新・三国志II【新橋演舞場】

「Part2として作る意味があったのかな?」と いうのが正直な感想です。 宙乗りにしても…「宙乗りにしなくてはいけない必要性」 は感じられず、お約束シーンを盛り込んだ…という感じが強かったですし、 アクロバットの連続技に魅せられたとしても 「そこまでする必要があるの?」という、ちょっと過剰気味演出である印象が ぬぐえませんでした。 “スーパー歌舞伎”の“スーパー”な部分が、私の中ではちょっとズレてきた感じがしました…。

衣装は今回も素晴らしかった! チーム編成によるカラーリングはもちろんの事、 細部にわたるデザインまで魅せてくれました♪ 南方国の美人姉妹の衣装、胸の部分が…昔のアニメ【マジンガーZ】の“おっぱいロケット”のようにどうしても見えてきて、バーンと飛び道具が胸から出ないかなぁ…と期待しましたが、それはなかったデスね、やっぱり。  舞台セットや表現の手法に「お~っ、オグリだ!」「お~っ、八犬伝だ!」 というものが見受けられ、その時の感動も思い出されて 楽しめました♪

役者さんに関しては、前半のくどさが気になりつつも笑三郎さん@祝融が好きでした♪ 恋を知ってた女心の経過をとても自然に観ることができ、グッときました…。 ご自身も より一段とシャーブになって美しさに磨きがかかり、衣装替えも多く 視覚的にとても楽しませてもらいました♪

ご贔屓役者・段治郎さん@馬謖は、若き武将という精悍な感じが出ていて好演でしたが、ストーリー自体がもう少し死に至るまでの馬謖の活躍が描かれていると、より「殺すには惜しい…」という点が 際立ったのではないかしら?…とちょっと残念。  猿之助さん@孔明のセリフのみで説明される状況はちょっとツラかったような気がしました。

そして、今回のお気に入りのキャラは…仲達親子☆ 段四郎さん@仲達猿四郎さん@子元段三郎さん@子尚の“紫三人組”はナイスでした♪  弟が兄に向かって「兄上」というのは分かるけど、 兄が弟に向かって「弟!」と呼ぶのには笑えた~。 …名前を呼んであげなよ。
実は、途中からこの仲達親子が【おじゃる丸】にでてくる“小鬼たち”にイメージがダブってしまって、しょうがなかったんです、私☆  「やい!孔明、今日こそはお前の命をいただくでごんす!」 「ひとまず今日は退散するでごんす!」ってな感じで…。

最近、何故か“笑いどころ”探してしまう自分の観劇姿勢に困っています〜。
来年3月の博多座では、どのように変わっているか楽しみです♪

坂東玉三郎・特別公演【メルパルクホール福岡】

玉三郎さんの舞踏公演を観るのは…何年ぶりだろう? 多分、玉三郎さんが福岡に来られるのもかなり久し振りだと思います。 故に三回の公演のチケットは即日完売となりました!
客席の熱気はスゴイものがあって…アンコールは3回もありました♪ 私は一番後ろの席で思いっきり拍手していたので、丈の表情は見えなかったんだけど、前の方ではメチャメチャ湧いていたのは…客席に向って“素の表情”で微笑みかけられたのでは?(多分) いいなぁ…。

冬の夜、一人の芸者が昔の恋を回想する、というもの。 1本の蝋燭に火が灯っているだけで、舞台は闇。 そこへ傘を手に真っ白なお着物でスックと立つ、美しさと言ったら! 殆ど動きのナイ、静かな舞踊でしたが、時折口元に袖をあててせつなそうに遠くを見つめる表情に魅せられました。

阿古屋琴責

幕があがって、打ち掛けの陰から舞台中央に進み出た時、その美しさから会場がどよめきました。 琴、三味線、胡弓…と次々と続く巧みな演奏に加え、玉三郎さんの唄も聴けました☆

藤娘

舞台セットは、藤棚が描かれた銀屏風! それだけですごく新鮮♪ 衣装を変えて登場する度に会場がざわめき、ため息がもれていました。 登場やハケる時の…ちょっとはじらうような仕草や表情は、とても可愛い。 こんな上品な藤娘を観たのは初めてでした!

二十一世紀歌舞伎組公演【宗像ユリックス】

フト気が付けば…博多座以外の観劇日記をUPする場所がなく、自分でココに投稿している次第の…おマヌケな私。 ちょうど去年の今頃、博多座で【毛谷村】を観てたんだけど「役者が違うだけでこんなにも違った演目として楽しめるんだ!」…って改めて歌舞伎の面白さを再認識させられました。
地方公演だから…と舞台美術には期待してなかったんだけど、ビックリ! 大掛かり!

彦山権現誓助劒

一幕 噂の笑也さん@お園“瓢箪棚ゴロゴロ~”(観てナイ方はなんの事だか…)では、その後、涼しい顔でスックと立ち上がる笑也さんの美しさひときわ♪ 段治郎さん@京極内匠の立ち回り、段治郎さん@武智光秀の亡霊早変わり…など段治郎さんの活躍が多くってもう嬉しいウレシイ♪ 見得の連続で「段治郎ここにあり~」って圧倒的な存在感♪ ラストは瓢箪棚で尻もちドスン! 幕がパサッと切れて…カッコイイ~! しかし…毎回あの勢いで尻もちついてたら…腰とか尾テイ骨とか痛めているんではないでしょうか?…心配。

二幕 右近さん@六助登場! 正義感が強い、気のイイお人好し六助さんは右近さんにイメージぴったり♪ それに比べて段治郎さんのなんとワルな事…。 歌舞伎の場合、ホクロって胡散臭いキャラ御用達なんですか? 子役のセリフは…どうしても言葉ひとつひとつに…頷いてしまう私。「か、か、さ、ま、がぁ~」って、ね?なんか首立てに振ってしまいません? 六助さんが許嫁と分ってからのお園さんの迫り具合が相当笑える! 六助さんのビビるリアクションも爆笑! ここはめっちゃコメディですね! 六助vsお園の母のお金投げバトル?も爆笑! あの…空焚きした釜は…どういう仕掛けなんで色が変わるんでしょう???

二幕目後半の太夫さん、一回の公演につき血管2~3本ブチ切れてるね、絶対!

團子売

ワルからうって変わって爽やか若旦那の段治郎さん。 「表情がカタイ」という感想を多数伺っていたのでなんだか心配だったけど、巡業最終地の嬉しさから?か、すご~く穏やかな優しい表情。 笑野さんとニッコリ微笑み合うトコなんか…♪ 笑野さんは、踊りが楽しくってたまらない!って感じで、すごく活き活きした表情! 後ろ姿なんかホント可憐な乙女そのもので…カワイかった♪ 実際の風貌は超今ドキのお兄ちゃんなのに…スゴイ! でも「なんだか大場久美子に似ているなぁ…」と思ったのは私だけ?(大場久美子って時点でアウトですかね?私)
仲睦まじい若夫婦って感じがよく出ているコンビだと思いました。 段治郎さん、顔ちっちゃい!

二月大歌舞伎・夜の部【博多座】

角力場

團十郎さんと新之助さんがそれぞれに関取を演じ、自分のご贔屓筋に対して仁義を切ろうとするお話。
王者の風格を持つ濡髪長五郎に対し、新参ものの放駒長吉のチョコチョコした落ち着きのない動きが笑えました。 でもなんと言っても爆笑だったのは翫雀さんの山崎屋与五郎! もう最高です♪ ナイスです♪ 長五郎を贔屓にするナヨッとした若旦那なんだけど、その贔屓ぶりが常軌を逸していて?爆笑なんです~。 第三者からみると「ファンとは皆あんな感じなのかな?」と自分に置き換えて考えた場合、ちょっと恥ずかしくもありました。 古典歌舞伎の演目でコレほど笑ったのは初めてでした♪ 私はコレで! 翫雀さんご贔屓になりました。
團十郎(濡髪長五郎)/新之助(放駒長吉)/翫雀(山崎屋与五郎)

吉田屋

以前は遊廓で豪遊していた伊左衛門が落ちぶれて、でも恋仲の夕霧には遭いたくて…というお話。 遊廓の主人のはからいで2人は久し振りに再会するのですが…他のお座敷に出ていた夕霧に対して伊左衛門はすっかりヘソを曲げてしまいます。 そのスネ方ぶりが、以前はイイとこのボンボンであった事を伺わせ、もうダダッ子の域。 笑えます! お座敷を広さを表現する幾重にも重なった麸の表現がスゴイ! 宿の女将のセリフには“博多ご当知ネタ”も盛り込まれたりして「さすがサービス業! よっ、女将!」ってな感じで楽しかったです。 でも…、あんな我がままなボンボンなのにハッピーエンドでいいのかなぁ~?
鴈治郎(藤屋伊左衛門)/扇雀(扇屋夕霧)/團十郎(吉田屋喜左衛門)

雪暮夜入谷畦道

「“心中もの”しかも深々と雪が降り積もる寒~い夜の設定。 う~ん、重すぎる。 お尋ね者となった直次郎が、江戸を抜け出す前に恋仲の遊女・三千歳に会いに行く…というお話。 太鼓の音だけで静かに降る雪の情景が伝わってくるなんて鳴りもの効果 ってスゴイんですね! おそば屋さんではホントにおそばを食べていたのにはビックリ! お話は寂しかったけど、音や小道具に感動した演目でした。 直次郎がピッ!と立つポーズは…なんだか「モデル立ち」でした☆ 私はコレで!芝雀さんご贔屓になりました。
新之助(片岡直次郎)/芝雀(三千歳)

 

二月大歌舞伎・昼の部【博多座】

團十郎&新之助親子共演に湧く! 今回は市川新之助さん、博多座初登場! よって、いつになく観客は若いお姉さんが多かったような…?  團十郎さんとの親子共演の演目もあり、双方のファンには嬉しい 2月大歌舞伎となりました。   私個人としては翫雀さんのラブリーさにノックアウト! 芝雀さんの陰のある美しさにウットリ…と、ご贔屓役者さんが増えた大歌舞伎でした♪

外郎売

浅葱の幕が切って落とされた瞬間、会場から「うわぁ…」「綺麗…」と感嘆の声が! お雛様のように居並んだ舞台上の役者達の様は絵のよう…。
新之助さんが博多座初登場という事で、彼を大フューチャーした構成になっていまし た。 「そなたの名は?」の問いかけに「私ですか? 私は…市川新之助でございます~」 もう会場は 拍手喝采~! 【外郎売】の演目を上演する経緯についての口上などが盛り込まれていて、ビックリでした!
そして今や“アナウンサーの練習言葉”としても有名な外郎売セリフは、まるでラップのようにリズミカルで軽快♪ 外郎売を初めてする衣装も華やかで目にも耳にも楽しかったです。 ロビーでは…やはり販売されていました【ういろう】。
新之助 (外郎売・実は曽我五郎時致)

素襖落

狂言を元にしたお話。 歌舞伎って“狂言”や“浄瑠璃”なんかの面白い要素を貪欲に取り入れるんだなぁ… と改めて感動しました。 能舞台の松の絵は「どんな場面設定でも可能である」という優れもの…という事だったんですね。 ひとつ賢く?なりました。やはりどの演目でも“酩酊の様子”はコミカルで、単純に笑えて楽しいです♪
主人からお使いに出された太郎冠者は、訪問先でお酒を沢山飲んで、褒美にいただいた“素襖”を主人に内緒で持ち帰るけど… 酔っぱらっているのでバレバレ。 その様子を主人と次郎冠者でからかう様は…とにかく爆笑! 役者さんもなんだかすごく楽しんで演技しているみたいでしたし、客席のお客さんもみんな笑顔だったと思いますよ♪ 私、團十郎さんはイカツイ役でしか観た事がなかったので、嬉しかったです。
團十郎(太郎冠者)/鴈治郎(姫御寮)

 曽根崎心中

ご存じ、近松門左衛門! 【心中もの】って「なんでそんな事で死なんといかんのかなぁ…」って、観た後、精神的ストレスを感じるから私は苦手なんだけど…今回のお初は鴈治郎さんのアタリ役とあって期待大! 徳兵衛さんがいいがかりをつけられて額に怪我をするシーン。 あっ!という間に額から血が…あれって、どういう早業でやってるんでしょ? 縁の下に隠れた徳兵衛に、お初が足で合図を送るという有名なシーンは床下と床上の人々の状況のギャップがあって面 白かったです。 2人が手に手をとりあって遊廓を抜け出すシーンでは「電気がナイ時代の夜は本当に“闇”だったんだなぁ…」って驚かされました。…で、やっぱり心中しちゃいましたね。
鴈治郎(天満屋お初)/翫雀(平野屋徳兵衛)