省汗
『暴風雨は、福岡は21時頃が一番強くて危険』と言われていたので、まさに夜の部の終演時間にあたるため、昼の部に比べて観客はより少なかったとの事。
昼の部は同一階での移動のみで、階の移動はNGだった…との事ですから、いかに夜の部の入りが少なかったかはご推察いただけるかと。
そんな異常な状況下、このような“粋な計らい・柔軟な対応”を行い、終始テキパキと笑顔で対応される博多座スタッフの皆さんに大感動し、“ますます博多座ファン”となった嵐の日でした。

舞台を務められる役者さん、鳴り物さん、裏方さんも、空き空きの…真っ赤な客席を目の前にしての上演は複雑な心境だったかと思いますが、もちろんいつもと変わることなく全力投球の素晴らしい舞台を拝見させていただきました。 拍手は…満員の客席に劣る事がナイくらい(ちょっと言い過ぎ?)大きくて熱かったと思いますし、【四の切】の宙乗りでは、この少ない観客なのに…やはり出ました!手拍子が☆
いろいろな事に大感動して泣きながら、すさまじい天候を覚悟して博多座を出ると…
「あら?台風、行っちゃった?」と肩すかしの外の様子。 雨、風ともになく、道路にはバスも走り通常の賑わい。 あっけに取られて帰宅して、しばらくすると…吹き返しでしょうか?ものすごい暴風が再び吹きはじめました 終演時間は、ちょうど台風の目の中だったのかしら?
お客も、運営側も、興業側も…それぞれに大変な1日でしたが、忘れられない舞台となったのではないでしょうか。 改めて「博多座、小屋も人もイイ劇場だなぁ」とホレ直しました 有り難う博多座!
(注:私は博多座の回し者ではありません、くれぐれも)

鉛筆追 記
今回、交通機関の事情により観劇できなかった方は、別の日に振替(ただし空いている席となるので席種は希望に添えない事もある)、もしくは払い戻しの対応もしていただけるようですので、博多座に直接お問い合せください。

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