フランケンシュタイン(中川×加藤)+トークショー【キャナルシティ劇場】

アッキーの舞台を観るのは何年振りだろう? 最後に観た作品は何だろう?…と記憶にナイくらい久し振りな私。 そもそもミュージカル作品でアッキーが来福ってのも、ものすご〜く久し振りだと思うし。 と、いう事でアッキー@ビクター+ジャックの2回を制覇。 チケット購入後、トークショーの開催が発表されてラッキ〜♪

お話の時間軸が『3歩進んで2歩下がる』みたいな、行ったり来たり、戻ったり…と飛ぶから、ものすご〜く集中力が試された! でもって重い展開だから観劇後、かなりズーンとした疲労感が。 曲は苦しい心情を表現するものが多く、耳に残って繰り返し口ずさんでしまうナンバーが少ない。 そこに二幕の濱田めぐみさん@エヴァが闘技場で歌う軽快で猥雑雰囲気の曲が異質でキラリと印象に残る。 で、メインキャスト全員がガラリと変わる一人二役という趣向が新鮮!
韓国発のミュージカル作品って【デスノート THE MUSICAL】も好評でしたね(これも柿澤さん+濱田さん出演!)【サ・ビ・タ】も好きな作品です♪  近年のオリジナル作品で日本発で…って残念ながら思い浮かばない。 頑張れ!日本産ミュージカル!

他の役者さんの感想は次の記事に書くとして…加藤和樹さん@アンリ/怪物。 これ、アンリ/怪物を演じる役者さんは大変ですね! 見せる体を作って、舞台をのた打ち回って、歌では使わない喉であろう雄叫び声を上げたり…で、消耗が激しそう。 おまけにこの週末、福岡は大寒波の襲来でうっすらと積雪の寒さだったからアノ薄着は…。 怪物のヴィジュアルは『BUCK-TICK櫻井さん?』なロックな感じ(韓国版はJCSのユダみたい) 憎しみの感情が強い怪物”という印象。 正義感と優しさに溢れた穏やかなアンリから、怪物になってからの生き様はさぞ虐げられて過酷であり、“情”という感情は一切残っていないんだろうな、と。 “血が凍っている”感じ。 歌もアンリ、怪物、それぞれに感情がすごくノッていて良かった。 窓からヒラリと飛ぶ様が“戦隊ヒーロー”っぼかった!

シーンでは一服の清涼剤的な子供時代のシーンが印象的。 石橋陽彩くん@リトル・ビクター歌の上手さにビックリ! 夏に観たエリザのちびルド君を演じた池田優斗くん(映画BBのチップ吹き替え!)にも驚いたけど、これまた素晴らしい子役さんが登場! 演技も◎ 早いとこ別の作品でも観てみたい!

トークショー

終演後、30分間ほど。 下手から鈴木壮麻さん中川晃教さん加藤和樹さんが登壇。
アッキーがさらさらさら〜と気の赴くままにしゃべって、時々、加藤くんにムチャブリをして軽くパニックになって土下座して許してもらう、その様子をニコニコとソーマさんが見てる、終始そんな感じ。
本日のソーマさんは『◯20年→×2週間』とセリフを間違えたらしい。 アッキーはジャックの時チャーバヤを〆る時『この胸筋はもったいなか〜』という博多弁セリフはめぐ姉さんに教えてもらったとの事。 ラストシーン「フランケンシュタイン!」とタイトルを、自分の名前を空に叫んで終わるのは、神へ再び挑戦状を突きつける感じ?
加藤さん、ラストはビクターの愛する人たちを全て消し去り、やっと自分だけ見て対峙してもらえるから嬉しくて、楽しいらしい。
お客さんから『ビクターと怪物がそのまま生きてたら?』の問いに、「失楽園みたいな…」と二人手を繋いでちょっと小芝居しながら舞台奥に歩き出す…って感じでした。
ソーマさんが四季時代を懐かしんでキャナルシティ劇場(旧・福岡シティ劇場)を語るかな?と期待するも、ほとんどしゃべる事がなく…残念!

キャスト
ビクター+ジャック:中川晃教/アンリ+怪物:加藤和樹/リトル・ビクター:石橋陽彩/リトル・ジュリア:齋藤さくら
劇場
キャナルシティ劇場
日時
2017.2.10(金曜日)/14:30〜

 

福岡 フランケンシュタイン

天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~【博多座】

映画は2まで観てる好きな作品だれど、2014年のミュージカル舞台日本初演の時はワイドショーでに「モリクミさんと瀬奈さんのWって?!」くらいの印象で触手が動かず、今上演が初見。 観劇後「初演のキャストで観たかった〜!!」と思ってしまった(吉原さん、藤岡くん、村井さん!)
今日のキャストは蘭寿とむさん@デロリス・ヴァン・カルティエ×石川禅さん@カーティス。 日曜日だったけれど、正直【満員御礼】の札を目にしてビックリ! 立見も多く、初日以来リピーターも増えていったんでしょうか? カーテンコールで客席と一緒になって踊る【Raise Your Voice】もあり、【マンマ・ミーア】状態(振付講座動画がサイトにUPされてたのを観劇後に知った!)年の幕開けにはピッタリの華やかでハッピーになれる楽しい作品でした♪

教会のセットが重厚でありながら転換も鮮やかで見事ですね! ミラーボール☆の光を受けるシスター達の衣装も目にも華やかで楽しい! 拡散する光の粒を捕まえようとするシスターの仕草には子供頃を思い出してニッコリ♪ 「指揮者、すっごくノリノリだなぁ」と思っていたら塩田さんでした。 やっぱり…。

蘭寿とむさん@デロリス、私、蘭寿さん博多座宙組公演【コパカバーナ】以来の観劇(←2006年公演って!もう10年前って!ビックリ〜!!)。 歌は歌詞が聴き取れない部分や不安定な部分が多々あって厳しいけど、パァーンと明るい快活で豪快なキャラクターが凄くハマってる♪ センターで踊る様は流石にキマってる! ストレートプレイで拝見してみたい女優さんかも(コパカパーナの半ズボン姿は強烈だったもん!)
石川禅さん@カーティスは「なんで禅さん?」が正直な感想。 残念ながら美声が印象に残る曲もなく、芝居も「キャラじゃナイなぁ…」と観ているからかもだけど“無理してる感じ”がちょっと辛い。 「禅さんじゃなきゃ」っていう役で拝見したい!

そして「歌ウマなのに、もったいなぁーーーい!!」と思ったのは今井清隆さん@オハラ神父泉見洋平さん@TJ。 印象に残る曲が〜! 特に今井さんは先月近くの劇場で観た【貴婦人の時間】でも、消化不良だったのに! 歌が聴きたいのよぉ〜!

対して印象的だったのは…
石井一孝さん@汗っかきエディ! 観てるだけでニコニコ楽しくなっちゃう! そして歌でも大満足♪ 宮澤エマさん@スター・メアリー・ロバートは透き通る声がその周囲とは異質で際立ち、キャラクターにピッタリ☆ 春風ひとみさん@シスター・メアリー・ラザールスの“おばあちゃん”ぶりにビックリ! 浦嶋りんこさん@シスター・メアリー・パトリックはパワフルで素敵。 鳳蘭さん@修道院長は威厳を保ちながらチョコチョコ口の悪い本音が出る様が絶妙の塩梅でした。 シスターの皆さんは本当は歌ウマ〜なのに、ひどく下手に歌うのって大変そう。 あの下手Verにも楽譜ってあるのかな? 

ノートルダムの鐘【四季劇場・秋】

劇団四季×ディズニーミュージカルは【美女と野獣】【ライオンキング】【アイーダ】【リトル・マーメイド】【アラジン】に続いて今作が6作目! 【アイーダ】以外、ファミリー向け+ハッピーエンド娯楽作品が多い中、今作は“大人向け! ダークで奥深い物語”で異質。 私は【Song&Dance】で【僕の願い】を聴いて以来ず〜っとこの作品を観る事を熱望していたので、やっと! 「開幕キャストで観たい!」とチケット争奪戦に参戦するも、全く繋がらず過去一番開幕チケット入手が大変だった印象。

コーラスの“圧”が凄い!!!!!!』これは声を大にして言いたいっ!!! これは劇団四季での上演だからこそ出来る圧倒的な体感だと思う! 全編を通して男女8名ずつの聖歌隊が舞台奥に列座し大音量で劇場全体を震わせる様は荘厳であり、何故だか涙が出てくる不思議。 とにかくこれは是非劇場で全身で体感して欲しい!

物語のテーマ?は『人間と怪物、どこに違いがあるのだろう』。 ディズニーアニメーションって『悪役が先導して民衆が暴徒化する』ってのが定番な印象があるけど、今作でもそれは踏襲されている。

舞台転換はなく、常に7つの大きな鐘が再現されているノートル大聖堂のまま。 ステンドグラスを通す照明の美しさは“荘厳”で物語の重厚感に大きな役割を担っているように思える。 カジモドの友達であり、親でもあるかのように彼の吐露する気持ちに同意したり、アドバイスしたり、叱咤するのは教会の石膏像たちであり、また彼らが黒子のように大聖堂の柵や街並みや牢屋などを移動させ、組み立てて場面を変えて行く見事さ!

飯田達郎さん@カジモドは舞台に登場してから、背中の異形を背負い、顔を汚して役に入っていき物語が始まり…ラストはその逆の行程を行い、対して彼を取り囲んでいた人々が登場時のカジモドのように顔を汚して不自由な体勢を取って幕、という趣向は興味深い。 期待していた【僕の願い】は、アニメーション映画と歌詞が違うので「ついに聴けた〜!」という達成感?は、なかったもののやはり心震える素敵な曲だった。 劇中「どうぞ彼に幸せを!」と願いながら観劇し、胸が痛くなる好演。

しかし、なんといっても印象的なのは野中万寿夫さん@フロロー。 登場人物の中では“普通の人間に近い”彼が一番感情移入がしやすく、自分ではコントロール出来ない自身の感情に戸惑い、振り回され、苦悩する様が手に取るように解る。 故にエスメラルダに対する思いが暴走して、周囲を巻き込む様の怖さが際立つ印象。 野中さんは“戸惑いフロロー”。 「どうしちゃったの?自分…」と度々自問自答しながらもブレーキがかけられない自身に苦悩する様に人間味が溢れる。 フロロー役、これは是非いろんな役者さんで拝見したい!

岡村美南さん@エスメラルダは、強い意志を持ち、ジプシーという“定住しない、捕らえ所のナイ”感じが三人の男の運命を翻弄させる魅力的な女性として存在するものの、ちょっと彼女の心情の変化が解り辛かった印象。 彼女との出会いでカジモド、フロロー、フィーバスの運命が悲劇へと動き出す【Esmeralda】は演出、曲、共に圧巻! 牧清水大星さん@フィーバスは、観客はカジモドとフロローに激しく感情移入してしまうので、難しい役所かと。

キャスト
カジモド:飯田達郎/フロロー:野中万寿夫/エスメラルダ:岡村美南/フィーバス:清水大星/クロパン:吉賀陶馬ワイス
劇場
四季劇場・秋
日時
2017.1.13(金曜日)/13:00~

アラジン【四季劇場・海】

劇団四季ディズニー第5弾として2015年5月24日(日)開幕後も、その人気は全く衰えることなく大人気公演ですね! これぞ“The Entertainment Show”って感じ。 私は2015年10月以来、2度目の観劇。 まだまだ東京公演、続くんだろうなぁ〜。 地方公演なんて何年も更に数年待たないとダメなんだろうなぁ…という満員御礼の客席。 そして…どんなに目を凝らしても“空飛ぶ絨毯”の仕掛けは判らなかった!(BBの野獣→王子の変身シーンも未だに謎)。 基礎的な構造はSong & Danceの時みたいな、あんな感じと同じと思うんだけど〜。 ディズニー・マジック☆

本日は阿久津陽一郎さん@ジーニー。 『今ままでに観たことがナイ阿久津さん!』という驚きと新鮮さが一番の感想。 今まで正義感溢れる硬派な主人公しか拝見したことなかったことがなかったんで、この目で観るまで全く想像がつかなった。 目鼻立ちがハッキリしているので、クルクル変わる表情がよく判って楽しい、楽しい♪ 数人いるジーニー俳優さんの中で、一番アロハが似合うんじゃないだろうか?

島村幸大さん@アラジンは前回と同じ。 今回は【自慢の息子】がすごく心に響いた!  牧野公昭さん@ジャファーは相変わらずアニメから抜け出てきたかのようにハマり役♪

キャスト
ジーニー:阿久津陽一郎/アラジン:島村幸大/ジャスミン:岡本瑞恵/ジャファー:牧野公昭/イアーゴ:布施陽由/カシーム:西尾健治/オマール:町田兼一/バブカック:白瀬英典/サルタン:石波義人
劇場
四季劇場・海
日時
2017.1.12(木曜日)/18:30〜

わたしは真悟【新国立劇場 中劇場】

私、今回のミュージカル舞台化になるまで楳図かずお先生の原作を知らなかった。 でもって観劇前に原作を読むに至らず『相思相愛の小学生が子供を作ろうとロボットと巻き起こす騒動記』というザックリとした、ちょっと解釈を取り違えた知識のまま観劇に臨む。

演出・振付はフィリップ・ドゥクフレ氏(アルベールビル冬季五輪の開閉会式演出)、劇伴としてOpen Reel Ensembleも舞台上手に登壇+演奏…という、今までのミュージカルの舞台では観たことがナイような斬新な演出が様々なところに施してあり、目新しい。 が!観劇後「これはミュージカルなの?」「ミュージカルの定義って一体?!」という事と「…と言います。」という真悟の言い回しが頭の中をグルグル。

開演前、客電が落ちる前から舞台下手で機械が動いてる。ひたすら“機械が機械的に”動いていて、その動作音が一定のリズムで不気味に響き、観客は段々と物語の中に引き込まれていく。

基本、舞台美術は全編を通して夜や屋内で閉塞感漂う闇の中、どのセットも鉄骨が冷たく光るセットに鮮やかに光る電飾、映像で展開。 そこにOpen Reel Ensembleが奏でる音が絡み付くように響き、異空間のような、近未来のような独特な世界が広がる…って、ゴメン!お話はよく解らなかった! でもその演出や役者さんの演技が強く印象に残る舞台だった。アンサンブルさんはシンガーというより、ダンサーがメインでしょうか? 体全体を使ってキレッキレのダンスでの表現で情景を物語るのはパントマイムのようであり、モダンダンスのようであり…。

観劇後、強烈な印象として残ったのは、なんといっても成河さん@真悟。 原作を知らないので、元々の真悟との表現の違いが比較出来ないのがもどかしいけど「こんなに身体能力が高い役者さんだったんだ!」と驚愕!(【エリザベート】のルキーニしか拝見したことがナイ) 器械体操のような、カポエイラのような、独特な動きと機械的な語り口、そしてカッ!見開いた目に感情が見えない表情は、舞台のどこに居ても目が引きつけられた! 無表情なんだけど…なぜか悲しみが伝わってくるのは何故なんだろう? 成河さん、これからも出演の舞台は追って行きたい!と思った「…と言います。」

高畑充希さん@山本真鈴、残念ながら歌を堪能できるほどの“歌”はなく、耳に残るナンバーもなく…なので、観劇の動機だった「彼女の生歌を聴いてみたい!」というのは消化不良だったけど、すごくセリフがクリアで聞き取りやすい! 長年舞台で鍛えた賜物だろうなぁ。 小学生に見える! 門脇麦さん@近藤悟、うん!女性が演じて正解!   大原櫻子さん@しずかは一人で“陽と動”の部分担当で大変だったかと。 小関裕太さん@ロビンは目の青さが強烈で怖かった! 客席で観てアレだけ青いってどういう仕掛けなんだろう? 頭が小さくって手足が長〜い! イイ具合に狂ってて不気味で良い♪
しかし、皆さん舞台では初めて拝見する役者さんばかりで「この人でなきゃ!」というハマり具合だったのかは?判断がつかなった。

で、やっぱり一番の印象は「ミュージカルだったのか?」という疑問だな!

劇場
新国立劇場 中劇場
日時
2017.1.12(木曜日)/13:30〜