市川猿之助七月大歌舞伎【歌舞伎座】

1泊2日で、またまた遠征して参りました♪ 7月になったばかりだというのに、お江戸は立ちくらみがするほどの暑さ! しかし、歌舞伎座の舞台はもっとアツかった!!

続篇華果西遊記

2000年12月に好評だった演目の続篇!(と、言っても私は残念ながら前回は観てナイの) 二十一世紀歌舞伎組ファンにはたまらない各々のニンに合った配役(ダンジロさんも?)。 今回は舞踏劇として書き下ろされており、華麗な踊りを堪能できるうえ、“新・三国志II”で共演した中国の京劇の方に特訓を受けた棒さばきも見れて…素直に楽しめます! ブラボーーー!v(^o^)v お気に入りは春猿さんの美しさに、口をポカ~ンと開けて見とれるダンジロさん@沙悟浄の表情です♪

俊寛

今回の演目のラインナップの中で異色ですよね? 何年もの流刑で身も心もヤツれ果て…というのに、猿之助さん&猿弥さんはとってもふくよか…と いらん事を気にしつつも、涙。 亀治郎さん@海女千鳥は、なんとまぁ可憐な事でしょう♪
ちなみに私もこのお話の舞台となった鹿児島県・硫黄島には、毎年ダイビングで訪れているんです。 島にはあのラストシーンの悲痛な叫びをあげる“俊寛のブロンズ像”が建っています。

連獅子

初めて観ました! 上手く言い表せないんだけど…ひとつひとつに感動!圧倒! 猿之助さん&亀治郎さんの、軽やかな足さばき! 俊敏な所作! 特に亀治郎さんは“少年”のような若々しさで、子獅子の勢いを熱演されていました。 出の所でススススス…とすぐ後ろ向きに引っ込んでしまう所では「あ゛~、ズラを踏んでしまいそう!」と、いらん心配。 段四郎さんvs歌六さんの“念仏対決”では、私が観た日は、一列目にお坊さんがズラッと座っていらっしゃったので「やりにくいだろうなぁ…」と、これまたいらん心配をしてしまいました(^_^;)

桜門五三桐

私“通し狂言”初体験! 途中休憩を挟んで5時間近いお芝居だというのに「アッという間」に終わっちゃいました(^_^;) 見どころいっぱい! でも…客演の芝翫さんと歌江さんが、あまりにもさりげないご出演でちょっと残念でした。 個人的総括感想は「段四郎さんってスゴイ!」

一幕目
前半は“騙しあいの応戦”で、ちょっと相関図の把握に時間がかかった私(^_^;)  今回は“春猿さんの美しさ”を再認識! 「傾城きれいだジョ~」と見とれてしまいました♪ この幕で一番引込まれたのは、段四郎さんvs笑三郎さんの舞い! 段四郎さんのあまりにも激しい琴の弾きっぷりに苦笑しつつも“ぶっかえり”まで観せてくれたし、笑三郎さんは…もう、あの場面は“オンステージ”ですな! 「絶景かな、絶景かなぁ~」ではゾクゾクきちゃいましたo(^o^)o

二幕目
私、実は猿之助さんの女形って初めて観たんですよ~。 声が立役の時とはさほど変わらないのに…確かに“餅屋のおかみ・お滝”でした(*o*) 歌六さんのご子息“米吉くん”♪ 目が泳ぎながらも、お滝にすがっては突き放される見事なズッコケぶりに「さすが萬屋!」と思っちゃいました。
ダンジロさん@源五郎に襲われる猿弥さん@春通は…私のツボにハマりすぎ! 今公演では、いろんな猿弥さんを観れて幸せ(^o^)v
ダンジロさんvs猿之助さんvs段四郎さんの…三雙の小舟のだんまりはナイス! なんかダンジロさんが2人の師匠と対等に張り合ってる感じがして…ウルウルきてしまいました(^_^;)ゝ でもね、私が観た日は…段四郎さんが舟からボテッて落ちゃって、その後「よっこらしょ」ってご自分で舟に這い上がって…会場は大爆笑だったの~(>_<) も~う、いいシーンなのに~!(T-T)

三幕目
滝が“餅づくし”で素性を述べる下りでは、時事&私事ネタが入っていて面白かった!
色悪全開のダンジロさん@源五郎は、ちょっと嫌味なくらいカッコよく、一途に思って付いていく亀治郎さん@お通姫との対比が楽しめました♪
そしてそして…“宙乗りの葛籠抜け”は魅せてくれました! 私はスーパー歌舞伎の“綺麗な宙乗り”しか観た事なかったので、力強い迫力ある宙乗りにはゾクゾクでしたo(^o^)o ラスト大立廻りでは…息つめて見入ってました。 で、アクシデント発生! 横になった梯子からトンボを切りながら飛び下りる方が着地に失敗され…その後舞台から動けなくなってしまったんです~(>_<) しばらくして仲間の役者さんが抱えながらソデに引っ込みましたけど…会場は「シ~ン」 その後、彼は舞台復帰する事は出来たのでしょうか? 心配です~(T-T)

猿之助さんの入籍が公になった、おめでたい日の観劇でした♪

六月大歌舞伎・夜の部【博多座】

鈴ケ森

これまた信二郎さん初役。 今公演は信二郎さんファンの私には“信二郎さん大フューチャー公演”に思えてすごく嬉しい演目構成でした♪
権八の衣装、歌舞伎絵では【黄緑色+赤】だったのに、信二郎さんは 【黒+赤】。 これは後で本で知ったのですが…前者は女形、後者は立役が権八を演じる時だそうですね! 演じる各々の役者さんの工夫かと思ってました(^_^;)
暗闇に信二郎さんの赤い足元が映えてセクシーながら、涼しい顔をしてバッタバッタと雲助を斬っていく様はどこかコミカル♪ 雲助の斬られ方もいろんに工夫があって感心&大爆笑! 黒幕が振り落とされ月が出るラストの手法&権八のキメは絵のように美しかったデス(*^o^*)
信二郎(白井権八)/富十郎(幡随院長兵衛)

勧進帳

博多座で早くも2度目の勧進帳。 博多座初お目見えの幸四郎さん@弁慶は、今公演圧倒的な人気で、一幕見券は平日でも午前中に売り切れたほど!
主君を一生懸命守ろうとする弁慶の姿に胸を打たれ、荒事の見得の連続に魅せられました。 冨樫との“男と男の情?”の部分がすごくよく伝わってきて、有名な飛び六法での引っ込みは「あ~、ホント良かったね…」って声をかけたくなるほどでした♪
個人的には宗之助さん@片岡八郎に大注目! 声が通ってカッコイイ~!
幸四郎(武蔵坊弁慶)/富十郎(冨樫左衛門)/染五郎(源義経)/高麗蔵(亀井六郎)/宗之助(片岡八郎)/芳彦(駿河次郎)/錦吾(常陸坊海尊)

女殺油地獄

これまた孝太郎さん、染五郎さん共に初役とのこと。 多分、今後はこのコンビでの定番演目となるのではないでしょうか?
染五郎さん@与兵衛の放蕩息子ぶりは「今でもいるいるこんな奴」という感じがよく出ていて、苦笑するほど。 一方、孝太郎さん@ お吉は情に厚い魅力的な優しい人妻風情がよく、その分理由もなしに殺されてしまう理不尽さが際立ったように思えました。 ラストの油地獄での殺しのシーンのお二人の熱演は素晴らしかったです!
あと、吉之丞さん@母おさわがイイ! すごくイイ! 母親の愛情がにじみでていて…ホロリ(T-T)とさせられました…。
染五郎(河内屋与兵衛)/孝太郎(お吉)/幸右衛門(父徳兵衛)/吉之丞(母おさわ)/芳彦(兄太兵衛)/宗之助(妹おかち)/錦吾(叔父森右衛門)/高麗蔵(芸者小菊) /信二郎(豊島屋七左衛門)

六月大歌舞伎・昼の部【博多座】

博多座が早くも開業3年目突入しました♪
ものすご~く楽しみにしていた“船乗り込み”が雨の為、 中止になるという残念なスタートとなりましたが、公演期間中は 大入り満員♪ かくいう私も、昼・夜の部とも通しで2回づつ…あと幕見で…と 博多座に足繁く通った1ヶ月でした♪

矢の根

私自身、信二郎さんの荒事を観るのは初めてだったし、信二郎さんもこのお役は初めてとの事! とにかく「これぞ歌舞伎!」という五郎の姿と見得で目を奪われ、お正月という設定での儀式はすごく面 白かったです♪ 三味線とリズムを合わせ行われる、後見さんによる“化粧襷結びタイム”は「間に合うのだろうか?」って少しドキドキしてしまいました。
信二郎さん@曽我五郎は、まるで博多人形のように姿が美しく、裸馬にまたがって大根を持っても…美しかったデス☆
信二郎(曽我五郎)/錦吾(大薩摩主膳太夫)/芳彦(馬士)/高麗蔵(曽我十郎)

色彩間苅豆 かさね

孝太郎さん、染五郎さん共に初役とのこと。 私は今公演では一番のお気に入りで…結局3回も観てしまいました♪
孝太郎さん@かさねの与右衛門を一途に愛する可憐な乙女がホントにいじらしく、だからかえって後半の恐ろしい姿になった時との落差が大きくて一気に引込まれました。 特に与右衛門がかさねに鏡を見せるシーンでは、自分の顔に驚きなげく様に涙腺がジワ~ッと…。 「なんてヒドイ奴なんだ!」と本気で染五郎さん@与右衛門に怒っている自分がおかしかったデス。 私は前月の八千代座公演で孝太郎さんご贔屓になりました
孝太郎(かさね)/染五郎(与右衛門)

盲長屋梅加賀鳶

富十郎さんという人はスゴイ役者さんだなぁ…」と人間国宝に対してエラそうな感想ですが、舞台を観る度にやっぱり抱く感想です。 今公演の道玄でもまたまた再認識! “にくめない悪党”をチャーミングに演じてらして、思いっきり笑わせていただきました♪ そして今回、とても感動したのが吉之丞さん@女按摩お兼。 スゴイ! もうホントにスゴイ! “年増の女”にしか見えなかったデス! ちょっとした仕種や立ちふるまい、表情まで…驚きでした! ラスト、長屋での暗闇捕物では“お金に執着する女”のだんまりは…ただただ感心!(←エラそうな言い方ですね)
宗之助さん@お朝も“女の子”にしか見えませんでした。
富十郎(道玄・天神町梅吉)/幸四郎(日陰町松蔵)/信二郎(雷五郎次)/宗之助(お朝) /幸右衛門(伊勢屋与兵衛)/吉之丞(お兼) /高麗蔵(おせつ)

八千代座こけら落とし公演【八千代座】

熊本県山鹿(やまが)市にあり江戸時代の面影を残す、国指定重要文化財の芝居小屋【八千代座】。
平成8年から保存修理を始め、この春ようやく修理が完了。 平成こけら落としとなりました♪

傾城反魂香

主人公の翫雀さん@又平は、言葉のハンデがあるが故に、師匠から名字を受ける事が出来ません。  又平が絵師としての将来を悲観し、自害を決意するまでのくだりは、申し渡される理不尽な道理と、夫に替わって師匠に直談判する、孝太郎さん@女房おとくの夫に対する愛情とで涙を誘います。 「手も二本、指も十本ありながらなぜ吃りには生まれしゃんしたぞいなぁ」という、おとくのセリフに涙腺全開! そして自害を決意した後、入魂の遺作として描いた手水鉢の 絵により、事態が一転。 その喜びを体全体で表現する“愛らしい夫婦”がとっても 可愛くて素敵でした♪ 世話女房の“おとく”は、夫にひたすら尽くすしっかりもの。 それがラストにはハッピーエンドとなるのでとっても嬉しい。 孝太郎さんの鼓も聴けました♪

身替座禅

大名の仁左衛門さん@右京は、恋仲の花子との逢瀬を楽しみたい けど…右京の奥方はものすご~く嫉妬深くて 恐いコワイ翫雀さん@玉の井。 そこで「最近夢見が悪いので 仏堂にこもって座禅をする」という口実を思い付き、 玉の井をだまし、 家来の太郎冠者に自分の替わりに座禅をさせ、花子の元へと 出掛けていきます。 しかし…仏堂に玉の井が尋ねてきたから、さぁ大変!というコメディー♪
ものすごく嫉妬深い奥方と、その嫉妬深さにおびえながらも 浮気を画策する右京&家来の太郎冠者とのやりとりが大爆笑(^o^)  私の大好きな翫雀さんの玉の井は、 恐いながらも「夫の事が好きで好きでたまらない可愛さ」が あって、その表情や仕種が、スーパー・ラブリ~v(^o^)v  玉の井は立役さんがされるのが通例だそうですが、 恐い奥方を演じられても“+ラブリー”な役者さんはなかなか いないのでは?!
仁左衛門さん@右京。 愛之助さん@太郎冠者。 歌舞伎界の二枚目がそろいもそろって翫雀さん@玉の井を 恐れる様子は…そりゃ~もう~大爆笑でした~!!

團菊祭五月大歌舞伎【歌舞伎座】

メディアで見聞きしていた“新之助人気”を目の当たりにして、まずは劇場の雰囲気にビックリ!(2月の博多座では…そんなでもなかったので) いや~、スゴイです。 舞台では福助さん@明石の君がせつなくて美しい…。 ラスト、雪が舞い散る中での 母娘の別れでは涙腺全開! 小さな姫の「お父ちゃま」「お母ちゃま」という呼び方もツボにハマって…。 あとは…菊之助さん@葵の上の嫉妬ぶりがカワイらしくて好きでした♪
三幕通しての新之助さん@光の君は…ちょっと持続が辛いかな?と思いました(特に声)  公演ポスターはファンにはたまらない“三之助勢揃い”の 平安絵巻でシビレました♪

摂州合邦辻

菊五郎さん@玉手御前の、新之助さん@俊徳丸への迫り具合がスゴイ! お話の前段を知らないと、かなり「?」な合邦庵室の場。 本当の事情を知らなかったとはいえ、娘・玉手御前を刺してしまう團十郎さん@合邦と狂った(フリ)娘を案じる田之助さん@妻おとくの悲哀にも魅せられます。
病鉢巻きが似合う…新之助さんはハツラツとしたキャラよりも ちょっと憂いている方が“美しさ”が際立つなぁ…と思ってしまいました。

英執着獅子

イヤホンガイドでも「80ウン歳とは思えない」と再三繰り返すほど 雀右衛門さんは可憐で、躍動感あふれる舞いは美しい! 前段は傾城姿で華麗な舞いを、後段では力強い獅子の舞いで魅せられました! 素晴らしい!!!

伊勢音頭恋寝刃

夏の風情が感じられるセットや衣装がとても楽しめました♪ 菊五郎さん@万野はほんと憎らしいキャラで、團十郎さん@福岡貢と一緒になってイライラしてしまいました! 貢が大勢の人の前で辱められたのに逆上して次々と人を殺してしまうくだりが、あまりにも唐突で「?」 恋仲の時蔵さん@お紺までも斬り捨てるし…「?」 陰惨な殺戮の前に芸妓が居並んで伊勢音頭を踊るシーンは綺麗でした♪

関三奴

三津五郎さん&辰之助さんの奴♪ 毛槍を持って二人の奴によるかけあいは絶妙でした。 奴もの(と言うのかな?)って、フラメンコのような激しい足拍子があってすごく好きなんです。 軽快なリズムで踊る様子は見ていて元気をもらえました☆