Song & Dance2(千穐楽)【福岡シティ劇場】

今回も思いがけずハマって…最後にはご出演の全ての俳優さんに愛着を持ってしまうくらい、通っちまいました!
そんな中、“福岡シティ劇場の存続”で、今後の…ある方向性が劇団側から発表された直後だっただけに、地元民としては【Song&Dance2】が終わる淋しさがより強く感じた千穐楽だったのではないでしょうか? 今公演では、自分が行った時でも「これはちょっとあんまりな…」と観ている側が肩身の狭い思いをしなくちゃならない観劇日が、そんな客席状況がありましたから…残念でした。 今までは、博多座の歌舞伎公演の客席を「あの赤い客席はなんとかならんのかなぁ~」と、いろいろと心配したり経営者でもナイのに「どうやったら劇場に足を運んでくれるんだろう?」と考えたりしてましたけど、まさか福岡シティ劇場でも同じ事で悩む自分になろうとは… “一個人の演劇ファン”が、いくら通ったり周りを誘ったりしても限界がありますから、なんだか切ないです…。
さて舞台ですが「今日は聴き納めるゾ!」と気合いで臨んだ観劇に十二分に応えてくれる舞台で、大満足! 今公演初めて1階の前の方のお席での観劇だったので、俳優さんたちの表情や汗がハッキリ見えて、また新しい発見があったり、ちょっと近すぎて「も~う、ドコを、誰を観てイイのか分ら~ん」という状態で、舞台からの“気”に押されっぱなしでした!
大好きな【ナイス・ワーク・イフ・ユー・キャン・ゲット・イット】は、いつもボーカルのお三方ばかりを拝見してましたが、後ろで細かい演技をしている皆さんが、私、初の発見で、と~っても楽しかったです。 「あ、この方はこの時、ココに居たんだ」と顔が見える分、一人何役もこなす俳優さんを観ては「舞台裏の着替えは、すざましいコトになってんだろうなぁ」と感動しながらも、ぼんやり思ってました。
シング・シング・シング】は、毎回鳥肌ものでしたが…今日はなんか…冷や汗まで出る始末。 息詰めて観てましたよ! 本当に皆さん素敵です 表情もと~っても素敵!
今日、歌で一番感動したのは【僕の願い】でした♪ キムさんの歌を聴いていると、歌詞の情景が目の前にハッキリと浮かんでくるんですよね。 私自身は【ノートルダムの鐘】って観たコトがなくて、あらすじをなんとなく知っている程度なんですが、歌の主人公の心情が痛いほど伝わってきてウルッと涙が… “魂に響く歌”を唄える人って、こういう人の事を言うのかな?と思いました。 そのくらいの感動でした…。
全国巡業公演を経て、今日の福岡千穐楽でこのカンパニーは解散。 普段のミュージカルとは違って“素の等身大の自分”を出す今回の演目は、何か特別な気持ちカンパニーの団結があったように、カーテンコールの雰囲気から感じられました。 長い公演、お疲れさまでした。 そして本当に本当に、素敵な舞台を有り難うございました。
S&Sペット
千穐楽前ラスト一週間は、出演者がメッセージ入りのペットボトルを客席に投げる…という趣向があったそうです。 写真は千穐楽、私の隣席にいた友人が某女性ダンサーさんのモノを見事にキャッチしたものです。

劇場 キャスト
ヴォーカルパート:田邊真也・キムスンラ・渋谷智也・井上智恵・早水小夜子・関口三千香
ダンスパート:蔡暁強・脇坂真人・村瀬美音・武藤 寛・萩原隆匡・幸田亮一・岩崎晋也・西尾健治・坂田加奈子・滝沢由佳・伊藤恵・五十嵐可絵・クリスティン・ゼンダー・西田桃子・高倉恵美・北聖子

二十一世紀歌舞伎組・歌舞伎ゼミナール【エルガーラホール】

構成は一部と二部に分かれ、一部では笑三郎さん笑也さん猿弥さんが中心となって映像や実演に対しての解説トークが中心。 二部は猿四郎さんが中心となって立廻りの実演が中心でした。 残念ながら段治郎さんは欠席。

歌舞伎の【歌】とは?【舞】とは?【伎】とは?…という事から入り、実は【伎】が今イチはっきりと理解できてなかった私は「ガッテン!」でありました 立役、女形のそれぞれの歩き方の違いや、「歌舞伎ふうに笑ったら…」というような実演。 そして映像や実演での顔のつくり方。 喜昇さんがモデルとなって女形の顔をつくる実演をしてくれました 目の周りをピンク色にほんのりぼかす方法は白粉の下に塗るのと、白粉の上から塗る方法があり(それぞれの名前は忘却)喜昇さんは前者、笑也さんは後者の方法だそうです。
紅や眉などに使う墨は各人で調合して作るとの事で、特に紅は作ってから1年ほど寝かせる?そうで、好みの色を出すのにはとても時間がかかるそう。
立役の隈取りはVTRでの紹介。 猿弥さんの男之助(だったかな?)の顔のつくる様子でしたが「えらく豪快に隈を入れてるなぁ…。」と感嘆していたら…出来上がりは大層キタナイ隈でしたっ! 頑張って指でぼかしにかかってましたが…キタナイままでした。「遠くからみると判らなくて、綺麗なんだよ」って猿弥さん。
笑三郎さんは、流れるようなトークでお話されてましたが…随所に博多弁を織り交ぜながらウケてました。 が、笑三郎さんのビミョ~な髪型に気を取られ…何を話されてたかは今イチ記憶に残ってません。 すみません…。

二部は猿四郎先生の【立廻り講座】。 一部の皆さんの流れるようなトークから一変、「猿四郎さん、どこ見て話してるの~?」と見ている方に緊張ぶりが伝わってくるくらいコチコチの台本通りの固い固いトーク。 説明しながら「…って事でコレは歌舞伎の“伎”となる訳ですね。 あ、イヤ“舞”です」とか多々。
時代劇の立廻りと歌舞伎の立廻りの違いの実践が面白かったです! 猿四郎さんが、喜之助さんに歌舞伎用語で「○○やって、その後に○○。そして○○となります」と言った直後に立ち廻ると…二人の動きがピッタリ! これには感嘆でした! 「型が決まっているんで」との事でしたが、スゴかったです~。 猿四郎さんは来月博多座【南総里見八犬伝】でも殺陣をつけられるそうなので、とても楽しみになりました(しかし…猿四郎さん、笑顔が一度も見れなかったなぁ…)
約2時間の講座でしたが、今までいろいろ見てきた同類の講座の中でも、とても解りやすく面白かったです。

エリザベート(初日)【博多座】

2001年10月以来の博多座での再演です。 同じ演目が博多座で二度もかかる…というのは1ヶ月公演としては初めてのこと。 前回の公演では全国公演の最終地でもあった事で、大変な盛り上がりをみせた博多座公演でしたので、博多座側の気合いの入れようもかなりのものです! 8月末には主演お三方を招いてのトークショーも行われ、PRはバッチリ☆ 今回のWトートは前半と後半とに分かれることなく、ほぼお二人とも1ヶ月間ご出演で観劇スケジュールがたてやすい…かと思いきや、他にもWキャストが増えて…やっぱり悩みに悩んだ観劇スケジュールになってしまいました~。
2004年版は5月に帝国劇場で1度観ましたが…演出の変わり方にただただ驚いて、細かいところまで観る事はもちろんできませんでしたので、今回の博多座公演、しかと見届けますよ~。
二人の母親。 私、オープニング、凄く好きなんです。 特にゾフィとルドヴィカの唄い出しが! いつも一緒にず~っと二人の母親のパートを心の中で唄ってます。 でも…残念な事に出だしのパンチがナイんです~ ♪エリィ~ザベェ~トの た・め・に したコトよ 全て彼女ぉ~の ためにしたこぉ~とぉ~♪…っていうあの出だし! コレを聴いて「あ~、始まるわ~」と気持がONになる、私のスイッチのフレーズなので、コレで気持ちが舞台に入れなかったから…オロオロしちゃいました。
初風さん@ゾフィは、全体を通して大満足! カーテンコールの優しい笑顔にも。
春風さん@ルドヴィカは、娘を皇室に輿入れさせようという見栄っ張りな強引な母親…という計算高く自分勝手な押しの強い女性には見えず、歌のパンチも弱くて印象が薄いです。 前回公演とのキャスティング違いに唯一とても戸惑った配役でした。

よつばのクローバー 山口さん@トート
「ノリにノッる!」「張り切ってるなぁ~」という印象でした。 【最後のダンス】は階段の上で“ソロリサイタル”状態。 朗々と歌い上げながら両手を大きく上下させて、ガッツポーズ(らしきもの)も出るし…さすがの迫力です! が“トート”というよりは“山口祐一郎”でしたね、アレは。
ドクトルの場面で「それがイイ。エリザヘェ~トゥ。待っていたぁ~っ!」っていうのが、あまりにも芝居がかっていて、すみません!笑ってしまいました。 これは今日のツボでした。
あと、パクさん@ルドルフに死のキスをするシーンで、一度顔をグッと引き寄せておいて…凄い勢いで突き放し…また引き寄せてブチュ~。 私は演出とは思いつつも「パクさんの汗が凄かったので、キスしようと思ったけどやっぱイヤだな」と突き放したけど…「でも、しなくちゃいけないしな」で引き戻した…のかしら~。 なんて、密かに思っていたら…何度も観ている友人は「アレ、多分振りを間違えたのよ」って! 面白すぎる。
しかし私、山口さんの歌を聴いて初めて“鳥肌体験”をしました。 【闇が広がる】です! 今まで聴き惚れるコトはあっても鳥肌までは立ったコトってなかったのですが、今日の【闇が広がる】は圧巻でした 劇場全体が震える感じでしたよ…。

よつばのクローバー 今さん@エルマー
「エルマーって、こんなに立ってた(目立った)役だったっけ?」という印象を受けました。 正直「なんで今さんがエルマーなんか?」って思ったくらい印象の薄い役だったので…。 しかし、今日観劇して考えを改めさせられました。 熱い闘志に燃えた若者のリーダーという感じを強く受け、とても惹き付けられました 今後、このお役に注目して観劇する楽しみも増えました。

よつばのクローバー パクさん@ルドルフ
「ココは伸ばして欲しいのに~」と思う所が多かったです。 5月に帝劇で観た時も気になったのですが、歌の終わりがプツッ、プツッと切れてしまう感がどうしても苦手でした。 ガタイがイイので、ビジュアル面では“線の細い悩める青年皇太子”という感がどうしても伝わってこないのですが、それは熱演で魅せてくれました!

よつばのクローバー 精神病院のなりきりエリザベート
今回の演出で「こっちの方がイイ!」と思った数少ないシーン(すみません)。 エリザベートになりきっている患者役の方、上手いですね! なりきっている様が傘やセンスなどの小道具が登場することによって良く解るようになったし、最後に病室に戻されてもずってエリザベートになりきったままで、また周りの患者もそのように扱っていて…細かい演出と演技に感動しました!
…とりあえず、初日の感想はこれまで。