マリー・アントワネット【博多座】

博多座のお正月公演は“ミュージカル』が恒例な博多座一月公演。 「年明けは明るく、楽しく、華やかに☆」という思惑が多分にあるかと思うのですが、ここ数年は何故かしら…心中もの、家族離散もの、革命で愛する人が死にゆくもの…と観劇後の足取りが今ひとつ重い演目が続いていました。 そこへ来て、今年決定打?! ラストは巨大ギロチンで公開処刑…という超ヘヴィ級の重~い幕切れの演目がかかりました。
昨年11、12月の帝劇公演での評判は、制作発表時の期待感には反した…芳しくないものばかり耳に入っては来ていましたが、そこはやはり“自分の目で観てみないと!”と、今公演3回の観劇でした。
総体的に『ミュージカルというよりは音楽劇』という印象を受けました。 ミュージカルじゃなくても成立するような、そんな芝居運びといいますか。
一概に『ミュージカル=明るくハッピーエンド』である必要はもちろんナイですが、既存の結構重い作品にしてもこれほどまでにヘヴィなラストが用意されている点は異色かと。 しかもマリー・アントワネットという華やかな題材ながらに…なので、観劇前にイメージしていたものとは大きく違う、そのギャップに戸惑う人も多いのも頷けました。
博多座のインタビュー映像で、涼風さんが「ミュージカル界に革命を起こした作品」、新妻さんが「イイ意味でひねくれた作品」とおっしゃっていましたが、なるほど納得。
でも私、面白かったです。 極力色味を押さえシンプルに徹したセットにより、人物が浮き立った(にしては衣装が…)効果や、廻り舞台上で繰り広げられる人物模様に“運命の羅針盤”上で翻弄されるような悲劇を観るようでもあり。
炎のマルグリット
しかし登場人物に関しては誰一人として心を寄せて観るキャラが居ない。 これは意識的に観客にあえて傍観者的な視点でみせようとしているのか?
「あれ~?辻褄が合わないぞ~」というような、一人一人の描き方が薄いのか疑問を感じる点は多々。 「このキャラ、要らないんじゃ…」と思わされるのも多少。
ま、私は禅さん目的で観劇してたので…ですが、それを差し引いて全体を観た時にそう感じました。
音楽はやはり耳に心地良く響き残りました。 【もしも】を口ずさんでいると…♪もしも 私が 家を建てたなら~♪…と小坂明子【あなた】になってしまうのは私だけ? この曲が一番好きです☆
帝劇から博多座で歌詞や演出で変更点もあったそうですし、また今後の上演でもいろいろな変更が加わっていくでしょうから、また暫くしたらキャストも一部替わりますし、観てみたいなと思っています。
役者さんで印象的だったのは、首飾り事件のシーンで黒いコートを羽織って客席通路から登場する新妻聖子さん@マルグリット。 怨念にも似た煮えたぎる怒りを抱えている表情で、目には炎が燃えてました! これホント!
石川禅さん@ルイ16世は、前回に観た禅さんが極悪非道最低最悪のフック船長@ピーターパンだったので、そのギャップがたまらなく面白かったです♪ 化ける役者さんだ!

青い旗 キャスト
マルグリット・アルノー:新妻聖子/ルイ・ジョセフ&貧民の子供:枡井賢斗/ルイ・シャルル&ジャネットの息子:大久保祥太郎/マリー・テレーズ&貧民の子供:久冨杏子

観劇した日のキャストを自分の記録の為に以下↓

青い旗 【1】1/3・マチネ(初日)
マルグリット・アルノー:笹本玲奈/ルイ・ジョセフ&貧民の子供:川綱治加来/ルイ・シャルル&ジャネットの息子:水谷一弥/マリー・テレーズ&貧民の子供:黒沢ともよ

青い旗 【2】1/18・マチネ(MA上演回数100回目)
マルグリット・アルノー:新妻聖子/ルイ・ジョセフ&貧民の子供:桝井賢斗/ルイ・シャルル&ジャネットの息子:大久保祥太郎/マリー・テレーズ&貧民の子供:森山優里

青い旗 【3】1/28・マチネ(千穐楽)
マルグリット・アルノー:新妻聖子/ルイ・ジョセフ&貧民の子供:枡井賢斗/ルイ・シャルル&ジャネットの息子:大久保祥太郎/マリー・テレーズ&貧民の子供:久冨杏子

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