三匹のおっさん【博多座】

11月11日、11時の公演をあえて選んで観劇してみた♪(ポッキーは…食べ忘れた!)

原作を読んだこともなければ(観劇後、既刊の二冊読了♪)、ドラマも観たことがなく、タイトルを「聞いたことがある…ような?」という程度の知識でいざ博多座へ。
博多座での現代劇のマツケンは初めてだし、「一度は舞台を拝見したい」と常々思っていた中村梅雀さんと、竹下景子さんは博多座初お目見えだし…で、同行の母も珍しく前のめりで(←気持ちが!)観劇。

すっごく面白かった! ドラマを観ていたら配役に違和感があったかもしれませんが、映像的な演出もあり、“適材・適所”な贅沢な配役は、アッという間に舞台に引き込まれ、ちょっとミュージカルちっくな所もあり、『成敗!』な立ち廻りもあり、客席はドッカンドッカン湧き、か〜なり笑わせてもらいました♪ もちろんお三方とも立ち廻りはお手のものですから要所要所はバッチリ型が決まってカッコイイ☆

松平健さん@キヨ中村梅雀さん@ノリ西郷輝彦@シゲ…と皆さん主役を貼る豪華タッグで、劇中ちょっとミュージカルちっくな演出もあり、あまりコミカルな作品での印象がナイ松平さん、西郷さんの新しい一面は、今後映像作品でも拝見したいな…という面白さ♪ 西郷さんはこの作品の出演までジャージを着たことがなかったそうで「すごく抵抗があった」とのインタビュー記事を読んで、ビックリ! 松平さんは、個人的に“おやじ白ランニングシャツ”姿が軽くショック! 梅雀さんはピッタリ☆イキイキ☆ 超過保護なパパぶりとメカに関しては驚異的な知識と執着を持っている男の一面とその行き来が楽しい。

竹下景子さん@キヨの妻・芳江役松金よね子さん@シゲの妻・登美子、お二人とも舞台では初めて拝見しましたが、TVのまんま! 華奢で細いっ!

一番印象に残ったのは、大久保祥太郎さん@キヨの孫・祐希。 今時の男子高校生で言葉はチャラチャラしているものの、厳格な祖父と気弱な父を見て育った現代っ子をすごく巧みに演じていらっしゃいました。 キヨとのやり取りは笑った、笑った! ウマっい! 対して、河相我聞さんは@ゲームセンター店長は「あれ?我聞さん、ドコ出てた?」と終演後に確認した次第…。

これ、原作のエピソードはまだまだいっぱいあるから、舞台もシリーズ化される可能性大ですね! 団体さんも入りやすそうな人気シリーズ舞台になりそう♪

劇場
博多座
日時
2015.11.11(水曜日)/11:00〜

六月博多座大歌舞伎・夜の部【博多座】

 💡 ぢいさんばあさん
この演目って打ち出しにかかる印象が強かったので、ここからの〜口上って不思議な感じ。 中車さん@美濃部伊織で、扇雀さん@伊織妻るんは、中車さんの襲名披露公演で演じて2回目、なのかな?  猿弥さん@下嶋甚右衛門は初役との事で、やっぱり何をやってもソツなく上手いなぁ…と、憎々しい敵役を好演。 でも…上方の名跡の襲名披露公演で、森鴎外原作の新作歌舞伎って…どうなんだろう?

 💡 四代目中村鴈治郎襲名披露 口上
下手より…扇雀、亀鶴、壱太郎、藤十郎、鴈治郎、梅玉、秀太郎、中車、東蔵。
梅玉さんが紹介役なのですが、公演前のインタビューで『紹介する役なので、真面目なことしか言えない』と残念がっていらっしゃいました。 なにか面白暴露ネタがあったんですよね? 残念!聞きたかったなぁ〜。 亀鶴さんもお正月公演からずっとお付き合いいただいてますね♪

 💡 芸道一代男
『鴈治郎の名付け親でもある川口松太郎の原作を、今回の襲名披露に合わせて歌舞伎作品として手直しした演目』との事で私、初見。 『自分の親が役者だとは知らずに役者になったという、初代鴈治郎の半生記』なので、梅玉さん@中村翫雀亀鶴さん@中村翫蔵、と劇中も役者の名前が出てくるので、ちょっと混乱してくる〜。 大向うさんも、勉強してかけないと!ですね。 劇中劇で【河庄】がかかるのもお得な感じ♪  これは、成駒家でしか上演しない演目でしょうから、次に劇場でかかるのは…壱太郎くんの襲名の時かな?  鴈治郎さん@林玉太郎後に實川雁二郎は、朴訥とした呉服屋の行商から、洗練した役者となる成長ぶりが楽しめました。 竹三郎さんが残念ながら休演の為、東蔵さん@山村友五郎

来年まで続く襲名披露公演。 4月の【四国こんぴら歌舞伎大芝居】は残念ながら遠征叶わず。 とりあえず大劇場と巡業公演は全てミッション遂行!…という事で、満足しましょう!

六月博多座大歌舞伎・昼の部【博多座】

1、2月の松竹座、4月の歌舞伎座と追っかけて「待ってました!がんじろはん!」。 ようこそ博多座へ! 博多座での襲名披露公演って、いろんな劇場をまわりに周って“一年くら経ったラスト公演”って感じが多かったので、襲名をしたその年にこんなに早くおらが街の博多座で拝見できるとは思わず感涙。 5月29日、最高気温30℃の中、行われた【船乗り込み】では、緑の上下を身につけて先頭舟で笑顔で手を振る鴈治郎さんを拝見する事が出来て、また感涙…。

 💡 播州皿屋敷
博多座では初上演! しかし、襲名披露の…朝イチの演目って、どうだろう? 扇雀さん@腰元お菊って「そんな事くらいで死なんやろ?」ってなドンと構えた印象なんですが、だから亡霊になったら絶対怖いよね〜、って感じの情念の深さを感じました。 梅玉さん@浅山鉄山の横暴さ、冷たさは真骨頂。 やっぱり梅玉さんのあの声って凄いなぁ。 猿弥さん@岩渕忠太って、猿弥さんがこのお二人と絡むのは珍しいなぁ…と思っていたら『梅玉さんとセリフをやり取りするのは初めて』との事! お化け屋敷のような、古典的なおどろおどろしい仕掛けに客席が湧きました。

 💡 連獅子
鴈治郎さんさん@狂言師右近後に親獅子の精+壱太郎さん@狂言師左近後に仔獅子の精。 親子で…というのは演じる側も感慨深いものがあるでしょうが、私にとって、この親子での連獅子は特別。 またしてもちょっとウルウル。 亀鶴さん@修験者は蟹山伏! 初めて拝見しましたが、これは絶品!面白いっ! イケボなのに顔が思いっきり道化の落差が更に可笑しみ二倍増し。

 💡 曽根崎心中
『アンコールにお応えして坂田藤十郎一世一代にてお初相勤め申し候』』です。 昨年、歌舞伎座で私、見納めたはずなんですが…あれ? すでに夏の暑さの博多で、藤十郎さん@天満屋お初、やっちゃいます! やっぱりこの人間国宝は超人的だ! 鴈治郎さんが公演前のインタビューで「襲名披露狂言ではありませんよ、皆様のアンコールに私は付き合っている立場です」って! 中車さん@油屋九平次との絡みは新鮮けど、中車さん“歌舞伎の嫌な奴”じゃなかったです、うん。 梅玉さん@平野屋久右衛門って…珍しいですよね? 実は梅玉さん、お正月の襲名披露公演にず〜っとお付き合いくださっているので、上方の演目への配役が目に新しいんですよね。 有難うこざいます!(私、ただの贔屓ですが) 安定の鴈治郎さん@平野屋徳兵衛(この人の襲名披露公演です!)

2015年・博多座船乗り込み

funa2015_c待ちに待った“四代目中村鴈治郎襲名披露公演”が博多座で!が来月2日に初日を迎えます。 その公演のPRと役者や芝居内容のお披露目の為、快晴するぎる快晴の真夏日の本日【2015年・博多座船乗り込み】がとり行われました♪ 

ここ数年は、見物に行っても流すように見ていた船乗り込みですが、今年は出発式典のキャナルシティ博多から、最後のリバレインでの式典まで全行程を並走追っかけ! 終わった頃にはサンサンと降り注ぐ痛いくらいの日差しに、ヤラれてフラフラ〜。 走った!走った!

先頭の鴈治郎さんはお一人で乗船で裃姿。 真ん丸の福々したお顔が暑さの為に真っ赤で「だるまさんのよう…」でしたが、常々「なりたかった名前を襲名する事が出来て嬉しい」と口にされいる様が、終始ニコニコと両岸や橋の上の見物衆に手を振って応える姿に表れてました。 私も“自分が応援している役者さんの襲名”というのが、こんなに嬉しい事なんだなぁ…というのは今年1月の松竹座からしみじみ思っていましたが、“おらが街全体が応援している”的なこの船乗り込みを見ると感激もひとしお☆ 「博多座での襲名披露公演が成功しますように」と祈らずにはいられません!
(ご高齢の為、藤十郎さんは前後の式典のみのご参加)

「待ってました!がんじろはん!」
「いよっ!成駒家〜!!」

二月花形歌舞伎・伊達の十役【博多座】

博多座では初上演です。 澤瀉屋専売特許的な演目かと思っていたので(…って海老蔵さんもされてましたね=市川家特許?)染五郎さんが?と驚きましたが、2014年5月の明治座公演で大好評を受けての今公演。 期待が高まります! 澤瀉屋からは右近さん@八汐、笑三郎さん@三浦屋女房松代が座組に。
2月3日は【お練りと節分豆まき】、14日は【KABUKI NIGHT】と…舞台以外でも大奮闘の染五郎さん。 今公演で、どのくらい体重が減ったんだろう?
慙紅葉汗顔見勢(はじもみじあせのかおみせ)】は、恥も外聞も構わず大汗をかき、紅葉のように顔を真っ赤に染めて奮闘する、という意味があるそうです。 【伊達の十役】は通称…とは恥ずかしながら初めて知りました!

 💡 口上
幕開きに、染五郎さんが物語のあらすじと登場キャラを幕に投影して紹介する…という親切スタート。 博多座公演の挨拶ではお馴染み「母は福岡出身で、半分博多の血が流れてる」から始まり「演目通り顔ば赤うして大汗かきながら4時間頑張りますけん応援ばよろしくお願いします〜」と、博多弁で。 染五郎さん、これ、どなたかに任せても良かったのでは? …ほら、あなた今から大忙しだからさ。

染五郎さん@仁木弾正/絹川与右衛門/赤松満祐/足利頼兼/土手の道哲/高尾太夫/腰元 累/乳人政岡/荒獅子男之助/細川勝元 うん、書き連ねると改めて凄いですね。 歌舞伎だと性別も行き来するから、体や声の使い方も違ってて、とにかく全力の全身運動でしょう! これを昼夜2回公演って超人的! 途中から『もう染ちゃん、飽きた…。 他の役者さんが観たい』って、ごめんなさい! ホントにそう思うくらい“どこを切っても染ちゃんな金太郎飴状態”なんだもの。 他にご出演のイイ役者さんがズラリなんだから、そちらに役を振っても…って、ごめんね、染ちゃん。
特筆すべきは、ご本人が一番演じたかったという乳母政岡。 vs右近さん@八汐ってビックリな配役に、いつも以上に息を詰めて見入りました。 政岡と八汐を演じるには若いなぁ…と思ったものの、政岡は千松のお母さん…と考えると、実年齢くらいなのかも? 王道に、基本に忠実に演じている印象。 右近さんの敵役ってイイ!  秀太郎さん@栄御前がしっかりと場を締めてくれます。 そして仁木弾正の宙乗り。 最近は派手なパフォーマンス宙乗りばかり目にしていたので、妖気をまとって静かに上がっていく様はとても綺麗でした。

4時間で10役。 演じるご本人はもちろん、裏方さんはそれこそF1レースのピットなみの慌ただしさなんでしょうね。 凄いチームワークだ! で、観劇後に強く思ったことは“猿翁さんの凄さ”!  染五郎さんは“頑張って演じてます”って感じが全面に押し出され熱として伝わってくるんだけど、猿翁さんはそんな素振りが全く感じられず、各々をサラサラと切り替えて、職人みたいにこなしていく感じ…って、言いたいこと伝わりますかね?
他にご出演の役者さんについても感想を…と思うのだけど、目が及ばずご容赦!