レ・ミゼラブル(歌穂さん@エボニーヌ)【博多座】

まさか博多座でSPキャストが観れるとは思いませんでした。
本当に有り難う、博多座! しかし困ったぞ、博多座!
私は仕事と時間と懐のやり繰りが、とんでもなく大変な事になってしまったじゃナイのよぉ~冷や汗 …いや『地元の劇場で歌穂エポニーヌ×禅マリウスが観れる』だなんて、もうこんな機会は二度とナイだろうから「後悔せんごと、無理しても行っとけ!」と、自問自答の末、ご決断! 「この二人の5公演、全制覇するばい!」 反省は後から充分します、ハイ汗
私、SPキャストは2005年帝国劇場【2000回達成スペシャル公演】以来の再会でした。 各々書いていたら…恐ろしく長くなったので、まずは博多座初お目見え!の島田歌穂さんについて。
最初にお断りしておきますが、私、現役エポニーヌとマリウスについては、これほど各々に注視していないので「そんな事は現役もやってるよ!」という部分がありましたら…お許しを。
青りんご 島田歌穂さん@エポニーヌ
歌穂エポニーヌ総括として…前回拝見した時は『歌の上手さに聞き惚れる』という印象でしたが、今期は『演技の細やかさに驚嘆&感涙』のエポニーヌ!
労働者~見物人~失業者・労働者の歌穂さんチェックの余裕は全くありませんで…娼婦は結構威勢のイイ、サバサバした「ほらほら、ちょいと兄さん」って感じの女の子。 バナタボアが現れると、サッと仲間の娼婦を抱き寄せて隠してあげたりして…仲間内でも姉御格でしょうか?
そして…パリの登場時から以下エポニーヌ。
「うわぁ、華奢!小柄!…少女だぁ~♪」と、そのヴィジュアルは何の違和感もなく、若さに、少女っぷりに改めて驚嘆。 絶対、確実に、前回のSP公演時よりも更に若返ってますよね?!
はすっぱな、やさくれ度も程よくありながら、マリウスとのやり取りでは腕を引っ張ったりする様はすがるような、胸を押し返したりする様はそっと大切な物を押し戻すように触れるような感じで…健気さ二倍増! 思わずマリウスが抱きしめられた時や手が触れた時に、離れ難そうに手をそのまま差し伸べたり、触れた感触を味わうように手を置いてみたり…本当にマリウスの事が好きなんですね。
♪惨めな今の私を見て~♪ではバリケードの隅に小さく体を寄せて座り込み、スカートをギュッと両手で握る様に、悲哀と羞恥心が滲み出てて思いっきりエボニーヌに気持ちを持って行かれました。 …なので、これ以降のマリウスの言動に対するエポニーヌの…見かけとは違い純粋な乙女心を持つ片思いのせつなさが痛いほど解り、泣ける、泣ける…。
自分が案内したとは言え、マリウスとコゼットの互いに想い合う様を目の当たりにし、切なさと哀しみに押しつぶされてながら佇む姿の、その周りに醸し出す空気感が見事。 見つめ合いラブラブに語り合っている二人の有頂天ぶりが本気で憎らしく思えたもの!
One Day More】、仲間とコゼットの間で気持ちが揺れ動くマリウスにそっと寄り添って、せつなく見つめる様は絶品! 肩に触れて、慰め励ましたい…けど…。 何も言わなくてもエポニーヌの声が聞こえてくる感じで、劇中唯一力強くマリウスを引っ張って学生達の行進に加わった時の、強い眼差しが印象的
マリウスの手紙をバルジャンに渡す時は、大好きな人から初めて頼まれた事を懸命に遂行しようとする様、恋敵への手紙をだというのに彼から預かったモノとして大切に大切に持ってきた様が伺え、涙。
On My Own】は、“あの人”をただひたすらに想いながら、でもその想いが決して報われない事を知っている孤独感と絶望の様が胸に痛く響いてくる。 “人から必要とされない自分”という…人間としての存在価値(意味)までも失ってしまったような喪失感を自覚したようでもあり。
マリウスという存在は、厳しくすさんだ時勢にあって彼女の生きて行く希望の光のような存在なんでしょうね。 その光りが自分に降り注ぐ事はなく、コゼットという方を向いて一身に輝き始めた今、彼女は再び暗闇に怯え、孤独に震える【On My Own】です。
♪幸せの世界に縁など な~~~い♪からの長い間に「嗚呼、歌穂エポだ☆」
♪愛してる 愛してる 愛してる でも独りさ♪…号泣。 絶品。
死に瀕しながらも、愛するマリウスの腕の中にいる事、自分の為を想って涙を流し、抱きしめてくれるマリウスに人生で一番の幸福な時間を感じ、微笑むエポニーヌ…良かったね、望みが叶ったね。 【恵みの雨】は、正に息絶え絶えで苦しみながらも一言一言、彼の目を見ながら訴えるように♪何も言わないで 抱いてほしい♪と、力を振り絞って彼の腕にすがる様に…号泣。 ♪遠い道のりを辿り着いた…♪やっと夢見てた事が、彼の光りが自分に注いでるんだね…と涙。
最期のキスを受けての絶命は彼の腕を硬くギュッと掴んでいた力がフッと抜ける感じ。 「こんなに一生懸命掴んでなくても、これからはずっと側に居てくれるのね」と安堵したよう…とでも言いますか。
幸せの絶頂でこの世を去ったエポニーヌ。 故に彼女はエピローグでは、幸福に満たされた清らかな聖女の微笑みを浮かべているんですね。
私は歌穂さんの現役時代の舞台を拝見していないのですが…自分の中で思い描いているエポニーヌ像をココまで完璧に演じられてしまうと、他の方が各々の個性と工夫でエポニーヌを演じられても、歌穂さん@エポニーヌを私の中では越える事はナイだろうなぁ…と思った次第です。 『○○は○○さんのアタリ役』というものに関しては、双方に呪縛にも似た何かがあるような気もした、今期SP公演です。
青い旗キャスト
バルジャン:今井清隆/ジャベール:今拓也/エポニーヌ:島田歌穂/ファンテーヌ:今井麻織子/コゼット:菊地美香/マリウス:石川禅/テナルディエ:三谷六九/ テナルディエ夫人:阿知波悟美/アンジョルラス:原田優一

青い旗男性アンサンブルキャスト
グランテール:伊藤俊彦/クールフェラック:清水裕明/ジョリ:横田裕市/コンブフェール:近藤 大介/フイイ:松原剛志/レーグル/司教:港 幸樹/バベ:丹宗立峰/ブリジョン:佐嶋宣美/プルベール:上野聖太/モンパルナス:田中裕悟/クラクスー:梶雅人/ガブローシュ:横田剛基
青い旗女性アンサンブルキャスト
買入れ屋:荒井小夜子/マテロット:折井理子/ファクトリーガール:藤咲みどり/ジベロット:深野琴美/マダム:児玉奈々子/少年1:岡村さやか/少年2:稲田みづ紀/かつら屋:亜久里夏代/リトルコゼット:田村遥果/リトルエポニーヌ:弓木野綾架

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