壽新春大歌舞伎・昼の部【新橋演舞場】

81年ぶり名跡復活!! 右近改め三代目市川右團次+三代目市川右團次襲名披露興行でおめでたい新橋演舞場。 …とはいえ、澤瀉屋一門の代表格的な存在であった右近さんが“髙嶋屋”になるのは、ちょっと…いやかなり寂しい私。 おめでたい事だとは解ってるんだけど、うん。
観劇日当日、10時に羽田着で11時開演…って、やっぱりちょっと無謀だった。 周辺のお席の方、ご迷惑かけてすみませんでした。

雙生隅田川

通し狂言です。 “三代猿之助四十八撰の内”との事だけど、私、初観劇。 「梅若丸伝説」を素材にしているそうで、人間×天狗で繰り広げられる壮大なお話。
猿之助さん×右團次さん×右近くんの【三人宙乗り】 ! “6歳で宙乗り”というのは最年少だそうで(夜の部では“早替り”最年少!)、しかも乗ってる最中、落ちそうになるお芝居まで演ってのけるとは〜! 客席の「三人で微笑ましいねぇ」という空気が一転、悲鳴にも似た声が上がった! 右近くん、恐るべし。

右團次さん@猿島惣太後に七郎天狗/奴軍介は感情のブレも、立ち廻りも激しいドラマティックなお役で襲名披露公演の奮闘ぶりが相応しい力走。 折檻して殺してしまった子供が若君と判明し、使い込んだお家の金を工面しようと長年貯めていた金を天井を突いて、家中に小判を降らせる演出がダイナミックで絵的に、音的に面白い! そして天狗に変身! えっ?なんで? 大詰の【鯉つかみ】の本水の大立廻りは、あまりにも詰め込みすぎて、動きにキレがなく「だ、大丈夫?右團次さん?」 最近はデッケェ仇役的な感じが続いていて、その貫禄が安心して拝見できる事に少し寂しさも感じていたけど、キビキビした若武者の口跡と動きに“澤瀉スピリッツ”的なものを感じることが出来て嬉しかった。 襲名心よりおめでとうございます。

右近くん@梅若丸/松若丸は、今まで私が観た初舞台のお子さんの中で一番しっかりとしていて、立派にお芝居をしていて、とにかく感心した! その裏には厳しい厳しい大変なお稽古があったんだろうなぁ…と察せられる立派さで、ちょっと涙を誘われることも度々。 6歳って! 6歳なのに二役って! いや〜、ただただ感心。 彼自身もホント頑張っただろうけど、梨園出身ではない右團次さんもご自身の襲名に加えて…とにかく大変だったろうなぁ、と。

男女蔵さん@淡路前司兼成。 男女蔵さんが左團次さんに似ている…と今まで一度も感じた事がなかったけど、今舞台の憎々しい仇役を拝見してビックリ! 声がこんなにもソックリだったなんて驚いた〜。 猿之助さん@班女御前海老蔵さん@県権正武国、この度の襲名、この親子に力を貸してくださり有難うございます〜、という身内じゃないけど、そんな感想をもってしまった! そして笑三郎さん@局長尾猿弥さん@勘解由兵衛景逸に、これからもどうぞ宜しく〜、と、身内じゃないけど!