修羅天魔~髑髏城の七人 Season極【IHIステージアラウンド東京】

【髑髏城の七人】でありながら捨之介も蘭兵衛も出てこない完全新作『修羅天魔(シュラテンマ)』。 天海さん演じる織田信長に愛された雑賀衆のスナイパーで今は遊女の極楽太夫、古田さん演じる天魔王の二人の愛憎劇で、これまでの『髑髏城の七人』の中で最も“織田信長”像が引き立つ物語が描かれる…との事で“花”以来、一年振りに遠征観劇。 IHIステージアラウンド東京で上演する『髑髏城の七人』シリーズ最後の作品“Season極”!

天海祐希さん×古田新太さんの新感線での共演は【薔薇とサムライ】以来でしょうか?(7年振りくらい?そんなに経ってるの?!) 「古田センパイが出ていないとヤダ」と天海さんからラブコールを受けた古田新太さんが「愛している人の頼みは断れない」と共演となったそう。 “Season最後に天海×古田”で、期待が膨らみ過ぎたせいか?新作のキャラ設定を飲み込むのに時間がかかったせいか?今ひとつ『髑髏城全てを見届けた!』という爽快感に欠けるものが自分的にはあって…なんだか…う〜ん。 舞台美術や手法にしても改めて特筆すべき印象はないものの、花以外はLV参戦になっていたので『やっぱり舞台での観劇はいイイ!』と痛感。

キャストの感想を。
毎度、舞台に立つ天海祐希さん@極楽太夫を観て思うのは“舞台のセンターに立つ人べき人”だなぁ…と。 今回も少しの経過も感じることなく圧倒的なオーラと、ほぼかぶり付きというラッキーな席で観劇しても美しいヴィジュアルに感嘆! 思いの外、立ち廻りがモッサリしていた事と、太夫で綺麗なんだけど、艶っぽい色気は全く感じられなかった事は内緒。
古田新太さん@天魔王は…シーズン全てを通してみても、ビックリな事に一番印象が薄い天魔王だった。
対して、シリーズ通して一番印象的な兵庫だったのは福士誠治さん@兵庫。 一番、男気溢れるカッコイイ兵庫で、新感線は初参加との事ですが、今後の客演も期待してしまうほどの好演! 福士さん、ワンピース歌舞伎もだけど、舞台への客演増えてる印象♪
そして新キャラ、竜星涼さん@夢三郎。 男だけど太夫と呼ばれる役で、たおやかさと力強い立ち廻りの緩急は惹きつけられた。 表情での感情表現が豊かだったので、映像作品でも注目したい役者さん発見!という感じ(キュリュウジャー出身の方なんですね)
三宅弘城さん@カンテツは贋鉄斎の弟子というキャラ設定だそうで、師匠よりはもう少しとっつきやすい?感じ。 50才を過ぎてもなお、身体能力の高さを見せつける立ち廻りに拍手!

さて【メタルマクベス】、どうなりますか♪
disc1は濱田めぐみさん×橋下さとしさん、と私的には最高に嬉しい共演なのに遠征出来ないので、LV参戦待機です!

キャスト
極楽太夫:天海祐希/天魔王:古田新太/夢三郎:竜星涼/沙霧:清水くるみ/兵庫:福士誠治/カンテツ:三宅弘城/狸穴二郎衛門:山本亨/ぜん蔵:梶原善
劇場
IHIステージアラウンド東京
日時
2017.4.12(水曜日)/18:30〜

ブロードウェイと銃弾【博多座】

福田雄一監督が演出で浦井健治さん×城田優さんのW主演…すっごく楽しみに2回拝見。 アカデミー賞7部門にノミネートされたウディ・アレンの同名映画が原作だそうですが、映画は観たことがなく、今舞台で初めて今作品に触れました。

宝塚でいうところの“銀鏡”が、宝塚公演以外で博多座にかかるのは珍しいかと。 3階席からだと、かなり隠れてしまって、ちと厳しかった! BWで、いわゆるショービジネスが舞台…とくれば、ある程度予想はしていたものの、幕が開いた途端『あ!クレイジー・フォー・ユーだ!(以後CFY)』。 演出も所々にCFYを彷彿とさせる部分を感じたので、何かなぞっている部分もあったのかな?(パンフレットを購入していないので謎) タイトルからして“銃弾”と物騒なだけに、闇な部分やセクシーな表現もあるので、家族で観れて“誰もがハッピーエンド”な訳ではなく、大部分がコメディ要素なだけに、観劇後の爽快感が半減するのがちと残念(あくまでも自分比)。 そして、正直に一番感じたのは『CFY観たいっ!』だった…(曲も圧倒的に馴染みがあるし)。

浦井健治さん@デビットは、夜神月やメンフィスなど“俺様キャラ”で拝見するのが続いていたので、新鮮☆だし、こっちの方がシックリくる感じ。 他のキャラクターが強烈すぎるので、振り回される“普通の人”は難しいだろうなぁ…と。
城田優さん@チーチ(「43回菊田一夫演劇賞」演劇賞)は、改めて、歌ウマー〜と聴き入りました。 そして観劇前から散々耳にしていた“すごく大変なタップダンス”は、手に汗握って観劇〜拍手☆ オリーブの物真似をしながらキレる様に爆笑。 マフィアの迫力を出すためか?低く発する声で、ちょっとセリフが聞き取り辛い箇所あり。 またすぐにでも他のミュージカル作品を観てみたい!
平野綾さん@オリーブは、彼女がミュージカル界に来てなかったら、他に誰がこの役を演じていたんだろう?と思える適役。 ワゴンに乗って、チーチの周りをくるくる周りながら劇中のセリフを言うシーンは爆笑! “アニメ声”って表現は…どうなんだろう? ちょっとひっかかるんだけど、気にし過ぎ?
一番印象に残ったのは前田美波里さん@ヘレンもうホントに素敵! “ザ・舞台女優”って感じ。 ここまで“女”をグイグイと出した弾けたお役で拝見したのは初めてで、と〜っても若々しくてスタイル抜群で艶めいていてビックリ。 浦井健治さん@デビッドがあの迫力ある魅力にグイグイ押される気持ちも解る! 観劇しながら「いや〜、美波里さんステキ」と何度つぶやいた事か!(心の中で) 何をとってもパッと目を引く華やかさがあるんですよね〜♪
対して、博多座初お目見えで凄く期待していた保坂知寿さん@イーデンは役所のせいか?かなり消化不良。 唯一のソロナンバーは、前からちょっと苦手に感じていた演歌調な歌い方が復活していて残念。 鈴木壮麻さん@ワーナーは印象に残る歌がなく…せっかく劇団四季の看板俳優だったお二人が出ているのにもったいない!と思った次第。 愛加あゆさん@エレンは『綺麗な愛加さん、観れて良かったな』(←黒焦げミタムン王女が強烈すぎて〜)

今後も博多座で、このくらいの作品がこのくらいの日程で上演されるとイイなぁ。

キャスト
デビット:浦井健治/チーチ:城田優/オリーブ:平野綾/イーデン:保坂知寿/エレン:愛加あゆ/ニック:ブラザートム/ワーナー:鈴木壮麻/ヘレン:前田美波里
劇場
博多座
日時
2018.3.28(水曜日)/12:00〜
2018.4.1(日曜日)/12:00〜(千穐楽)

ポーの一族【ライブビューイング】

特にヅカファンでもなく、萩尾望都さんの原作さえ読んだ事がナイのに、ポスターの明日海りおさん@エドガーのあまりにも非人間的な美しさと、小池修一郎さんの脚本・演出と聞いて猛烈に観劇欲を掻き立てられLV参戦。 小池さんにとって、今作の舞台化は30年越しの夢の実現だそうですね。

“ミュージカル・ゴシック”という冠が付くのは…どういう意味? ここ数年、ヅカ公演から遠ざかっていたので、ご出演のジェンヌさんを全く知らないのですが、私がわりと観ていた数年前と比べて、皆さん全員が素晴らしく歌が上手くてビックリ! あら〜、な人が一人もいない!! 特に主演の明日海さんは、歌詞もクリアでセリフとして聴き取りやすい。 ヅカ知識が浅いながらも“花組=ダンス”というイメージだったので、とにかく歌の上手さと丁寧な芝居にいたく感動。 そしてちょっと前に【はいからさんが通る】の公演ポスターを目にしていて『これぞリアル少尉の決定版じゃん!』と、麗しいヴィジュアルに感嘆していたその人が今作ご出演の花組二番手男役・柚香光さんであった事を知った次第(ヅカファンの皆さん、この程度の知識ですみませんね…)

まず、この【ポーの一族】という作品が名作といわれ、長い間愛されている作品な訳が今更ながらよく解り、鑑賞後「これは原作を追わなければ!」と思わされるほど、作品の世界観に引き込まれる! 小池さんが宝塚での舞台化を熱望するのが納得の作品だな、と。 “お耽美”な感じがヅカにピッタリ☆

明日海りおさん@エドガー・ポーツネルは少年の姿のまま永遠の時を生きる運命を背負わされた吸血鬼エドガーの苦悩が色濃く漂い、その悩みや悲しみがエドガーの表情に素晴らしく出ていて、これはLVならより細かな表情が楽しめる部分だったかと! また柚香光さん@アラン・トワイライト危うさ(バンパネラに迎えられてしまう)、儚さは「エドガーに近寄っちゃイケない!」「彼から逃げて!逃げて!」と思いながら息を詰めて見守り、結果エドガーに惹きつけられてしまう様に「うん…そうなっちゃうよね…」と納得のアラン。 とにかく『2次元か?!』と思うほどの本当に美しい2人に眼福☆(舞台上でカラコンって目が痛そう〜)
仙名彩世さん@シーラ・ポーツネル男爵夫人は、愛する人と添うためにバンパネラとして生きる事になんの迷いもなく、その言動も盲目的でちょっと怖い感じがよく表現されて、特に賛美歌のように美しい歌声は『夫(=バンパネラの信者)』的な感じで、耳に心地良いんだけど、心は冷えるような…。 とにかく主演お三方は本当に歌が上手くて、今作にググッと入り込んで楽しめた大きな要因でした!

舞台美術や演出的なものは、ストーリーを追うのに精一杯で、感想を述べるに至らず!
今作、今後宝塚の看板演目として何度も繰り返し上演される人気作となるのでは?と思えた観劇でした。

キャスト
エドガー・ポーツネル:明日海りお/アラン・トワイライト:柚香光/シーラ・ポーツネル男爵夫人:仙名彩世/メリーベル:華優希
劇場
TOHOシネマズ天神・ソラリア館(東京宝塚劇場のLV)
日時
2018.3.25(月曜日)/15:30~