王様の耳はロバの耳【福岡シティ劇場】

この夏、福岡シティ劇場では“劇団四季のファミリーミュージカル”2作品が連続上演!…という事で観てきました。
私が子供の頃って、掲示板でも何度かお話しましたが、学校に劇団がやってきてお芝居をする(何故か毎回【安寿と厨子王】)…というタイプのものが多く、劇場に出かけて皆で観劇した、という事はありません。 でも先日、友達と話してて…どうやら四季の【嵐の中の子供たち】を観ていたようなんです。 最後に汽車が出てくる事しか覚えてナイけど。
…と、言う事で自分に子供がいる訳でもなく、付き添いとして連れて行くお子様が周りに居るわけでもない私は“ファミリーミュージカル”なるものに全く縁がなく、多分二十数年ぶりの観劇となったハズ。 会場は当然のごとくお子様がい~っぱい♪ 演出や衣装、舞台美術も子供たちを楽しませる工夫がいっぱいで、と~っても可愛らしい 目にもとっても楽しめました。
この作品のテーマは…
本当のことを言うことは時にはとても難しいけど、自分が損をしてしまうからと言って、周りの人のことを考えなくていいのか? 『真実の姿を見る目、真実の声を聞く耳、そしてなによりそれを語る勇気』 自分を犠牲にできる勇気。 そんな勇気をこの作品を通して子供たちに伝えたい…というもの。 役者さん達の大熱演で、きっと会場の子供たちには、そのメッセージはしっかりと伝わったはず!
『劇団四季って外国のヒットした作品を持ってきて日本で上演する劇団』という印象しか持っていなかった私。 前回上演されたオリジナルミュージカルや今回のファミリーミュージカルを拝見し、その守備範囲の広さに驚きました。 最近はストレートプレー作品も多いようですし。
もっと【劇団四季オリジナル作品】を観てみたいなぁ、と思いました♪
ところで…皆さん【王様の耳はロバの耳】ってお話、最後はどうなるかご存知ですか? 私、お話自体は漠然としか知らなくって、今回初めて結末を知った次第でございます~ 。

劇場 キャスト
王様:栗原英雄/ローストビーフ卿:吉谷昭雄/アブラハムハム公爵夫人:菅本烈子/黒い探偵:江上健二/詩人チキン:内海雅智/将軍ボイルドエッグ:神保幸由/床屋:佐野正幸/ニボシ:伴藤 武/ナタネ:真鍋奈津美

ユタと不思議な仲間たち(千穐楽)【福岡シティ劇場】

ヒノデロ・福岡公演

6/29~7/22、全26回公演のうち…7公演、観ちゃいました! ダブル、トリプルキャスト…でロングラン公演ならいざ知らず、1ヶ月もナイ公演期間中に同一キャストで上演された演目に対して、自分でもそのハマり具合にビックリでしたが、それだけホントに素敵な作品なんです☆  勢いで“四季の会”にも入会しちゃったし。 私のミュージカル最高観劇回数記録【エリザベート】を更新です。
福岡シティ劇場でかかる演目は、とりあえずだいたい観ていたのですが作品として漠然と観るだけで“ハマる”という事はありませんでした。 多分、歌舞伎の要素も盛り込まれた“和風テイスト”あふれる…という点が大きな要因かと思いますが、一番の要因は気になる役者さんが見つかった、という事でしょう (多分今までも舞台は拝見してるんだけど) 歌舞伎の時もそうでしたが“好きな役者”さんが出来ると、それからのハマり具合に加速がつきますよね。 …自分がコワイ。
今公演は…残念な事に平日の入りが悪かったようで、昨日の千穐楽も前日まで当日券が余裕で残ってて、心配しましたが…行ってビックリ! 夏休みという事もあって? リピーターが見納めに? ほぼ満席でした。
ですから最初から客席の反応は熱くて、拍手も大きくて、速くて、長い! その熱を受けて、舞台からも熱く力強い演技が返されて感動的な舞台でした。 子供たちが敏感に反応してかわいい笑い声が溢れる客席は観ている方もニッコリです♪
道口さん@ヒノデロをしかと見納めようと、下手のお席での観劇でしたが、かなり端でしたので、実は見切れてしまって期待したほど間近で拝見する事は出来ず、舞台全体を落ち着いて観収める事が出来ました~。 今までど~してもヒノデロに視線が釘付けになってしまって、全体が多分きちんと観れてなかったので、良い機会だったかと…。
本日驚いたのはフライングのシーンで、曲に合わせて手拍子が出た事! 多分、皆メロディーを口づさんでいたんじゃナイかしら。 回転するところは当然スゴイ拍手。 【鐘の音の輪にのって】というよりは、客席の手拍子にのって、5人の座敷わらしとユタはと~っても素敵な表情で空を飛んでました。 役者さんたちのこんな表情を拝見できただけでも「今日観てヨカッタ!」と思える会心の笑みだったんです。
千穐楽かと思うと自分の感情も高まって、今までも心に響いていたセリフのひとつひとつがより深く突き刺さって…ボロボロ泣いてしまいまして、大変でした。
カーテーンコールは一体何回あったか判りませんが、役者さんたちの『やり遂げた』という満足感溢れる素敵な笑顔がズラリと舞台に並び、総立ちの客席から大きな大きな拍手に包まれて…とっても感動的でした。
これで、大好きなペドロ一家とは再会の予定がナイしばしの別れで寂しい限りですが…“道口瑞之さん”という役者さんに注目して、四季の舞台を拝見する楽しみができました

青い旗キャスト
ペドロ:光枝明彦/ダンジャ:増本藍/ゴンゾ:吉原光夫/モンゼ:高城信江/ヒノデロ:道口瑞之/ユタ:望月龍平/小夜子:八幡三枝/寅吉:吉谷昭雄/ユタの母:西島美子/クルミ先生:丹 靖子/大作:菊地正/一郎:澤村明仁/ 新太:小川善太郎/たま子:種市万理子/ハラ子:大口朋子/桃子:大月恵

ユタと不思議な仲間たち【福岡シティ劇場】

日本のミュージカルはこんなに面白いものだったのか。』というキャッチフレーズと、怪しげなポスターで「ホントかなぁ~」と今イチ観劇にノリ気ではなかったのですが…2回の観劇を経て、ハマりました。
ミュージカルといえば外国の作品しか観たことがなかった私にとって、日本の懐かしい風景が広がるセットや、東北弁セリフ、演歌や民謡を取り入れた歌、そしてだっさーい田舎の服装…と軽いショックを受ける事が多かったのも要因
ストーリーは父を亡くした少年・勇太が、母の故郷である東北の山奥の村へ転校するが、もやしっ子の勇太は“ユタ”と呼ばれ、村の子供たちと馴染めずイジメに! ひとりぼっちのユタは村の老人から“座敷わらし”の言い伝えを聞き、彼らとの出会いを通してユタは心の成長を遂げていくというお話し。
『友達はいいもんだ』『生きているって素晴らしい』…とその言葉だけ聞くと説教っぽくて拒否反応があるかもしれませんが、そこは個性的な愛すべき5人のキャラクター“座敷わらし”からのメッセージである事で、観る者の心に素直に響いてきます。
【学級崩壊】【いじめ】【命を軽んじる事件】【教育現場の荒廃】…と、’80年代に作られた作品であっても、現代においてなお一層深刻になっているこれらの問題が提議されている所が興味深い。 これは学校観劇や家族で劇場に足を是非とも運んでほしい舞台。 劇団四季の作品の中でもリクエストが常に高い人気の作品というのはなるほど、そうだろう!…と思える、素敵な作品。
そんな“教育的テーマ”の作品にあって、何故ハマったかと言いますと~
☆ 日本の懐かしい風景を再現したセットの素晴らしさ
☆ …かと思えば、レーザー光線、本水、ワイヤーフライングの最新演出
☆ サエない服装の子供たちがものすご~くダンスが上手い事
☆ 座敷わらしの一人、道口瑞之さん@ヒノデロにグッときた事

座敷わらしは皆、歌舞伎の隈取りのようなメイクをしているのですがヒノデロは女形、という感じ。 所作がと~っても綺麗なんです!! 「きっと歌舞伎の女形をみて研究したんだわ!」と思える役者ぶり。 カーテンコールでも「ヒノデロ~」と客席から声がかかるほどの人気です。 しかもこの道口瑞之さん@ヒノデロ、中村芝のぶさんに似てるんですよね~。 公演期間中、通ってしまいそうです!
この作品、歌舞伎が好きな人は…きっと好きだと思いますよ♪

青い旗キャスト
ペドロ:光枝明彦/ダンジャ:増本藍/ゴンゾ:吉原光夫/モンゼ:高城信江/ヒノデロ:道口瑞之/ユタ:望月龍平/小夜子:八幡三枝/寅吉:吉谷昭雄/ユタの母:西島美子/クルミ先生:丹 靖子/大作:菊地正/一郎:澤村明仁/ 新太:小川善太郎/たま子:種市万理子/ハラ子:大口朋子/桃子:大月恵