ポーの一族【ライブビューイング】

特にヅカファンでもなく、萩尾望都さんの原作さえ読んだ事がナイのに、ポスターの明日海りおさん@エドガーのあまりにも非人間的な美しさと、小池修一郎さんの脚本・演出と聞いて猛烈に観劇欲を掻き立てられLV参戦。 小池さんにとって、今作の舞台化は30年越しの夢の実現だそうですね。

“ミュージカル・ゴシック”という冠が付くのは…どういう意味? ここ数年、ヅカ公演から遠ざかっていたので、ご出演のジェンヌさんを全く知らないのですが、私がわりと観ていた数年前と比べて、皆さん全員が素晴らしく歌が上手くてビックリ! あら〜、な人が一人もいない!! 特に主演の明日海さんは、歌詞もクリアでセリフとして聴き取りやすい。 ヅカ知識が浅いながらも“花組=ダンス”というイメージだったので、とにかく歌の上手さと丁寧な芝居にいたく感動。 そしてちょっと前に【はいからさんが通る】の公演ポスターを目にしていて『これぞリアル少尉の決定版じゃん!』と、麗しいヴィジュアルに感嘆していたその人が今作ご出演の花組二番手男役・柚香光さんであった事を知った次第(ヅカファンの皆さん、この程度の知識ですみませんね…)

まず、この【ポーの一族】という作品が名作といわれ、長い間愛されている作品な訳が今更ながらよく解り、鑑賞後「これは原作を追わなければ!」と思わされるほど、作品の世界観に引き込まれる! 小池さんが宝塚での舞台化を熱望するのが納得の作品だな、と。 “お耽美”な感じがヅカにピッタリ☆

明日海りおさん@エドガー・ポーツネルは少年の姿のまま永遠の時を生きる運命を背負わされた吸血鬼エドガーの苦悩が色濃く漂い、その悩みや悲しみがエドガーの表情に素晴らしく出ていて、これはLVならより細かな表情が楽しめる部分だったかと! また柚香光さん@アラン・トワイライト危うさ(バンパネラに迎えられてしまう)、儚さは「エドガーに近寄っちゃイケない!」「彼から逃げて!逃げて!」と思いながら息を詰めて見守り、結果エドガーに惹きつけられてしまう様に「うん…そうなっちゃうよね…」と納得のアラン。 とにかく『2次元か?!』と思うほどの本当に美しい2人に眼福☆(舞台上でカラコンって目が痛そう〜)
仙名彩世さん@シーラ・ポーツネル男爵夫人は、愛する人と添うためにバンパネラとして生きる事になんの迷いもなく、その言動も盲目的でちょっと怖い感じがよく表現されて、特に賛美歌のように美しい歌声は『夫(=バンパネラの信者)』的な感じで、耳に心地良いんだけど、心は冷えるような…。 とにかく主演お三方は本当に歌が上手くて、今作にググッと入り込んで楽しめた大きな要因でした!

舞台美術や演出的なものは、ストーリーを追うのに精一杯で、感想を述べるに至らず!
今作、今後宝塚の看板演目として何度も繰り返し上演される人気作となるのでは?と思えた観劇でした。

キャスト
エドガー・ポーツネル:明日海りお/アラン・トワイライト:柚香光/シーラ・ポーツネル男爵夫人:仙名彩世/メリーベル:華優希
劇場
TOHOシネマズ天神・ソラリア館(東京宝塚劇場のLV)
日時
2018.3.25(月曜日)/15:30~

宝塚歌劇月組公演【博多座】

久々の宝塚公演を観劇。 だって轟悠さんがご出演だもの! 私に長い間遠ざけていた宝塚を、毎年の博多座公演にしばらく観に行くキッカケをくれたのが轟悠さんがトップだった時の公演に感動した故(2001年8月の宝塚歌劇雪組公演:凱旋門/パッサージュ)。

長崎しぐれ坂

長崎…と思ったら、冒頭は神田明神での舞踏で「待ってました!」と大向うをかけたくなるほどの歌舞伎舞踊【お祭り】ぶり。所作が皆さんとても綺麗☆ 芸者衆は皆さん可憐♪ だっていつもは女形で観てるからネ!
江戸末期の異国情緒あふれる長崎を舞台に、幼馴染三人の男女が再会する事から物語が展開。 唐人屋敷内では治外法権的な感じで、閉塞感が強く、中で暮らす人は外の世界に出たくて、もがいている閉塞感が苦しい。中国女性のキャラクターが何故かしら皆イライラさせられた。精霊流しの舞踏は素敵だった(ちょっと熊本の山鹿灯篭みたい)
…と、お芝居よりは二つの舞踏が印象に残った(私は!)舞台が長崎だから、博多座でかけたんだろうけど…博多座のヅカ公演は、他の公演とのバランスを考えても洋物がイイように思う

カルーセル輪舞曲

今まで観た宝塚のレヴューの中で一番面白かった! 一般の人がイメージする解りやすい“ザ・宝塚”がそこにはあった! しかも轟悠さん珠城りょうさん、Wでのデッカイ羽がバッサバッサと大迫力☆超豪華! 珠城りょうさんって、すごく上半身がガッシリと安定した男役トップさんですね。 胸板が厚くてカッコイイというか?安心して観れる抱擁力がある…というか〜♪

総括。 来年のヅカ公演からレビューショーだけ観に来ようかな…と。

会場
博多座
日時
2017.5.24(水曜日)/15:30〜

宝塚歌劇雪組公演・フットルース【博多座】

【フラッシュダンス】や【フットルース】等の青春グラフティ的なダンス映画の公開が相次いだ当時を懐かしんで、私、3年振りのヅカ観劇。
博多座開場当時は各組規則正しいローテーションでの公演でしたが、その後何故かしら上演する組が激しく偏り出して…雪組は気が付けば轟悠さんがトップ時から11年振りの博多座登板! 11年前の轟さん主演【凱旋門】を観て「ヅカ、面白いじゃん!」と食わず嫌いの自分を反省し、それからしばらく博多座公演は毎年観劇となったキッカケの組でしたので楽しみに観劇。
お話は…「ん?こんなストーリーだったっけ?!」と呆れるほど内容覚えてなかった自分に驚き!(主演がケヴィン・ベーコンである事とあの主題歌しか記憶がぁ~)  舞台美術ではすごくパースのついたロッカールームや高架下の列車が通る様子などの表現が面白かったです。 せっかくの生オケなのに、オケピは上手舞台袖にあって演奏者は全く見えませんでした~

常々思っていたのは、ストリート系やカジュアル系の衣装時の…ヅカメイクの激しい違和感。 せめて生徒だけでも“役に見合う(その年齢に見える)メイク”に出来ないものでしょうか? いくら向こうの高校生が大人っぽいから…と言っても、ヘン過ぎる~。 顔と制服が合ってナイので“大人が頑張って高校生演じてます”的な痛さが~。 芝居後にレビューショーもあるから、あの化粧なんでしょうか?(ってこの演目は関係ナイですよね) 娘役さんの“白粉+マゼンタ5%”くらいの薄ピンクな肌色今回もやたら怖い…。
音月桂さん@レン・マコーマックは一度観てみたかった主演男役さん。 数少ない私が観たヅカ舞台の…歴代の主演男役さんには感じた事のない、元気溌剌とした陽の部分が強いパッとした明るさを放つ印象を強く受けました(役による所も大きいとは思いますが) 健全な明るい男の子然としていてピッタリだったので、逆に大歴史ロマン系ではどんな感じなんだろう?と興味が沸きました。 退団後のご活躍が楽しみ♪ 未涼亜希さん@ショウ・ムーア牧師は正統派ヅカ男役って感じの印象で、所作が綺麗。 ただ…このお二人と牧師夫人以外は歌うと歌詞が殆ど聴き取れない! 歌う本人達はノリノリなので余計にストレスが~。
今公演のフィナーレは、クールな【アイム・フリー】Ver.ホットな【ヒーロー】Ver.の2つを日替わりで、との事で私が観たソワレは前者。 大羽背負って階段から…というお約束の演出は残念ながらありませんでしたが(たまにしか観ない者にはやはりアレで『宝塚を観た』という気分になるので)、劇中練習した(といってもリピーターが多いらしくすでに振りはバッチリ☆)ペンライトを振って、1階客席は総立ちで盛り上がってました。
…でしたが~「やっぱ私はヅカに向いてナイわ」と再認識して帰途に就いた観劇となりました…

劇場 キャスト
レン・マコーマック:音月桂/アリエル・ムーア:舞羽美海/ショウ・ムーア牧師:未涼亜希/ウィラード・ヒューイット:沙央くらま/チャック・クランストン:蓮城まこと

宝塚歌劇宙組公演【博多座】

博多座公演って…“トップお披露目公演”って事、多くないですか? 私が観ただけでも、春野寿美礼さん、貴城けいさん、そしてこの度の大空祐飛さん(+娘役トップの野々すみ花さん
2006年の貴城けいさん公演時に演目にすごくハマってリピーター化しちゃったので、貴城けいさんについてほんのちょっと詳しくなりました。 …な、もんで大空祐飛さんが貴城さんの同期という事での存在は知っていたので、この度宙組トップになって博多座にご出演!と聞いて楽しみに観劇へ…。
博多座周辺からして“宝塚公演独特な雰囲気”が早くも漂いテンション↑。 やはりず~っと応援してきたジェンヌさんがトップになったお披露目って、ファンの方は特別感慨深いものがあるんでしょうね。 お披露目トップのファンクラブ(って言うのかな?)は博多座ロビー内からズラリと気迫が感じられました~。 博多座内も“乙女モード”な感じで、スウィーツ系はいつもより充実。 ご婦人方に大人気なレイメイも大繁盛!に見受けられました~。 博多座って公演ごとにガラッと客層とその雰囲気が変わるのが面白いですよね、改めて☆

王朝千一夜【大江山花伝】-燃えつきてこそ-

なんでも24年ぶりに再演の名作!との事。 鬼伝説で有名な大江山の茨木童子の説話をもとにした木原敏江さん原作のマンガの舞台化で、茨木と幼なじみの恋人・藤子の恋、渡辺綱との友情の物語。 “酒呑童子”といえば、歌舞伎でもお馴染みの演目ですので「ヅカ風味になるとソレが一体どうなるのか?!」というのは興味津々♪
大空祐飛さん@茨木童子は人間と鬼のハーフという事で、妖艶な雰囲気をたたえたクールな美青年。 影がある怪し気な魔性漂う感じは大空さんに合っていて、クールながらも内に秘めた怒りのような、フツフツとたぎる熱い想いと失望感が交錯する様が感じられ好演。 このお役はとても合っていた印象でしたが、いかんせん前回私が茨木童子を観たのは玉三郎さんの【茨木】。 歌舞伎的な要素が衣装も含め多分に取り入れられていた為、どうしても比較してしまいまして…時々ため息が~汗
花影アリスさん@胡蝶もそうですが二人とも何故にそんな大衆演劇のようなメッシュ鬘なんだよ怒り ちょ~っと安っぽい感じが残念無念(胡蝶は好演だっただけに下品な拵えが残念すぎ)
野々すみ花さん@藤子は凛とした意思の強さと熱い想いに一途なヒロインを好演。 幼少の頃、茨木とお互いの心の近いとして焼き印を押し合う…だなんて、どんだけ根性の座ったお子様なんだよっ汗汗汗…と、苦笑。 ラストの「人間の心の中にも鬼が住んでいる」という趣旨の絶叫は上手いなぁ~と感動。
今公演は蘭寿とむさんのご出演がなく残念に思っていましたが、北翔海莉さん@渡辺綱が奮闘。 歌の上手さは言わずもがな、芝居も安定していますね。 正義感溢れる四天王を確かな存在感で爽やかに演じていらっしゃいました

Apasionado!!II

ラテンを中心にしたスペイン風の情熱的でゴージャスなショー。 スパニッシュな感じは大好きですし、お芝居が“青い静”って感じだったので、“赤い動”のショーの対比はガラッと雰囲気が替わって面白い! 
大空さん、歌がちょっと…汗 クールな感じに徹しているのでしょうが、もうすこし曲ごとにいろんな表情が観れた方が楽しかったかな。 野々さんが意外と肉感的な色気が漂っていたのが印象的。 北翔さんの歌は「やっぱ上手いなぁ~」と堪能☆
♪ア~ パッショ ナァ~ドォ~♪というフレーズが観劇後もグルグル頭の中をリフレイン。 階段を下りる足取りも軽やか。 私、どうやらこの曲気に入ったようです。

愛と青春の宝塚【福岡サンパレス】

2002年にフジテレビ系列にて2夜連続放映され、好評だったドラマの完全舞台化(私は末見)。 それをかつてホンモノのヅカトップだった方々がWキャストで演じる…という豪華なキャスティングの公演。
リュウタンさん
52年の歴史に幕を下ろした新宿コマ劇場で上演された最後の1ヶ月公演作品となった東京公演を終えた後、全国ツアーへ…というその福岡公演。 3公演あったのですが、私は博多座でトップお披露目をしたかと思えばアッ!という間に二人して退団してしまった“貴城けい×紫城るい”、この元宙組コンビが観たかったので(博多座【コパカバーナ】→東京宝塚劇場【維新回天・竜馬伝!】を観た)1日目の夜の部へ。
気が付けば私、紫吹淳さんは【ドラキュラ伝説】で、大鳥れいさんに至っては【松平健特別公演】【劇団四季への客演】等で数回…って事で、主演4人はすでに拝見した事がある方ばかりでした。 まるで私、めちゃめちゃヅカ好きな人みたいやないか~い汗
宝塚歌劇団に全く興味がナイので、一般常識的な知識しか持ち合わせていなかったのですが、戦時中は満州などへの慰問活動をしていた…等の、劇団の歴史はもちろん、当時の世相~人間関係~恋愛~夢など垣間みれた作品でした。

清く、正しく、美しく!…傷付き悩みながら、でも夢に向かって強く前進していくジェンヌ達の傍観者的(ストーリーテラー的)な人物として佐藤アツヒロさん@オサムというキャラクターの存在が面白い。 これって手塚治虫さんがモデルですよね? カテコまで元・光GENJIの佐藤さんとは全く気が付いてなかった私汗 とにかく、ジェンヌさんしか気に留めてなかったものだから、石井一孝さん@影山航の登場に「あら?カズさん…?」 元・劇団四季の小林アトムさん谷本充弘さんを発見して「おっ、こんな所で♪」という…男性キャストに対して、非常に失礼な観劇態度で臨んでいた私汗
お話の舞台が戦争前~戦時中~戦後…なので仕方がナイのですが、きらびやかなスターさん達勢揃い☆なのに衣装の大半がモンペ。 せっかくの美人さん顔にも煤メイクで汚しているので、ヴィジュアル的には非常に残念~、ってストーリー的には何も間違ってナイんですけど、ね汗 でも『元トップ大集合!』なんで、キラキラした艶やかさを期待しちゃうじゃナイですかっ!
紫吹淳さん@嶺野白雪(リュータン)は…私、観劇中ず~っと“牛タン”かと思ってました。 「ジェンヌなのになんて夢のないニックネームなんだ?!」→「でも“すき焼き”好きだからかぁ」と冷や汗 歌はやっぱり不安定なものの、苺を持って登場した高飛車ゴージャス女っぷりはすっごく華があって紫吹さんにピッタリだな、と。 こ~ゆ~、ちょっと気が強い…けど可愛い女性ってハマりますね。 欲を言えば、あの生身の人間離れした抜群のスタイルを堪能出来るお衣装で拝みたかったです…。
貴城けいさん@橘伊吹(タッチー)は、耳障りなほどだった強烈ビブラートが緩和されていて「あ、やっぱり歌うまい」と再認識。 芝居は…ん~、可もなく不可もなく。 けど、紫城るいさん@紅花ほのか(ベニ)との並びには、なんだかジ~ンと感慨深いものが、にわかファンながらもありました。 で、その紫城さんは、一歩間違えばかなりうっとおしい難しいお役かと思うのですが、ぎりぎりキュート、で収まっていたかと
大鳥れいさん@星風鈴子(トモ)は、4人の並びでは何故だか凄~くお姉さんに見えた違和感を覚えたのですが、しかしトモの芝居はとっても良かったです。 改めて歌も芝居もお上手な上「美人さんやなぁ~」と見とれてしまいました。 大鳥さん、映像の方のお仕事はされないのでしょうか?
ラストはカーテンコールを兼ねた10分程度のダンスレビューショーのおまけつき♪
ガシガシと華やかに踊る4トップに満足、満足☆

劇場 キャスト
嶺野白雪(リュータン):紫吹淳/橘伊吹(タッチー):貴城けい/星風鈴子(トモ):大鳥れい/紅花ほのか(ベニ):紫城るい