四月大歌舞伎・夜の部【歌舞伎座】

「歌舞伎、長いよぉ…」と、久々にお尻の痛さと戦った夜の部。 どの演目も90分近くある為、芝居がはねた後の疲労感ハンパなかったっす!(客席に座ってるだけなんだけど)

 💡 梶原平三誉石切
私の【気絶演目】筆頭なうえ、幸四郎さん@梶原平三って…「松竹よ!なんでコレを鴈治郎襲名披露好演でかけるかなぁ〜」と恨み節。 壱太郎さん@梢錦吾さん@六郎太夫は大変微笑ましい娘父で◎ 以下、割愛…もうホントごめん! 客席には外国からのお客さんが多かったけど、これ一幕だけで帰ってしまった人も多く(ツアーかな?)、「そりゃ、解らんよね…もったいない!」

 💡 成駒家歌舞伎賑(口上)
両花道を観劇したのって、いつ以来だろう? それこそ勘三郎さんの襲名の時以来? とにかく久々だったので、これなら頑張って一階席でも良かったかな…残念! 仁左衛門さん@道頓堀座元が終始ニコニコ付き添っているのが印象的。 松竹座の襲名披露公演は残念ながら休演だった我當さん@二引屋主人がご出演でしたが…そのお姿に息をのむ。 進之助さん@二引屋倅に手を引かれての登場でしたが、今後の舞台へのご出演は難しいのかな?と思われるご様子でした。 が、そのお体を押して襲名公演に出てくださった事、とても嬉しく思いました。『成駒屋→成駒家へ』 私、ちっとも、全く意識しておらず今回の襲名で初めて知りました!恥ずかしいっ! 藤十郎さんは息子・孫と居並んで自分達家族だけの口上というのはさぞ嬉しいでしょうね。 ファンとしてはすごく興奮しましたし、こんな幸せな並びはなかなか実現しないだろうなぁ…。 元気一家だ!最初、お声の張りが小さくて心配しましたが、後半は力強い口跡で安心しました。 虎ちゃん、可愛い♪

 💡 河庄
鴈治郎さん@紙屋治兵衛梅玉さん@粉屋孫右衛門のコンビ芝居…とでもいいましょうか? 二人の掛け合いが印象に残る芝居って初めて観たような? 梅玉さんのひょうひょうとしたトボけた感じのお芝居がココまでハマるとは意外で新鮮☆ このお兄さんキャラ、こんなに面白キャラだったんだ!と気付かされた河庄。…といっても、やっぱり上方の役者さんで観てみたかったかも。 芝雀さん@紀の国屋小春、“耐える女”絶品です! 儚げでもの哀しい表情がこんなに絵になる存在感はさすが! 久々に芝雀さんとの絡みを観ましたが改めて素敵だわ♪と思い、近い雀右門襲名が楽しみになりました。 鴈治郎さんは、感情が高ぶってどもる芝居がちょっとうるさく、わざとらしく感じました。 しかし、年明けからの襲名披露公演で少し…お顔がスッキリ? ほおかむりで憂う表情に色気が増したような気がしました(贔屓目?)

 💡 石橋
染五郎さん@獅子の精(白頭)、壱太郎さん@獅子の精+虎之介さん@獅子の精(赤頭)。 これって必ず親子設定、という訳じゃナイんですね…初めて知った! 三人とも若いので動きのひとつひとつがキビキビしていて小気味良い♪  毛振りは「虎ちゃん、頑張れ!」と手に汗握る親戚のおばちゃん状態で見守る感じの観劇でした。

四月大歌舞伎・昼の部【歌舞伎座】

1、2月松竹座から今月は歌舞伎座まで追っかけました【四代目中村鴈治郎襲名披露】公演! 正直、演目と配役が発表になった時点でテンションが急行下だったのですが、歌舞伎座ギャラリーの【がんじろうはん!】展の開催により持ち直し、いざ上京。 歌舞伎座が新しく開場して初めての“襲名披露公演”だそうです。
2月末には浅草寺でお練りが行われ、鴈治郎さん、藤十郎さん、扇雀さん、壱太郎さん、虎之介くんと5名で居並んだ笑顔に、成駒家は安泰だな、と嬉しくなりました♪

 💡 碁盤太平記
玩辞楼十二曲の内の一つなのに、今回40年ぶりの上演!との事で、もちろん初見!
扇雀さん@大石内蔵助、遊女の打掛を羽織っての登場は、身替座禅のようで、色気と装った放蕩ぶりが出で良かった。 壱太郎さん@大石主税で胸熱です。 届いた密書が気になる孝太郎さん@妻およし染五郎さん@岡平実は高村逸平太が双方から覗き見ようとする様は七段目に似ていて…と随所に「あ!あの場面に似ている」と思うところがあり、その気付きが楽しい♪ 岡平は無筆であるという設定なので、それを主君に隠しながらなんとか密書を読もうと画策する様に可笑しみがあり、主税に刺された瀕死の状態で、碁盤と黒白の碁石を使って吉良邸の見取り図を教えて絶命…という、なんとも振り幅が大きなお役で、染五郎さん好演。 この演目、岡平実は高村逸平太が主役なんじゃ…。 東蔵さん@母千寿、碁笥で息子を打ち据えるとはなんと豪気な!

 💡 六歌仙容彩〈遍照〉〈文屋〉〈業平小町〉〈喜撰〉〈黒主〉
5つを通して…というは初めて拝見! 梅玉さん@在原業平と男勝りの侍女たちとの絡みは面白い。 菊五郎さん@喜撰法師。 私、ビックリするくらい久しぶりに舞台を拝見したようで…おやじ様の衰えぶりに驚き。 軽妙で軽快な足取りが目立つ舞踏だったから余計に体が重く感じられた印象を受けたのかもしれませんが…。 表情や手先の表現などは愛嬌たっぷりで、さすが! 芝雀さん@祇園のお梶は、ほっかむりを取ったお顔の綺麗なこと! 二人の対比がとってもイイ感じ。 所化が團蔵さん萬次郎さん権十郎さん松江さん、 歌昇さん竹松さん廣太郎さん、という超豪華バージョンはさすが襲名披露好演☆

 💡 吉田屋
1月の松竹座で初役だった鴈治郎さん@藤屋伊左衛門再びです! 兄弟(扇雀さん)だとさっぱり好き合っている恋人に見えないのに、父子だとちゃんと見えるのは藤十郎さんの凄さなんだろうなぁ…。 歌舞伎座で観るからか?すごく上方の雰囲気を纏っているように見えました。 出から笠を取って顔を出した時「あ、この人どうしようもないボンボンだ」という風情で◎ 幸四郎さん@吉田屋喜左衛門(珍しい!)と座敷でわちゃわちゃ言い合っている内に、劇中にて襲名口上〜♪ 秀太郎さん@おきさ、改めて最高です!大好き! 藤十郎さん@扇屋夕霧とのじゃらじゃらしたやり取りには、ホントに夕霧が泣きそうで(藤十郎さんさんは座ったり立ったりが辛そうだし) 可哀想になったよ…。

 😀 番外【がんじろはん!】展(歌舞伎座ギャラリー)
ポスター欲しいっ! 写真のチョイスが絶妙だわ♪ 雀の中に虎、壱、翫、あの紋好きなんですよね〜♪ 【がんじろはんの家族評】が面白かった! 藤十郎さん、休演が一度もナイとは驚きです。 そのDNAを受け継いでいる鴈治郎さんもきっと頑丈でしょう! 翫雀時代に愛用していた紋の入った化粧道具はどうするんでしょう? 引き継ぐ…にしては年期が入りすぎてましたが。 もちろんパネルと居並んで写真を撮りました☆

六月博多座大歌舞伎・夜の部【博多座】

今公演は夜の部のみ観劇…という事で彌十郎さんを拝見出来ずに無念!

小栗栖の長兵衛

中車さん@小栗栖の長兵衛。 中車さんの歌舞伎、初めて拝見。 …というか生の香川照之さんを拝見するのも初めてのような。 “演技派”とよばれる器用な俳優さんでも、歌舞伎でのお芝居というのは独特で一朝一夕ではすごく難しいんだなぁ…と痛感させられた一幕。 危惧していた空気感よりも、新歌舞伎としてもセリフまわしの方が聴いていた辛かったのは意外でした。
でもって個人的には久々に博多座の歌舞伎の舞台で観た段治郎改め月乃助さん@堀尾茂助。 嬉しい、よりも寂しい気持ちでいっぱいに…(あんた5年前はスーパー歌舞伎で主役張ってたじゃないのさ!)

襲名披露口上

今公演は…残念ながら段四郎さん、猿翁さんが休演です。 四代目市川猿之助の襲名披露口上に、ご自身のお父様、そして伯父様が列座出来ないとは…なんとも寂しい事です。 並びは上手から…
秀太郎門之助寿猿猿弥彌十郎藤十郎猿之助中車笑也春猿月乃助笑三郎右近
手元に書面を用意して読み上げながらの紹介は初めて見たよ、藤十郎さん! 彌十郎さんの「猿翁のお兄さんに付いて20年勉強をした」というお話しに、その頃の舞台をもっと観たかった!と悔やみ、寿猿さんの「澤瀉屋で50年」という言葉に感嘆し「どうぞ末永くお元気で」と強く思いました。 そして私が知らなかっただけなのですが、秀太郎さんの澤瀉屋さんとの、先代の猿翁さんから続く長く濃いエピソードに大変驚き、改めてこの席にご本人が居ない寂しさを感じました。 そして中車さん、ご自身の息子・團子くんと親子で歌舞伎の世界に飛び込んだ並々ならぬ決意の様を痛いほど感じ「團子くん、こりゃ大変だぁ」と思った口上でした。

楼門五三桐

猿翁さん@真柴久吉で親子対決~が見所だったのに残念! 代役は右近さん
中車さん@石川五右衛門。 上演時間が短いとはいえ、何故この役を演じさせたのでしょうか?…と大変失礼ながら気の毒になるほど「ちっせぇ」。 小栗栖の長兵衛ではなんとか乗り切れたものの、露見してしまった!というような印象を受け、中車さんがこれから歩み続ける歌舞伎の道の険しさを一観客ながら案じた次第

川連法眼館の場

藤十郎さん@源義×秀太郎さん@静御前という…プラチナ婚を迎えていそうなくらいのカップルに、ん~歌舞伎!と思ってしまう~。 秀太郎さん、お姫さまじゃナイにしてもその衣紋はちょ~っと抜き過ぎじゃナイでしょうか(驚異的に綺麗だけども!)
猿之助さん@佐藤忠信実は源九郎狐は、ただもう安心して観れいられる感じ。 今まで何度となくいろんな役者さんで観てきた四の切ですが、『一番子ギツネらしかった!』 猿之助さんの小柄さとチョコチョコ細かく動く動作や表情に子供の無垢な愛らしさが良く出ていて、親を想う気持ちが切々と観る者の心に訴えてきます。 鼓を手に喜びいさんで宙乗りで引っ込んでいく様に「良かったね、ホント良かったね♪」と誰もがニッコリと見送った感じでした。 やっぱり…悔しいけど(←何故か?)上手いぜ、亀ちゃん(←もう猿之助さんです)、と思った打ち出しに、場内総立ちのスタンディングオベーション~カーテンコール。
祝・四代目市川猿之助!! 澤瀉屋~!

二月博多座大歌舞伎・夜の部【博多座】

2月と8月の興行は入りが悪い…と言われていますが、そんな定説?は、なんのその!…のビックリな入りの今月博多座。 襲名披露公演といえども博多座の歌舞伎公演でここまで入りがイイのは久し振りかと。 昨年末に勘三郎さんが…という事も今公演の応援の後押しになっているのは間違いないようですが、とにかく開演前や幕間のロビーのごった返し方の人口密度は尋常じゃない! 補助席や立見も出ており…いやはや大盛況☆ ビックリ。
本日は【着物の日】で客席の着物率は高く目にも艶やかでしたが、ロビーを行き交う度に着崩れを気にしなくてはいけないくらいの人口密度であわあわ。

俊 寛

「また俊寛…」と思いましたが(九州なので特別上演回数が多いような?)そこは仁左衛門さん@俊寛!で、孝太郎さん@千鳥とくれば「俊寛楽しみ!」となろうもの♪ やっぱり俊寛は“やせ細って悲壮感漂う”というヴィジュアルが必要だと思います。 いくら化粧で頬をこけて顔色を悪くみせようと、足取りがふらふらと演じようと…元がしっかり丸々では“悲壮感が半減”。 個人的には今現在、俊寛を演じて一番ピッタリなのは仁左衛門さんだと思ってますから! 出の姿から、セリフをしゃべらずとも立っているだけで~雰囲気だけでキャラクターが説得力を持っているようで納得させられるのは凄い。 ラスト、遠ざかる船を見送る様は打ち震えながら目を凝らし、耳を澄まし、追いすがり…胸を締め付けられ、この後何年続くかわからない孤独との戦いに絶望する様に涙
ものすご~く久し振りに拝見する孝太郎さん@海女千鳥。 40代になってもやっぱり可愛い! 「りんぎょやってくれめせや~」ってハイハイ♪って頷いてしまうし。 扇雀さん@丹波小将成経と二人デレデレしている様はなんとも微笑ましい。 錦之助さん@判官康頼って珍しいですよね? 最近ちょくちょく赤ら顔の敵役をされているイメージ。

口 上

上手より…梅玉錦之助、彌十郎、仁左衛門、勘九郎七之助橋之助亀蔵扇雀の並び。 やはり昨年末に亡くなった勘三郎さんを忍んでのエピソードが多く披露される中、弟・七之助さんの兄をサポートする確固たる強い言葉に、ついホロリと涙してしまいました。 勘九郎さん、中村屋一門、ますますのご発展をお祈り申し上げます。

渡海屋 大物浦

勘九郎さん@知盛に初役との事。 『一生懸命でっけぇ感じ』が全身から伝わってきて、観てると思いっきり力が入ってしまい観劇後ドッと疲れました~。 七之助さんお柳の女房ぶり、典侍の局の品格のある儚気の切り替えが◎ 彌十郎さん@武蔵坊弁慶、初めて拝見しましたが「きっとコレぞ弁慶」な厳つい強固なヴィジュアルがカッコイイ! ん~、なんでしょう? すごく一生懸命見入ってたのに…他にレポートする事がない…です。

芝翫奴

橋之助さん@奴駒平。 前の演目の力みが取れるような明るくて華やかで軽快な踊りを観て、これが打ち出しで良かった♪

六月博多座大歌舞伎・昼の部【博多座】

本日は朝からかなりの雨脚で降っておりましたが…博多座は【着物の日】です。
去年もそうでしたが…私は例によって、自宅から地下鉄の駅まではビーサンで行って~駅で足袋と草履に履き替えました。 イヤ、半端ナイ雨だったんですって! 館内はさすがに着物率は低かったです。

春調娘七種

芝雀さん@静御前歌昇さん@曽我五郎錦之助さん@曽我十郎…と美男美女がそろい踏み(ってホントは美男オンリーですが) このお三方の組み合わせって珍しいですね。 襲名の舞台の幕開きにふさわしい華やかで艶やかな一幕。 歌昇さんのバーンと張った若い勢いみたいなのが溢れていて、むきみの隈がとてもお似合いで素敵☆ “仕抜き”(大勢の中から、一人あるいは二人が舞台の前に出て踊ること)では、それぞれのキャラクターがよく解る佇まいでその錦絵風情に拍手。

三人吉三巴白浪

染五郎さん@お嬢吉三は綺麗♪ 改めて、顔、小さ~い! 籠から登場の松緑さん@お坊吉三と、花道から登場の梅玉さん@和尚吉三(あのヘアスタイル“ひとつべっつい”の梅玉さんって新鮮!)に高揚。  これまた初めてみたお三方の組み合わせかと~。
しかし、今観劇はアクシデンの印象が強過ぎて、舞台そのものの記憶がフッ飛んでしまいました~。
☆アクシデント・その1
三人を襲った二人組の下手の人がトンボをきった瞬間、ヅラがポロリ!! 取れたヅラは舞台奥にゴロンゴロンと転がっていく~。 私、ジャンルを問わずいろんな舞台を観てますが、本番アクシデントでヅラが取れるというのは初めて観ました! トンボを終えるとサッと染五郎さんの後ろに回って『頭隠して尻隠さず』状態になりましたが、客席のドヨメキはしばらく尾を引きました~。 染五郎さん、笑いを必死にこらえている様子で、口元がフルフルしてるのがツボでした。
☆アクシデント・その2
お嬢の名台詞で思わぬ刺客が客席に! 演目の見せ場「こいつぁ春から縁起がイイわぇ~」で、こともあろうか!客席のおじさんが結構な大きな声で口に出して一緒に言ったんです!(怒) 私の座席の隣ブロックから聞こえましたが「あんたのを聞きにきたんじゃない! 茶の間で観てるんじゃない!」と飛び蹴りしたい衝動にかられました。
今回は夜の部の感想でも書きましたが、今公演では上演中の客席のおしゃべりが目立って、ちょっと不愉快な思いをした残念な観劇でもありました。

太刀盗人

又五郎さん@すっぱの九郎兵衛VS三津五郎さん@田舎者万兵衛です。 お二人ともシャキシャキっと小気味イイ踊りが観ていて爽快感がありますし、お二人の背もほぼ同じで細身vs太め、色白vs黒いって見た目の対比も明確で楽しいです。 オウムでの言い訳が、分っちゃいるけど笑えます~♪ 『目の鞘が外れた(鞘=瞼)=油断ならない奴』という言葉は初めて知りました。 松江さん@従者藤内、私は松江さんの冠者っぽい、正統派二枚目なのにとぼけたお役って好きなんですよね~。 このところ大仰なお役でばかり拝見していた感のある歌六さん@目代丁字左衛門の“普通の顔の役(?!)”に違和感。
今公演は夜の部も合わせて、所作事がすごく良かった印象です!!

極付 幡随長兵衛

「これも黙阿弥の作品なんだ…」と驚いたうちのひとつ。 七五調の台詞って日本人のDNAには心地良いリズムとして刷り込まれているのでしょうか? 男伊達の潔さ…って時には“引っ込みのつかない意地の張り合い”に見えるのは私だけでしょうか?
冒頭の松山座(能舞台ですか?)における劇中劇では、大薩摩のお囃子連中も登場で小芝居をしているのがツボ。 当時は演奏時に頭巾を着用していたんでしょうか? 米吉くん@御台柏の前、可愛い~♪ 隼人くん@伊与守頼義は顔を塗った方がお父様に似ている不思議。 吉之助さん@舞台番って、当時は憧れの職業だったそうで?…どこに憧れる要素が? あの小さい、硬そうな箱の上にちょこんと正座って…痛そうだし。
客席通路から吉右衛門さん@幡随長兵衛が登場☆ 子分の染五郎さん@極楽十三松緑さん@雷重五郎松江さん@神田弥吉も客席通路から。 花道に立つ吉右衛門さんを見上げた花横席のおじいちゃん「吉右衛門、かっけぇ~!」とキラキラした眼差しで観てるのが印象的☆ 長兵衛の倅役の男の子(名前不明)が、顔を塗った七之助さんにソックリ! めっちゃ似ている! 飄々としていて芝居も上手いっ!
長兵衛宅に水野の使いが訪問時の子分達の…座布団を投げて出したり、茶をそっけなく出したりするあからさまな態度が笑える。 長兵衛と妻子の別れのシーンで、着付けを手伝う魁春さん@お時“しつけ糸”を取る…という演出の細やかさに感心。 殺される…というのが解っておきながら敵地に乗り込む度胸と、送り出す側の無念さ。 また棺桶を用意させて迎えて寄こす…という、粋というとちょっと違うかもしれませんが、その心意気といいますか。 ちょっと現代では考えられない格好良さといいますか…「早くとどめを刺さねぇか!」 ま、こんな所でカッコ付けなくてイイ思うけど~。 湯殿での立ち廻りってとか、なんか好きなんです(浮世風呂とか)。 板目の色と手前の浴衣の白×紺の色の対比がハッキリとしていて綺麗だからかな? 吉右衛門さん@幡随長兵衛vs仁左衛門さん@水野十郎左衛門というなんとも豪華で大満足な息詰る一幕でした。