終始狭く薄暗いアパートの室内で内に閉じ籠り自分中心の考えで鬱々としている“陰”な岡田将生さん@トム、麻実れいさん@アマンダ、倉科カナさん@ローラの3人家族。 その閉じられた空間に“陽”の部外者として、ひと時の明かりを灯すトムの同僚・竪山隼太さん@ジムの登場。
舞台での岡田将生さんは初めて拝見したが、物語の語り手とトムという青年の切り替えが見事でセリフも聴き取り易く、様々なもどかしさを抱えながら打開策を探して苦悩する様を好演。
麻美れいさん@アマンダは“The舞台女優”のオーラを放ちながらも、面倒で厄介な…でもチャーミングな母親を膨大なセリフでグイグイと押してくる感じ。 ささやく声さえもクリアに耳に届いて驚く。
倉科カナさん@ローラは、登場人物の中で一番気持ちをどんよりとさせられるキャラクターだろうけど、倉科さんという役者さん自体の感想は残らなかった。
竪山隼太さん@ジムは、3人家族が全員が痩せているので、パン!!と張った体型からも明らかな対比が出ていて面白い。ジメジメイジイジした雰囲気の中で明朗快活な様がハキハキとした口跡や判り易い表情で、唯一の清涼剤といった感じで救われる〜。
この戯曲のどの部分が長年愛されている作品となっているのか? 年明けから「良作だろうけど、ちょっと重かったな…」と帰路に着いた観劇でした。
- キャスト
- トム:岡田将生/アマンダ:麻実れい/ローラ:倉科カナ/ジム:竪山隼
- 劇場
- 博多座
- 日時
- 2022.1.11(火曜日)/12:00〜