四国こんぴら歌舞伎大芝居・昼の部【金丸座】

義賢最期

私、気のせいか…愛之助さん@木曽先生義賢は皆勤賞観劇のような? 別にファンでもナイのに何故かしら上演の度に欠かさず観ているような? もうすでに手堅い印象で安心して観れます。
【戸板倒し】では「戸板倒し、コレを観るためやって参りました!」という声が客席からかかりました。 私、殺意を覚えましたよ! 舞台も客席も緊張感でピーンと張りつめていた空気がドッという笑いを誘って緩み、悔しさに涙が出そうでした。 「今言った奴、出て来いやぁ~!!怒り」 かと思えば、瀕死の義賢が花道で息絶え絶えに刀を振り回していると、2階席から「頑張れ~」と可愛らしい男の子の声援が! これには客席ニッコリで、愛之助さんも「うぉぉぉっ」と返事を! 小さな小屋ならではの“怒”と“楽”を体験した一幕
金丸座の舞台奥行きは狭いので【仏倒れ】は、いつも以上に観ていて怖かったです~。
壱太郎くん@待宵姫は可愛い~っ♪ 嵐橘三郎さん@百姓九郎助に背負われて棒を振り回す孫・太郎吉は…国分健太くんor橋本一心くんの…本日はどちらだったんでしょう。 めちゃめちゃラブリーでニッコリ☆ 「孫めは背中、御代様はお腹、の4人連れ」って九郎助のセリフ、凄く効いていて好きです。

棒しばり

実は私、翫雀さんの棒しばりって初見なんです! 翫雀さん@次郎冠者愛之助さん@太郎冠者。 そして亀鶴さん@曽根松兵衛。 義賢でカッコ良くて豪快な勇姿を見せた愛之助さんが全く違うタイプのお役に!で大奮闘。 翫雀さんは登場したその表情だけで、客席に笑いが起こる溢れる愛嬌はさすがです♪ あ~、もうこの人、な~んか憎めないよなぁ~…ってな感じで、観てると自然にニッコリとなってしまいました。 この所作事はどなたが演じても楽しいですが、このトリオ、かなりツボでした。 改めて「翫雀さん、好きだなぁ~」と確信。

浮世風呂

猿之助さん@三助政吉×亀治郎さん@なめくじで観たのは何年前の事だろう? それ以来久々の観劇で、しかも壱太郎くん@なめくじとあらば観る前からテンション↑↑↑ ニワトリの鳴き声で幕開き…とか、内容を意外と覚えていた自分に驚き、亀治郎さん@三助政吉に「細っ!」とその華奢さに驚き~。 三助はもうちょっとガタイのイイ方が…。
金丸座のすっぽんって花道七三っていうより、花道六四くらいの位置にあるんですね。 手動の為、ガクガクガクッとセリ上がってくる壱太郎くん@なめくじ。 可愛い~っ♪ クネクネとした独特の動きは頑張っていましたが、楚々とした綺麗な娘さん風情の方が勝っていて、ヌメェ~っとした絡みつくような妖艶ないやらしさは皆無でしたっ。 ただただ可愛い…。
最後の立ち廻りは狭い舞台を上手く使って迫力満点。 スカッと後味スッキリ!の幕切れでした。 浮世風呂、やっぱ面白いわ。

今回の演目、バラエティに富んですごく楽しかった! はるばる遠征で大正解☆ 大満足な“初・金丸座遠征”となりました~。

四国こんぴら歌舞伎大芝居・夜の部【金丸座】

大袈裟でなく十年来の…念願の“金丸座・初遠征”です。
「いつかは行きたいなぁ~」と思いつつも【観たい役者】×【観たい演目】がなかなか合致する事がなく、今まで遠征を見送っていましたが、今年は翫雀さん×壱太郎くん親子が御出演。 しかも壱くんが【浮世風呂】のなめくじ、とあらば「第26回にして、ついに行く時が来た~っ!!!」 演目も【敵討天下茶屋聚】と聞いて嬉々としましたが…残念!元右衛門と片岡造酒守の二役は初役で亀治郎さんなんだ…。 2007年の浪花花形歌舞伎での好演がすごく記憶に残っているので、また翫雀さんで観たかったのに~。
熊本県山鹿市・八千代座(明治43年建築=1910年)は何度も訪れて“江戸時代の芝居小屋での観劇体験”はしていますが、金丸座は現存する日本最古の芝居小屋(天保6年建築=1835年)という事で更に古い歴史と趣きのある小屋。 基本的な造りは八千代座と大差ナイ印象を受けましたが、桟敷の枠は…やっぱりちょっと小さいかな? 開演前や幕間に小屋を観て回るのも楽しい♪ 今年デビューのこんぴら歌舞伎大芝居のマスコットキャラクター“こんぴークン”も小屋前にてお客様をお出迎え。 芝居中にウグイスの鳴き声や雨音など屋外の音も風流に聞こえてくる不思議

通し狂言・敵討天下茶屋聚

こんぴら歌舞伎で通し狂言がかかるのは珍しい事のようですね? 猿之助さん演出で初役の亀治郎さん@元右衛門“澤瀉屋DNA”をいかんなく発揮している印象。 桟敷席に飛び込んで追っ手の目から隠れたり、梯子をかけて2階客席に上り逃げ回ったり…と、所狭しと駆け回る金丸座ならではの演出に客席がやんややんやと沸く、沸く~☆ 個人的には…亀治郎さんの元右衛門は愛嬌よりも、したたかで飄々とした人物像に作っていた印象。 いきなり非情な様をさらしても意外性は少ない。 なんか…表情が小憎らしいんだもの。 「かたじけない、かたじけない、かたじけない…」ってこの連呼はいつも思うけど、ホント猿之助さんソックリ☆

翫雀さん@安達弥助と兄弟ってのが…翫雀×亀治郎=兄弟ってのは珍しいですよね? イイ人、愛嬌のあるお調子者を演じたらピカイチ☆な翫雀さん(贔屓目あり)、ずる賢い弟との対比が明確で判りやすかった♪ お神酒を飲んでノックダウンの様がラブリー♪
尾上右近くん@早瀬源次郎。 気が付けば私、右近くんがここまでセリフのあるお役で拝見するのは初めてのような?(所作事での拝見ばかりだったようで) 「大きくなったなぁ~」と親戚のおばちゃんモードで観劇しながら“古風なお顔立ち”なんだな、と(お父様はサーファー系の印象なのに) 音羽屋さんから単独参加で奮闘する様に拍手! 亀鶴さん@早瀬伊織との悲運な兄弟。 儚気な雰囲気が似合うお二人。
上村吉弥さん@染の井壱太郎くん@葉末の女形陣は見目麗しい。 やっぱりこんな小さな小屋ですと…ね。 お顔がハッキリ見えますから…ね。 愛之助さん@東間三郎右衛門は…あら?印象が~。
舞台セットは小屋サイズに合わせてコンパクト。 舞台転換する度に「上手いこと解体出来るように工夫されているなぁ~」と度々感心。 しかしラスト立ち廻りでの太鼓橋は「急すぎっ!」45度くらいの傾斜のものすっごく急斜面な太鼓橋に苦笑。
サービス満点な亀ちゃんに、客席は多いに湧きましたが…個人的には“やり過ぎ”感が強く、ちょっと…嫌悪感も。
切口上で幕。

クレイジー・フォー・ユー【福岡シティ劇場】

今年2月に発表した福岡シティ劇場公演中止の見直し、今後の存続に関してのお試し公演…っていうのでしょうか?その第1弾となる今作品が4月1日~18日上演されました。 劇団の撤退が発表された際「この客席状況じゃ、残念だけど仕方ないかなぁ~」と思っていたので、このお試し公演は微力ながら、友人・知人にも声をかけて劇場へ足を運びたいと思い…CFYは大好きな作品なだけあって、思いがけず3回観劇してしまいました♪
公演期間も短いこともありキャスト変更は全くなかったようで?(多分)加藤敬二さん@ボビー・チャイルド×木村花代さん@ポリー・ベーカーを投入してきたあたり“劇団の本気度”が伺えました。 加藤さんがこの劇場に立つ…って、一体いつ以来でしょうか?! 公演期間中、加藤さんがしっかりと福岡の状況を把握・報告するんだろうなぁ~、とちょっと怖くもあり。
初日、千穐楽はさすがに客席は埋まっていたものの、平均集客率はどのくらいだったのでしょう?(公表=57.8%) 平日の9日ソワレに行った際には「あら~、あらら~」な二階席でしたから…(2階S席は真っ赤で) でもって次回上演作品のチケット状況も芳しくないようで。 お試し公演でかろうじて繋がった首だったけど…な状況は悲しいけど明らかのような。
…と湿っぽい感想はこれまでとして、印象に残ったキャストについて。
高倉恵美さん@テス 嬉しい福岡出身者登板! もう本当にスタイル抜群で綺麗でキレイで、高倉さんばっかり観ちゃいました☆ 高倉さんのテスっていつから演じられていたんでしょう? ここまでセリフのある、しっかりと芝居をしているお役は初めて拝見。 役柄のせいか?意外と声、低いんですね。 とにかく目が惹き付けられます~☆
増本藍さん@アイリーン・ロス こちらも福岡出身。 増本さんは八重沢さん路線を着実に受け継いでいらっしゃいますね。 演出がそうなんでしょうけど、セリフの言い回し等もイイ意味でソックリ。 ただ…やっぱりクスッと笑える可愛らしさが不足気味でただただ怖い気の強い女性って感じ。 ランクへの求愛がものすごく唐突な印象がぬぐえない~。
他は…西門宇翔さん@ハリー 実はゴンゾ(byユタと不思議な仲間たち)以外で、西門さんと認識して拝見したのが初めて。 私、あの顔が好きみたいです♪
※(追記)この感想を書きかけて放置していたら…“福岡撤退”が決定 冷や汗

劇場 キャスト
4月1日(初日)、9日(ソワレ)、18日(千穐楽)変更なし
ボビー・チャイルド:加藤敬二/ポリー・ベーカー:木村花代/ランク・ホーキンス:川原洋一郎/アイリーン・ロス:増本 藍/ベラ・ザングラー:志村 要/エベレット・ベーカー:石波義人/ボビーの母:斉藤昭子/テス:高倉恵美/ユージーン・フォーダー:村澤智弘/パトリシア・フォーダー:西田有希/
ムース:荒木 勝/サム:吉賀陶馬ワイス/ミンゴ:畠山典之 /ビリー:厂原時也/カスタス:坂元剛 /ジュニア:大空卓鵬/ピート:大塚道人/ジミー:田中宣宗/ワイアット:澤村明仁/ハリー:西門宇翔/
パッツィー:柏 円/シーラ:高橋佳織/ミッツィー:大石眞由/スージー:徳江みさほ/ ルイーズ:恒川 愛/ベッツィー:村上 智/マギー:山崎菜摘/ベラ:村上絵里子/エレイン:鈴木真理子

薔薇とサムライ【赤坂ACTシアター】

劇団☆新感線30周年興行の第一弾! 新感線RX【薔薇とサムライ~GoemonRock OverDrive】。 2008年夏に上演された【五右衛門ロック】のパラレルストーリーとなる今作品は、【阿修羅城の瞳】以来7年振りの客演となる天海祐希さんを迎え、古田新太さんとの二枚看板でドカ~ンと大きな花火を打ち上げるごとく、劇団の魅力をあますところなく盛り沢山に盛り込んだ痛快冒険活劇?!
今回のLEDスクリーン…というのかな? ここまでの多用は【TOMMY】で観て以来ですが、すごく苦手意識があったので、冒頭構えてしまったのですが…あれ以降、技術も性能もUPしているんでしょうね! 色の再現や奥行きも感じられ上手~く使っていて楽しめました。 大道具といえるセットは船の船首と船尾、ドレスの山くらいで、後の殆どはすべてLEDスクリーンで表現。 ツボだったのは五右衛門ロックのメインテーマ曲の“五右衛門マン”?的なキャラクターと(あれキャラクターグッズとして作ればイイのに)マンガの擬音、擬態語、視覚効果が面白かった! 映像で歌詞を映し出すのはお馴染みですが、カラオケ映像チックに歌詞が出たり、歌や声質、歌の内容に合わせて書体も変え横書きだったり、縦書きだったり~♪ そして客席ドア~通路を使用する際には『LIVE映像○○扉付近』とハンディカメラ映像が映し出させる演出には大爆笑☆
毎度ですが、芝居のタイトルロゴのデザインはカッコイイなぁ~♪

バラ 天海祐希さん@アンヌ・ザ・トルネード
阿修羅…から7年も経っていたとは!と驚きながら当時の観劇の記憶を辿ると「天海さん仕様で歌とダンスがチラッと加味」「綺麗カッコイイなぁ~」という印象は残っているものの、“和物+殺陣”という事で市川染五郎さんの印象が圧倒的に強く、ヴィジュアル以外に今ひとつ記憶に鮮明には残ってなかったのですが…今回は『天海祐希ここにあり!』的な圧倒的な存在として君臨☆ アテ書きなので彼女の魅力をあますところなくフルスロットルで堪能できる今舞台は、大仰な衣装で歌い踊る様に宝塚時代の彼女の舞台姿を知っている方は感涙ものでしょうし、シリアス~コミカルをあの端麗な容姿でスパッと潔く立ち廻る様に『“主役の華”ってこ~ゆ~事なんだな☆』と納得させられ、グイグイと引き込まれる感じ。 あまりのカッコ良さに「惚れてしまうやないか~い!」と突っ込みたくなるような…宝塚ファンの心理がちょっと解ったような、そんな感じです。 観た事ナイ私でさえ、オスカルちっくな出で立ちには「おぉ~っ♪」と大興奮(ヅカ時代、オスカル未経験らしい…)で、とにかく取っ替え引っ替えの“コスプレ天海祐希”は目にも楽しい。 しかし【貴婦人になるための10ヵ条】だけは、矢島美容室のストロベリー(=貴さん)に見えてしまった事は内緒汗(カツラのせいよ!きっと)。 歌は、阿修羅…でチラッと聴いた時に「あら~?残念な感じ?」という印象だったのですが、地声のドスを効かせてガラっぱちに歌うのも、ミュージカル風に綺麗に歌い上げるのも…上手くてビックリ! 十字架に貼付けられての独唱【あなたが泣いてくれたから】(だっけ?)は神々しい感じさえあり聴き惚れました♪

ドクロ 古田新太さん@石川五右衛門
あえて感想を書かなくても、期待通りの…それに十二分に応えてくれる古田さん。 「何故この時代にこの国に五右衛門が?」なんて考えちゃいけません。 ただ純粋にそのドタバタを楽しめばイイんです! 新感線って客演が多すぎると、それぞれに見せ場を与えて散漫な印象になりがちですが、今回は【天海×古田】という構図が明確! 一幕最後、二人のガチンコ体勢でのライトを浴びた睨み合いの引っ込みはゾクゾクするほどカッコイイ☆
五右衛門のコスプレは全てが爆笑もので、変装してみてはその正体をバラすお約束のくだりがいちいち笑えるし、舞踏会に忍んでいくのはその格好でイイか? 牢屋でバルバを助ける一瞬の格好、それは~永井豪先生の○っ○○仮面ですよね?…って事が解ったのは何人居るか?(解る私もどうかと~) フラメンコの小刻みタップは死ぬほど笑ったし、スクリーンの小便小僧のあまりの勢いの良さに何か絡むだろうとは思ったものの…爆笑! キメる所はバシっと決める☆ イイ加減なゆる~い感じなのに、バシっと決めるとなんであんなにカッコイイんだろう? 舞台の古田さんはやはり“歌舞伎”だと思う

冠浦井健治さん@シャルル・ド・ボスコーニュ
ヒット!大ヒットです! 私はコメディな浦井君を今まで観たことがナイのもあるのですが(Vのアルフレッドは末見)予想の斜め上を行く好演で、今作品一番の驚きだったかも?(他の皆さんももちろん好演ですがそれは想定の範囲内、期待通りな訳で) キラッキラの王子様を思いっきり振り切ったオモシロ王子に演じてて、大爆笑。 白い歯を出してキラリ☆と笑う度に笑いが~。 歌はいわずもがな「ウマ~♪」で、殺陣の中にもチラリとダンスの決めポーズを入れてカッコ付けても見事に決まるっ☆ 自国での人気ぶりを紹介する映像で掲載雑誌の表紙や、自国の通貨の単位(河野まさとさんの下僕ぶりに爆笑)、そしてマイケルJのあのPVをパクった?クローン戦士の行進…とか、とにか笑える。 ミュージカルファンには天海さんをルドルフに見立てたエリザの【闇が広がる】のアノ振りが観れたのはたまらなくツボでした。 浦井君、恐るべし!

船 橋本じゅんさん@海賊バルバ・ネグロ
ココ数本は重厚な国崩し的なお役が多かったじゅんさんは、それはそれで素敵だったのですが…私的には「コレよ!コレよ!これでこそ、じゅんさん♪」というたまらなくチャーミングなお役で大爆発☆ 大満足♪ イイ! まさかあんなキャラに転じるとは! しかも何度も衣装替えがあってその度に笑わせてくれるとは! しかも似合っているとは~♪ めちゃめちゃ「イイんじゃな~い」
右近健一さん@ゴンザンス男爵 これまたドつぼ! 右近さんの魅力をいかんなく発揮しているお役で堪能できて私、大満足☆☆☆
森奈みはるさん@エリザベッタ 改めて歌ウマ~♪ 「なぜ歌う?」と度々アンヌに遮られながらも臆せず歌い続け、ヅカ的お姫様ドレスを着こなし、“あくまでミュージカル”な立ち位置を堅持する様も笑え…物語のシリアス部分の骨子をガッチリと支えていらっしゃった印象。 上手い!
神田沙也加さん@ポニー・デ・ブライボン ミュージカル作品では数本観ているけど、こんなにも彼女の地声に近いアイドルちっくな歌い方をするのは初めて聴きました(こ~ゆ~曲は改めてお母さんの声質だと確信) せっかくの新感線なら…もっと弾けた浦井君くらいの“新感線色の強い役”で観たかったなぁ…と。
藤木孝さん@ラーカム・デ・ブライボン大宰相 パンフレットを読むと今回のキャスティングにおける一番のヒット☆だそうですが、品ある嫌みや物腰表情がなんともハマる!
山本太郎さん@デスペラード豹之助 私にとっては未だに“メロリンQ(=天才たけしの元気が出るテレビ)”な彼ですが、生で拝見するのは初めて。 正直…必要なお役かな?と思ったのですが…ソレは置いといて…声が良くて歌もなかなか♪
高田聖子さん@マローネ粟根まことさん@ガファス・デ・ナルビオッソ将軍河野まさとさん@ピエール・ド・ボスコーニュはさすが! まさとさんの“裏がありすぎな胡散臭い小物っぷり”が毎度ツボです。
【五右衛門ロック】はどうにも都合がつかず生の舞台は観れなかったのでゲキシネ観劇だったのですが…期待し過ぎたのか、私的には今ひとつ汗 でも、今舞台を観て「生で観ていたら印象が違ったんだろうなぁ…」と思った次第。 両方ご覧になった方、いかがでしたか?
超ド派手で大爆笑の冒険活劇、大楕円でハッピーエンド☆ ミュージカル好きには歌やダンスも堪能できあ~、面白かった♪」と帰路につける作品。
きっと日替わりで楽しめるアドリブ部分も沢山あるんでしょうね? 観劇に通える方はそんなトコも堪能出来ると思うと羨ましい!

金門五山桐 -石川五右衛門-【国立劇場】

今回の遠征は、まず劇団☆新感線のチケットありき!から他の観劇日程を組んだというもので、気が付けば偶然にも…歌舞伎座で吉右衛門さん赤坂ACTシアターで古田新太さん、そしてこの国立劇場で橋之助さん、という“三者三様の石川五右衛門”を観ることになった次第。 天下の大悪党でありながら、この三月に五右衛門を主役とした舞台が三つも開いている人気ぶりに改めて事にビックリ☆(計らずも三つ制覇する自分にもビックリ)
国立劇場前の桜はチラホラと開花してて、もう少し経てば皇居沿いの桜も満開で、舞台の五右衛門よろしく「絶景かな、絶景かなぁ~♪」だったんだろうなぁ…と、ちと残念。
国立劇場では34年振りの通し上演だそうすが、私自身は多分、初観劇(多分)。 石川五右衛門の生い立ち、その背景と目的等が初めて解って「ガッテン!」な部分もあり、人物像や物語の背景が深く解って観劇出来た収穫もあり。 しかし、通しという事で端折った部分も多いようで『○○実は○○』が、あの人もこの人も~、となるとあまりにも唐突に感じる部分も多く混乱してくる~。
総括としては「歌舞伎座さよなら公演に役者を取られたゃったかなぁ」と個々の奮闘は見えるものの座組の薄さがいかんともし難い。 彦三郎さん×亀三郎さん×亀寿さんの親子三人を同じ舞台で拝見するのは久々。 亀寿さんの女形も久々(華奢なんだけど顔が完全に男顔なんだよなぁ…) 橋之助さんの長男・国生君と三男・宣生ちゃんもご出演でしたが…昨日、歌舞伎座で久々に観て驚いた鷹之資君しかり「御曹司ども、ちょっと太り過ぎなんじゃ…」 気温なのか?湿度なのか?舞台機構なのか?ツケの音が割れ気味で、えらく大きく耳障りに感じたのは珍しい。

橋之助さん@宋蘇卿が紅い庵(←凄く色がキレイ!)で琴を弾くと掛け軸から白い鷹が抜け出て、息子・五右衛門にしたためた遺言を渡しますが、あそこまで大胆に差し金で鷹を操る様は初めて観ました! まさか一羽で花道引っ込みとは~!! 橋之助さん@石川五右衛門の山門にてのあまりにも有名なセリフは、五右衛門自身が処刑される賀茂川の三条河原の方角を見て言ってるんですね。 “散り際の美学”でしょうか? 宙乗りは定番のつづら抜け~鳥屋口から花道へと戻って行く珍しい手法もあり
小田春長の下で共に働いていた真柴久吉と石川五右衛門…という事で、扇雀さん@真柴久吉が五右衛門に出会って、突然態度が砕けてガラッパチになるのが面白い♪ 脇息に腰掛けるとはなにごとぞ~! 扇雀さん、三役で奮闘するも、どれも今ひとつ強く印象として残るものがなく残念。
浅葱幕前での大薩摩の演奏が下手側とは珍しいですよね! いつも思うのは三味線の足台って…三味線弾きが自分で持ってくればイイじゃん(って、何か意味があるんでしょうね)
瑠璃灯の下での大詰め立廻りの殺陣師は橋也さんと橋吾さんだそう。 大入りで斬って、三段上ってキメ☆
“石川五右衛門の通し狂言”と決して地味ではナイ題材で、相応の大掛かりなセットの大芝居…のはずなのに、何故かしら地味な印象がぬぐえなかった観劇でした。