橘菊太郎劇団・夜の部【博多新劇座】

初めて大衆演劇というのを観たのは三年前で、この橘菊太郎劇団。 それから数えてこの劇団を観るのは今回が三度目。 座長、若座長以外にも顔を覚えている役者さんが今年も奮闘中…とあらば、応援したくなるのが心情。
今回は「是非一度“生の新劇を観て欲しい”」と常々思っていた同僚二人をお連れしての観劇。 やはり最初が肝心!と、私が観た数少ない新劇の劇団の中で、平均的に安定している橘菊太郎劇団がイイだろう…と考えての事。 最初は雰囲気にのまれて戸惑っていたようでしたが「面白かった」と概ね好評。 1900円で3時間15分の毎日違う舞台…にビックリ。ホント、どうやって儲けを出しているんだろう?…といらぬ世話ですが、毎度心配になるほどのサービス満点ぶり。

本日は三部構成で第一部は【顔見世ショー】で、団員が自己紹介よろしく曲に載せて踊りながら登場♪…でテンション↑
第二部のお芝居は【お家騒動けんか旅】。
とある武家の奥方が悪妻で、家の用心棒の“先生”と結託して自分の夫を亡き者にしようと策略。 実子である娘や主人に忠実な奴を疎み追い払い、果てはは刺客まで出すし始末。 娘と奴はこの悪事を伝えようと奔走する中、人情に厚い股旅に出会い力を借りてお家乗っ取りを阻止する…ってな感じのお話(確か。観劇から時間が経ちすぎてかなり忘却)
なんかいろいろ唐突で「は?」と驚かされる事が多かったけど、ベタベタなお話しで可もなく不可もなく。 でもやっぱりこの劇団は役者さんが揃っててお芝居は皆安定しているから観やすい印象。 本日は客席のスポンサーの○○生命の方が観劇との事で、劇中度々「生命保険は…」「保険をかけるなら…」と社名を連呼。
第三部の【魅惑のショー】では、この劇団で初めて子役ちゃんを観ました! 小学生…低学年でしょうか? 一生懸命“シナ”を作って踊る様に、子供の頃からこういう環境で役者として育っていくんだなぁとしみじみ。 橘良二さんは…なんか化粧が変に険しくなっていて残念。 前の方がよっぽど男前だったのに~。 橘大五郎さんの女形は色気が増した印象。 うん、綺麗。
特筆すべきは、本日午前中に来月の博多座サブちゃん公演記者会見の為、来福していた沢竜二さん特別出演。 劇団に対するエールを送り、三曲ほど熱唱。 シンプルな着流しにおよそ不釣り合いのキラキラキラキしためっちゃ大きな光る石を輝かせ「え~っ…と。その趣味はいかがなものか?」 しかし曲中にセリフがあるものには「さすがプロの役者」と感心! なんか…曲中のセリフって聞いてて寒い感じがしませんか? それがいっさいなくて聴き入る感じでビックリ。
そして…ラッキーだったのはショーのラストに【白浪五人男】が! 昼の部ではいろいろと手際が悪くて失敗だったらしいけど、夜の部はキマッタ! 橘歌舞伎っていうんですね~。 いわゆる土手の勢揃いは障子に名前が書かれていてそこから出てくる…というもので並びもビミョ~に違う。 でも衣装や鬘も頑張っていて遜色ナイ! 立廻りはロック調のBGMで激しく立ちさ様は新鮮☆ 日本駄右衛門が座長の為、独りすごくめだつ演出となっていましたが、捕り手達が客席から御用後用とわらわらと現れて、本格的。 めっちゃ得した気分でした!

観劇を終えて知った事。 以前、市川亀寿さんに似ている~と印象に残っていた橘浅太郎さんは今春急逝されたそうで…合掌。

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