新派特別公演【博多座】

11月の博多座は前半が【ジェーン・エア】で後半の5日間、20日から25日が【新派特別公演】です。 【麥秋】は休憩をはさんでの二幕構成+【滝の白糸】という構成。

麥秋

小津安二郎監督の映画【麥秋】を山田洋次が舞台用に脚本を書き下ろし自らが演出、というこの作品。 まずは映画セットのような、もう映像作品が撮影出来るんじゃナイかしら?と思えるような精巧な造りの舞台美術にビックリ! このセットで終始話しが進んで転換がなかったので納得の造り。
古き良き日本の家族と絆の物語で“THE日本人”が織りなす…なんて事はないけれど、なんかイイ作品、というと何様ですが、そういう印象を受けました。 舞台中央で物語の軸が演じられている脇でも、自然な日常生活が営われいるような演技がず~っと続いていて、すごく不思議な感じ。 お風呂上がりのスッポンポンの子供達(多分、一瞬だったので私の席からでは確認不可)が横切ったり、食事の下ごしらえをしていたり…細かな演出に驚きました。
転勤が決まった結婚相手に付いていく決心をした瀬戸摩純さん@妹・紀子の旅立ちを喜びながら寂しがって泣く…という波乃久里子さん@姉・史子が印象的でした。 「演技上手いなぁ~」と何様な感想ですが感動。 英太郎さんのおしゃべりっぷりが「いるいる!こんなおばちゃん!」って感じでかなり笑えました。 水谷八重子さんがすっごいお婆ちゃんになってて(役ですから!)驚いた~。
機会があれば映画作品も観てみたいと思います。

滝の白糸

個人的にはダンジロさん(月乃助さんな!)が目的の観劇。 段治郎さんが月乃助となって初めての博多座!って事で、私も“月乃助”としては初観劇(ダンジロさん、ってか月乃助さんな!を拝見するのは…いつ以来かな?)。 ご本人は何年振りの博多座御出演になるのかな? 月乃助さん@寅吉は、やっぱり立ち姿と声がイイ。 ん~、もう歌舞伎は無理なのかなぁ…と、ホントもったいないとつくづく思った、ちょっと寂しい気持ちの観劇でした。 澤瀉屋から春猿さん@滝の白糸笑三郎さん@お辰、その他にも数人ご出演。
作品は2001年4月の博多座公演で、水谷八重子さん@滝の白糸+辰巳琢郎さん@村越欣弥で観たことがあったのですが…今観劇で「ん?こんなに面白くなかったっけ?」と驚きの感想。 一幕という事でかなり端折っているからでしょうか? 「なんで殺すよ?」「なんで死ぬよ?」と理不尽さが際立ち「納得いかんなぁ~」というモヤモヤ感がひたすら残るという。