レディ・ベス(花總×加藤×吉沢×平方×石丸)博多座千穐楽

トークショー日の観劇追加で、公演期間中計3回の演劇となり、本日は石丸さん以外はMY初日と同じ配役でした。 “満員御礼”の千穐楽は、雨続きだった天気が一転、カラッとした快晴♪

冒頭の石丸幹二さん@ロジャー・アスカムは、やっと“字余り的な歌詞”にも慣れ、何を説明しているのかがスッと頭に入ってきて、作品の世界に誘ってくれる印象。 終始『王女とは』『責任とは』と国を治める者としての心構えを説く先生としての凛とした威厳が感じられて好演(だけど幹ちゃんじゃなくても…)

花總まりさん@レディ・ベスは、初見よりも歌が不安定な印象でしたが、本日はエリザベス1世の誕生日という事もあって?より芝居が丁寧。 どの角度から観ても、涙に泣き濡れて取り乱してても、ハッと上げる顔も綺麗。 う〜ん、これがヅカ娘役トップに長い間君臨してきた実力か〜、と感心☆ 40代なのにお人形さんみたいって奇跡。

加藤和樹さん@ロビン・ブレイクは、ベスが女王として生きる事を選んだ時の落胆ぶりが印象に残りました。

カーテンコールでのご挨拶は石丸さん、加藤さん、花總さんのお三方のみ。 1日の休演日を挟んで19公演×2回を演じきった皆をたたえ「次の最終公演地・名古屋へも是非お運びを!」というPRが主。 数回繰り返されたカーテンコール、禅さんが吉沢さんをニコニコとエスコートしていたのにニッコリ。

総括「M.A.より好きかな」。

博多座レディ・ベス

レディ・ベス(平野×山崎×未来×古川×石丸)【博多座】

本日の2回目の観劇。 8月最終日の1回、公演期間も残り1週間、という事でたいそう賑わっていた博多座です(満員御礼ではなかったようだけど)。
先日とは違うWキャスト陣のみの感想を。

平野綾さん@レディ・ベス 私はエポニーヌを観れなかったので、今舞台で初めて拝見。 “アイドル声優”としか認識がなかったので「ここまで歌える人だったんだ!」という驚きが大!(って主役に抜擢された時点で実力がある方なんでしょうが) 舞台が進むにつれ歌の上手さに慣れてくると、セリフとして気持ちが歌詞に乗って聴かせる
…というのには、まだ難があるのかな?と思ったり。 表情も常に眉間に皺を寄せたもの一辺倒な印象でバラエティーに乏しいのは残念。 しかしながら、お姫様コスチュームがとっても似合っていても可愛らしく、メアリー1世が彼女の若さと美しさに嫉妬してしまう事が納得出来てしまうヴィジュアルは強い。 男装をして男の子らしく振る舞う声色の変化はさすがの上手さ。 平野さん、M!のコンスタンツェはきっと合うだろうなぁ(観れないけど) 花房ベスは『最初から高貴な生まれを感じさせる少女であり、彼女の統治する王政は安泰であろう』という事を思わされ、対して平野ベスは『一人の少女が“運命の責任”を取って王女にさせられ、それ故に彼女の女王としての成長を見守りたい』と思わされる、という印象でした。

山崎育三郎さん@ロビン・ブレイク この役自体、存在が微妙で難しいのかなぁ? 王子様然としていので、もうちょっとワイルドな吟遊詩人的な、風来坊的な、肉感的な魅力を感じさせた方がイイような? 育三郎さん、更に目元が朝丘ルリ子ちっく。 育三郎さんならでは、の魅力は伝わらず。 蔓にぶら下がって登場時には「心配ないさぁ〜」と空耳が!

未来優希さん@メアリー・チューダー 配役を聞いた時は「吉沢さんより断然、未来さんだろう!」と思ってものすごく高い期待値で拝見したのですが…ん?あれれ? ものすごい迫力でガンガン強く前に出ては来るのですが、ただの“我の強いオバちゃん”で、女王には見えず。 意地悪義姉さんなだけでなく“ブラッディ・メアリー”と呼ばれた冷酷さも欲しいところ。 年下のフェリペ王子との対比はヴィジュアル的にも判りやすいのですが、いろいろと残念。 レミゼのマダム・テナルディエとかハマるんじゃないかな?

古川雄大さん@フェリペ 綺麗☆ 表情や雰囲気、仕草が“妖し気色気漂う一癖ある王子”感があって◎ しかしながら、歌の印象はさっぱり残らず。 乳首は平方くんに軍配(肉感的な方が○)

石丸幹二さん@ロジャー・アスカム ベスが“愛か?責任か?”と悩む中、静かに力強く諭す様に説得力あり。 和音美桜さん@アン・ブーンとのそのデュエット(っていうのか?)が、すっごく良かった! でも…これも石丸さんじゃなくても、な配役。

それから、前回書き忘れたのですが…笠原竜司さん@首切り役人の筋肉美、スゴイ! 各公演地でもあの筋肉を保つべくトレーニングされてるんでしょうね〜。
そして、二幕冒頭の曲は…なんであんなに演歌的で“ムード歌謡”っぽいのか?!

レディ・ベス(花總×加藤×吉沢×平方×山口)【博多座】

『ミヒャエル・クンツェとシルヴェスター・リーヴァイの二人が手掛ける世界初演の作品』と聞くと、期待は高まるものの、どうしても【M.A.】の事が思い出され、チケット購入にはブレーキが〜。 とは言え『小池修一郎演出で花總まり』と聞けば、やっぱり楽しみで『いかに多くのキャストが観れるか?』で吟味した結果、2回の観劇。 だったのに、後に禅さん+吉野さん参加のトークショー開催(別記事にレポートUP)が発表され本日分追加、でもってMY初日。
ミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイ
残念ながら3階席かなり上手側のお席だったので、舞台奥に映写された映像まで観る事が出来なかったのですが、あの傾斜自在の円盤の上で次々と場面が変わる美術に感嘆!(演者はヒザ痛めそう) そして照明デザインで空間を上手く仕切って表現していく様にも感嘆! 衣装もそれぞれにとても凝っていて目に楽しいですが、特にアンサンブルさんのは『パッと見、同じようで全て違う』。 特にメアリーとフェリペの結婚式の時の貴族達のドレス!! 同じ色調だけど、各々に違う絵画がプリントされていて斬新☆

曲は…何度か聴くと残るものがあるのでしょうが『初見で観劇後にメロディが頭の中をグルグルする』というものは皆無でした。 なんか…訳詩のマズさでしょうか? “字余り”的な印象のナンバーが多くて、聴いていて気持ち良くナイ、そんな印象でした。 ただ和音美桜さん@アン・ブーリンの曲は賛美歌のようにひたすら耳に心地良く響き「歌ウマー!」と聴き入るものの、音として響き過ぎるのか?歌詞は届いてこなかった。

ストーリー的には、カトリック×プロテスタントという宗教絡みの部分、メアリー1世がブラッディ・メアリーと呼ばれるような迫害を行う部分への知識と理解が私、ひどく不足していたので、全体的にもうちょっと史実を頭に入れてから観劇した方が〜と反省。 1幕は物語の背景説明が多いのか?テンポが悪く感じらてなかなか物語に入り込めなかったけど、2幕になって解消。 ベスが王位と恋愛との狭間で葛藤する様はもう少しじっくり見たかったかな。

花總まりさん@レディ・ベス 素はとても和風なお顔立ちなのに、なんであんなにデコラティブな豪奢なドレスや盛々の装飾、金髪ヅラが似合うのか?、と安心のドレス裁きと“凛とした風格”に『さすが』と思い、華奢で可憐な可愛らしさもあり…で素敵☆ 歌に惹き付けられるものはなかったけど、ベスという女性の成長が丁寧に見て取れた印象。
吉沢梨絵さん@メアリー・チューダー 四季退団後初めて拝見。 “元気で可愛く誰からも愛される女の子”という役でしか拝見した事がなかったので、ただただ驚く。 吉沢さん、歌がすごく上達されてますね! 今後もいろんなお役で拝見する事が楽しみになりました。
和音美桜さん@アン・ブーリン イタリアの宗教画から出て来たみたい! 扮装がと〜ってもお似合い、美しい! 歌も賛美歌のように美しく、まるで諭されているようで聴き入った〜♪ 映画【ブーリン家の姉妹】をまた観たくなった。
吉野圭吾さん@シモン・ルナール 今までの吉野さんのセクシーなお役って見た目も中性的な感じのものが多かったので、ここまで“ザ・漢”な感じは新鮮! お似合い♪ 歌は…うん、吉野さんだ。
石川禅さん@ガーディナー 開幕前の扮装写真とは違う、おかっぱ頭。 ヒール的な役回りでも何故かしら三の線が入るのはキャスティングによる所のもの? やっぱり“劇画タッチ”な顔芸にクスッ。
山口祐一郎さん@ロジャー・アスカム、久しぶりに拝見しましたが“ザ・山口祐一郎”的なものが皆無で、ちょっと寂しかったり〜。 涼風真世さん@キャット・アシュリーは、涼風さんである必要性が感じられない。 加藤和樹さん@ロビン・ブレイクは、表情にバリエーションがナイのか?硬い。 自由気ままに生きている若者然が不足に感じた。 平方元基さん@フェリペ、傲慢な感じは◎だけど王子というより“金持ちの放蕩息子”然に感じた。