レ・ミゼラブル(橋本×禅)=2回目その2【博多座】

レ・ミゼラブル(橋本×禅)=2回目その1の、橋本さとしさん@バルジャン単独考察に続きまして…
石川禅さん@ジャベール単独考察。
禅さんの熱演は…ヤリ過ぎ!くどい!となる危険性を大いにはらんでいますが(これでも禅ファンです)、本日はクドさ全開!の大熱演でありました。 全ての動きや表情に擬音語や擬態語を入れたくなるのは前観劇時もそうでしたが、今日は歌っていない所まで、勝手にセリフを付けたくなってしまう有様。 いやいや…それはそれは大熱演で、私は超感動!→タダ泣き→脱力…だったんですけどネ♪
以下、恐ろしいまでの長文はファンモード全開の痛い考察となっていますので何卒ご了承ください汗
まず、登場時はズンズンズンズン… キビキビッ!キビキビッ!
♪ぃやぁ~っを ここへ呼べぇ~ 24653~
♪ちぃ~~っがぁぁぁうっ!!!
重低音で大迫力。 有無を言わせない重圧感と威厳に凄みが。
10年後のパリ登場時でもズンズンズンズン… ピシッビシッビシッ!
♪むぁ~たぁ~もぉ~~~っ 喧嘩かっ!
もう毎度の事ながらウンザリさせられるぜ!感ありあり。 目を細めた後にカッと見開く形相は怒りブチ切れ!で恐い~。
♪ぃやぁ~めぇ~~ろぉ~ 泣ぁ~きぃ~ごぉ~と~はぁ  言い訳ぇ
すぅ~るぅ~(←ココ迄ささやき・爆発→)ぬぅなぁ~~~っ!!!
最初は同情的な表情も一瞬浮かべるのですが、切々と女々しく訴えるファンティーヌに次第に怒りがこみ上げてくる変化が。 これは自分は不幸な生い立ちでありながらソレをバネにのし上がってきた自信に裏付けされる、泣き言への嫌悪感なのでしょうか? 貧困に対する憎しみでしょうか? そういうお涙頂戴話は大嫌いなんだよ!という嫌悪感が漲ってます。
♪あいつがぁ ジャン・バル ジャンっ!!!
頭から湯気、出てます。 その怒りの迫力に、自分たちにはどんなお咎めがあるのだろうとビクビクの乞食たちの様子に、ジャベールがどのくらい恐れられている存在かよく解る。
♪おぉ~よぉ~がぁ~せ~て おいて~(ささやくように)
捕まえてやるぅぅ~~~~っ!!!(一気に怒りが沸点に達して声が上ずる)
ごぅぉ~~~~っみを 始末しろっっ! 仕事に戻れっ!

徳井テナルディエの首根っこ捕まえてブッ飛ばしながら吠える迫力が凄い…。 まんまとバルジャンを取り逃がしてしまった怒りと悔しさ爆発!
ココからの【Stars】は圧巻☆ 他ジャベールでは歌の上手さに聞き惚れるソロナンバーというだけで、ジャベールの心情を汲み取るところまで気が回った事がなかったのですが…今回、禅ジャベールでそれが可能に!(これは贔屓目がかなり入っているはず~汗
空を見上げ、そして星に語りかける。目を細めて、凝らして…そして♪静かな夜を見張る~ 刑事たちだ~♪…と、ココで笑みを浮かべるのは衝撃的でした! きっと、彼は暗く不幸な生い立ちの幼少時代から辛い事があるとこのように天を見上げて語りかけていたんだろう。 決して明るくまぶしいお天道さまにではなく、夜の闇の星に対して。 その星の瞬きを自分の励ましに、心許せる友人のような存在なんだろう。 だから“刑事たちだ”という所で微笑むのは、自分にはこんなに沢山の仲間が居るんだ!という安堵の微笑みなのでは?…と思わされました。
ジャベールという人物の背景を表現する大変重要なナンバーなんですね。 “ジャベール=敵役”的な位置付けですが、このStarsで彼にも「信じる道を突き進め~!」とエールを送りたくなっちゃいます。

法廷では、市長の姿を見つけて「あ、市長、本日は傍聴にわざわざお越しで」と一礼。 市長が被告人を抱き起こすと「ん?市長、どうされました?」と軽く慌てて、正体を明かしたバルジャンに「はっ?えっ? えぇぇぇぇぇ~~~っ?!」と焼き印とバルジャン顔を交互に見て「お前がバルジャンだったのかぁ~~~っ?!」と暗転まで驚きの表情で固まる。 この場の脳内のアテレコは実に楽しい♪
病室での対決でのバルジャンとの二重奏は、大抵ならバルジャンの方が上層でよく聴き取れるのですが、本日はどちらもクリアに耳に届く感じ。 …なので ♪生まれた事が 罪そのものさ 牢獄でジャベール 俺は生まれた お前と同じ ウジ虫なのだぁ~♪という、女囚の子として生まれたジャベールの生い立ちと、何故彼がここまで正義を振りかざして貧困やそれ故の犯罪に憎悪をたぎらせ徹底的に排除するのか?という事が、よく解る重要な歌詞だと思うのです。 なので、よりジャベールに人間的な部分を強く感じる事が出来、これ以降ジャベールにも気持ちを寄せて観る事が出来ました。
一幕ラスト【One Day More】の登場時には何故だかふてくされている印象。 潜入捜査という職務ゆえだが、結局無駄な抵抗に終わる子供の遊びに付き合わさせる事にうんざりしているような感じで…これは新しい解釈に思えました! これって二幕で正体がバレた時に学生達に♪子供の遊び 学生の裁判? 笑わせるぜっ!♪と嘲る場面に自然と繋がって納得!
その砦の中でガブローシュに正体をあばかれる時のリアクション。
ピタッ ギクッ やば~ ソロリソロリ… うおぉぉぉ~っ! んぐぐぐ~っ!
と、怒濤のリアクション大王ぶりは…観てて楽しい♪
バルジャンの姿を見つけた時も更にヒートアップ!
ん? んんっ? なっ?!  なにぃ~~~~っ! 何故ココに居るんだぁ~~っ!
と表情激変し、バルジャンに目が釘付けとなります。
♪この日を待ってたなっ?(ささやくように) 復讐しろっ!
♪やぁ~るのは ナイフかぁ~(鼻で笑いながら)

観念したような投げやりな感じで、ナイフを目にしてフフンと鼻で嘲り笑いながら言い放ち、しかし目はまだバルジャンに挑んでいる感じ。
ロープを切られて(えっ?! なんで?なんで?
♪わからんぞっ?!
と困惑の表情から、また鬼警部の表情に戻って強気モードに切り替わり、自らの顔をナイフに近づけて「おらおら~殺すんだったら早く殺せよ!」と迫る。 ここから眼×眼の対決! 眼から炎ゴゴゴゴゴ~ッ!

♪取引じゃない 君の職務だろ~(→ハッ!)
恨みなどナイぞ~(→ガガガガ~~~~~~ン!)

ここから「お前なんて事言うんだよぉ~っ!」ワナワナ~と震え始めます。
バルジャンから逃げるように促されて「うわぁ~ん、お母ちゃんに言いつけちゃる~っ!」って感じで走り去るのは禅ジャベ仕様。 悠然と去って行くジャベールが殆どの中、これは激しく新鮮! この時点で彼の心の支柱にヒビが入って、崩壊が始まったんだろうな…と思われ、自殺への助走開始!です。 砦が落ちた後、死体の山から必死にバルジャンの姿を探し、途方に暮れる様に哀れさが感じられたのは初めてかも。
下水道での最後の対決は、精一杯自分を立て直して立ちはだかるものの、眼がイッている。 いっぱいいっぱいで虚勢を張っているのに、グラついている自分の心を見透すかすように、慈悲を求めるバルジャンの訴えと、その眼力に対して思わず眼をそらしてしまう。 これで彼は完敗した…。
♪あいつはどんな悪魔だぁ~っ 俺を捕らえて また逃がすとは~
もう声がうわずって、しかも涙声で、顔が真っ赤で完全に血がのぼってます! 混乱をきたしてやたらと歩き周り出し、見開いた眼は泳ぎながらも瞬きをせず…ギラギラ。 完全にイッちゃってます! この迫力は…凄い。
ジャベール尋常じゃない取り乱しっぷりに、息を呑んでいると…ガラリと落ち着きを取り戻した橋の上に一人佇む姿。 きっと彼はこの場所に辿りつくまでに、街のあちこちを彷徨ったんだろうなぁ…と思わされる、時間の流れを感じさせるのはお見事!
自分の心の拠り所の星を見上げ、心情を吐露していると…次第にその友でさえ 彼を哀れんでいるように見えてきたのか?一気にまた錯乱状態に陥ってしまう。
♪星さえ~っ 凍ぉぉぉるぅぅ~~~っ♪
涙目で見上げながら、うわずった声ながらのこの一節に「星よ、君たちまで僕の事を嘲り笑っているのか?もう俺に瞬いて応えてくれないのか?」というような大きな絶望感が! ココでは狂ったように笑うジャベールがデフォルトかと思うのですが、禅ジャベは笑いません。 【Stars】で、あんなに楽しそうに星達に語りかけていたのに、ここでは心の友というべき星達にさえも拒絶されたようでもあり…この前段の繋がりに胸がひどく痛む。
♪捉えようもなく~ 空しい世界ぃ~~~っ(声が最高調にうわずっていく)
砦の解放~自殺まで、ここまで息を呑んで見入ったのは初めて。 彼の心の乱れる様に加速が付く様子が手に取るように解る納得の自殺でした。 ジャベールが渦に飲み込まれて消えて行った後に「はぁ~っ…」と大きくひと呼吸。 手もず~っと硬く握りしめていましたので、疲労感を感じるほどの迫力に呑まれてしましました~。
いや~、チェックポイント多い上に熱風吹き付ける大熱演で、観劇後はグッタリと疲労感さえ感じる禅ジャベール。 MY BESTジャベールになったのは確かだけれど、だからこそ改めて他ジャベールを拝見してみたくなりました♪
バルジャン対決では…今期、博多座公演では残念ながら今井バルジャンとの組み合わせがなく観劇叶いませんでしたが、私は橋本バルジャンとの対決が一番好きでした☆
※【橋本×禅=2回目】の“その1”、橋本さとしさん@バルジャンのみ語り、に戻る

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