博多座【2000年公演】観劇記録

博多座での歌舞伎公演に関しては開場当初から、観劇記録を自分のサーバ内に残していたものの、その他の公演記録は、外部の無料WEB日記帳にUPしていたものだから…ある日突然予告も無しにドロン! 突然サービスが利用不可となり、データを救済する手立てもなく消えてしまい呆然自失!(ここでバックアッブの重要性を学ぶ。 分かっちゃいたけどさぁ…)
…という事で、記憶を辿った【博多座2000年公演】観劇記録。
2、6月の歌舞伎と11月【新・三国志】は観劇レポート個別記事にUP済み。

1月・王様と私

映画を観たことがなく、曲も「映画【Shall we ダンス?】のあの曲ね?」程度の知識で観劇。 
また、私にとって本田美奈子さんは【1986年のマリリン】であり【Oneway Generation】であったので“ミュージカル女優・本田美奈子”を観たのは、この時が最初で最後になってしまいました…。

4月・唐人お吉

タイトルは、なんとなく耳にしたことがあったんですが、全く内容を知らずに『佐久間良子さんの舞台を観てみたい』という動機で観劇。 結果「こんなに号泣した舞台は初めて!」というくらい泣いてしまい、泣きすぎて一幕目でコンタクトレンズを涙で流してしまい片方消失。 二幕目は半分ぼやけた視界で観劇。 石井ふく子演出。

7月・出雲の阿国

『歌舞伎の祖である阿国はどんな女性だったんだろう?』という興味と、福岡ご出身の米倉斉加年さんがご出演なので、なんとなく同郷を応援する気持ちで…。 そして私にとっては【レッツゴー・ヤング】の“サンデーズ”メンバーで【暗くなるまで待って】を歌ってた人である川崎麻世! 「麻世だ!麻世!」という感じでで観劇。 杜けあきさん、綺麗だったな♪

新・三国志【博多座】

永い間、お待ちしていました…。 博多座が出来て嬉しい!ってのは何故って? そりゃもう絶対【スーパー歌舞伎】が上演される事を確信していたからであります! 平成12年の演目予定表を手にした瞬間、小躍りした事は言う間でもありません。 博多で観れる日を迎えるなんて…幸せ♪
8月にはひと足早く猿之助さんがPRの為来福され、「スーパー歌舞伎を熱く語るトーク・ショー」開催。 もちろん行きました♪
当然のごとく、チケットは入手困難で、“立見席”の争奪戦は熾烈を極め、博多座としは初の補助席まで出して対応していたようです。

一幕

感動の再会~♪ かぶりつきのお席だったので…そりゃもうスゴイ迫力でした~! 休むことなく回転する雑疑団の技に「こっちに落っこちて来るんじゃなかろうか…」と不安になってしまいました。 ん~、スゴイ…。 いゃ~、久し振りに観る笑也さんは“綺麗+りりしい”お姿で、舞台にスックと立った姿には圧倒的な存在感があって感動しました。 噂の“劉備が脱ぐシーン(違う!)”は「ほぉ~、色っぽーい♪」とクラッときちゃいました。 有名な【桃園の誓い】のシーンは期待通りの演出で大感激! 【八犬伝】で好きになった春猿さんも一幕から嬉しい登場♪ 相変わらずはかなげで、可憐でステキ!

二幕

ダンジロさん登場! その昔、NHKの人形劇【三国志】にハマって観ていた私には、諸葛孔明と言えば“細面 のシャープな顔”“声=森本レオ”なんです。 だから、どうしても右近さんが気になって、気になって…。 でも、それを上回る気になる事が! 「あの曹操軍の軍師役の人は誰?!」 ハイ、それが段治郎さんだったんですね♪ 劉備の婚礼のシーンでは、猿弥さんのアメリカンなオーバーアクションで笑わせてもらいました。 笑三郎さん、あのツンとした気位 い高そうなお姫さまがとってもお似合い! 【紅】という色が本当に綺麗な場面 でした。 私はコレで! 段治郎さんご贔屓になりました

三幕

“スーパー歌舞伎”の魅力再認識! 昨年末の舞台録画放映で一度はテレビで観ていたから、この第三幕の見せ場は、もう心臓バクバクで構えていました。 う~ん、やはり生で観ないことには語れませんね! 笑也さんの「出陣じゃ~!」では、行く手を示す指がもう私の目の前! ヅカタップもゾクゾクしちゃいました。 亀治郎さんの見せ場では…水かけてもらいました☆ 猿之助さんが「博多座での宙吊りは飛距離&高さとも日本一なんですよ!」とおっしゃっていました! …じっくり天に登る二人のお姿がゆっくりと拝めました♪ もちろん純粋に演目を楽しんだんだけど、かなりミーハー的な観劇をしていたのも確かでした♪

猿之助(関羽)/歌六(孫権) / 右近(孔明) /笑也(劉備=玉 蘭)/ 猿弥(張飛)/笑三郎(香渓) /春猿(彩霞)/ 段治郎(程イク)/亀治郎(関平) / 門之助(陸遜) /段四郎(曹操)

六月大歌舞伎・夜の部【博多座】

博多座開業一周年! 関係者でもナイのになんだか感慨深いものがありました! 去年同様、初日前の“船乗り込み”は大盛況でした♪
今回は【昼の部】しか観劇を考えてなかったんだけど、 友達に【魚屋宗五郎】を薦められて、一幕見券に初挑戦! 行って良かった~♪(夜の部一【俊寛】/二【二人椀久】/三【魚屋宗五郎】) 古典歌舞伎にますますハマる博多座2年生の私でした。

鳥辺山心中

ん~、またしても有名な心中もの。 博多座の意向?松竹の意向? 歌舞伎の演目ってどうやって決めてるんでしょうか? ちょっとしたアクシデントで同僚の弟を切ってしまい、自責の念にかられて自殺を決意した半九郎さん。 それに恋仲の遊女が「私も一緒に連れてって」となってゆく…。 なんでそんな事で人を切るのかなぁ? 何も心中しなくてもねぇ…と、思いながらも、月夜に心中の為にさまよう二人のシーンに見とれちゃいました♪
梅玉 (菊池半九郎)/時蔵(お染)/歌昇(坂田源三郎/芦燕(父・与兵衛)/東蔵(お花)/左團次(坂田市之助)

藤娘

雀右衛門さん@藤の精! よく日本人形などで見かけますよね♪ 娘の姿をした“藤の妖精”が舞い踊る様はホントのにお人形のよう…。 とにかく、藤のデザインが細部にまで施してある着物が素敵! 刺繍とかスゴイ! オペラグラス越しに凝視していたら…熱で曇って大変でした。

うかれ坊主

富十郎さん@坊主 「ん~、あの小太り体型がキャラとマッチしていてナ~イス!」だなんて人間国宝に向かって失礼な私! 舞踊であんなに笑ったのは初めて!
うすい着物一枚だけの衣装で、様々な表現をするって難しいんだろうなぁ…と素人ながらに思いました。 なんかごまかしが効かないというか…。 トボケた表情と飄々とした動きで笑えました。

河内山

お坊さんでも悪事を働く人って…いるんですね(^_^;) 宗俊の頬にあるホクロがなんとも胡散臭い雰囲気をかもし出してナイスでした! 悪事がバレそうになっても、居直って堂々とし凄んだ挙げ句に「馬鹿め~!」とひと言。
お大名に向って、ひょうひょうと悪事を働く様は…痛快?なのかなぁ? いや~、とにかく吉右衛門さんのホクロのインパクトが強すぎて、今イチ感想が~(^_^;)
吉右衛門(河内山宗俊)/左團次(高木小左衛門)/信二郎(宮崎数馬)/玉太郎(腰元浪路)/吉之丞(後家おまき)/芦燕(北村大膳)/東蔵(和泉屋清兵衛)/富十郎(松江出雲守)

魚屋宗五郎

博多座で初めて夜の部【幕見】をしました! 宗五郎さんの妹は奉公先でお手討ちにあってしまいます。 しかし、それは裏があると知った宗五郎さんは、 禁酒の誓いも忘れ大酒をあおり、奉公先にどなり込んでいきます。 大人しい宗五郎さんがお酒を飲んだとたん、豹変する様がとにかくオモシロイ! 酒乱気味の勢いでおエラ方に楯突く様子を必死でいさめる女房おはまは…素晴らしい! よく出来た女房だなぁ…と感心してしまいました(^_^;) どの演目でも“酩酊の様子”は単純に笑えて楽しいですね♪
富十郎(魚屋宗五郎)/時蔵(女房おはま)/信二郎(小奴三吉)/玉太郎(茶屋娘おしげ)/歌江(菊茶屋女房)/東蔵(浦戸十左衛門)/松江(召使おなぎ)/左團次(父太兵衛)/吉右衛門(磯辺主計之助)

二月博多座大歌舞伎・夜の部【博多座】

十五代目片岡仁左衛門襲名披露! 初日を迎える前の1/30に、仁左衛門丈ご一行様が博多座の すぐ目の前にある 博多川端商店街を“お練り”。 その後、博多っ子の総鎮守“櫛田神社”にて「公演成功祈願」の為、 参拝されました♪  残念ながら私は行けませんでしたが、 そりゃもうスゴイ人・人・人だったそうです。 人力車に乗った仁左衛門丈が商店街を駆け抜けると…おばさま方の 「キャ~ッ」という黄色い歓声が! ウチの母親もそのひとり。 しっかり手ぬ ぐいをGETしてました…。

彦山権現誓助劒 毛谷村

おぉ“彦山”だ! またまた九州が舞台の演目だ♪
女ながらに武道の達人、お園さん。 敵だと思って切り掛かった相手は…なんと許嫁の六助さんだった~、というお話。
とにかく六助さんが許嫁と分かってからのお園さんの豹変振りが笑えます。 臼なんて片手でヒョイヒョイと動かせちゃう怪力のお園さんのいじらしい乙女心と行動が爆笑です。
芝翫さんのコミカルな演技って初めて観たので感動しました!
富十郎(毛谷村六助)/橋之助 (微塵弾正実は京極内匠)/ 芝翫(お園)

十五代目片岡仁左衛門襲名披露 口上

ずら~りと一列に並んでの姿は圧巻! 硬い挨拶が続くのかと思いきや「お兄さんからは酒で随分鍛えていただきまして…」と仁左衛門さんが苦笑いする口上も続出。 あれ…頭巾を被るのは…女形の方って事ですか? ちょっと疑問。
片岡孝夫改め片岡仁左衛門/幹部出演

封印切

恋仲の遊女の身請けの為と恋敵に対する見栄の為に預かっていたお金に手を付けてしまい、心中の道を選んでしまう…という、あれよあれよと不幸な方に転がってゆくお話。
忠兵衛さんの気の弱そうなヤサ男ぶりがハラリと落ちた前髪に現れてナイスです! 仁左衛門さんの舞台を観るのは初めてだったんだけど、あーゆー線の細いヤサ男を演じたら天下一ではないでしょうか?! 場の勢いから思わず小判の封印を切ってしまって、小判をハラハラと落とす名場面 では拍手喝采でした♪ そんなに意地を張らなくてもねぇ…。
仁左衛門(亀屋忠兵衛)/秀太郎(傾城梅川) /我當(丹波屋八右衛門)/宗十郎(井筒屋おえん) /富十郎(槌屋治右衛門)

三人形

「浅葱の幕が切って落とされる」という手法を初めて観ました! 一瞬にして美しい絵巻模様のような舞台に引込まれてしまいます♪ 奴ってもっと体格のごっつい人がするイメージがあったので、八十助(当時)さんがされるとは意外でした。 でも、まるでフラメンコか?!と思わせる軽快なステップを踏むには、重量 がある人だと辛いのかも…ですね。
演題通り、三人は“人形”のように綺麗で、特に孝太郎さんの傾城は、まばゆいほどでした♪
八十助(奴)/孝太郎(傾城)/橋之助(若衆)

そして…残念ながら【昼の部】は観劇叶わず。 演目は一【宮島のだんまり】/二【馬盗人】/三【寺小屋】/四【桜門五三桐】。 後に馬盗人のキュートな翫雀さんを見逃したと知り、大いに地団駄踏んだのでした!