鋼鉄番長【嘉穂劇場】

東京開幕後、客演の池田成志さんが怪我の為に休演(代役:河野まさとさん)で残念に思っていたら…主役の橋本じゅんさんが病気の為休演→降板という衝撃的なニュースが!!どちらもYahoo!ニュースのトピックスでその一報を知ったのですが「ヤフトピに来るなんて劇団☆新感線って超人気劇団になったもんだなぁ~」と劇団創立30周年という記念公演というのに、なんとも残念なニュースながら感慨深いものが…。
残念ながら何回かの東京公演は休演になってしまったようですが、じゅんさんの代役が三宅弘城さんに!という事で私、一気にテンション↑↑↑ …というのは私、TVドラマ【怪物くん】が大好きで、それに出演されていた三宅さん@おまわりさんがすっごくお気に入りキャラだったんです。 代役に決まった時、三宅さんは「これはマズイねぇ~」(←おまわりさんの決めセリフ)と言ったはず?! 劇場に掲出されているポスターも『再起動』というキャッチコピーで三宅さんバージョンが♪
嘉穂劇場って何度か行った事はあるんですが、実は観劇するのは今回が初めて。 福岡市内から嘉穂劇場のある飯塚市内に移動の道中、視界が真っ白になって帰りの道中が心配になるほどの雪が降っている本日。 福岡、初雪です!
昔ながらの芝居小屋なので、寒さ対策は万端で☆ 音響や照明は設備的に劣るんだろうなぁ…と勝手に覚悟していましたが、全く遜色なし! 毎度、大音量のOPや笑える力作のスクリーン映写の映像もクリアに楽しめました(終演後、小屋の外には照明用の電源車もスタンバイしていた事に気付き、な~るほど♪)

おバカ、おポンチ、くっだらなぁ~い事を真剣に全力投球ハイテンション&フルスピードで展開する舞台に、ここ最近ちょっと上質な?文芸作品並み?になってしまった“いのうえ歌舞伎”作品が続いていたただけに「やっぱコレだね~」と懐かしい安堵のようなものを感じながら大爆笑。 肩をフルフル震わせて…吹き出す事数知れず。 後方スクリーンに流れる数々の力作おバカ映像も全て三宅さんバージョンで撮り直したんだろうなぁ…とそのご苦労を伺いながらひたすら爆笑。
もうね、逆木圭一郎さん@蟹江田刑事の出だけで吹き出しました! 逆木さん、その目張りは反則でしょう!!(大好き!) 保坂エマさん@沢々尻モニカは、エマさんがここまで大きなお役をされるのは初めて拝見したので、改めて「スタイル抜群の美人でなのにフリきってるなぁ~」と軽く感動。 河野まさとさん@井尻亀吉は、胡散臭さ満載は健在で、まさとさん好きな私としてはその頑張りは見てて痛々しいほどでしたが、残念ながら歌になると何を言っているか判らな~い。 村木仁さん@真毛校長のハナ肇ちっくな銅像ぶりや、ネエ子の映画【Hairspray】のトレイシーを意識したファッション(しかし牛だけどな!)のプリティぶりはドツボにハマり「可愛い~!カワイイ!」と思わず連呼。 右近健一さん@九竜伊崎教頭は假屋崎先生的な出で立ちだけで「きたぁ~っ!右近さぁ~ん!」で笑えたのに、バックがそんな事になっているとは! 前方桟敷に座っていた知り合いによると、あのお尻は「キラキラファンデが塗ってあった!」と言ってました。 あれ、衣装を作る時…パタンナーさんとか、お針子さんとか…いろいろ大変だったろうなぁ~。 採寸した時の様子を想像すると…かなり笑えます。 高田聖子さん@権田原ユカは由美かおるを意識してますか? 白いセーラー服がとってもお似合い♪
そして…やっぱり一番笑ったのは古田新太さん@天王寺天牙の登場。 青い照明にシルエットが浮かんで怪しくメロディアスに、ダンサブルに登場。 コレって東方神起のパロだそうで…元ネタを知らないけど無駄にキレのあるダンスに大爆笑! ビックリするほどスリムになった古田さんに驚いていたら、舞台上でもネタにされてました。
客演のお三方は…
三宅弘城さん@兜剛鉄は、とにかく拍手喝采! 主役交替から本番までどのくらいの期間があったのでしょうか? とにかくお疲れさまでした…。 小柄な体躯で筋肉隆々な様が他のキャラとの対比となってイイ味が出ていたかと
坂井真紀さん@浅見山サツキ。 南野陽子バージョン【スケ番刑事】がモチーフなのは…坂本龍馬ブーム→土佐弁だから? ゆ~っくりしゃべる土佐弁がとってもキュートでした。 まさかあのTBCのCMが見れるとは!
田辺誠一さん@土方夢知彦。 私、映画【少年メリケンサック】のTELYA役が猛烈にツボだったので凄く期待してましたっ。 マッチか?トシちゃんか?的なバンダナ+Gジャン=アイドルな時代のフリ切った様がナイス(特に映像)。 早口になるとちょっとセリフが聴き取りずらい~。
30周年にこ~ゆ~作品を持ってくる所に改めて新感線の魅力を感じ、「やっぱり新感線だな!」と嬉しくなった公演でした♪

薔薇とサムライ【赤坂ACTシアター】

劇団☆新感線30周年興行の第一弾! 新感線RX【薔薇とサムライ~GoemonRock OverDrive】。 2008年夏に上演された【五右衛門ロック】のパラレルストーリーとなる今作品は、【阿修羅城の瞳】以来7年振りの客演となる天海祐希さんを迎え、古田新太さんとの二枚看板でドカ~ンと大きな花火を打ち上げるごとく、劇団の魅力をあますところなく盛り沢山に盛り込んだ痛快冒険活劇?!
今回のLEDスクリーン…というのかな? ここまでの多用は【TOMMY】で観て以来ですが、すごく苦手意識があったので、冒頭構えてしまったのですが…あれ以降、技術も性能もUPしているんでしょうね! 色の再現や奥行きも感じられ上手~く使っていて楽しめました。 大道具といえるセットは船の船首と船尾、ドレスの山くらいで、後の殆どはすべてLEDスクリーンで表現。 ツボだったのは五右衛門ロックのメインテーマ曲の“五右衛門マン”?的なキャラクターと(あれキャラクターグッズとして作ればイイのに)マンガの擬音、擬態語、視覚効果が面白かった! 映像で歌詞を映し出すのはお馴染みですが、カラオケ映像チックに歌詞が出たり、歌や声質、歌の内容に合わせて書体も変え横書きだったり、縦書きだったり~♪ そして客席ドア~通路を使用する際には『LIVE映像○○扉付近』とハンディカメラ映像が映し出させる演出には大爆笑☆
毎度ですが、芝居のタイトルロゴのデザインはカッコイイなぁ~♪

バラ 天海祐希さん@アンヌ・ザ・トルネード
阿修羅…から7年も経っていたとは!と驚きながら当時の観劇の記憶を辿ると「天海さん仕様で歌とダンスがチラッと加味」「綺麗カッコイイなぁ~」という印象は残っているものの、“和物+殺陣”という事で市川染五郎さんの印象が圧倒的に強く、ヴィジュアル以外に今ひとつ記憶に鮮明には残ってなかったのですが…今回は『天海祐希ここにあり!』的な圧倒的な存在として君臨☆ アテ書きなので彼女の魅力をあますところなくフルスロットルで堪能できる今舞台は、大仰な衣装で歌い踊る様に宝塚時代の彼女の舞台姿を知っている方は感涙ものでしょうし、シリアス~コミカルをあの端麗な容姿でスパッと潔く立ち廻る様に『“主役の華”ってこ~ゆ~事なんだな☆』と納得させられ、グイグイと引き込まれる感じ。 あまりのカッコ良さに「惚れてしまうやないか~い!」と突っ込みたくなるような…宝塚ファンの心理がちょっと解ったような、そんな感じです。 観た事ナイ私でさえ、オスカルちっくな出で立ちには「おぉ~っ♪」と大興奮(ヅカ時代、オスカル未経験らしい…)で、とにかく取っ替え引っ替えの“コスプレ天海祐希”は目にも楽しい。 しかし【貴婦人になるための10ヵ条】だけは、矢島美容室のストロベリー(=貴さん)に見えてしまった事は内緒汗(カツラのせいよ!きっと)。 歌は、阿修羅…でチラッと聴いた時に「あら~?残念な感じ?」という印象だったのですが、地声のドスを効かせてガラっぱちに歌うのも、ミュージカル風に綺麗に歌い上げるのも…上手くてビックリ! 十字架に貼付けられての独唱【あなたが泣いてくれたから】(だっけ?)は神々しい感じさえあり聴き惚れました♪

ドクロ 古田新太さん@石川五右衛門
あえて感想を書かなくても、期待通りの…それに十二分に応えてくれる古田さん。 「何故この時代にこの国に五右衛門が?」なんて考えちゃいけません。 ただ純粋にそのドタバタを楽しめばイイんです! 新感線って客演が多すぎると、それぞれに見せ場を与えて散漫な印象になりがちですが、今回は【天海×古田】という構図が明確! 一幕最後、二人のガチンコ体勢でのライトを浴びた睨み合いの引っ込みはゾクゾクするほどカッコイイ☆
五右衛門のコスプレは全てが爆笑もので、変装してみてはその正体をバラすお約束のくだりがいちいち笑えるし、舞踏会に忍んでいくのはその格好でイイか? 牢屋でバルバを助ける一瞬の格好、それは~永井豪先生の○っ○○仮面ですよね?…って事が解ったのは何人居るか?(解る私もどうかと~) フラメンコの小刻みタップは死ぬほど笑ったし、スクリーンの小便小僧のあまりの勢いの良さに何か絡むだろうとは思ったものの…爆笑! キメる所はバシっと決める☆ イイ加減なゆる~い感じなのに、バシっと決めるとなんであんなにカッコイイんだろう? 舞台の古田さんはやはり“歌舞伎”だと思う

冠浦井健治さん@シャルル・ド・ボスコーニュ
ヒット!大ヒットです! 私はコメディな浦井君を今まで観たことがナイのもあるのですが(Vのアルフレッドは末見)予想の斜め上を行く好演で、今作品一番の驚きだったかも?(他の皆さんももちろん好演ですがそれは想定の範囲内、期待通りな訳で) キラッキラの王子様を思いっきり振り切ったオモシロ王子に演じてて、大爆笑。 白い歯を出してキラリ☆と笑う度に笑いが~。 歌はいわずもがな「ウマ~♪」で、殺陣の中にもチラリとダンスの決めポーズを入れてカッコ付けても見事に決まるっ☆ 自国での人気ぶりを紹介する映像で掲載雑誌の表紙や、自国の通貨の単位(河野まさとさんの下僕ぶりに爆笑)、そしてマイケルJのあのPVをパクった?クローン戦士の行進…とか、とにか笑える。 ミュージカルファンには天海さんをルドルフに見立てたエリザの【闇が広がる】のアノ振りが観れたのはたまらなくツボでした。 浦井君、恐るべし!

船 橋本じゅんさん@海賊バルバ・ネグロ
ココ数本は重厚な国崩し的なお役が多かったじゅんさんは、それはそれで素敵だったのですが…私的には「コレよ!コレよ!これでこそ、じゅんさん♪」というたまらなくチャーミングなお役で大爆発☆ 大満足♪ イイ! まさかあんなキャラに転じるとは! しかも何度も衣装替えがあってその度に笑わせてくれるとは! しかも似合っているとは~♪ めちゃめちゃ「イイんじゃな~い」
右近健一さん@ゴンザンス男爵 これまたドつぼ! 右近さんの魅力をいかんなく発揮しているお役で堪能できて私、大満足☆☆☆
森奈みはるさん@エリザベッタ 改めて歌ウマ~♪ 「なぜ歌う?」と度々アンヌに遮られながらも臆せず歌い続け、ヅカ的お姫様ドレスを着こなし、“あくまでミュージカル”な立ち位置を堅持する様も笑え…物語のシリアス部分の骨子をガッチリと支えていらっしゃった印象。 上手い!
神田沙也加さん@ポニー・デ・ブライボン ミュージカル作品では数本観ているけど、こんなにも彼女の地声に近いアイドルちっくな歌い方をするのは初めて聴きました(こ~ゆ~曲は改めてお母さんの声質だと確信) せっかくの新感線なら…もっと弾けた浦井君くらいの“新感線色の強い役”で観たかったなぁ…と。
藤木孝さん@ラーカム・デ・ブライボン大宰相 パンフレットを読むと今回のキャスティングにおける一番のヒット☆だそうですが、品ある嫌みや物腰表情がなんともハマる!
山本太郎さん@デスペラード豹之助 私にとっては未だに“メロリンQ(=天才たけしの元気が出るテレビ)”な彼ですが、生で拝見するのは初めて。 正直…必要なお役かな?と思ったのですが…ソレは置いといて…声が良くて歌もなかなか♪
高田聖子さん@マローネ粟根まことさん@ガファス・デ・ナルビオッソ将軍河野まさとさん@ピエール・ド・ボスコーニュはさすが! まさとさんの“裏がありすぎな胡散臭い小物っぷり”が毎度ツボです。
【五右衛門ロック】はどうにも都合がつかず生の舞台は観れなかったのでゲキシネ観劇だったのですが…期待し過ぎたのか、私的には今ひとつ汗 でも、今舞台を観て「生で観ていたら印象が違ったんだろうなぁ…」と思った次第。 両方ご覧になった方、いかがでしたか?
超ド派手で大爆笑の冒険活劇、大楕円でハッピーエンド☆ ミュージカル好きには歌やダンスも堪能できあ~、面白かった♪」と帰路につける作品。
きっと日替わりで楽しめるアドリブ部分も沢山あるんでしょうね? 観劇に通える方はそんなトコも堪能出来ると思うと羨ましい!

蛮幽鬼【梅田芸術劇場メインホール】

上演が発表された時は「猛烈に観たい!」けどあまりにも発表が前過ぎて、上演時の自分の状況が全く読めず、見送り…先に始まった東京公演の評判も悲しくなるので、目に触れないようにしていました。 が!幸運にも大阪公演のチケットをオペラグラスいらずの、花横(花道があったらね)という素晴らしいお席をGETする事が出来まして急遽遠征!

情報シャットアウトで辛抱強くゲキシネ公開まで待つつもりだった故に、公演パンフレットで開演直前に「あ~“岩窟王”がベースになってるんだぁ」と知った次第。 パンフレットに、いのうえさんが書かれているNHK【日本巌窟王】(1979年放映)って当時、ウチの家族は夢中で観てましたっ! ホントにものすご~く面白かった!! 主演の草刈正雄さんよりも、“激しいキザ男”を演じていた志垣太郎さんが我が家では大人気で、当時“キザマン”とあだ名して毎週放映を楽しみにしてました…懐かしかぁ~♪

舞台観劇が叶わなかった【五右衛門ロック】を先日ゲキシネで観た時「客演が多すぎると新感線の役者さんたちの出番が削られて消化不良になるなぁ~」と思いました。 客演役者に見所を個々に与える為か?なんかすご~く散漫な印象が強く、生で観たら違ったのかも?…ですが、そんな感じでひどく残念だったので、今作品もその事をちょっと危惧しての観劇だったのですが…そんな心配は不要の面白さでしたっ!! 大好きな、じゅんさんも右近さんもまことさんも適材適所、見所も相応にあって◎

開幕前にスクリーンに映し出される文字は…【蛮記】→【蛮記】→【蛮記】と幕が上がる前に次第に変わっていくんですね。 ロビーにあったブロンズ像?も開演前は顔にマスクが…で、幕間にはそのマスクが取れて…と細かな演出も面白い!って、あの像自体は舞台には出てこないんですね。 土門のイメージ像なのかしら??? 幕が上がる前からテンション↑↑↑な仕掛けもウマイなぁ~。

まずは客演陣の感想から…。
堺雅人さん、稲森いずみさんは私、生の舞台では私、初めて拝見。♪

堺雅人さん@サジはあの声の持つ印象からは想像出来ないほどクリアにスコーンと通る舞台声なんですね!(舞台出身ですものね)どんなに早口でもクリアに聴こえてビックリ! サジは当て書きなんでしょうけど、あの謎な微笑みをず~っと浮かべているのは顔の筋肉が硬直しないのかしら? 常時笑顔がスッ消えてクワッと目を見開いて言う迫力は血の気が引くような怖さがありました。 “見得を切る”ようなクローズアップ効果というか、惹き付けられるというか…。 一番ゾッとしたのは、親友を殺したのは実は…ってトコですね。 正常な人間の心を持っていない所が彼の悲しい所なんだろうけど。 衣装のシルエットがそうさせるんでしょうけど、殺陣はスピーディーなれどキレが今ひとつに見えるんです。 あのシルッエットがスリムな方が体の線が見えて“キレ者”って感じがしてイイような気がしたんですが…それがひどく残念。
対して、何度も舞台を拝見してる安心感のあった上川隆也さん@伊達土門/飛頭蛮が役作り故の低い声多用の為か?時々聴こえずらかったり、チラリと聴いた久々の歌声も劣化している印象で…個人的には消化不良でちょっと残念。
稲森いずみさん@京兼美古都は「顔ちっちゃ!」 スラリとした長身美女なのは判ってましたけど、舞台に居並ぶとその長身と小顔っぷりが一層でした。 ラストの凛とした大君風情は相応でしたが、声が低いだけで今ひとつあの国の民として彼女の声に説得力かなかったように思えたのはあくまでも私的感想。
早乙女太一くん@方白/刀衣は、殺陣も踊りもさすがですが…もうそろそろ違うタイプのお役で拝見したいですね。
山内圭哉さん@稀浮名のキャラがすご~く好きでした。 優柔不断なプレイボーイでズルイ男っぷりがなんとも上手く、スキンヘッドと後頭部からの蔦のようなタトゥーのヴィジュアルがナイス☆ このタトゥーはちょっとウィーン版エリザベートの衣装を思い出しました(蔦=腫瘍=悪いモノに浸食されている)

そしてお目当ての劇団メンバー陣は…。
橋本じゅんさん@稀道活は国崩し的なスケール感もあってイイ! コール&レスポンス、あれだけ声を張り上げて毎回とは…よくノドつぶさないなぁ~。 五右衛門…に続いて、じゅんさん大活躍ですね! 「南海のフェリー乗り場に居ただけだよぉ~」と時事ネタも。 右近健一さん@鳳来国の大王はその出だけでクスクス笑ってしまう~。 全てにおいてラブリー過ぎだろっ!  高田聖子さん@ペナンはさすがに達者だ! お腹をボリボリ掻きながらジョントラボルタよろしく“サダデーナイト・フィーバー”ポーズでニカリと決めちゃうポーズに爆笑。 あれで姫って☆ モロ肌脱いだ聖子さんに「おぉ~鍛えてるう~♪」 村木よし子さん@稀浮名の妻・鹿女完全に大阪のおばちゃんを誇張した出で立ち。 これは東京公演でもそうだったのでしょうか? 女を捨てた演技に「お前の芸風はソレでイイのか?」のツッコミには激しく笑ったけど「彼女の高槻の実家へ送り届けて」とかご当地ネタでのいじりは笑えるツボでした。 でもって稀浮名を追い回していた三人の女の子は【美女と野獣】でガストンを追い回すシリイガールズそのものでしたね♪

舞台美術は…冒頭、雨のように星が降ってくる様子は綺麗だったぁ~☆ あんなに降ってくるのを実際目にしたら、この世の終わり的な感じがして怖くなってしまうだろうけど…。
今回一番感心したのは、屋上で星を見て友人が叫び声を聴いて驚き、階下に下りて行く階段~下の階へ下る見せ方! そして同じく幽閉されていた牢屋から地下に掘った通路を下りて行く見せ方! すごい!感動!ホントに下へくだっているようで、潜っているようで…スゴイ工夫だなぁ~♪
第二部開幕前の幕前解説と注意事項アナウンスは元四季の女優さん。 劇団四季開口法バリバリのしゃべり方で客席が湧いたけど…「やっぱ、演ってた本人たちも不自然に思ってたのね」と苦笑いの一幕でした。 新感線を観る客層と四季観る客層ってカブらない印象だったから、笑いが取れていたのに驚いた~(ま、私みたいのも居るけどね)

総括としては大物客演が多かったのに、劇団員とのバランスが上手い具合に取れた娯楽作品☆という印象。 いや~、面白かった!!!

朧の森に棲む鬼【新橋演舞場】

染五郎さん×劇団☆新感線の生の舞台は…実は2003年9月松竹座での【阿修羅城の瞳】以来2度目の観劇。 自分でも結構観ているような錯覚を起こしてましたが生の舞台となると…でした。 『新橋演舞場でお正月公演』って、新感線スゴイですね~。
今回、終始気になったのは音量のバランス。 オープニングからの大音量は慣れているとはいえ、今回は少し下手寄りの…センターからズレた席での観劇だったから、なおさらそう感じたのかもしれないけれど、音楽・セリフともに音のバランスが悪く、心地悪かった~汗
今作品は“大人のいのうえ歌舞伎”としては初のオリジナルだそうで、以前の作風や演出とは趣きが違うところはあれど、オリジナリティ溢れる魅力はそのまま健在。 以前感じた“チャンバラ”は“殺陣”になっていた…という感じを特に強く受けましたし。
いつもオープニング~タイトルの見せ方には感嘆するものがありますがこれはもちろん期待を裏切らず「くぅ~っ!カッコイイ~っ☆」 今回全編を通して印象的だったのは本水の使い方。 歌舞伎や他の舞台でも使用はよく目にしますが…あんな使い方をするとは~!!! 舞台美術全般も期待以上で、特にラジョウのセットが洋画と絡んで面白かった♪
朧たち
今回の戦国時代劇で、染五郎さん@ライ【リチャード三世】と【マクベス】を足したような極悪人。 二つの国が争う乱世の中、森で3人の魔物に出逢ったライは、命と引き換えに王の座を持ちかけられたうえ、魔剣“オボロの剣”を与えられる。 この魔剣を武器に様々な嘘と謀略を駆使して、乱世をのし上がって行く…というキャラクター。
最初はただの軽薄な嘘つき男が魔剣を手にして振り回され、策が功を奏する度に自信とドス黒いや野望を抱き欲望のまま突き進む様は恐ろしく、自分を慕う者も平然と裏切り斬り捨てる形相はさながら“鬼”のよう。 染五郎さんの色悪は歌舞伎では観たことがあるけれど、どこかお上品さがあって「ゾゾゾ~」というものは感じた事がなかったので、今回の国崩し的な大悪役+色気のハマりっぷりには正直ビックリ! 早速歌舞伎でもそんなお役を拝見したくなりました。
他はその他の役者さんについて…
阿部サダヲさん@キンタ これは儲け役だけど、このような役は阿部さんがすご~くハマりますよね。「俺はバカだからバカにされたことはあっても、他人のことをバカにしたことねぇ!」ってセリフは全編通して一番心に残ったセリフでした。
秋山菜津子さん@ツナ 女が惚れる女、って感じのカッコイイ女を演じたら…これまたハマる方ですね。 旦那からの手紙を声に出して読むライに「飛ばして!」っていうのが絶妙の間で相当笑えた~♪
田山涼成さん@イチノオオキミ へちゃむくれ具合が愛らしい☆ 全編ドロドロした陰鬱な中、唯一ホッとするラブリーキャラを好演
この日の日替わりネタは…『まんだらけ』と『蹴り上げたら二度と戻ってこない蹴鞠を買いに行こう!』『遊べないじゃないかっ!』でした。
個人的には、橋本じゅんさんのご出演がなく…「寂しいんじゃなぁ~い?」
出来ることならあと数回、舞台の進化を観てみたかった!と思わされる興行側の漲るパワーに圧倒された完成度の高い…それでいて映像作品を観ているみたいな感じでもありました。

阿修羅城の瞳【松竹座】

初演の時のビデオを観て思っていた事。 「これは…生の舞台で観たらもっとオモシロかったんだろうなぁ」 で、再演の話しを聞いて「おっ♪」 キャストを聞いて「遠征決定!」
計らずも阪神タイガース、18年ぶりのリーグ優勝までマジック2となって盛り上がる大阪松竹座に行って参りました(劇場はアノ戎橋がすぐ近く。恐ろしいまでの人口密度!)

染五郎さんが劇団・新感線☆に客演した今回の【阿修羅城の瞳】といい【アテルイ】といい…何が好きかっていうと、スチール写真のアートディレクション! モデルや写真も…もちろんイイんでしょうけど、あのデザインが大好き♪ クリエイター魂が刺激されるポスターや豪華パンフレット。 デザイン構成もシビれます。 豪華すぎて重たいので、予定がなかったけど“写真集付きパンフレット”買っちゃいました~。

はじめに…ご覧になった事のナイ方の為にストーリーを…となるとメチャ長くなるので、割愛させていただきます。

さて、感想は…と言いますと、「天海祐希さん@闇のつばきの、見るものを威圧するほどの美しさ」「橋本じゅんさん@祓刀斉の“いいんじゃない?”」「右近健一さんの@呼鉄の丸まっちぃラブリーさ」が私的“◎”な部分。

伊原剛さん@安部邪空は“デッカイ”という部分での存在感はあるけど、真面目すぎるのか?硬いのか?今イチ印象が薄い」「夏木マリさん@美惨は“うるさい”。 あそこまで美惨が表立って目立つ必要がある役ではナイ気がする」というのが私的“?”な部分でした。

江戸の町に出没する“鬼ども”。 顔の造りはちょっと“恐竜チック”だけど、暗い照明に無数の赤い目が光り不気味さを醸し出していて面白かった。 私は記憶にナイけれど、前回とこの顔の造りは変わっているそうです。
通して、一番グッときたのは…実はオープンニング。 布が舞台中央まであがって、そこに炎と瞳の映像が写し出され【阿修羅城の瞳】というタイトル。 メラメラと炎で焼け落ちる…ような映像とともにそのタイトルが弾ける…といった演出で相当グッときた。 「これ…“いいんじゃない?”」

大阪を去る15日夜、タイガース優勝決定。 おめでとうございました!