サ・ビ・タ【大野城まどかぴあ】

2008年日本初演以来のオリジナルキャストでの再演。 今回の上演に先駆けて昨年11月に同会場にて行われた【駒田一トークショー】で、作品に対する予備知識は多少得ていたものの、私は今回が初観劇。
『サララン・ビルル・タゴ = サ・ビ・タ = 雨が運んだ愛』という事で、駒田一さん@兄ドンウクの雨の誕生日は、親戚一同を招いて楽しく過ごそうとしていた所、ことごとくキャンセルされて落ち込む。 そこへ数年ぶりに突然一人尋ねてくる山崎育三郎さん@弟ドンヒョン。 変わり果てた弟の姿に兄が戸惑う気まずい雰囲気の中、ド派手な格好で原田夏希さん@パーティーコンパニオンのユ・ミリが家を間違えて乱入し…。
お話はドンウクの家の中だけで展開し、登場人物は3人だけ! ノンストップ100分の作品。 舞台両袖に用意されているジョウロの紐を客が引いて雨を降らせたり、舞台から投げられる小物をキャッチして返したり、俳優から頭をグチャグチャにいじられたり…と、本来は小劇場で上演されている作品だけに、アットホーム?というか、観客が思いっきり参加している感じが魅力のひとつ。 また『特別カーテンコール』として観客より公演前事前に申し込みを受付、当事者には当日サブライズで実施…という趣向が用意されているのも特徴。 ミュージカル作品としては初めて観る手法もあり楽しめました。
ただ…作品としては、いわゆるタモリが「ミュージカルは嫌い」という所の“突然歌い出す”感がすごく強くて違和感があり「これってストレートプレイでも良くね?」って感じだったのは正直な感想。 兄弟はめっちゃ歌ウマ~、なだけに、なんかちょっともったいない感じもあり…。 兄弟の和解の連弾が耳に心地よく響く空には虹がかかりハッピーエンドで後味スッキリ!ではあったんだけど。

各役者の感想を…
駒田一さん@兄ドンウク やはり上手い方だなぁ、達者だなという事を再認識。 部屋の中を気弱にセカセカと歩き回り、チマチマと洗濯物をたたんだり(ブラジャーのたたみ方に爆笑!)、食事を作ったりする様で“ドンウクの人となり”がよく解る。 セリフの量がはんぱナイと思うのですが、どれも明瞭で聴き取りやすく、ご本人曰く「今日1回の公演で昨年の博多座公演分(=クコール)を取り返すくらいしゃべった」との事(爆!)
山崎育三郎さん@弟ドンヒョン ピアニストとして将来を有望視されていた過去を感じさせる物腰の柔らかさがありながら、船乗りとして働いていたという様も伺えるかのような筋肉美。 お姉さんのワンピースを着た際に思わず「キャッ」と胸を押さえて座り込んだ様に乙女な雰囲気もあって“可愛い”♪ 色、白っ! 一人だけ衣装をいろいろ変えて目にも楽しい☆
原田夏希さん@ユ・ミリ 舞台では初めて拝見しましたが…ドラマ【ハチミツとクローバー】で黒髪ストレートのアノ女の子を演じていた方だったとは、観劇後に気付いた私。 細~くて、手足が長~くって、背も育三郎くんと同じくらい高~くって、信じられないプロポーションにまずはビックリ! 早口でまくしたてる箇所はひどく聴き取りにくく、歌も正直「……。」ですがユ・ミリというキャラクターは的確にチャーミングに熱演
この日の特別カーテンコールのサプライズは、広島から婚約者を連れて里帰り中に観劇したカップルへ、男性の方のお母様からのお手紙披露。 会場から「お幸せに~」と暖かい拍手に包まれて帰路についた観劇でした。

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