ポール・ポッツ【福岡シンフォニーホール】

ポール・ポッツさんの【Nessun Dorma(誰も寝てはならぬ)】で私、“歌を聴いて泣く”…という体験を初めてしました! イギリスのタレント発掘オーディション番組【Britain’s Got Talent】の第1シーズン(2007年)で優勝し、携帯電話のセールスマンから一躍トップスターへ☆ その初戦で披露したパフォーマンスをYoutubeで初めて観た時、鳥肌が立ち、涙がジワ~ッと出てきて…とにかく凄い衝撃と、感動と、勇気をもらいました! 今でも、何か迷ったりした時に動画を観ては『勇気を持って』『自分を信じて』と自分を鼓舞しています。
そのポールさんが日本で5都市7公演を開催!…という事で福岡公演、行ってまいりました~♪
総勢13名のオーケストラは指揮者とピアニストが本国からの参加のようで、他は日本人メンバー。 ポールさんご自身は蝶ネクタイのタキシードでビシッ!と…ですが、オーディション当初の印象からは全く変わらず…で、衣装替えもなく。 歌ごとに背景のスクリーンにはイメージビデオが流れ、その前にスタンドマイクを立てて朗々と歌い上げるポールさん。 奥のサイドテーブルには大きなグラス2個に注がれた水とマグカップが用意されて歌い終わる毎にかなりの量を摂取。 圧倒的な声量は体全体で共鳴させてホール全体に放出される感じ…なんで、かなりの体力を消耗するんだろうなぁ、と推察。
ライブは間20分の休憩をはさんでの二部構成で、アンコールを含め22曲を熱唱。 最新アルバム【パッシオーネ~燃ゆる想い】からのものが中心で、日本版のみ特別に収録されたという【Amazing Grace】もそのエピソードを交え披露。 朴訥としたトークからはその人柄が伺え、度々周りへの感謝の言葉を述べていたのが印象的。 特に、彼の奥さんに対する感謝の言葉はいつもジ~ンとさせられます(このツアーには同行させていないのかな?) ポールさんより上手い歌手は沢山いるでしょうけど、私にはポールさんの歌が特別心に響いて感動させられるのは彼の人柄とバックヤードによる所が大きいんだなぁ…と思った次第。
ソプラノ歌手・半田美和子さんがゲスト出演で、デュエット曲を2曲、ソロで4曲ほど披露。 その分、ポールさんの歌を聴かせてほしい…と思ったのは正直な感想ですが、やはりあれだけの声量で唄い続けるには適度に休息も入れないと…なんだろうな、と勝手に納得。
特に印象に残った曲は、イタリア語で唄ったミュージカルCAT’Sの【Memory】と【Summertime】…とそして、やっぱり【誰も寝てはならぬ】。 なんか…な~んか、ウルウルくるんですよね。 感動☆

終演後はパンフレット購入者にはロビーにてサイン会が。 ライブで相当疲れているでしょうに、かなりの人数の購入者一人一人に対し、丁寧に対応されていたようでニッコリ。
なんでも、ポールさんの半生を描いたハリウッド映画が米パラマウント・ピクチャーズのもとで制作されることが決定しているとか。 スクリーンで観れる日はまだまだ先のようですが、その日が楽しみ♪(企画倒れになりませんように…)
以下、セットリストです。

【第一部】
01:Overture / Various
02:Granada / Augustin Lara
03:Piano (Memory) / Lloyd Webber
04:Che Gelida Manina / Puccini
05:La Prima Volta / Ewan McColl
06:Duet – Libiamo (Brindisi) / Gioachino Rossini
07:Quando me’n vo’
08:Summertime
09:Core’n Grato / Salvatore Cardillo
10:I’m Yours / Romano Musumarra
11:Tristesse / Chopin
12:Caruso / Lucio Dalla
【第二部】
13:E Lucevan Le Stelle / Puccini
14:Mario Lanza Medley / Sigman Romberg
15:Dein Ist Mein Ganzes Herz / Franz Leher
16:Il Bacio
17:Ave Maria
18:Duet – Sei Con Me / Charly Ricanek
19:Une Giorno Per Noi / Nimo Rota
20:Amazing Grace / John Newton
21:Time to Say Goodbye / Quattro Satore
【アンコール】
22:Nessun Dorma / Puccini

サ・ビ・タ【大野城まどかぴあ】

2008年日本初演以来のオリジナルキャストでの再演。 今回の上演に先駆けて昨年11月に同会場にて行われた【駒田一トークショー】で、作品に対する予備知識は多少得ていたものの、私は今回が初観劇。
『サララン・ビルル・タゴ = サ・ビ・タ = 雨が運んだ愛』という事で、駒田一さん@兄ドンウクの雨の誕生日は、親戚一同を招いて楽しく過ごそうとしていた所、ことごとくキャンセルされて落ち込む。 そこへ数年ぶりに突然一人尋ねてくる山崎育三郎さん@弟ドンヒョン。 変わり果てた弟の姿に兄が戸惑う気まずい雰囲気の中、ド派手な格好で原田夏希さん@パーティーコンパニオンのユ・ミリが家を間違えて乱入し…。
お話はドンウクの家の中だけで展開し、登場人物は3人だけ! ノンストップ100分の作品。 舞台両袖に用意されているジョウロの紐を客が引いて雨を降らせたり、舞台から投げられる小物をキャッチして返したり、俳優から頭をグチャグチャにいじられたり…と、本来は小劇場で上演されている作品だけに、アットホーム?というか、観客が思いっきり参加している感じが魅力のひとつ。 また『特別カーテンコール』として観客より公演前事前に申し込みを受付、当事者には当日サブライズで実施…という趣向が用意されているのも特徴。 ミュージカル作品としては初めて観る手法もあり楽しめました。
ただ…作品としては、いわゆるタモリが「ミュージカルは嫌い」という所の“突然歌い出す”感がすごく強くて違和感があり「これってストレートプレイでも良くね?」って感じだったのは正直な感想。 兄弟はめっちゃ歌ウマ~、なだけに、なんかちょっともったいない感じもあり…。 兄弟の和解の連弾が耳に心地よく響く空には虹がかかりハッピーエンドで後味スッキリ!ではあったんだけど。

各役者の感想を…
駒田一さん@兄ドンウク やはり上手い方だなぁ、達者だなという事を再認識。 部屋の中を気弱にセカセカと歩き回り、チマチマと洗濯物をたたんだり(ブラジャーのたたみ方に爆笑!)、食事を作ったりする様で“ドンウクの人となり”がよく解る。 セリフの量がはんぱナイと思うのですが、どれも明瞭で聴き取りやすく、ご本人曰く「今日1回の公演で昨年の博多座公演分(=クコール)を取り返すくらいしゃべった」との事(爆!)
山崎育三郎さん@弟ドンヒョン ピアニストとして将来を有望視されていた過去を感じさせる物腰の柔らかさがありながら、船乗りとして働いていたという様も伺えるかのような筋肉美。 お姉さんのワンピースを着た際に思わず「キャッ」と胸を押さえて座り込んだ様に乙女な雰囲気もあって“可愛い”♪ 色、白っ! 一人だけ衣装をいろいろ変えて目にも楽しい☆
原田夏希さん@ユ・ミリ 舞台では初めて拝見しましたが…ドラマ【ハチミツとクローバー】で黒髪ストレートのアノ女の子を演じていた方だったとは、観劇後に気付いた私。 細~くて、手足が長~くって、背も育三郎くんと同じくらい高~くって、信じられないプロポーションにまずはビックリ! 早口でまくしたてる箇所はひどく聴き取りにくく、歌も正直「……。」ですがユ・ミリというキャラクターは的確にチャーミングに熱演
この日の特別カーテンコールのサプライズは、広島から婚約者を連れて里帰り中に観劇したカップルへ、男性の方のお母様からのお手紙披露。 会場から「お幸せに~」と暖かい拍手に包まれて帰路についた観劇でした。

團十郎が語る 歌舞伎の世界【アクロス福岡】

九州市民大学、2月の公開講座の講師として十二代目・市川團十郎さんが登壇。 昼夜2回講演のうち、会場となったアクロス福岡のシンフォニーホール、私が参加した夜の部では1階はほぼ満席。 以前、福助さんが講師の時に行って以来二回目の参加となりました。
薄いうぐいす色?のお着物をお召しで登壇の團十郎さん。 「成田屋~!」と聴講生から大向うもかかりニッコリ♪「この度は息子の海老蔵が婚約をしまして…」という挨拶で会場より拍手でまたしてもニッコリ。 やっぱりなんだか多らかな愛嬌がある…というと失礼ですが、なんか暖かい感じのするお人柄が好きなんだよなぁ~、團十郎さん。
團十郎が語る 歌舞伎の世界】と題したものでしたが…市川團十郎家を初代~当代まで『どういう人物でどういう役を得意とした役者だったか』という事を延々と語って終わった…という印象のモノでした~冷や汗
…なので、公演内容は成田屋の公式サイトに記されている通りなので省略。
要は『役者自身の事を知って歌舞伎を観るとより面白い』って事をおっしゃりたかったのかと汗
とりあえず参加の記録として。

二月花形歌舞伎・昼の部【博多座】

引窓

2008年4月【浪花花形歌舞伎】以来の観劇。 その時と同じく竹三郎さん@母お幸で、今回も『さすが竹三郎さん!』『やっぱり竹三郎さん!』と改めて感動させらた母親ぶり。 ホントにピリリっと芝居が締まる、んですね~。 芝居がどっしりと重みをもつ…というか。
高麗蔵さん@女房お早は、しっとりとした落ち着きのある姉さん女房な感じと、時々廓育ちの部分が出てしまう可愛さを持ち合わせていて好演。 夫と義母、双方の気持ちを想い計って立ち廻るけなげさも◎ 高麗蔵さんの女形って、私、久々に拝見したかも?
獅童さん@濡髪長五郎。 “濡髪”ってイヤホンガイドの解説によると『濡れた髪を肌になでつけていると刀で斬られた際にはガードとなって?深手を負わないらしい…』との事。 初めて知った豆知識! 市川雷蔵の映画に“濡れ髪シリーズ”(=これはコメディ時代劇で面白いっ♪)ってあるから『濡れ髪とは何ぞや?』と気になっていました~。 お相撲さんは日常も喧嘩も多かった時代なのかな? 思いのほか関取風情が出ていたものの…感想は控えておきます汗
十次兵衛の二人の同僚“警備・昼の部担当”には種太郎くん@平岡丹平壱太郎くん@三原伝造。 幼い! 可愛いお侍さん♪ 濡髪長五郎にこの二人が揃ってかかってもアッサリとフッ飛ばされるだろうなぁ~、ってな華奢なお侍さんコンビ。 壱くん、顔ちっちゃ!
染五郎さん@南方十次兵衛は、自分の立派な姿を母親や女房に大きく見せようとウキウキする様や、十手を乱暴に扱って慌てる様などは◎ 緊迫していた空気にホッと笑いが起こります。 実子・長五郎の“手配似顔絵”を自分の死後の供養費の為に貯金した金で買い取ろうと、母お幸が差し出す金を…私、返さないまま着服か?!と思って以前からもやもやしていましたが…家を出る際に女房にこっそり手渡していたんですね(ご指摘くださった方、有り難うございました『2/25修正・加筆』)
捕獲した魚や鳥獣を野に放し、殺生を戒める宗教儀式という【放生会(福岡では“ほうじょうや”と読む)】と、仲秋の名月の一夜の出来事…という情景がすごくよく理解、イメージ出来た引窓でした。

金弊猿島郡

私、今回初めて拝見する作品は“猿之助十八番”の一つで、今回は猿之助さんご指導の下、初役で挑戦!の亀治郎さん。 昼の部後半は『市川亀治郎宙乗り相勤め申し候』で亀ちゃんオンステージ”☆
歌六さん@如月尼実は乳人御厨。 歌六さんの女形を初めて拝見しましたが…役所ゆえでしょうが、怖いくらい勇ましくてビビるっ汗 親子の情より、主君への忠誠が重かった時代であるにしても、そりゃあんまりだよ! いくら娘清姫本人が「目は見えないし、愛しい男は何処の誰だか判らないし、この世にもう未練はナイわ~」と言ったとしても「じゃ、姫の身替わりとして死んでね」って、あんまり~! 七綾姫も姫で「あら、あなたが私の身替わりになって死んでくれるの?んじゃ、宜しく!」ってな感じであんまりじゃぞぇ~!
門之助さん@およし実は将門腰元桜木もこれまた勇ましい! 追っ手を一人で受けての立ち廻りはクモの巣状に張られた縄の上に仰向けに寝る見せ場ありで、女形がこ~ゆ~立ち廻りをするのを初めて拝見して「おぉ~♪」と思わず声に出して拍手。
染五郎さん@北白川の安珍実は文珠丸頼光。 綺麗。 染ちゃん改めて、顔小っちゃい! 清姫と七綾姫の猛烈なアピールを受けてオロオロする優男ぶりと繊細な感じはピッタリ☆ ホント綺麗。
亀治郎さん@清姫は、頼光が抜いた源氏の重宝・村雨丸の威光で突然目が見えるようになり、愛しい男が目の前に居る頼光と分ってからの「おまえじゃ、おまえじゃ~」という凄みさえある迫りっぷりと、あからさまに七綾姫をじゃけんに敵視する様に大爆笑♪ 七綾姫は将門妹であり、文珠丸頼光とはいわばロミオとジュリエット的な恋仲な訳だからその想いが成就するのは無理なんだから、私が彼を引き受けるわ!的な態度がなんともツボ。 頼光と七綾姫が二人で奥の間に引っ込んでからのシルエットロマンスを見てキィ~ッとなり、部屋の灯が消え「ひぃ~っ!この胸が煮え返るわいなぁ~っ!」と地団駄を踏む様は、同情より爆笑。 時を告げる鐘の回数を細工して、捕り手達に早く姫を引き渡そうと…自らが縛られた鐘に頭突きをする清姫。 「ゴォ~ン」で、大爆笑! スゴイよ、スゴイっ! 表裏でヘビを表現した絶妙な柄の長~い帯は…いったい何メートルあるんだろ?! 亀治郎さん@右衛門尉藤原忠文のネットリとした七綾姫へのアプローチはその情念の深さが不気味
梅枝くん@七綾姫は可憐。 しっかりと女形に成長されましたね~(って何様感想ですが) 今、赤姫系をされたら一番しっくりとくる年齢で綺麗なのでは? 若いって美しい☆
獅童さん@寂莫法印のひょうひょうとした役所は解るけど、歌舞伎味ゼロ。 坊主が手鏡を携帯してる…ってありですか? 信仰の本尊として持ち歩いてた? 立役が鏡を見て自分の姿に驚く、って演出に驚き!
亀治郎さん@忠文はセリフ回しや声が猿之助さんソックリ~♪ 正札が火を吹いて燃え、お堂もファイヤ~で焼け崩れる様は一面真っ赤で大迫力。 寂莫法印を川の中に落とし、自らも川中へ消えて行く演出は見所~見所で面白かったです。
花道にも浪布が敷かれ、頼光が七綾姫の癪の介抱する仲睦まじさに視線を反らせる船頭さんとは相反して「ヒュー、ヒュ~♪」な客席の反応での引っ込みは笑えたっ!
一面火の海になった舞台では清姫の化身となった蛇(帯)が“長崎くんち”の龍踊りのように横断。 私、赤衣(あかご、って言うの?!)さんって初めて見たわ!
清姫×忠文の怨念の塊となった亀治郎さんはすっぽんから鬼の形相で吊られて登場! キラキラ紙吹雪が舞う中、熱演の宙乗りでしたが、3階席引っ込みの鳥屋口すぐ横のお席のお客さん「亀ちゃぁ~ん!」と手を振る。 興奮するのは解るけど、「亀ちゃぁ~ん」って…どうよ?!
終始不思議だったのは、亀治郎さんが見得を決める前に上半身をクネクネっと振って顔をキメ!…の、このクネクネ仕草に笑いが起こるのが謎だった。 オーバーだから? 蛇っぽいから? 不思議な客席の反応…。

双面道成寺

美しい琵琶湖畔を背景に上手に清元、下手に常磐津で「豪華だなぁ~」と思っていたら、途中より奥の大セリより長唄連中がドーンとセリ上がり総勢30名の豪華な三方掛け合い☆ 人間国宝の所作事かっ!と嬉しい突っ込みを入れつつ、層の厚い音色が心地良い~♪
門之助さん@能力黒雲×高麗蔵さん@能力白雲の【おきあがりこぼし】の歌とフリがカワイイ☆
【京鹿子娘道成寺】のパロディなんですね。 所々に「見たことあるある~」的な振りや曲があって面白い。
白拍子花子実は清姫の霊、狂言師升六実は忠文の霊としての踊りとなり、狂言師升六では、お大臣×太鼓持ち×遊女の三つのお面を次々と替えての踊り分けは見応え充分! そして寸分のタイミング狂う事なくお面を差し出す裃後見さん(どなたでしょうか?)の手際もスゴイ! コレ、お面間違えて渡しちゃったら大変ですよね~。
清姫×忠文と半身になった鬼の形相で、それぞれの恋しい人にすり寄る様は、恐ろしい形相ながらも仕草がいじらくて笑えました。 所作殺陣の見所も充分。 獅童さん@田原藤太秀郷との五つ頭での押し戻しの後、「カーッ、カーッ、カーッ」って言った後「ンゴ~ッ」って鼻を鳴らすのアレ(←正式名称は何?)、この場では〆の?「ンゴ~っ」がナイくてビックリ。 そんなのもあるんですね、初めて聞いた!
総括。 言葉が適当ではナイですが『憎たらしいほどに亀ちゃんは上手い!』 鼻にかけている感じが…いつも上から目線的な感じが個人的には苦手な亀ちゃんですが、上手い事は認めざるをえないのが悔しいくらいやっぱり上手いっ!!…と思った昼の部でした。

コーラスライン・千穐楽【福岡シティ劇場】

福岡シティ劇場・最後の日”って事で劇場の在りし日の姿をカメラに納め、入場すると…ロビー入り口にはシティ劇場千穐楽恒例の出演者全員のサイン入りポスターの掲示がしてあり激写する人だかり。 しかし館内にはこの日が最後となる事を示すようなパネルもなく至って日常通りの有様で…それがかえって“構ってもらえナイ(=お金がナイ)”んだろうなぁ…と勝手に思って一層寂しくもあり~。
…と、満員御礼の客席の賑わいも空しく感じながら神妙な面持ちで開演を待っていると…舞台下手よりトコトコと歩み出るは浅利慶太代表。 この度の撤退に関しての挨拶かと思いきや………いやはやビックリ!びっくり 「生活費を切り詰めて四季の舞台に通うなんてご無理はなさらないでください」って、先日放映の【カンブリア宮殿】の時も感じた“お客様の事を第一に考えるイイ人”ってな演出にイラッとし「この一週間の涙を返せよぉ~!」と全力で突っ込んだ四季ファンは多数いたはず。 地元民も驚くほど先週発表された福岡撤退のニュースは全国規模で報道された故、このドンデン返しには心底ビックリ! 私は「撤退は止む終えないなぁ」と決断に納得だったので劇団に意見を送らなかったけど、そんな熱いファンがまだ数多く九州には居たとはこれまた驚き!(だったら普段から観劇しろよ~) 開演前『福岡シティ劇場での最後の公演』って事で記念に買ったパンフレットが…空しい(ACLパンフだけでこれで5冊目だよっ!)
さて肝心の千穐楽の舞台はと言いますと…

個人的な印象は至っていつも通り。 前楽を観劇した友人から『気合いが入り過ぎて上滑り気味なほど凄かった!』と聞いていたので、本日はさぞ~と期待していましたが…至っていつも通り。 浅利代表が来ていたからか“いつも通り”がこれまたいつも以上に忠実だったのかもしれませんが。 ただコーラスはいつも以上に層が厚い印象を受けました。 耳にすごく心地良かった~♪
ダンスは改めて【MONTAGE】が大好き!だな、と。 ココだけ激しくリピートして、あの各々の面白い振り付けの一部始終をじっくり観たいなぁ~と思いました。 例によって手前で激しくシャウトする肝心のリチーは全く観ずに(西尾さんゴメン!)後ろの“おもしろダンス”に釘付け☆
キャスト別に一言感想。
1月14日~千穐楽全28回公演の途中で多少のキャスト変更はありましたが、完走の方が大多数。
深水彰彦さん@ザックは改めて声がイイ。 シーラに言う「もっと気持ちをほどけよ」だったっけ?的なセリフはすごく色っぽい。 朱涛さん@ダンはお久しぶり! 私のイメージするダンのガタイはピッタリな朱さんですが、顔はもっとニヤけた感じがイイかなぁ。 大口朋子さん@コニーは拝見したコニーの中ではちょっと大人の雰囲気。 湯の花村のイジメっ子と同じ髪型なのに…確実に酉年生まれの32才! 武藤寛さん@グレッグは、明るいエロって感じで好き♪ 武藤さんだと「服にはこだわりがあって…」も説得力ありだし(爆!)。 武藤さん自体をホントに久々に拝見したなぁ。 坂田加奈子さん@キャシーは両足首に、増本藍さん@シーラは右太ももにテーピング状態でその満身創痍ぶりから来る気迫がスゴイ! 「お嬢ちゃん、大きくなったら何になりたい?」「若くなりたい」の投げやりな言い方が素晴らしく板に付いてて、客席の笑いもドッカン!なシーラでした。 上條奈々さん@ビビは「分ってるわよ!絶対芸名を付けるわ」の言い出しが早くて、何に対して分ってるのかが「???」になっちゃう。 鳥海郁衣さん@ジュディーはイメージぴったり☆ 西尾健治さん@リチーは、リチーがどうの…ではなくて「西尾さんのダンス、改めてエネルギッシュで見応えあるなぁ」と。 リチーとしてではなく西尾さんとして鑑賞してしまうのはNGでしょうけど。 染谷早紀さん@クリスティンは前回同様“歌がウマすぎ”。 演技は上手いですよね~。 松浦勇治さん@アルは、前回がMY BESTアルだったので分が悪かったかなぁ…。 石倉康子さん@ヴァルは、私の中で本日のMVP☆ ほぼお尻丸出し状態のレオタードでのプリン♪なお尻に「ケアが大変だろうなぁ」と感心し♪いつ、おっぱい脹らむの?♪と要所要所でつぶやく声の愛らしさや自信満々の表情は憎みきれない可愛らしさがあって◎ 拝見した歴代ヴァルと比べるさと小粒なヴァルだけど、キャラクターとしては満点な表現力♪ 三雲肇さん@マークはお顔立ちのせいか?ちょっと落ち着いた雰囲気があり“若さはじける”って感じが今ひとつかも。 悪くは、ない!(ちっょと笑顔が金城武に似てません?) 田邊真也さん@ポールはまたヤセました? キャラクターの繊細さも手伝ってポキッ!と折れそうなくらいの儚気な雰囲気。 ダンスは絶好調☆ 熊本亜記さん@ディアナ役に忠実…なんだろうけど、熊本さん個人の印象に欠ける(…けど四季としてはこれが◎なのかも?) 道口瑞之さん@ボビー。 やつぱり目に慣れているからか?ボビーで観るとしっくり来るなぁ~、と。 本日は特筆すべき事はなかったけど、道口ファンとしてはこの短い公演期間中にグレッグ→ボピーと2役観れたのはラッキーでした♪
個人的には「最後の舞台、しっかり観納めるゾ!」の漲る気合いが上演前の挨拶でフニャフニャと抜けてしまい…今ひとつ観察力に欠けた観劇となってしまった~汗
スタンディングオベーションで数えきれないくらい繰り返されるアンコール。 ガッチガチの型が決まってて、どんなに盛り上がっても、ただそれを繰り返すしかナイ俳優さん達が最後には気の毒になり「もう勘弁してあげようよ~」と苦笑いの幕引きでした。
さて…この福岡シティ劇場の存続、吉と出るか?凶と出るか?

劇場 キャスト
ザック:深水彰彦/ラリー:影山 徹/ダン:朱 涛/マギー:和田侑子/マイク:斎藤洋一郎/コニー:大口朋子/グレッグ:武藤 寛/キャシー:坂田加奈子/シーラ:増本 藍/ボビー:道口瑞之/ビビ:上條奈々/ジュディー:鳥海郁衣/リチー:西尾健治/アル:松浦勇治/クリスティン:染谷早紀/ヴァル:石倉康子/マーク:三雲 肇/ポール:田邊真也/ディアナ:熊本亜記