恋川純弥劇団公演【博多新劇座】

これ…12月に書いてます冷や汗
下書きを放置して…気が付けば記憶も朧げ~。 しかし、観劇の「観た」って個人記録としてUPしときます。 なので“観劇レポート”になっていませんで、以下単なる記録なので悪しからず汗
昨夏デビューして以来、二度目の博多新劇座です。 大衆演劇好きの方から「今月の劇団は絶対観に行くべし!」との大プッシュを受けての観劇。 3月末に浅草・木馬館で思いがけずも飛び込みで観劇した私。 つまりはこれで大衆演劇三度目となる訳ですが…あの独特な雰囲気にハマる人が居る、って事は容易に理解できる魅力満載(私は…たまにならイイかな)
熱烈なファンが付いている劇団らしく(ファンの方、あまりにも無知ですんまっせん汗)昔のアイドル親衛隊よろしく“そろいの法被”を着用し、前方席を埋めるおばさま集団にビックリ!
構成は芝居【二輪草】と【グランドショー】の二本立て(だったはず汗
全体の感想としては、劇団のスター役者さんは「なるほど~」な輝きがありましたが、脇を固める役者さんとのバランスが今ひとつ、な印象を受けました。
純弥さんのヴィトン柄の着流しに「ほぇ~っ」。 Gacktの【ーVanilla】で前方の乙女達に妖しい流し目乱発☆ 彼、私は立役の方が好きでした。
パソコン 恋川純弥劇団公式サイト

2007・松井誠奮闘公演【福岡市民会館】

初・マコ様…でした
女形の美しさから【生きる博多人形】と称され、ショーでは自身が博多人形となり人形ケースから出てきて舞う…というのが人気の演目。
私、失礼ながら…マスメディアで拝見する限りにおいては松井誠さんの女形って、綺麗と思った事はなかったんです汗 だから【長谷川一夫の再来】というのは頷けても、美しい女形…ってのは「はて???」だったんです。 で、この度“生・マコ様”を拝見し…「綺麗!」です、ハイ。 ショーの途中に客席通路を何度か練り歩いてくれるのですが、間近で観た方が艶っぽくて綺麗~! 遠目より近くで観た方が美しい…ってのはスゴくないですか?!
只今、大河ドラマ【風林火山】で北条氏康を演じているマコ様なので(私、全く観たことがナイんです~)、ガッシリした武将体型でもあるのですが、これには歌舞伎の女形にはナイ“肉感的な色っぽさ”があるんですね~。 今後控えている舞台【乾いて候】の為に減量の必要があるそうですが、あまりヤセちゃうと女形をする時に困るとの事(体重の5~7kg増減は常時コントロール可能らしい)
総括。 先日、大衆演劇デビューした私。 再度言いますが…大物演歌歌手の豪華座長公演より断然面白いっ! “お客を楽しませる趣向”を存分に心得た演出と満載のサービスで、泣いて、笑って、目の保養をして…理屈抜きで楽しめる! 人気に納得☆の初・マコ様でした。

【第一部】娯楽時代劇:男涙の子守唄

あらすじ
とある温泉旅館の大切な一人娘が父親知れずの子を生んだ…という事で、家人らがその父親探しに躍起になっていたところに、一年に一度の贅沢!と温泉宿でくつろいでいたヤクザ者の旅人・時雨の半次朗がひょんな事からその父親に仕立て上げられる。 生まれたばかりの乳飲み子を押し付けられて「この子はあっしの子じゃねぇが、これも何かの縁。おいらが立派に育てらぁ。後で返してくれと言っても返さねぇ。後悔するな!」と子供を引き受ける。 太郎吉と名付け、男手ひとつで苦労を重ね育て上げ、親子の情も厚くなった太郎吉8才の時、生みの両親と思わぬ再会となる。 息子の将来を考え断腸の思いで身を引く半次朗であった…。
1時間弱のお芝居でしたが、私、最後はダダ泣きでした…悲しい 大衆演劇の王道・これぞ人情芝居!という感じで、会場のあちらこちらから親子の情愛に心を寄せてすすり泣きが漏れてました。
松井誠さん@時雨の半次朗は第二部のショーとの落差も計算されているのか?すご~く小汚い人足風情のむさ苦しい男を情愛深く熱演。 女優の五十嵐めぐみさんが客演されており、半次朗の務める大工店の男勝りな女親方お熊でピリッ!と締めます。 半次朗とのクスッと笑える演技のやりとりは絶妙☆ 驚いたのは子役ちゃん達の達者な演技! 近藤海太くん@太郎吉と、近藤杏海ちゃん@お弓は実際にも本当の兄妹らしいのですが…ウマイっ! あの涙を誘うあどけない無垢なセリフ回しに、私、ダダ泣きに拍車がかかりました~。
立ち去ろうとする半次朗にすがる太郎吉。 しかしその太郎吉の手を幼い妹・お弓が「兄上さま~」と手をとって引き止める演出の幕には大拍手拍手

【第二部】ショー:華・艶・舞 誠版レビュー

マコ様通常このような二部構成の場合、芝居の方が長い…というイメージがありましたが、マコ様はショーの方が長い! 和洋折衷の上、美はもちろん笑いも随所に織り交ぜてあり見応え充分!ってか、おつりが来るくらい大満喫・大満足のショー。 マコ様のお召しになる着物は全てご自身がデザインされたもので、この着物を観るだけても楽しい、楽しい♪ チラリと見える襦袢や八掛、掛け襟の細部に渡ってこだわりのデザインで、チェックに忙しく、その遊び心溢れる独自のデザインセンスに感嘆しきり。 す、すごいよ…マコ様。 途中、舞台上でお着替えタイムがあったのですが…その衣装替えの早さと、お尻を振ったり、表情で笑いを取りながらも完璧なお太鼓をご自身で美しく結び上げて…ハイ、鬘チェンジの素早さで拍手喝采! これはTVで観たことありましたが…舞台で観た方が数倍面白くてその手際の良さに驚きましたっ!
第一部の芝居で活躍した子役ちゃん兄妹が【壺坂情話】で夫婦役で舞踊る様は可愛いのはもちろんの事、すっごく、ものすっごく上手いっ! もうホントに驚き! どこぞの歌舞伎の御曹司よりよっぽど…上手いかと~汗
男性ゆえタカラジェンヌへの夢を諦めた…という客演ダンサー・神崎順さんが中心となった“タカラヅカ讃歌”ともいえるレビューショーも綺羅やかで楽しい! 神崎さんも洋装の女形で披露する一幕もあったのですが、チャイナドレスのスリットから覗く脚線美に「あら?ホントは女性?」と疑うほどの美しさ~。
大衆演劇の劇団には“三枚目女形”って定番なんでしょうか? お名前が判らないのですが…芝居、ショー共に客席ドッカン☆ドッカン☆湧く大活躍でした♪
終演後は、マコ様が拵えのまま出口でお見送り。 ココまで大きな人気劇団となった今でも、大衆演劇の原点にいる姿勢に驚き、マコ様人気に納得した奮闘公演でした。

橘菊太郎劇団公演【博多新劇座】

「一度、大衆演劇を生で観てみたいっ!」「博多にせっかく専用劇場があるんだから足を踏み入れたいっ!」と、ず~っと思いつつもなかなかその機会を得られなかったのですが、この度、よ~やく初観劇拍手
博多駅から徒歩10分程の立地ながら、大通りから入った道沿い・住宅地の一角にある博多新劇座。 存在は知っていたものの、その立地ゆえ小屋の前を通りかかった事さえもなく、今回ホントのホントに初めてご対面~の劇場。 全国でも数少ない常打ちの大衆演劇専用劇場で、“博多織の緞帳”は博多座が出来る前は唯一だったそうです。
毎月、月替わりでいろんな劇団が1ヶ月公演をはっている訳ですが…今月は【橘菊太郎劇団】。 実際のとこ、観劇可能日がたまたまこの日だった…という事で、この劇団がお目当てだったのではナイ(大衆演劇に関しては知識ゼロですから!)のですが、現在発売中の大衆演劇専門誌【演劇グラフ】9月号では巻頭特集ページを飾るほどの人気劇団のようで(失礼!) しかも偶然観劇したこの日の夜の部では、この劇団の人気芝居のひとつ?特別狂言【下北の弥太郎】が上演されるとあって、大入り! 大衆演劇って“芝居は日替わり”…という事もこの度初めて知って驚いた事のひとつ。 劇団のレパートリーとしては常時いくつくらいの芝居やショーを持っているんでしょう? 実際、本日かける芝居の稽古の為、昨夜は大変だったそうです(座長トークより) これってその日の客の入りや反応をみて座長が「よし、明日はアレを上演するぞ」と決めて…それから翌日の芝居を深夜まで稽古、とか…そ~ゆ~システムなんでしょうか? いやはやプロです!
この日は特別狂言だったので芝居とショーの二本立てでしたが…通常は三部立てが一般的なようです…ね?(誰に聞いてんだか)

特別狂言【下北の弥太郎】

あらすじ
幼い頃、兄妹のように育った弥太郎とおくみ。 二人は貧困の為に生き別れ、成人した弥太郎は旅鴉となっておくみを探し歩く。 そこでようやく再会したおくみは、雇い主からひどい扱いを受ける女郎となっておりしかも失明している可哀想な身の上。 おくみを助け出した弥太郎は彼女のこれからの幸せを一切引き受けると誓うのだが、束の間の再会に悲劇が訪れ、二人はあの世で結ばれるのであった…。
新劇座舞台サイズに合せたセットの造りや仕掛け、照明や音響にひとしきり「へぇ~っ!」「ほぉ~」と感嘆の声を上げ、超高速で開閉される定式幕に爆笑。 演出的には、夢や回想の幻想的なシーンや火事場の迫力あるシーン、そして『まるでコクーン三人吉三か?!』ってなくらいのラスト大雪の中の立ち廻りと絶命のラストには大拍手!
役者は女優陣にひどくバラつきがあったものの、男優陣は皆迫真の演技で一人何役もの大車輪でみせられました。 中でも声が「市川染五郎さんソックリ!」と同行者が気が付いてからは、ついつい「あ!染ちゃんまた出てきた」と端役ながらも大注目してしまった橘文若さんがツボでした(ちなみに容姿は全く似てません!) しかも坂東亀寿さんにソックリ(=橘浅太郎さん)さんも居て大ウケ!(歌舞伎好き仲間と観劇していたので共通の観点で楽しめる) 座長、若座長に次ぐ二枚目・立役の橘良二さんは俳優の森山未來さんに似てました(役者に馴染みがナイから、自分の知っている役者さんに関連づけて楽しむ傾向が汗
約2時間もの大芝居でしたが、ラストは「えっ?!まだ続きがあるの?」と思わされた所が何度もありました。 これは同行者と論議した結果?「歌舞伎を見慣れている者はあそこで幕…でもイイけど、普通の芝居だとちゃんと最後の最後までみせるのが常なんじゃない?」という事に。
大物演歌歌手の歌謡ショーの芝居よりも、よっぽど見応えがあり魅せられました! ホントに!

【唄と踊りのグランドショウ】

まず…なぜだか“いかがわしい雰囲気漂う”進行役のトークがツボ。 節をすご~く付けてアナウンスする車掌さん、ってな要素もあり…。 「ざちょっ!(=座長)」「わかぁざちょっ!」と大向うまでマイクを通してかけちゃいます! ショーじゃなくって“ショウ”っていうところも激しくツボ。
大衆芸能独特の拵えを存分に堪能! デコラティブなド派手着物チェックは特に楽しく…しかし、座長と若座長はさすがにイイ着物で正統派な舞踊をしっとりと。 選曲された歌詞とはまるで関係のナイ振りは不思議(特に今ドギの歌謡曲)でしたが、それもまた特徴なんでしょうね。
踊りの途中で座長の懐にお札をクリップ止めにする客、若座長にプレゼントを渡す客プレゼントされた着物をその場で舞台袖で披露する“人間衣紋掛け”と化した団員(最初、頭と足が出てる上に派手な消し幕だなぁ~と汗)…だけど踊りを止める事なくそのまま最後まで踊り続ける…という独特の趣向は、いや~面白かった!
芝居とショーで約3時間。 こんなに楽しんで大人¥1900って…おトクかとびっくり
また何かの機会があれば観てみたいと思える大衆演劇初観劇でした☆