團菊祭五月大歌舞伎・夜の部【歌舞伎座】

シアタークリエにて【レベッカ】マチネ公演観劇後カーテンコールをブッちぎって、ダッシュで歌舞伎座へ! …ってそれでも序幕15分ほど遅刻しました汗 周囲のお席の方ご迷惑かけました~ 滅多に観れない序幕だったのに…ホント残念。

白浪ゴレンジャー
地球 青砥稿花紅彩画 白浪五人男
実は来月、博多座にて菊之助さん@弁天小僧菊之助で【浜松屋見世先より稲瀬川勢揃いまで】がかかるので、このとほか楽しみに観劇(今月は團菊祭というのに菊ちゃんはコクーン出演で不在) その【浜松屋見世先】での菊五郎さん@弁天小僧菊之助「もう化けちゃあいられねぇ~」からの痛快なまでの鮮やかな変わり身はさすがに楽しく、“てやんでぇ~、べらぼうめぇ~”ポンポンと飛ぶ勢いのある会話が耳に心地良い♪ ただ…ちょ~っと娘姿には頬のタルタル具合が今回はひどく気になりました汗
先月の【浪花花形歌舞伎】に続いてまたしても橘太郎さんのラブリー番頭だったのが激しくツボ! 愛嬌あふれる番頭さんはホントにハマり役なうえ、浜松屋の番頭与九郎はラストには丁稚二名と三人でオリンピックネタを披露。 笑わせていただきました~♪

そして意表をつかれたのは海老蔵さん@浜松屋宗之助。 團菊祭ならではの配役でしょうが…ファンの方、いかがでしたか?汗 後ろに大人しく控えていても、どうしても目がいってしまうのは華あるオーラのせいか? はたまた…“舞台あらし”か?!(byガラスの仮面)
今回【稲瀬川勢揃いの場】で初めて思った事、それは…キラキラ五人男のツラネは『スーパー戦隊シリーズの原点だ!』キラキラと。 きっと白浪五人男からアイデアを得たに違いナイ!と。 もしかしてこの考えは激しく既出?! ちなみに私、原点【秘密戦隊ゴレンジャー】世代。 なにせ祖父から初めて買ってもらったレコードがゴレンジャーの主題歌だったもんな♪ 敵を倒す前に5人のヒーロー達が各々の自己紹介を節を付けて次々と述べ「五人揃って~」となるのは正にコレですよ、コレ! 今までにも何度となくこの場は観ているのに、こんなふうに感じたのは初めて。 おそらく菊五郎さん@弁天小僧菊之助團十郎さん@日本駄右衛門左團次さん@南郷力丸時蔵さん@赤星十三郎三津五郎さん@忠信利平…という豪華配役で、このうえない贅沢で心地よいツラネに「ハッ☆」と気付くものがあったようです。
二十一世紀にもなった現代でも脈々と受け継がれているこのスタイルの生みの親・河竹黙阿弥…スゴイよ。
【極楽寺屋根裏立腹の場】が圧巻! 下座音楽が奏でるスピードと立ち廻りのスピードがリンクして、菊五郎劇団の素晴らしいチームワークの技が次々に繰り出され手に汗握ります! 立腹~がんどう返し~山門セリ上がり~、という大迫力の場面転換に「歌舞伎、カッコイイ~っ♪」と改めて歌舞伎の面白さに感動~。 でもって、團十郎さん@日本駄右衛門が石川五右衛門のようにドーンと構えてカッと目を見開き見据える姿に「でっけぇ~!」 富十郎さん@青砥左衛門藤綱のスコーンと鮮やかに突き抜けた口跡で壮快な〆。

サル 三升猿曲舞
“しかくばしらさるのくせまい”…って読むんですね。 この…“しかくばしら”ってのは四人の奴を指すのでしょうか? 松緑さん@此下兵吉はりりしく、ソロ舞踏では久々拝見しましたがキビキビしていて心地良い打ち出し~。

三月大歌舞伎・昼の部【歌舞伎座】

植物 春の寿
舞踏三題は居所変わりでセットが変わる手際が鮮やかで美しく、こちらも堪能♪
【三番叟】 今回は新しい振り付けとの事。 板付きで大ゼリでセリ上がってくるのってカッコ良くって大好き♪ 進之介さん@千歳我當さん@翁は天下泰平、国土安穏祈願の舞い、歌昇さん&翫雀さん@三番叟は五穀豊穣祈願の舞。 私、兼ねてよりこのお二人はよく似てるなぁ~と思っていたのですが、こうして並びで拝見する機会はなく今回が初めてのような? 改めて注目すると…そんなに似てませんでしたネ汗 スッキリと軽快な舞で心地良い☆
【萬歳】 梅玉さん@萬歳で商売繁盛を祈願!の舞いでしたが…何故だか久々に拝見した感のある葵太夫さんに目が釘付け。 改めて寸分の狂いもないセンター分けのヘアスタイルに懐かしの“あぜ道カット(by斉藤清六…古っ汗)”を思い出してしまいました…ってどんな感想よ?!

【屋敷娘】 これは初めて観ました! 扇雀さん@お梅孝太郎さん@お春。 屋敷奉公している二人が久々の宿下がりの道中でウキウキと“恋ばな”をしている様子。 孝太郎さん、すっごく可憐で可愛い~♪

日の出 一谷嫩軍記【陣門・組打】
16才前髪の若武者に喜寿の藤十郎さん@熊谷小次郎直家(+無官太夫敦盛)! そしてその父・團十郎さん@熊谷次郎直実。 凄いです…歌舞伎でしかありえない配役です! 花道より「いで切りいらん」と駆けつける小次郎の足取りの軽やかさと若さに驚愕です。
戦の出で立ちの…背中の気球のような?風船のような?幌のような球体は…アレは何ですか? 子供の遠見は非常に効果的☆ ラスト、黒い愛馬に息子・小次郎の遺品を乗せ、馬の顔の下に入っての男泣きの團十郎さん@熊谷に涙。 馬もイイ演技です!

赤りんご 女伊達
痛快☆長唄舞踊。 菊五郎さん@木崎のお秀に絡むのは秀調さん@淀川の千蔵権十郎さん@中之島鳴平。 この組み合わせって…珍しいですよね。 菊五郎さんの女形を久々拝見したのですが…こ、こんなに綺麗じゃなかったっけ?とヴィジュアルがかつての精彩を激しく欠いていた事に戸惑いました汗 『菊五郎劇団の総力を結集』ってな鮮やかな立廻りでスカッとする楽しい一幕。

かどまつ 吉田屋
仁左衛門さん@藤屋伊左衛門。 私、意外にも拝見するのは随分久しぶりだったようで…またおヤセになったのか?ひどくお年を召した様子の伊左衛門にちょっと驚きました。 演技はもう何も言う事はナイ“伊左衛門その人”でした! でも…あんなに、あそこまで子供っぽさが強調されていたかしら?と思ったりもしました。 夕霧の名前を出すまでのジリジリとして様子や、お座敷を探してまわるチョコチョコした足取りなど可愛くてたまらないのですが~♪
福助さん@扇屋夕霧は初役との事。 しかも仁左衛門さんと恋人役…ってのも珍しいですよね? すごく新鮮なカップルでしたが相性は…いかがなものか?と。
秀太郎さん@吉田屋女房おきさ絶品☆ も~うこのようなお役は揺るぎない安定があり大好きです! 千穐楽ネタとして「松嶋屋さんは来月歌舞伎座で勧進帳~」ってな事をおっしゃってました♪
10億円の借金を作っておいて…この甘々なラストはどうよ?!と毎回思うこの演目ですが、ニッコリ笑顔になれる打ち出しなので劇場を後にする足取りは軽くて好きです。

三月大歌舞伎・夜の部【歌舞伎座】

坂田藤十郎と市川團十郎という大名跡が、歌舞伎の歴史上初めて江戸で同じ舞台に!』という事で話題となった今月歌舞伎座公演。 昼の部【一谷嫩軍記 陣門・組打】と夜の部【京鹿子娘道成寺】がその共演の舞台。 前楽と千穐楽に観劇出来ました♪

強風 鈴ヶ森
え~っと…前日まで今回の江戸上がりの為に片付けておかなくてはいけない仕事で、バタバタしてたうえ、早朝上京で「これは絶対ヤバイな…」と思っていたら、案の定…気絶(殆ど全篇)。 元々、暗いし雲助は汚いし~、で苦手な演目なのですが汗
芝翫さん@白井権八は…御年80才ながら17才の前髪の男子を演じる…とは歌舞伎ならでは!ですよね~。 女形さんがこのお役をされる時の着流しは鶸色が多いと思うのですが、芝翫さんが黒だったのは意外。 そういえば芝翫さんは口上の時は立役の正装ですよね。 元々のお名前からの由来によるものなのでしょうか? この辺りがまだまだ勉強不足な私です汗

段四郎さん@飛脚早助(段四郎さんの韋駄天走りが観れるなんて♪)、左團次さん@東海の勘蔵彦三郎さん@北海の熊六という豪華な配役…なのに私は観ていない。 情けない…悲しい 富十郎さん@幡随院長兵衛の「お若けぇ~の、待たっせぇ~やし!」は、さぞ耳に心地よかったかと~(聞けてナイ私)

桜 京鹿子娘道成寺
坂田藤十郎喜寿記念』と銘打った今公演。 実は…6月の博多座でも観れる事を観劇後に気がつきました~汗 只今、桜が満開のお江戸。 やっぱり季節に合った演目が観れる…ってのはイイですね♪(真夏に【紅葉狩】とか拷問に近いものが~)
ゾロゾロと登場の所化は豪華総勢22名。 翫雀さんとご長男の壱太郎くん扇雀さんとご長男の虎之助くん…と山城屋さんをもり立てる成駒屋ファミリー大集合で、さぞ藤十郎さんも嬉しいことかと♪ “まいづくし”で頑張る虎之助くんの背後でニコニコと心配そうに見守る翫雀さん、このツーショットが激しくツボでした☆ その翫雀さん「あの白拍子はそこもとに似ているような…」と所化仲間に言われて「自分でも鏡を見ているような…」とは爆笑♪
藤十郎さん@白拍子花子は…ご覧になった方、皆さんそう思われたと思うのですが「あの若さに改めてビックリ!」 なんなんでしょうか?あの若さは! 花道で化粧直しをして…その餅紙を捨てる(客席のお客様へ投げる=プレゼント)という趣向は初めて見たような? 2006年7月の松竹座で拝見した時のお着物もお召しでしたが、今回…多分初めて拝見した感のある、黄色地の火炎太鼓柄! これがすっごく素敵☆ 手拭い撒きは後に所化’sも手伝って出血大サービス。 最後は三段ではなく二段で…これは女形だから、という配慮との事で驚かされました。
花四天の花道での“とうづくし”で「今日は私の誕生日、これほんトウ!」と言った方はどなただったんでしょうか? 笑いをこらえているお囃子方の表情を見るのも楽しかったです~。後ろ姿
團十郎さん@大館左馬五郎照秀が押戻しで華を添えます! やっぱり成田屋さんは隈がホント似合うなぁ~(綺麗だし)と錦絵のような役者ぶりを堪能。 しかしあのヅラ、後ろ姿が間抜けで笑えました~♪

熱燗 江戸育お祭佐七
初めて観て…あまりの後味の悪さに、夜の部はど~んよりと帰路に着きました汗 世話狂言の名作との事ですが、どの辺りがウケている演目なんでしょう?
時蔵さん@芸者小糸の出のあのお着物! も~う、なんてお似合いなんでしょう♪ 私、女形さんの中で芸者姿が一番粋でピカイチ素敵と思っているのが時蔵さんなんですが、この千鳥模様の留紺色のお着物は絶品でした☆ 美しい…。
踊り屋台での出し物【お軽勘平】では、芝のぶさん@お軽! 思いもかけない嬉しいお役にテンションが上がりまして…私、舞台写真お買い上げ。 なんて可愛いんだ芝のぶちゃん♪(鷺坂判内はどなただったんでしょう?)
團蔵さん@倉田伴平って…こ~ゆ~イヤな奴を演らせたら團蔵さんの右に出る者は居ないんじゃないかしら?と思うほどの今回もハマり役。
家橘さん@おてつは不気味な怖さが漂っていて怪演! あの…前髪の一部をねじって後ろに結わえているヅラって初めて見ました。 不思議な髪型~。
仁左衛門さん@鳶頭勘右衛門は、ご出演を全く知らなかったので「あら、あのカッコイイ人は?」と出にビックリ~。 なんかすごく裏がありそうに見えたのですが…そのまんまでしたネ汗
菊五郎さん@お祭佐七は、今回初役との事。 「てやんでぇ!べらぽうめぇ!」「火事と喧嘩は江戸の花」ってな粋な江戸っ子風情は充分でしたが、それ故のあのラストは…どうよ? 家に返したばかりの小糸をすぐさま迎えに行くのは格好悪いなぁ~けど~と散々迷う様がなんともチャーミング♪

十二月大歌舞伎・夜の部【歌舞伎座】

他の観劇スケジュールの兼ね合いから…多分初めて?の歌舞伎座初日観劇となりました(残念ながら昼の部観劇は断念!)

寺子屋

意外にも勘三郎さん@松王丸歌舞伎座では初めてとの事。 松雪に迫力ある鷹をバーンとあしらった羽織の背刺繍は「スカジャンにしたらさぞ怖いだろうなぁ~」という迫力が汗 しかし、福助さん@千代も…ですが、心に響くのはなかったです。 泣けない。 亀蔵さん@涎くり与太郎は想定内の愛らしさ☆ 松也さん@御台園生の前の咳の仕方、上手いなぁ(かつて喘息児童だった私) 海老蔵さん@武部源蔵勘太郎さん@戸浪は「若いなぁ」という印象でしたが、勘太郎さんは健闘では。 海老蔵さんは、単体で強すぎる…周りとの調和が取れてナイかと。
いつも思うのですが捕手の方々、あの長~い時間を蹲踞しているのは辛いだろうなぁ…。

粟餅

今回初めて拝見。 立役二人が揃いの拵えで…というような舞踏は珍しいのでは? 江戸時代の風俗を垣間みれる、短いながらも歯切れの良いキビキビした舞踏。
三津五郎さん@杵造の達者な踊りはもちろん、橋之助さん@臼造もそれに続き、曲芸を混ぜながら餅をつく様が楽しい。 粟餅の色は黄金…という事から“こがねもち=小金持ち”として縁起がイイとの事。 なぁ~るほど♪

ふるあめりかに袖はぬらさじ

歌舞伎座での上演は今回が初めてとの事。 私は作品自体、初めての観劇となりました。 面白い!…けど~長い。 これ1本、単独でかけてもいボリュームですが『今月の歌舞伎座だからこそ!』の豪華配役は見逃せません。 しかし長い…。
玉さん@お園
元来、玉三郎さんのはすっぱな…仇っぽい色気のあるお役ってすごく好きなのですが、今回の芸者お園を拝見し、そのコメディジェンヌぶりに驚嘆! 大変大変失礼ながら…ホントに上手い役者さんなんだなぁ~と感動(失礼すぎ汗) いや…“玉三郎さん=神秘的な美”という事で、高尚な芸術の域となり『玉三郎さんだから凄いんだろうなぁ…』と、実は上手いのか?否か?という事がよく解らないまま、その世界観に飲まれてしまう感じが多いのですが、今回ばかりは私にもハッキリと解ります。 玉さん、上手いっ!(失礼again汗) 玉三郎さん@お園何かしゃべる度にドッカン☆ドッカン☆と客席が笑いで湧く…というのは、なんとも新鮮な体験でした。 特に亀遊と藤吉のラブシーンに「お邪魔さま~」と襖の影から割って出るのは最高に笑え、「あたしゃ、男はもう懲り懲り」と言いながらもサラッと翻ったり、『この人、ホント酒好きだよ』と思わせる様は楽しい、楽しい♪

舞台となる横浜の岩亀楼は実在した遊郭。 外国人相手の遊女“唐人口”も抱えていた為、和洋折衷の洒落た造りだったらしく、今で言う建物のバックステージツアーのようなものが当時行われていたとの事。 現存していれば…さぞ観光地として賑わったでしょうね~。
物語の発端はお園の同僚の遊女・七之助さん@亀遊と、医者を志す通訳・獅童さん@藤吉の恋模様。 このお二人が好演! 特に七之助さんは、今まで拝見した七之助さんのお役の中で“一番イイ!”と思いました。 床に伏した幸薄い遊女風情がバチッ!とハマって儚さ満点☆ なので、後にその死について攘夷派志士を煽るためのねつ造話としてでっち上げられ、それを商売に利用しようとした岩亀楼の主人に【烈女亀勇自決之間】まで拵えられる様は大変哀れで滑稽に映ります。
『一つの湯呑み茶碗を二人で回し呑みすると別れる』といういわれから、そうする時は茶碗のフチを指で弾いてから相手に渡す…という事は、私初めて知りました。 現在もそうですか?
亀遊が自ら死を選んでしまったほど屈辱だった唐人口。 【唐人お吉】で有名ですが、“らしゃめん(羅紗緬/洋妾)”とも呼ばれ、忌み嫌われていただけにお手当は日本人口の3倍もあったそうです。 私、この度イヤホンガイドの解説により羅紗緬の語源を知りました。 ビックリ…。  福助さん@マリアをはじめとする女形さんのグロテスク・ファッションショー?!は、かなり引くものがありました汗 新悟くん@ピーチの猛烈アピール(巨乳です)は、お父様・彌十郎さん@イルウスは全力で拒否していた様に笑えましたが~。
猿弥さん@幇間和中。 やっぱりあ~ゆ~拵えの猿弥さんは山城新伍にソックリ!
勘三郎さん@岩亀楼の主人は、ひょうひょうとした面白さはあるものの、もっと悪どく嘘話に加担したひとりとして小賢しい部分が見受けられた方が良かったような? 時折、お園が主人を操っているようにも見えてしまって…(実はそうなのか?!)
上演時間21時を過ぎても登場しない段治郎さんに「もしや休演か?!」とハラハラしていたら…よ~やく登場(話を知らないので役所が解ってナイ汗
尊王攘夷派の私塾・思誠塾の門下生たちがお園の嘘を見抜い詰め寄る様の緊張感は痛快! 各々のキャラクター設定も明確で楽しく、勘太郎さん@飯塚はなんともラブリー♪ 門之助さんって、現代調?のセリフの声はすっごく男前なのには驚きました~!
「私の言う事はみんな本当だよ…」「あれから5年、藤吉は今頃アメリカで何をしてるんだろう」というラストの余韻はなんとも心にしんみりと広がりました
…しかし長い汗

秀山祭九月大歌舞伎・夜の部【歌舞伎座】

阿古屋

久々に拝見! 岩永左衛門って体格がイイ方がするイメージがあったので、段四郎さんを楽しみにしていました。 なんだか可愛いし、コミカルさがより際立った感じもある上「芸で大きく見せるっていうのはこういう事なんだなぁ」と思わされた岩永左衛門でした。
吉右衛門さん@秩父庄司重忠は意外にも初役との事。 度量の深い名裁きが出来る人物である事を、その佇まいだけで感じられた好演。
玉三郎さん@阿古屋は、もうあえて何も言う事も…。 胡弓の音が一番好きです、私。

身替座禅

「まぁ~た、身替座禅かぁ…」とかなりウンザリな心持ちで観劇に臨んだんですが…面白かったです! 歌舞伎は役者を観る演劇と言いますが、なるほど言い得て妙!だなと実感。
思えば私、團十郎さん@山蔭右京は初めての拝見で(13年振りとの事)、あの朴訥した愛嬌がこうも可愛らしく右京さんにハマるんだ!とビックリ~。 色気が全くナイのも新鮮でしたが、とにかくカワイイんですもの~♪
染五郎さん@太郎冠者。 私、染五郎さんのこ~ゆ~、情けな~い感じのお役って大好きなんです。 さすがにウマイっ!

二條城の清正

“清正役者”と言われた初代吉右衛門の為に書き下ろされた作品だそうで、私、この度初めて観劇。 加藤清正所持の懐刀の写しを初代が譲り受けたものを今回の舞台でも使用する事も話題。
お互いの腹の底を探り合う駆け引きの芝居なので、物語を頭の中に入れて集中しておかないと…危うく置いて行かれそうになりましたっ汗
吉右衛門さん@加藤清正は豊臣秀吉への恩を忘れず、その一子・福助さん@秀頼に病の身ながら必死に仕えるダンディでカッコいい…ヴィジュアル系爺さん(失礼!) 豊臣家の取り潰しをもくろむ左團次さん@徳川家康からの二条城への誘いに同行し、主君のピンチを救う。 その堂々たる弁舌と対応の重厚さに清政の人柄が偲ばれました
ラスト、帰途の船上での親子のような情愛が通い合う清政と秀頼にホロリ。 夜が明けて、城が見えて来る感動的なラスト(城の書割りはショボイ汗)に余韻が残る…。気になる額
で、こんな感動的な船上のラストシーンなのに、一番気になったのは福助さん@秀頼のヅラ! あの前髪…っいうか、おデコ…っていうか~冷や汗 富士額じゃなくって完全な弧を描いた前髪で…アレってどうよ? 目が釘付けになってしまって困りましたよ、あたしゃ! ちょっと前に某アイドル歌手がデジカメの広告で舞妓さんに扮していた時のヅラに感じた違和感に…似ている~。