モンテ・クリスト伯【キャナルシティ劇場】

気になるキャストがズラリ☆で、昨年末から日本初上演されて各地を巡業していた本作品に遠征する気、満々だったのに大千穐楽が福岡って!ラッキー♪
久し振りに「ミュージカルの舞台を観た!」という大きな満足感を得られました。
モンテ・クリスト伯って、なんとなくの粗筋は知っているけど具体的には…なので、冒頭のスクリーン映写文字で舞台背景を説明する演出は助かった。 初見だったので物語とキャストを追うのに忙しかったせいか?耳にすごく残る曲、というのがなかったのは残念。 といってもライブCDが発売されますし、フランク・ワイルドホーンなので繰り返し耳にすれば…でしょう。 以下、キャストについてのみ。

石丸幹二さん @エドモン・ダンテス/モンテ・クリスト伯 どうやら“劇場+幹ちゃん”が多分に影響するようで「ん?ココ“異国の丘”に似てる」「ここは美女と野獣の“愛せぬならば”熱唱の図だ」とか度々、四季演目の演出に似ているところが目に付いてしまう〜。 でもって「囚人服を着ていても、汚れメイクをしていても“ハンサムはハンサム”(←あえてハンサムという表現)だなぁ…」と、感心(ファンではナイですが) 舞台上の天海祐希さんを観た時も思った「“主役を演じる為の人”って居るんだなぁ」としみじみ思った今舞台。
花總まりさん@メルセデス ヅカの舞台で一度観ただけだったので、こんなに歌が上手いとは!という驚きと、暫く第一線から退いていたのに娘役トップ時代と変らぬ容姿にこれまた驚き!(首からデコルテ、綺麗☆)ドレス捌きはさすが。
岡本健一さん@モンデゴ 舞台を初めて拝見しましたが、失礼ながらココまで唄えるとは思わず、歌ウマ〜なミュージカル常連キャストの中に居てもそこまで気にならず、洋風なお顔は作品に○
石川禅さん@ヴィルフォール 禅さんじゃなくても…な配役だったけど、劇画チックな振り幅が演技と表情が面白い。 ちょっとした短いフレーズを口ずさむだけなのに「歌ウマ〜」と思わされる技量。
坂元健児さん@ダングラール 悪者だけど10本全部に指輪をはめている様などに、ちょこちょこした小物ぶりが伺えてモンデゴといいコンビぶり。
岸祐二さん@ジャコポ せっかく岸さんなのに殆ど歌が聴けなかったし(林アキラさん@船主モレルも!)伯爵に付き従うようになってからは何故かしらカマっぽいキャラの不思議。
濱田めぐみさん@女海賊ルイザ 「絶対、濱田さんが観たい!」と確保した大千穐楽だったけど…とても似合っているけど、こちらも濱田さんじゃなくても…な配役かと。
村井國夫さん@ファリア神父 幹ちゃんと師匠という配役バランスは最高に良く、エドモンを導く光となる存在感が素晴らしい。 カーテンコールくらい綺麗な衣装で…と思ってしまった!

大千穐楽という事でカーテンコールはメインキャストから一言づつあり(岸さんと林さんも聞きたかった!)特に“元四季看板三人衆”の挨拶では、ここが福岡の四季専用劇場だった時に主役を張った作品を何度となく観た私にとっても大変感慨深いものが〜♪

坂元さんは「ココに立って“心配しないライオン”を何百回と演ってました」「地元九州で、そして劇団最後の舞台もこの劇場で…再びココに立てるとは!」とかなり興奮気味。 上手に引っ込んで、キャストのみなさんに♪ハクナ・マタ~タ ハクナ・マタ~タ♪と歌ってもらった後に大きなジャンプしながら登場で♪心配ないさぁ~~~~~っ♪ 久々の坂元ライオンと現役時代に全く劣らない声量と迫力に劇場大盛り上がり。 その挨拶を引き継いだ濱田さんは「その心配しないライオンの嫁を演っておりました」と。 彼女も九州出身なので同じような感想で、石丸さんもそんな二人の挨拶に大きくニコニコと激しく同意。
彼らが退団してから私もあまり四季の舞台を観なくなっていたので、なんだかとにかくとても懐かしく嬉しく楽しい舞台観劇となりました。 …って出来ることなら“純粋に作品を楽しむ為”にもう一回観たかったな、と思ったり。

劇場
キャナルシティ劇場
日時
2014.1.19(日曜日)/12:30〜

ヨセフ・アンド・ザ・アメージング・テクニカラー・ドリームコート【シャルロッテシアター】

韓国在住の妹のを訪問した際、私は【レベッカ】が観たかったのですが有名な俳優さんが出ていて人気公演らしくチケット難で諦めたところ、妹が「今、ミュージカルならこれを観てみたいんだよねぇ~」と薦めてくれたのがこの作品。 ミュージカル【ヨセフ・アンド・ザ・アメージング・テクニカラー・ドリームコート】。 タイトル長い~! ソウルのシャルロッテシアターで観てきました。 韓国では今年初めてライセンス上演中だそうです。 劇場前の大きな河は半分が氷が張ってて…小雪が舞ってました! やっぱ韓国の冬は寒~い!しんしんと冷える~!
ミュージカルの巨匠アンドリュー・ロイド・ウェバーとティム・ライスが初めて合同作業をした記念碑的なこの作品は、日本では2011年初の来日公演期間中に東北地方太平洋沖地震が発生した影響で、予定されていた16公演中6公演を残して公演中止となったそうですね(作品も日本上演もその経緯も全く知らなかった!
当然、全て韓国語で歌っているので歌詞はさっぱり理解できませんが、日本公演時のサイトで予習した甲斐あって話しの流れには付いていけました。
実は聖書をベースとした物語に若干の不安がありましたが、舞台美術や構成が派手なので目に楽しくグイグイ引き込まれ見入ってしまい、カーテンコールは【マンマ・ミーア】のようなライブ的な演出に高揚感があり「あ~、面白かった♪」と帰路に。 主演のイム・シワンさん@ヨセフは昨年、韓国ミュージカル界において新人賞を受賞した期待の新星らしくキラッキラ☆してました(多分、オペラグラスは持ってなかったので顔は判らん!雰囲気が) ストーリー・テラーの役割を担うキム・ソンギョンさん@司会者はクラシック調からゴスペル調まで様々な曲調を美しくパワフルに歌い上げお見事。 チョ・ナミさん@ファラオは足の短い小ちゃなプレスリー然とした登場のインパクトとキャラクターで笑わせ客席をあおるあおる~♪ イ・ホングさん@ヤコブは…特筆すべきことはなく。
驚いたのは、カーテンコールでスタンディングオベーションかと思いきや立ち上がった観客がカメラでバシバシ撮影していた事! 韓国って…これってありなの? 上演中もおしゃべりや身を乗り出しての観劇が多く、ちょっとマナーに閉口した事はかなり残念。 でも楽しい観劇でした。

ファンタスティックス【キャナルシティ劇場】

思いがけず観劇の機会をいただいて、なんの予備知識も無しに劇場へ。
タイトルは耳にした事があったのですが、世界最長ロングラン記録を持つミュージカル作品で、宝田明さん@語り手が出演回数300回を超える…という大層なものだと知ったのは観劇後。 音はピアノとハープのみ、舞台上手で生演奏で、こんな演奏形態のミュージカルは初めて観ました。 客席通路を多用しており、観客をどんどん舞台に引き込む手法があったり…でしたが、そんな大層な作品の感想は…ん~、なんと表現したらイイでしょう? 私にはちょっと難しく、ロングランを続ける作品の魅力は…一体どこにあるのか、疑問のまま。

しかし演者は8名少数精鋭(島崎俊郎さん@モーティマーだけ異色)で皆さんはどなたも芸達者で素晴らしく観入りました。 光枝明彦さん@老俳優沢木順さん@青年の父親青山明さん@少女の父親劇団四季出身のお三方が観れた事に軽く興奮。 「光枝さんがこの劇場に立ってる!」って。
宝田明さん@語り手御年78才とは到底おもえない軽やかな動きと艶のあるイイお声、そしてダンディな色気を放っていて驚きました! 客席には“宝田さんの往年のファン”だろうな、らしきご婦人方がチラホラと。
松岡充さん@青年は40代とは思えない若々しい容姿で、彩乃かなみさん@少女より可愛かったかも? 劇中の場面表現に重要な役割を果たす本間ひとしさん@無言のしなやかな動きは綺麗。
カーテンコールでは宝田さんのこの作品に対する熱い想いが切々と語られ、劇中曲【トライ・トゥ・リメンバー】を観客と歌って終了。

ジキル&ハイド【日生劇場】

舞台は2005年に一度しか観たことがナイのですが、後にデビッド・ハッセルホフ(←【ナイト・ライダー】の人としか認識なく歌ウマーでビックリした!)主演舞台の映像を繰り返し観て大好きな作品となり、ナンバーもいまだに耳に鮮やか☆
この度キャスト一新! 共に劇団四季で看板俳優だった石丸幹二さん×濱田めぐみさんがタッグを組み+笹本玲奈さんとくればこれは観なくては!! 私、実は四季時代のこの二人の共演は観たことがナイのです(多分)、もともと共演している演目は少なかったですし…。 私にとっては共に四季退団後、初観劇でメチャメチャ楽しみに観劇に臨みました♪
前観劇時の記憶が定かではナイので演出の変更部分の細かなところは判りませんでしたが、酒場“どん底”のセットや大好きなナンバー【Dangerous Game】がちょっと残念な変更になっていた(マントの中でルーシーが歌うのが好きだったのに~)ので「コレ!コレが観たかったのよぉ~!」と懐かしの再会的な感動が薄く感じられて寂しくもあり…。 アンサンブルさんもちょっと弱い感じ。 総じて過去4回の鹿賀丈史バージョンの記憶を新たに塗り替える印象は残らず~。 …でしたが!やはり四季で「今日のキャストが○ちゃんでありますように!めぐでありますように!」と登板を祈りながらチケット購入をして四季観劇をしていた身からすると、確実に二人が観れる!しかも二枚看板で!という嬉しさはひとしおでありました♪

石丸幹二さん@ジキル&ハイド もちろんヴィジュアルも良く、歌もウマーで熱演なんだけど…なんだろう? 鹿賀さんよりは断然耳に心地良い歌声ではあるんだけど…なんか引っかかるものがありません。 「悪くはナイ。けど…ん~」という感じて、なんでしょうか? 優等生的、とでも言いましょうか? 狂気はあるけどエロってか色気が足りないのかなぁ~?
濱田めぐみさん@ルーシー あの衣装を着ている事が、あの拵えをしている事自体が衝撃的☆ もうこれだけで「観にきて良かった~」と思いました。 彼女もやっぱり優等生感は残っているものの「頑張ってるな!」という感じ。 細いんだけど…なぜかしら柔らかそうで肉感的なエロさがあるのには驚きました(ポロリもありそうなドキドキも) メイクが…目がちょっと残念なのかな~? 久々の歌は「あぁ~、懐かしの濱田節」と聞き惚れましたが、場によってはちょっとルーシーとしては強すぎる感もあり。 寝室で手紙を受け取るシーンでは可愛さもあって良かったです。 実はほぼ濱田さんロックオン観劇でありましたっ! 四季退団後、舞台出演が途切れないご活躍、今後も楽しみです♪
笹本玲奈さん@エマは「ちょっともったいないかな~」という印象でしたが、声の艶が更に増した印象。 今までのキャスティングも「婚約者としては若すぎるのでは?」でしたが、もう少し母性で包み込むような年齢を感じさせる人がイイのでは?と素人考えで思ったり~。 吉野圭吾さん@アターソンは「吉野さんは…吉野さん」という印象。 舞台での華はありますが、歌+演技ともに“吉野さん”。 中嶋しゅうさん@ダンヴァース卿歌が残念すぎます。 ヴィジュアルも…普通の日本人の小さなおっちゃんがタキシード着ている風情で風格もなく、なんで?
初日開けると…意外にもちょっと動員に苦労しているようで? 濱田ルーシーは一見の価値あり☆と思います(叶うことならもう一度観たかった!)

スウィーニー・トッド【青山劇場】

2007年からの4年振り再演です!(って前回の観劇から4年も年月が経っていたとは…愕然~)。 あれからジョニー・デップ主演の映画も公開され、作品としても有名になったので、もっと早くに再演があるかと思っていましたが…市村正親×大竹しのぶ、というビッグ主演お二人のスケジュール調整が大変だったんでしょうね?、やっとです! 主なキャスティングはアンソニーが城田優さん→田代万里生さん、タービン判事が立川三貴さん→安崎求さんの変更のみで「更に歌に期待できそう♪+初演時の興奮再びに違いない!」と遠征観劇☆
耳をつんざくような警笛の音で幕が空いた瞬間「あぁ、コレコレ。そうだった、そうだった~」と一気に暗鬱としたロンドンへ再びタイムスリップ。 作品としての印象は初演観劇時と変わらず。 ただ、キャストの“死者の怨念メイク”が全体的に薄くなっていて、皆、以前より顔色が良くなっていたのが…なんだか可笑しかったです。 初演後公開された映画を観て…また舞台を見ると、計算されたスムースな場面転換に舞台美術と演出に改めて感嘆。 気が付けば私、今年は金閣寺も観劇してるし…ちょっと亜門作品づいている?!
主演お二人はやっぱり流石!です! お二人とも全く年を取らないような…パワフルな様は拝見するだけでパワーをもらえます!
二人の微妙な絶妙な関係のかけあいに息をのみ、笑い、グイグイと引き込まれました

大竹しのぶさん@ミセス・ラヴェットなんか、さらに若々しくラブリーになっているのでは?! 歌は~初演時と変わらない印象でしたが、腹をくくってからの“逞しい女のしたたかさ”に愛嬌が増し絶品でした。 トバイアスに対する母性もしかり! ラスト、彼の妻と知りながら隠していた事がバレた時の表情が哀れで可愛くて強烈な印象として残りました。
今回キャストチェンジとなったお二人は…どうやら期待しすぎたようで、という印象で「悪くはナイ。…けど~」でした。
田代万里生さん@アンソニー歌はさすがに上手いのでしょうが、なにせソンドハイムの不協和音旋律なもので、聴いていて耳に心地良くナイ訳で…で、演技は特筆すべき事はなく。
安崎求さん@ターピンは…すごくジジィ(言葉悪くて失礼!)な感じに作ってあって、それはそれで不気味で、Tバックでお尻まで披露しての熱演でしたが…初演の立川三貴さんの方が好みでした。
キムラ緑子さん@乞食女の演出は変わっていますよね? あそこまで彼女がフューチャーされていた印象はなかったので、ラスト身の上が判明した時の衝撃がハンパなかったのですが…。 今回は最初から「彼女は何かきっと重要な役所だ」とありありと判るような演出となってるような? 顔も髪ですっかりと覆われてあそこまでハッキリ見えていなかったような~? 映画が公開され、多くの人が彼女の身の上をすでに知っているから…という変更があったのかな?
この作品で初めてミュージカル作品で拝見したソニンさん@ジョアンナはその後すっかりミュージカル女優としての地位を確率しての安定感。 あの小鳥のさえずりのような小刻みに震える高音は健在。
武田真治さん@トバイアスのキャラクターはやっぱり舞台版のこちらが好み。 地下室でひき肉器を回す演出は…初演時はミセス・ラヴェットから習ってラストまで何回かやっていたような?…違ったかな? 武田さん、美形な方だけどやっぱトートよりはこういう役所の方が活きるような♪
そして斉藤暁さん@ビードルはやっぱりあの眉毛にクスッ。 漫画のような体型もツボです。
今公演、残念ながら福岡での公演はなく…の遠征でしたが、これから公演が予定されている地域の方は是非ご観劇を! 次回の再演、があったとしても何年先か判りませんから!!