レ・ミゼラブル(禅さん@マリウス)=その1【博多座】

20才くらい歳の違う、息子とコンビを組んでいるような貴重な公演!」と原田優一くん@アンジョルラスとの今回の共演を楽しみに?恐怖に?先日のラジオで語っていらっしゃった禅さん。 その貴重な公演の2日目です。
まず、その原田優一くん@アンジョルラスですが…1日目(17日マチネ)では、“アンジョルラス×マリウス”というには、ヴィジュアルも含めてさすがに違和感がありながらも『精一杯頑張ってるな』という印象で硬さが見受けられましたが、本日2日目(18日マチネ)は…驚きましたっ! 禅マリウスとの共演、たった1日を経て、ものすっごく成長してましたっ! 原田くんにとってはこの日のソワレが千穐楽なので力が入っていた…という事もあったのかもしれませんが、堂々たる頼もしいリーダーぶりと演技の細やかさに目を見張りました! 故に昨日「やっぱり無理が…」と多少感じた禅マリとの違和感も激減。 エポニーヌを失って落ち込むマリウスを慰める兄貴ぶりに頼もしさも見てとれて◎ 今日はガブローシュが投げた鞄をアンジョルラスがキャッチしたのですが、その鞄を振りかざして♪立つのだ 仲間よ~ 世界に~自由を~♪は圧倒的な存在感! そしてその鞄から弾を取り出して銃に込めて次々と敵に向かって遮二無二発砲する様に…涙。 原田アンジョルラス。 次の再演での登板を心待ちにさせられる好演でした。
青りんご 石川禅さん@マリウス
再度お断りしておきますが、私、現役マリウスについては、これほど注視していないので「そんな事は現役もやってるよ!」という部分がありましたら…重ねてお許しを。
【囚人】ガッツリつるはしで掘ってます。 作業中、結構私語が多いような?
【労働者】チョビ髭で髪は後ろ一つ結び(←工場まで) ぬぼ~っとした感じで遠巻きに観ている
【旅人(まともな宿屋)】つかず離れず…だけどバルジャンの鞄をヒョイと投出し「怖い、怖い」って感じで一目散にスタコラ仲間と肩を組んで走り去る
【見物人】治安官のすぐ後ろの背に隠れて覗き見て、去り際に治安官の背中をつついて質問するも怒られて、仲間の背中を押しながらアタフタ退散
【失業者・労働者】チューリップ帽とショールをまとって【一日の終わりに】。 工場では…手首が痛いようで支払いの際に係に懸命に症状を訴えてる。 騒ぎもぬぼ~っとみて、ファンテーヌの後ろに回り込んで、ニヘラ~笑顔で顔を覗き込む
【治安官】ぬぼ~っ感が一番高い。 人のイイ庶民派な感じで、やたら見物人から話しかけられる。 出世とは縁遠い事なかれ主義のような感じ。市長がつばを吐きかけられた際の驚き顔の落差に笑える。 ファンテーヌを抱きかかえる去る様は機敏。
【裁判官】特筆すべきものはなく…トントントントン☆
原田アンジョ×禅マリウス
♪何かが起きなきゃおかしいぞ いつか いつか いつか…♪
オペラグラスが一斉にザッと上がって…パーンとしたキラキラな原田アンジョルラスが橋の上に登場☆…に続いて、お父さん登場! ウソです…禅マリウス登場。
♪誰が導くか~ 誰がこの国を~♪
“声”やっぱり若っ! 先月までのジャベールに耳が慣れていたので、より一層改めて驚きます。 ヴィジュアルは想定内だけど…髪型はソレですか(1日目は舞台進行と共にどんどん膨張していって…あの~♪それじゃ あんまり~♪汗
♪ラマルクは重病だ 7日と持つまい~♪
ビラを配りながら下を向いたまま歌うんですね。 アンジョを見上げる信頼の熱視線と力強い頷き。
♪下向け 恵んでくれ 下向け 仲間を見ろ~♪
原田アンジョ×禅マリが並んでセンター正面でバシッと見据えると…背丈の差も手伝って「こ、これは…想像以上に厳しいかも~汗」と不安半分、楽しみ半分での親子の登場(コラッ!)でした~。
♪エポニーヌ元気か? 何処へ隠れてた?♪
エポニーヌが絡むと禅マリは学生運動に立つ厳しい表情から一転して、優しいお兄さん(おじさんではナイ…コラッ!)の笑顔。 本当に可愛く思ってる妹なんですね。 本をマリウスから取り上げる歌穂さん@エポニーヌの“スリ手口”は鮮やか!
♪この本は君の知らない事ばかり~♪
「も~う、君には無理だよぉ~。困った娘だ(めっ!)」と軽く叱りも入る感じ。
♪この髪 好きだわ♪と触られてる時はちょっと硬直する堅物マリウスですが…
♪ん、なぁ~んだよ!(あはは)ふざけてぇ~♪
タレ目笑顔全開!「嗚呼、禅マリだぁ~☆」とココで改めて実感!
♪解って~ くれない~♪ ホントにねぇ…エポニーヌ、ご同情申し上げます。
♪ごめん 気付かないで~♪
まさに恋に堕ちた瞬間…というような表情。 あっけに取られて籠を拾う前からコゼットの顔に釘付けで手元も怪しげ。 テナルディエ一味に襲われた際、彼女を庇うために抱きしめてしまった後に驚いて飛び退き「ゴメン」「いえ、そんな…」で、二人ともきっと頬真っ赤!だろうなぁ…って感じ。 ポ~ッとなったまま彼女の姿を目でず~っと追う表情もウブさ全開! 彼女が姿を消した事が判ると「へっ?」で、足がこんがらがって転ぶんじゃナイかってなくらいの勢いで走り出し、エポニーヌに方角を聞き満面の笑顔で応えます。 禅マリの笑顔は曇りのナイ、疑う事を知らない純真さ…イイとこのおぼっちゃんで愛されて育ったんだろうなぁというような感じに満ちている、と思うのは贔屓目? エポニーヌの指差した方角は逆ですものね。

ABCカフェに向かう足取りもフワフワ。 遅刻だと気付いて慌てて階段を駆け下りるものの、恋の熱に浮かされているポーッとなっている表情で…
♪彼女は 幻 僕に微笑んで 夢のように消えた~♪
いかにあの瞬間にストンと墜ちたかという事がよく判る恋する青年マリウス。 冷やかす仲間とからかうグランデールに「も~う」という困惑顔で軽く睨みます。 アンジョルラスから♪僕らには大きな使命があるのだ 自分の事より 民衆のために前進する時だ~♪と両腕をガッシリ掴まれて、意見されるとハッと気付き学生運動の一学生の顔に戻り、コップの酒をグッと飲み干します。 仲間達の友情の絆を確かめ合いながら、意欲に燃えた行進もエポニーヌの登場で恋する青年に逆戻り~。
♪燃える~ 大陽の矢が胸に飛び込んだ~♪
まさに♪そんな感じ~♪ 柱の影からコゼットの姿を確認してドキドキしながら覗き見て、彼女しか目に入ってません! 柱にもたれて高揚した顔で空を見上げています。
♪エポニーヌ 君のおかげだよ 僕をここに連れてきてくれた~♪
ガシッと凄い力でエポニーヌを抱きしめます。 この時の歌穂エポの表情と離れがたそうに彼の背中に回した手をそのまま差し伸べる姿に泣けます、本当に泣けます。 マリウスが憎らしく思えるほどココでエポニーヌに気持ちが動かされます!!
♪君を困らせた ああ 君の名前も知らない 教えて どうか僕に♪
困らせた…と一旦帰ろうとしますが「ああっ!」と思い出して慌てて戻り、名前を恐る恐る尋ね…
♪僕はマリウス・ポンメルシー♪
“気をつけ!”の姿勢で直立不動で固まります。 ウブさ全開!
♪愛に 夜さえも まぶしいよ~♪
夜空を仰ぎ見る瞳は嬉しさに満ちあふれてキラキラです☆☆☆
♪いつも 夢ではない 夢ではないよ~♪
「いつも」で左手を上げると、同調してくれないコゼットに一瞬「あ、ダメかな」と不安がよぎる表情で手を降ろそうとしますが、コゼットが♪いつも♪とその手に重ね合わせてくれると…みるみる満面の笑顔に。 この表情の変化はたまりません! が…その喜び爆発の故か?エポニーヌも加えたせっかくの美しい三重奏がやたらマリウスの声が大きくて残念。
♪誰かの足音 隠れ~よぉ~♪
着地の音が響くのは…飛び降りる高さがあるから…でしょう汗 禅マリウスに限っては、思わず手に汗握るシーンです。 バルジャンから隠れてコゼットと門越しに離れ難そうに見つめ、突然の別れを知って愕然と空を仰ぎ見る姿に哀れみが。
♪巡り遇えたのに ようやく遇えたのに 明日は遠ざかる でもあなたが全て♪
想いが通じた次の瞬間、別れが訪れ哀しみ苦しむマリウス。 その背後に佇む歌穂エポの絶品ぶりは別記レポート参照
♪彼女と行くか? 仲間と行くか? 二つにひとつ♪
目にカッ☆と力が入って、彼女と仲間との間で苦悶する姿は…さっきまでのウブな恋する青年から一転、キリリと男らしい!
♪私は 闘お~~う♪
意を決してエポニーヌと共に行進に加わり、アンジョルラスと力強く頷き合い…天を仰ぎ見る目は…ちょっと涙目でキラリ☆
ふ~っ…これでやっと一幕終了冷や汗
恐ろしく長文になったので二幕は【レ・ミゼラブル(禅さん@マリウス)=その2】として別記事に改めます汗

青い旗キャスト
バルジャン:橋本さとし/ジャベール:阿部裕/エポニーヌ:島田歌穂/ファンテーヌ:今井麻緒子/コゼット:辛島小恵/マリウス:石川禅/テナルディエ:駒田一/ テナルディエ夫人:瀬戸内美八/アンジョルラス:原田優一
青い旗男性アンサンブルキャスト
グランテール:伊藤俊彦/クールフェラック:清水裕明/ジョリ:横田裕市/コンブフェール:近藤 大介/フイイ:松原剛志/レーグル/司教:港 幸樹/バベ:丹宗立峰/ブリジョン:佐嶋宣美/プルベール:上野聖太/モンパルナス:田中裕悟/クラクスー:梶雅人/ガブローシュ:横田剛基
青い旗女性アンサンブルキャスト
買入れ屋:荒井小夜子/マテロット:折井理子/ファクトリーガール:藤咲みどり/ジベロット:深野琴美/マダム:児玉奈々子/少年1:岡村さやか/少年2:稲田みづ紀/かつら屋:亜久里夏代/リトルコゼット:荒木真夕/リトルエポニーヌ:須田あす美

レ・ミゼラブル(歌穂さん@エボニーヌ)【博多座】

まさか博多座でSPキャストが観れるとは思いませんでした。
本当に有り難う、博多座! しかし困ったぞ、博多座!
私は仕事と時間と懐のやり繰りが、とんでもなく大変な事になってしまったじゃナイのよぉ~冷や汗 …いや『地元の劇場で歌穂エポニーヌ×禅マリウスが観れる』だなんて、もうこんな機会は二度とナイだろうから「後悔せんごと、無理しても行っとけ!」と、自問自答の末、ご決断! 「この二人の5公演、全制覇するばい!」 反省は後から充分します、ハイ汗
私、SPキャストは2005年帝国劇場【2000回達成スペシャル公演】以来の再会でした。 各々書いていたら…恐ろしく長くなったので、まずは博多座初お目見え!の島田歌穂さんについて。
最初にお断りしておきますが、私、現役エポニーヌとマリウスについては、これほど各々に注視していないので「そんな事は現役もやってるよ!」という部分がありましたら…お許しを。
青りんご 島田歌穂さん@エポニーヌ
歌穂エポニーヌ総括として…前回拝見した時は『歌の上手さに聞き惚れる』という印象でしたが、今期は『演技の細やかさに驚嘆&感涙』のエポニーヌ!
労働者~見物人~失業者・労働者の歌穂さんチェックの余裕は全くありませんで…娼婦は結構威勢のイイ、サバサバした「ほらほら、ちょいと兄さん」って感じの女の子。 バナタボアが現れると、サッと仲間の娼婦を抱き寄せて隠してあげたりして…仲間内でも姉御格でしょうか?
そして…パリの登場時から以下エポニーヌ。
「うわぁ、華奢!小柄!…少女だぁ~♪」と、そのヴィジュアルは何の違和感もなく、若さに、少女っぷりに改めて驚嘆。 絶対、確実に、前回のSP公演時よりも更に若返ってますよね?!
はすっぱな、やさくれ度も程よくありながら、マリウスとのやり取りでは腕を引っ張ったりする様はすがるような、胸を押し返したりする様はそっと大切な物を押し戻すように触れるような感じで…健気さ二倍増! 思わずマリウスが抱きしめられた時や手が触れた時に、離れ難そうに手をそのまま差し伸べたり、触れた感触を味わうように手を置いてみたり…本当にマリウスの事が好きなんですね。
♪惨めな今の私を見て~♪ではバリケードの隅に小さく体を寄せて座り込み、スカートをギュッと両手で握る様に、悲哀と羞恥心が滲み出てて思いっきりエボニーヌに気持ちを持って行かれました。 …なので、これ以降のマリウスの言動に対するエポニーヌの…見かけとは違い純粋な乙女心を持つ片思いのせつなさが痛いほど解り、泣ける、泣ける…。
自分が案内したとは言え、マリウスとコゼットの互いに想い合う様を目の当たりにし、切なさと哀しみに押しつぶされてながら佇む姿の、その周りに醸し出す空気感が見事。 見つめ合いラブラブに語り合っている二人の有頂天ぶりが本気で憎らしく思えたもの!
One Day More】、仲間とコゼットの間で気持ちが揺れ動くマリウスにそっと寄り添って、せつなく見つめる様は絶品! 肩に触れて、慰め励ましたい…けど…。 何も言わなくてもエポニーヌの声が聞こえてくる感じで、劇中唯一力強くマリウスを引っ張って学生達の行進に加わった時の、強い眼差しが印象的
マリウスの手紙をバルジャンに渡す時は、大好きな人から初めて頼まれた事を懸命に遂行しようとする様、恋敵への手紙をだというのに彼から預かったモノとして大切に大切に持ってきた様が伺え、涙。
On My Own】は、“あの人”をただひたすらに想いながら、でもその想いが決して報われない事を知っている孤独感と絶望の様が胸に痛く響いてくる。 “人から必要とされない自分”という…人間としての存在価値(意味)までも失ってしまったような喪失感を自覚したようでもあり。
マリウスという存在は、厳しくすさんだ時勢にあって彼女の生きて行く希望の光のような存在なんでしょうね。 その光りが自分に降り注ぐ事はなく、コゼットという方を向いて一身に輝き始めた今、彼女は再び暗闇に怯え、孤独に震える【On My Own】です。
♪幸せの世界に縁など な~~~い♪からの長い間に「嗚呼、歌穂エポだ☆」
♪愛してる 愛してる 愛してる でも独りさ♪…号泣。 絶品。
死に瀕しながらも、愛するマリウスの腕の中にいる事、自分の為を想って涙を流し、抱きしめてくれるマリウスに人生で一番の幸福な時間を感じ、微笑むエポニーヌ…良かったね、望みが叶ったね。 【恵みの雨】は、正に息絶え絶えで苦しみながらも一言一言、彼の目を見ながら訴えるように♪何も言わないで 抱いてほしい♪と、力を振り絞って彼の腕にすがる様に…号泣。 ♪遠い道のりを辿り着いた…♪やっと夢見てた事が、彼の光りが自分に注いでるんだね…と涙。
最期のキスを受けての絶命は彼の腕を硬くギュッと掴んでいた力がフッと抜ける感じ。 「こんなに一生懸命掴んでなくても、これからはずっと側に居てくれるのね」と安堵したよう…とでも言いますか。
幸せの絶頂でこの世を去ったエポニーヌ。 故に彼女はエピローグでは、幸福に満たされた清らかな聖女の微笑みを浮かべているんですね。
私は歌穂さんの現役時代の舞台を拝見していないのですが…自分の中で思い描いているエポニーヌ像をココまで完璧に演じられてしまうと、他の方が各々の個性と工夫でエポニーヌを演じられても、歌穂さん@エポニーヌを私の中では越える事はナイだろうなぁ…と思った次第です。 『○○は○○さんのアタリ役』というものに関しては、双方に呪縛にも似た何かがあるような気もした、今期SP公演です。
青い旗キャスト
バルジャン:今井清隆/ジャベール:今拓也/エポニーヌ:島田歌穂/ファンテーヌ:今井麻織子/コゼット:菊地美香/マリウス:石川禅/テナルディエ:三谷六九/ テナルディエ夫人:阿知波悟美/アンジョルラス:原田優一

青い旗男性アンサンブルキャスト
グランテール:伊藤俊彦/クールフェラック:清水裕明/ジョリ:横田裕市/コンブフェール:近藤 大介/フイイ:松原剛志/レーグル/司教:港 幸樹/バベ:丹宗立峰/ブリジョン:佐嶋宣美/プルベール:上野聖太/モンパルナス:田中裕悟/クラクスー:梶雅人/ガブローシュ:横田剛基
青い旗女性アンサンブルキャスト
買入れ屋:荒井小夜子/マテロット:折井理子/ファクトリーガール:藤咲みどり/ジベロット:深野琴美/マダム:児玉奈々子/少年1:岡村さやか/少年2:稲田みづ紀/かつら屋:亜久里夏代/リトルコゼット:田村遥果/リトルエポニーヌ:弓木野綾架

KBCラジオ【博多座夢舞台】=ゲスト:石川禅さん

博多座情報TV番組【ザ・博多座】と同時期に放送が開始?になって…もう何年も経っているだろう、ラジオ番組【博多座夢舞台】。 私、今朝やっと2回目の拝聴でしたっ汗 前回聴いたのはゲストが内野聖陽さんで…やっぱりレミゼ公演の時だったはず(こう書くと、私、すご~くレミゼが好きな人みたいだなぁ) ラジオをタイマー録音する機材を持ってないし、日頃ラジオを全く聴かないので放送内容のチェックも全然しないんですよね。 OAが日曜朝7時~ってのもネックだし。
それが何故、今朝2回目を聴くに至ったかと言いますと…ゲストが石川禅さんだったから(よくご出演情報を見逃さなかったな~と、自分に驚いた!GJ私グッド) しかし朝から禅さんのあのふんわりとした穏やかなトークの声を聴くと、危うくまた眠りに引き込まれそうに…汗 『ジャベール役を演じ終わり、今度20周年SPでマリウス役で登場』という事でその部分を中心としたお話でしたが、各々の役を深く掘り下げたすごく興味深いお話だったので、初のラジオ番組レポート(日曜早朝OAの上、めちゃめちゃローカル番組で聴けた人はごく僅か…というのが勿体さすぎる内容!)
インタビュー内容を要約していたら…各々のキャラクターに対するとても深い考え方や微妙なニュアンスの部分が全く伝わらないあっさり文章になってしまったので、お話されてた言葉をほぼそのまま書き起こしになっちゃいました(己の文才のなさに愕然)。 …ですので、著作権侵害の可能性が濃厚です。 ご指摘受ければ、後日あっさり要約文に改めたいと思いますので、何卒ご了承ください。

さくらんぼ 福岡、博多座の印象は?
前回博多に来た【MA】の時は1月冬でホントに寒く、その前の【エリザベート】は10月秋、今回は9月真夏という事で「ああ、博多という地はやっぱり暑いんだなぁ」と感じつつ、毎日毎朝欠かさずウォーキング。 博多の朝は気持ちがイイ♪ 「やっぱり、ああ僕はココが好きだなぁ」と思いながら毎日歩いてました。 今回はマリウスという役をする事もあり、真夏なのにサウナスーツを着込んでフラフラになりながらウォーキングをしていました。 大仏様のある東長寺にお参りしたりする日もあるんですけど…そこでお賽銭入れて、お灯明あげて、線香3本差して、般若心経唱えて…それで本番に臨んだりしてました。 気分は博多っ子♪

さくらんぼ MAの時はルイ16世、そして今回はジャベール、20周年SPではマリウス。
それぞれの役所の違いついて

これは…役の核(格?)について話さなくてはならなくなります。 簡単に言うと、僕自身はジャベールとマリウスというのはそんなに違う人物とは思っていないんですね。 マリウスはもちろん繊細で…線は太いけれど優しさとかに溢れた青年で繊細であるという事ですよね。 ではジャベールはどうかというと、この人もすごく“繊細さん”なんですね。 なんでかというと自殺をしてしまいますでしょ? これだけ屈強の男のようにに見せているのに『何故この人は最期に自殺をするのか?』という事を考えると、やはりこの人の精神構造の奥深いところにあるものは、マリウスとは全く違うモノかもしれないけれど、やはり繊細であるガラスの神経を持っている、っていう事は非常に共通点があると思う。 ただ唯一違うのはマリウスは愛に満ちた人生だったけど、ジャベールには愛がなかった。 つまりこの人は生まれた時から母親、要するに両親からも見放され「牢獄で俺は生まれた」っていうふうに歌詞で歌いますけれど、愛情というものを一切注いでもらえず生きて来た人生なんですね。 だからその違いだけだと思う。 でもその愛があるかナイかだけでこんなに違う人物になる、枝分かれいってしまうんだ…という事を常に念頭に置きながら…レミゼは“愛”がテーマですからね。 誰かを愛する事は、神様のお側に居る事が出来ますものね。 神様のお側に居たからマリウスは…おそらく天国に行けるでしょう、まだ生きてますけどね、最後。 ジャベールは自殺してしまう訳ですから神様のお側には行けない。 なぜなら誰も愛した事がなかったからという事だと思うんですけどね。

さくらんぼ 愛とは無縁のジャベールと愛に満ちたマリウス。
この究極の違いは?

マリウスは愛を欲しがっていた人ではないですね。 …というのは、マリウスの周りには愛が沢山あるので欲しがらずとも愛してもらえた人なんですよ。 ジャベールは愛してもらいたくてしょうがなかった人なんだけど、でも結局は愛を皆くれなかった訳ですよね。 だから…究極論を言っちゃうと、どうなんでしょうね? だからジャベールの方が寂しい人生なんですよね。 非常に哀しい男だなって思いますね。 で、結局最終的には愛してもらえない自分…という以前に、ならこちらから愛を捨てる…「愛に背を向けて闇と戦う」ってのを私今回ジャベールのキャッチフレーズにしたんですけど…この違いかな。 マリウスというのは本当に幸せな青年で、ジャベールは逆に本来ならこの人こそ神に救ってもらいたいな、という人物かな。 ただその哀しみを「私は哀しい人間です」って演じてもちっとも面白くナイので、自殺を遂げる人間なら自殺を遂げる人間らしくそこはビシッ!と締めて行ければ…と思ってますけどね。

さくらんぼ 20周年SPキャスト、マリウスとして戻って来る石川禅さん。
エポニーヌ役で共演する島田歌穂さんについて

7月上旬に帝劇ではすでにこのコンビで演らせていただいたんですけど…まぁ~、歌穂さんはオバケですね! 一昨年もSPキャストとして7年振りにマリウスとエボニーヌを演ったんですけど、7年振りに演じるわりには見た目も若いし、何よりも非常にスレンダーに…あっ!そんな事言ったら現役時代が太ってるなんて…いやいやそうじゃナイんですよ! 健康的だった…んですけどね。 マリウスがエポニーヌを抱き上げるシーンがあるんですが、その時「ええっ?! 歌穂さん、軽いっ!」と思って、非常に彼女はいろいろ鍛錬を積んでいらっしゃって、なおかつ自分を磨いて、ああここまでこられたんだなぁという事が一瞬にして判ったので、「わぁ~、コレは大変だ」!と思って…。 そしたら今年、更にまた若返って帰って来られて、なおかつ演技も磨いて帰って来られたので、私的には「もうホントに胸をお借りします!」という状況で演らせていただいている次第でございます、ハイ。

さくらんぼ 最後にラジオの前の皆さんにメッセージを
ジャベールを観てくださったリスナーの皆さんもいらっしゃるかと思うんですが、あのですね…180度キャラが変わりますので、是非「あのオヤジ演っていた奴がこんなに若作りするんかいっ?!」という所を…
(めちゃめちゃ若い声で可愛く→)ぜひ観に来てくださぁ~い ラブ
…ちょっと笑ってますが、すみません! え~、損はさせないと思います。 僕は、アンジョルラスを僕がマリウス時代ずっとコンビを組んでいた岡幸二郎くん、あと岸佑二くん、原田優一くんという3人と組むことになるんです。 この原田優一くんに関してはスゴイですよぉ~、20才くらい年が違いますので。 「これを観ずしてレミゼSPは語れない!」っていうくらい貴重な公演になると思いますので是非観に来ていただきたい、息子とコンビを組んでるみたいな感じになりますんで。 これはみものです!! どうぞ劇場に足をお運びください。 宜しくお願いします。 お待ちしております。
「ああ、やっばりこの役者さん好きだなぁ」「これからもいろいろなお役で拝見したいなぁ」と思わされる役に対する洞察力とお人柄が伺えるお話ぶりに感動しつつ、このインタビューを念頭に置いて、もう一度禅ジャベールを観たくなって困りました悲しい  また、他のジャベール役者さん各々にもどのように考えていらっしゃるのか、改めて伺いたくなりました。
それにしても禅ジャベ、次に拝める日は…一体いつになるんだろうなぁ…。

レ・ミゼラブル(別所×禅×笹本=千穐楽カーテンコール)【博多座】

本日マチネで別所バルジャン、禅ジャベール、笹本エポニーヌのお三方【ウーマン・イン・ホワイト】チームが千穐楽でした。
本編の観劇レポートは別記としまして…カーテンコールの様子をおぼえ書き。 但し!挨拶の内容は、観劇の感動でボーッとなっていたので記憶があやふやですから「こんな内容の事を話していた…」くらいで、ゆる~くご一読を(後日、訂正&追記入る予定)
禅ジャベお姫様抱っこ
最初の登場時、別所バルジャンは迎えた禅ジャベールを強烈ハグ。 …の体勢まま禅さん、片足をピョコンと後ろに跳ね上げて喜ぶ(乙女かっ汗
二度目の登場時に舞台袖から花束が投げ込まれて、キャストがそれを拾い集め舞台奥に下がって居並んだところで、徳井テナルディエが客席の拍手を静止して…笹本エポニーヌに前に出るように促す。 「えっ?私がトップバッターですかぁ?」とビックリ困ったように一人前でご挨拶。
よつばのクローバー 笹本エポニーヌ
この作品は役者としての原点に帰れる不思議な、そして大切な作品です。 また、この作品のエポニーヌという役でココに戻ってこれるよう頑張りますので、その時は是非また笹本エポニーヌに会いに来てください。 有り難うございました。
よつばのクローバー 禅ジャベール
博多座に初めて立たせていただいたのは2004年10月の【エリザベート】でフランツという役で…それから今年の1月に【MA】ルイ16世、そしてこの度は大好きな【レ・ミゼラブル】で、しかも憧れていたジャベールという役で立たせていただけて、本当に幸せです。 ……泣きませんよ。
で、ホントだったらココで終わるんですけどぉ…(と、後ろに下がって藤岡マリウスを前に引っぱり出す→「えっ?なんで俺っすか?!」とビックリの藤岡くん)、実は来月“この人”になって戻ってくるんです~(もう用済みですと、藤岡マリウスにお辞儀→後列に戻る藤岡くん) 10月の17日から21日迄で、この時にはなんと!20才も年が違うアンジョルラスと組む日もあるので…これは~見モノですよぉ~。 平日のチケットはまだ残っているようですので是非!
よつばのクローバー 別所バルジャン
毎回とても緊張して公演に臨むのですが「お客様は敵ではなく【レ・ミゼラブル】という素敵な世界を一緒に旅する仲間なんだ…」と思い、お客様の暖かい拍手に支えられてなんとか乗り切ってこられました(←この辺りの言い回しの記憶は激しく怪しいのでご容赦!)
この場をお借りして博多座の皆様、本当に有り難うございました。 共演者・オーケストラの皆さん、そして何より劇場に足をお運びいただきましたお客様。 九州はもとより、帝劇の公演から博多座まで足を伸ばしてくださった方、山口・広島などからも…本当に有り難うございます。(←とにかく感謝の言葉を沢山に述べられていたのですが、記憶飛んでます)
私は本日が千穐楽ですが、公演はまだまだ続きますので【レ・ミゼラブル】という素敵な世界にどうぞお出かけください。
その後何度か続いたカーテンコールは…
3人中央に手を繋いで並んでお辞儀 別所バルが笹本エポをお姫さま抱っこで登場(笹本さんは観念したような表情で照れ~) 別所バルが禅ジャベをお姫さま抱っこで登場(禅さんは「マイッタなぁ」という表情で御手振り) 藤岡マリウスが「俺もやってイイっスか?」みたいに別所バルに聞いて…笹本エポをお姫さま抱っこ&回転 下りた後「あ~、目が回った~」の笹本エポ 別所バルが渚ファンテをお姫さま抱っこで登場(渚さんのバイバ~イ付き) その体勢のままお辞儀を何度かしながら…足はステップを踏んでの引込み~
…って訳で、別所さんは相当体力的に消耗した千穐楽カーテンコールだったかと思われます。 千穐楽おめでとうございました 拍手
【ウーマン・イン・ホワイト】楽しみに遠征しま~す♪

レ・ミゼラブル(別所×禅=千穐楽)【博多座】

前期一番好きな別所バルジャンでしたが、今期初にして千穐楽となってしまいました~。 禅ジャベールとの対決は“熱い演技対決になるに違いないっ!”とは確信していましたが、本日はお二人共千穐楽という事で、なお一層気合いの入った期待を裏切らない気迫の舞台であり、役者と一緒に舞台に入り込んで、観劇後は“共に闘いきった!”というような達成感と疲労感と脱力感と…涙。 イイ舞台でした~悲しい
石川禅さん@ジャベールについては別記事で語りつくしたので、本日は別所哲也さん@バルジャンと笹本玲奈さん@エポニーヌについての感想を…。
青りんご 別所哲也さん@バルジャン
“ならでは”のセリフ?…というか、つぶやき…というか、あるんですね。 燭台を盗んで捕まった時に「もらったんだよっ!」でまず驚きました。
その後の【独白】は“魂の叫び”という感じで、すごい気迫。 ♪またっ!あのっ!地獄へ~~~っ♪の血を吐く叫びから、一転しておびえ切った…♪先も見えない~♪という流れには、19年間の牢獄生活における壮絶な苦しみと怒り、恐れと不安が伝わってきて、燭台へキスという行為は、久々に人間らしい優しい心を取り戻した瞬間だったのではないでしょうか。 仮出獄書を破り捨て叫ぶシルエットに、映画【ショーシャンクの空に】の脱獄に成功したティム・ロビンス@アンディのあの両手を広げて空を仰ぎみて叫んでいるシルエットが重なりました!!(イイ映画だ…)
法廷のシーンでは、自分と間違えられて裁判にかけられている罪人を抱き起こして、ハグするんですね悲しい 他バルジャンはタイを投げ捨てて正体を明かすシーンから暗転までは、ジャベールに挑みかかるような目線というか、表情が多いと思うのですが、別所バルジャンは表情は険しいながらも目が悲しくおびえているような感じが、これまた印象的でした。
病院での対決は気迫と気迫のぶつかり合いで息を呑みました。 別所バルジャンは、最初の方はもしかしたら事情を正直に話せば解ってもらえるかも?と、ジャベールに切々と訴え始める感じで、次第に「あ…この人には何を言っても無駄なんだ」という諦めに変わっていく…という、という気持ちの変化が感じられました。
コゼットと森で出逢って、宿屋までの帰路の二人はどのバルジャンでも大好きなシーンですが、この二人はホントに楽しそうで微笑ましい。 遇った時からすでに父と娘な感じ。 テナルディエ夫妻との取引の場の芝居が細かいっ! ちょっとした笑いが起こる事も特筆すべきかと。 コゼットにお着替えさせてグルグル~の後は「おじさん、目が回っちゃったよ~」となって優しい笑顔でニッコリ。 きっとコゼットは母親以外に今まであんな笑顔を向けてくれた大人は居なかったんじゃないかな? それで一気に安心してお父さんとして胸に飛び込んでいったんじゃないかな?と思える“神が使わした人”の笑顔です。
別所バルジャンの、コゼットに対する父性愛はちょっとした仕草や表情にも溢れていて、愛情を一身に注がれて育ったんだろうなぁ…と思われるコゼットが、より一層素直で可愛らしい娘に見えてきます。 どの人間にも…弱者に対しても、砦で戦う学生に対しても、そしてジャベールに対しても平等に慈悲と愛を持って接している様が10年後パリ冒頭から溢れているので、すでに悟りを開いたような聖者くさい所が気にもなった事も確かです。
砦でのジャベールとの対決は…あんな哀れみを持ったような目で見られると、ジャベールはどんな罵倒よりも耐えられないだろうなぁ、と思う。 彼の孤高のプライドをズタズタにする懐の深い男・バルジャン。 “北風と大陽”みたいな…相手を折れさせるのに刃は要らないんだなぁ、と。
学生の中にマリウスという青年の存在に気がついた時「マリウスっ?!」と小さく叫んで、その後声をかけようとしてタイミングを逃す様とか…細かい(好きな人への告白のタイミングを伺ってる青年みたい♪) 【Bring Him Home】は、ただ歌が上手くて聴かせる…というより、牧師さんが教徒に教えを説いているような深い暖かさ。 そして砦で倒れた若者の残骸を目にして首を振りながら「ばかものっっ!」と叫ぶのは衝撃的! 「若い命を祖末にしやかって~っ」という父性愛溢れる叫びに涙、涙悲しい
下水道でマリウスを担いで歩くシーンでは天から差し込む僅かな明かりを見上げて「神よ!」と呟くのも印象的。 あの僅かに刺し込む一筋の光りに、地上の空の広がりと希望の光りまでをもイメージさせられたのは驚きました。
【エピローグ】では役者も観客もダダ泣き。 コゼットのおでこにキス。 別所バルジャンは命を終えて、次の世界に「はい、今、入った!」という瞬間が判るのですね。 フッと体が持ち上がったような感じで、「ああ、この人は旅立ったんだ…」と。 あなたはジャン・バルジャン、でした
青りんご 笹本玲奈さん@エポニーヌ
今期は“乙女度UP”なイメージ。 マリウスの事が本当に好きで好きで!という感じが溢れていて切なさ度は増しているものの、前半の“やさくれ度”というか、はすっぱな感じが薄くなっていてちょっと残念。 声も意図的に押さえ気味にしているのかな? それが“元気がナイ”ように取れた時もあり…。
その分…といいますか、表情がすごく良かった! 帽子を被ったてコートに身を包んだ様はまさに男の子って感じで、幼さが残りながらもマリウスからの言葉に一喜一憂する様は切ない。 初めて彼から頼まれた用事は恋敵への手紙の伝令と知る下りの表情の変化は素晴らしかった~!!
藤岡マリウスの「どうしたらこの君を助けられる?!」という必死さとアセリが【恵みの雨】を一層泣けるせつない感動的な最期でした。

青い旗キャスト
バルジャン:別所哲也/ジャベール:石川禅/エポニーヌ:笹本玲奈/ファンテーヌ:渚あき/コゼット:富田麻帆/マリウス:藤岡正明/テナルディエ:徳井優/ テナルディエ夫人:瀬戸内美八/アンジョルラス:坂元健児

青い旗男性アンサンブルキャスト
グランテール:松村曜生/クールフェラック:麻田キョウヤ/ジョリ:中本吉成/コンブフェール:菊地まさはる/フイイ:石井一彰/レーグル/司教:中井智彦/バベ:櫻井太郎/ブリジョン:藤田光之/プルベール:野島直人/モンパルナス:赤座浩彦/クラクスー:五大輝一/ガブローシュ:原田光
青い旗女性アンサンブルキャスト
買入れ屋:わたりあずさ/マテロット:清水彩花/ファクトリーガール:浅野実奈子/ジベロット:歌納有里/マダム:井上珠美/少年1:穂積由香/少年2:吉岡里奈/かつら屋:本田育代/リトルコゼット:田村遥果/リトルエポニーヌ:弓木野綾架