六月大歌舞伎・昼の部【博多座】

博多座が早くも開業3年目突入しました♪
ものすご~く楽しみにしていた“船乗り込み”が雨の為、 中止になるという残念なスタートとなりましたが、公演期間中は 大入り満員♪ かくいう私も、昼・夜の部とも通しで2回づつ…あと幕見で…と 博多座に足繁く通った1ヶ月でした♪

矢の根

私自身、信二郎さんの荒事を観るのは初めてだったし、信二郎さんもこのお役は初めてとの事! とにかく「これぞ歌舞伎!」という五郎の姿と見得で目を奪われ、お正月という設定での儀式はすごく面 白かったです♪ 三味線とリズムを合わせ行われる、後見さんによる“化粧襷結びタイム”は「間に合うのだろうか?」って少しドキドキしてしまいました。
信二郎さん@曽我五郎は、まるで博多人形のように姿が美しく、裸馬にまたがって大根を持っても…美しかったデス☆
信二郎(曽我五郎)/錦吾(大薩摩主膳太夫)/芳彦(馬士)/高麗蔵(曽我十郎)

色彩間苅豆 かさね

孝太郎さん、染五郎さん共に初役とのこと。 私は今公演では一番のお気に入りで…結局3回も観てしまいました♪
孝太郎さん@かさねの与右衛門を一途に愛する可憐な乙女がホントにいじらしく、だからかえって後半の恐ろしい姿になった時との落差が大きくて一気に引込まれました。 特に与右衛門がかさねに鏡を見せるシーンでは、自分の顔に驚きなげく様に涙腺がジワ~ッと…。 「なんてヒドイ奴なんだ!」と本気で染五郎さん@与右衛門に怒っている自分がおかしかったデス。 私は前月の八千代座公演で孝太郎さんご贔屓になりました
孝太郎(かさね)/染五郎(与右衛門)

盲長屋梅加賀鳶

富十郎さんという人はスゴイ役者さんだなぁ…」と人間国宝に対してエラそうな感想ですが、舞台を観る度にやっぱり抱く感想です。 今公演の道玄でもまたまた再認識! “にくめない悪党”をチャーミングに演じてらして、思いっきり笑わせていただきました♪ そして今回、とても感動したのが吉之丞さん@女按摩お兼。 スゴイ! もうホントにスゴイ! “年増の女”にしか見えなかったデス! ちょっとした仕種や立ちふるまい、表情まで…驚きでした! ラスト、長屋での暗闇捕物では“お金に執着する女”のだんまりは…ただただ感心!(←エラそうな言い方ですね)
宗之助さん@お朝も“女の子”にしか見えませんでした。
富十郎(道玄・天神町梅吉)/幸四郎(日陰町松蔵)/信二郎(雷五郎次)/宗之助(お朝) /幸右衛門(伊勢屋与兵衛)/吉之丞(お兼) /高麗蔵(おせつ)

八千代座こけら落とし公演【八千代座】

熊本県山鹿(やまが)市にあり江戸時代の面影を残す、国指定重要文化財の芝居小屋【八千代座】。
平成8年から保存修理を始め、この春ようやく修理が完了。 平成こけら落としとなりました♪

傾城反魂香

主人公の翫雀さん@又平は、言葉のハンデがあるが故に、師匠から名字を受ける事が出来ません。  又平が絵師としての将来を悲観し、自害を決意するまでのくだりは、申し渡される理不尽な道理と、夫に替わって師匠に直談判する、孝太郎さん@女房おとくの夫に対する愛情とで涙を誘います。 「手も二本、指も十本ありながらなぜ吃りには生まれしゃんしたぞいなぁ」という、おとくのセリフに涙腺全開! そして自害を決意した後、入魂の遺作として描いた手水鉢の 絵により、事態が一転。 その喜びを体全体で表現する“愛らしい夫婦”がとっても 可愛くて素敵でした♪ 世話女房の“おとく”は、夫にひたすら尽くすしっかりもの。 それがラストにはハッピーエンドとなるのでとっても嬉しい。 孝太郎さんの鼓も聴けました♪

身替座禅

大名の仁左衛門さん@右京は、恋仲の花子との逢瀬を楽しみたい けど…右京の奥方はものすご~く嫉妬深くて 恐いコワイ翫雀さん@玉の井。 そこで「最近夢見が悪いので 仏堂にこもって座禅をする」という口実を思い付き、 玉の井をだまし、 家来の太郎冠者に自分の替わりに座禅をさせ、花子の元へと 出掛けていきます。 しかし…仏堂に玉の井が尋ねてきたから、さぁ大変!というコメディー♪
ものすごく嫉妬深い奥方と、その嫉妬深さにおびえながらも 浮気を画策する右京&家来の太郎冠者とのやりとりが大爆笑(^o^)  私の大好きな翫雀さんの玉の井は、 恐いながらも「夫の事が好きで好きでたまらない可愛さ」が あって、その表情や仕種が、スーパー・ラブリ~v(^o^)v  玉の井は立役さんがされるのが通例だそうですが、 恐い奥方を演じられても“+ラブリー”な役者さんはなかなか いないのでは?!
仁左衛門さん@右京。 愛之助さん@太郎冠者。 歌舞伎界の二枚目がそろいもそろって翫雀さん@玉の井を 恐れる様子は…そりゃ~もう~大爆笑でした~!!

團菊祭五月大歌舞伎【歌舞伎座】

メディアで見聞きしていた“新之助人気”を目の当たりにして、まずは劇場の雰囲気にビックリ!(2月の博多座では…そんなでもなかったので) いや~、スゴイです。 舞台では福助さん@明石の君がせつなくて美しい…。 ラスト、雪が舞い散る中での 母娘の別れでは涙腺全開! 小さな姫の「お父ちゃま」「お母ちゃま」という呼び方もツボにハマって…。 あとは…菊之助さん@葵の上の嫉妬ぶりがカワイらしくて好きでした♪
三幕通しての新之助さん@光の君は…ちょっと持続が辛いかな?と思いました(特に声)  公演ポスターはファンにはたまらない“三之助勢揃い”の 平安絵巻でシビレました♪

摂州合邦辻

菊五郎さん@玉手御前の、新之助さん@俊徳丸への迫り具合がスゴイ! お話の前段を知らないと、かなり「?」な合邦庵室の場。 本当の事情を知らなかったとはいえ、娘・玉手御前を刺してしまう團十郎さん@合邦と狂った(フリ)娘を案じる田之助さん@妻おとくの悲哀にも魅せられます。
病鉢巻きが似合う…新之助さんはハツラツとしたキャラよりも ちょっと憂いている方が“美しさ”が際立つなぁ…と思ってしまいました。

英執着獅子

イヤホンガイドでも「80ウン歳とは思えない」と再三繰り返すほど 雀右衛門さんは可憐で、躍動感あふれる舞いは美しい! 前段は傾城姿で華麗な舞いを、後段では力強い獅子の舞いで魅せられました! 素晴らしい!!!

伊勢音頭恋寝刃

夏の風情が感じられるセットや衣装がとても楽しめました♪ 菊五郎さん@万野はほんと憎らしいキャラで、團十郎さん@福岡貢と一緒になってイライラしてしまいました! 貢が大勢の人の前で辱められたのに逆上して次々と人を殺してしまうくだりが、あまりにも唐突で「?」 恋仲の時蔵さん@お紺までも斬り捨てるし…「?」 陰惨な殺戮の前に芸妓が居並んで伊勢音頭を踊るシーンは綺麗でした♪

関三奴

三津五郎さん&辰之助さんの奴♪ 毛槍を持って二人の奴によるかけあいは絶妙でした。 奴もの(と言うのかな?)って、フラメンコのような激しい足拍子があってすごく好きなんです。 軽快なリズムで踊る様子は見ていて元気をもらえました☆

新・三国志II【新橋演舞場】

「Part2として作る意味があったのかな?」と いうのが正直な感想です。 宙乗りにしても…「宙乗りにしなくてはいけない必要性」 は感じられず、お約束シーンを盛り込んだ…という感じが強かったですし、 アクロバットの連続技に魅せられたとしても 「そこまでする必要があるの?」という、ちょっと過剰気味演出である印象が ぬぐえませんでした。 “スーパー歌舞伎”の“スーパー”な部分が、私の中ではちょっとズレてきた感じがしました…。

衣装は今回も素晴らしかった! チーム編成によるカラーリングはもちろんの事、 細部にわたるデザインまで魅せてくれました♪ 南方国の美人姉妹の衣装、胸の部分が…昔のアニメ【マジンガーZ】の“おっぱいロケット”のようにどうしても見えてきて、バーンと飛び道具が胸から出ないかなぁ…と期待しましたが、それはなかったデスね、やっぱり。  舞台セットや表現の手法に「お~っ、オグリだ!」「お~っ、八犬伝だ!」 というものが見受けられ、その時の感動も思い出されて 楽しめました♪

役者さんに関しては、前半のくどさが気になりつつも笑三郎さん@祝融が好きでした♪ 恋を知ってた女心の経過をとても自然に観ることができ、グッときました…。 ご自身も より一段とシャーブになって美しさに磨きがかかり、衣装替えも多く 視覚的にとても楽しませてもらいました♪

ご贔屓役者・段治郎さん@馬謖は、若き武将という精悍な感じが出ていて好演でしたが、ストーリー自体がもう少し死に至るまでの馬謖の活躍が描かれていると、より「殺すには惜しい…」という点が 際立ったのではないかしら?…とちょっと残念。  猿之助さん@孔明のセリフのみで説明される状況はちょっとツラかったような気がしました。

そして、今回のお気に入りのキャラは…仲達親子☆ 段四郎さん@仲達猿四郎さん@子元段三郎さん@子尚の“紫三人組”はナイスでした♪  弟が兄に向かって「兄上」というのは分かるけど、 兄が弟に向かって「弟!」と呼ぶのには笑えた~。 …名前を呼んであげなよ。
実は、途中からこの仲達親子が【おじゃる丸】にでてくる“小鬼たち”にイメージがダブってしまって、しょうがなかったんです、私☆  「やい!孔明、今日こそはお前の命をいただくでごんす!」 「ひとまず今日は退散するでごんす!」ってな感じで…。

最近、何故か“笑いどころ”探してしまう自分の観劇姿勢に困っています〜。
来年3月の博多座では、どのように変わっているか楽しみです♪

二十一世紀歌舞伎組公演【宗像ユリックス】

フト気が付けば…博多座以外の観劇日記をUPする場所がなく、自分でココに投稿している次第の…おマヌケな私。 ちょうど去年の今頃、博多座で【毛谷村】を観てたんだけど「役者が違うだけでこんなにも違った演目として楽しめるんだ!」…って改めて歌舞伎の面白さを再認識させられました。
地方公演だから…と舞台美術には期待してなかったんだけど、ビックリ! 大掛かり!

彦山権現誓助劒

一幕 噂の笑也さん@お園“瓢箪棚ゴロゴロ~”(観てナイ方はなんの事だか…)では、その後、涼しい顔でスックと立ち上がる笑也さんの美しさひときわ♪ 段治郎さん@京極内匠の立ち回り、段治郎さん@武智光秀の亡霊早変わり…など段治郎さんの活躍が多くってもう嬉しいウレシイ♪ 見得の連続で「段治郎ここにあり~」って圧倒的な存在感♪ ラストは瓢箪棚で尻もちドスン! 幕がパサッと切れて…カッコイイ~! しかし…毎回あの勢いで尻もちついてたら…腰とか尾テイ骨とか痛めているんではないでしょうか?…心配。

二幕 右近さん@六助登場! 正義感が強い、気のイイお人好し六助さんは右近さんにイメージぴったり♪ それに比べて段治郎さんのなんとワルな事…。 歌舞伎の場合、ホクロって胡散臭いキャラ御用達なんですか? 子役のセリフは…どうしても言葉ひとつひとつに…頷いてしまう私。「か、か、さ、ま、がぁ~」って、ね?なんか首立てに振ってしまいません? 六助さんが許嫁と分ってからのお園さんの迫り具合が相当笑える! 六助さんのビビるリアクションも爆笑! ここはめっちゃコメディですね! 六助vsお園の母のお金投げバトル?も爆笑! あの…空焚きした釜は…どういう仕掛けなんで色が変わるんでしょう???

二幕目後半の太夫さん、一回の公演につき血管2~3本ブチ切れてるね、絶対!

團子売

ワルからうって変わって爽やか若旦那の段治郎さん。 「表情がカタイ」という感想を多数伺っていたのでなんだか心配だったけど、巡業最終地の嬉しさから?か、すご~く穏やかな優しい表情。 笑野さんとニッコリ微笑み合うトコなんか…♪ 笑野さんは、踊りが楽しくってたまらない!って感じで、すごく活き活きした表情! 後ろ姿なんかホント可憐な乙女そのもので…カワイかった♪ 実際の風貌は超今ドキのお兄ちゃんなのに…スゴイ! でも「なんだか大場久美子に似ているなぁ…」と思ったのは私だけ?(大場久美子って時点でアウトですかね?私)
仲睦まじい若夫婦って感じがよく出ているコンビだと思いました。 段治郎さん、顔ちっちゃい!