おしまイムズ、吹き抜けよ永遠に!【IMSホール】

イムズの開館は1989年。 オープン当日は大学から帰路の寄り道でIMSに足を踏み入れた日は鮮明に覚えており、あの日から32年も経っていたのかと驚く。
金ピカタイルの八角形の建物、大理石の入り口、地下2階には九州初で登場したスパイラルエスカレーター。その地下2階から8階までの約40メートルの吹き抜け。さらに12〜14階のレストランフロアも吹き抜けエスカレータや階段でぐるぐる登っていけるステップフロアの贅沢空間イムズ。 今みても斬新なデザインと常に新しいイベントを展開する様は老朽化という言葉のイメージにはほど遠く 「なんで閉店すると?!まだ十分キレイやん!!」と福岡県民なら誰もが驚いたであろう2019年1月9日に発表されたIMSの閉店の発表。 そして「手前の愛眼ビルはどうするとかいな?」というこれまた共通の疑問は持ち続け、その日は遠いようでアッという間にくるんだろうなぁ…と思っていたら、やっぱり!!

残念なことにコロナ渦にあって、名残を惜しんで見納めの為に足繁く通うことも出来なかったけど、今年に入ってよく通利用していたレストランにはお別れ飲食が出来、大学生時代バイトで入店していたイムズホールには今回のギンギラ公演で最後に足を踏み入れることが出来、私なりのお別れが出来ました。
22年度中に新しいビルの建設工事を開始。24年末までの完成予定とのことですが、これまたアッという間なんだろうなぁ。

「地元の人にしかわからない芝居」を公演するギンギラ太陽’sは、劇団主催者・大塚ムネト氏がIMSの許可なく勝手に制作して人気得た“IMSマン”から派生し代表作となった『流通戦争もの』。
正式名称=Inter Media Stationであることからこれまで存在しなかった“何か”を天神から発信する「情報発信基地」としての役割を担っていたこその懐の深さだったとのことで、IMSの許しがあったこそのギンギラ太陽’sの今がある!!と言っても過言ではないらしい。 
そんなIMSの誕生秘話から、それを取り巻いたかつての天神流通戦争、それに続いた博多駅周辺の変貌、そしてこの度、まさかのIMSまで巻き込まれた天神ビッグバン。 姿を消していった、あるは名前を変えた懐かしいビルの数々との再会に喜び、知らなかった歴史への気付きに驚く。 他の百貨店やファッションビルは誕生から現在に至るまで、当初のコンセプトから時代に合わせて生き残りをかけて柔軟に(不本意ながら?)対応し、変化しているけど、IMSは誕生時からそうとう尖っていた為か一貫してそのスタイルを貫き通した感がある事に、今回の芝居を観て気付かされた。

芝居の感想よりもIMSの思い出語りになってしまった観劇レポート。 何卒ご容赦!!

イムズは終わる。
イムズは続く。

キャスト
大塚ムネト・上田裕子・杉山英美・宗真紀子・福澤究・大城真知・松尾佳苗・関岡マーク
劇場
イムズホール
日時
2021.8.25(水曜日)/18:00~