新・三国志III ~完結篇~【新橋演舞場】

私、行きは早朝の飛行機だったため機内で絶対爆睡すると思いまして、コンタクトレンズは羽田に着いてから入れようと裸眼で搭乗。 で、到着後さて装着…とバックを探すと~、忘れました冷や汗 さっぱり見えない汗 自分で自分がものすごく情けなく「も~う、このバカちんがぁ~!」辛うじて、すでに度は合わなくなっているもののメガネは持参していたので、ものすご~く忙しい観劇体勢となりました。 かけて、はずしてオペラグラス、かけて、はずしてオペラグラス…。 演舞場では2列目なのにオペラグラスで観劇してたので…役者さん達からは、怖いお客と思われたはず…。  悲しかった悲しい
さて本題。 段治郎さん@謳凌は最初のセリ上がりの出で、鳥肌ゾゾ~!! 綺麗です! 絵になります! カッコ良すぎです! そして、その姿に「立派になって…」と、もう親心のような心境で涙がじわ~っと度々出てきて困りました(ただでさえ見えないのに)
【新・三国志】シリーズは回を重ねるごとにセリフが説教くさく聞こえて…キーワード“夢みる力”がくどくて拒否反応があったのですが、今回は素直に自分の中にスッと入ってきました。 きっと公演回数を重ねて台本・演出等の直しもあったのでしょうが、やはり一番大きな原因は、段治郎さん@謳凌だった事にあると思われます。 猿之助さんご自身が筋書きのコメントで話されていますが「謳凌は段治郎の方がニンに合っている」と。
謳凌は架空の人物で、そのキャラクター設定も難しかったと思われますが“爽やかな平和を愛する武将”という感じが良く出ていて、好演でした。 やはり花道での全力疾走やパワー全開のスピード溢れる立ち廻りなどは、観ていて気持ちが良かったです。
そして最後、関羽となっての一人宙乗り。 客席全体に降り注ぐ桃の花びらの中をダンジロさんがゆっくりと、ゆっくりと進むと感動の最高点! 泣いちゃってました、私。
あと、本来ならダンジロさんが演じる予定だった馬謖の息子・馬潤笑三郎さんがされていまして、コレがまた「イイもん見っけ!」という感じ(?) 私は笑三郎さんの立役を多分、一度も拝見した事がナイので、その衝撃も大きかったのですが“退廃的な美青年”といった感じがとっても良く出ていました。
私の中では『パート3まで作る必要があったのかしら?』という疑念がずーっとあったのですが、今公演で納得。 スッキリできました。
とはいえダンジロさん…立派になって…悲しい

新・三国志III ~完結篇~【博多座】

新橋演舞場の次が博多座とは~!! シリーズ完結篇という事で3、4月に新橋演舞場で上演。 例年だと博多座公演は一番最後の翌年くらいの上演が常だったのに、今回はな、なんと! 演舞場の次! 猿之助さんは『博多座は“スーパー歌舞伎座”』という気に入りよう故か? 出世(?)したもんだ、我らが博多座! 公演はちょうど“博多どんたく”で賑わうGWから始まり、祭りの時には出演者が博多座バルコニーへ出て、どんたくパレード隊に花びらを散らすパフォーマンスがありました♪(仲達は段四郎さん&金田龍之助さんの交互出演)また今回は、地元ローカルTV番組に公演PRの為に21世紀歌舞伎組の面々が大露出! これが…観劇促進となったか否かはナゾではありましたが、ファンとっては各々のキャラが如実に出て大変楽しめた番組でした♪

一幕

観劇の事前に“唄や踊りがある”という事を耳にしていたので「まさかミュージカル仕立て?!」と思わないまでも、劇中にいきなり歌い出す不自然さを警戒して構えてしまいました。 前回では『夢みる力』があまりにも連呼された為に正直言って興醒めしてしまった自分がいましたから、その二の舞いかと…(^_^;) Part1から続けてみている人にとっては耳に馴染んだ曲で、何かしらの愛着を感じているであろから違和感が少ないのでは?と思ったりもしましたが~。 セットやその仕掛けは今までのスーパー歌舞伎の要素を踏襲したものになっていて懐かしく楽しめました。 この幕最後の船出は…いつも船が出る演目では不思議なのですが、古典でもスムーズな動きですよね? 花道をもあんな動きが出るのはどういう仕掛けなのでしょう? 橋の上で王凌を見送る沢山の兵士達の…一人ひとりの悲しみの表現が面白かったです。

二幕

今回、一番好きだったのはこの幕の冒頭、魏と蜀の国境近くの竹林でのヒッピー登場シーン。 回舞台に鏡の柱がたち、その周りをポーズをとって囲み…ちょっとエキゾチックなBGM♪ とってもお気に入り☆ 馬謖の子、馬潤が成長しこのような末路になっていたとは、ちょっとショック! 父亡き後は周りの愛情を一身に受けて…素直に育ったものだとばかり勝手に思っていたから…。 そして「初めて観たわ!こんなダンジロさん!」と、ちょっと衝撃的だった“カワイイ書生・宋康”を演じる段治郎さん。 “カワイイ”という一面を見せるお役で拝見したコトがなかったので、これは嬉しかった♪ 今回は右近さん@姜維が本水での立廻り。 しかし…もう目が慣れてしまった為か、奮闘していると猿之助さん@王凌が馬に載ってアッという間に舞台手前に登場してしまう為か…何故だか陰が薄かった(^_^;)

三幕

段四郎さんor金田龍之介さん@仲達猿四郎さん@子尚延夫さん@子元の“紫親子”は今回も良かった! 今回“が”一番良かった! カッコ良かった! ヒーローとして民の心を掴んで愛される主君ではないけれど、“天下統一”という自らの執念と化した野望の為に我が子までをも巻き込んでなしとげた仲達。 最後スッポンでの「私は偉大な闇だ!」という不敵な高笑いでの引込みはゾクゾクする迫力があって大好きでした♪ 作品としての感想は…「感情移入できるキャラが一人もいなくて正直辛かった」。 Part3まで作る必要があったのかなぁ…と思いました。 しかし、8万枚の桃の花びらが客席全体に降り注ぐ宙乗りをはじめ、数々の“スーパー歌舞伎”ならではの演出、堪能しました。

猿之助(王凌・関羽)/歌六(鍾会・孫権)/右近(姜維)/笑也(春琴)/猿弥(陳寿・陸抗)/笑三郎(静華)/春猿(伊代)/段治郎(関平・宋康)/亀治郎(馬潤)/門之助(彩霞)/段四郎or金田龍之介(仲達)

新・三国志II【博多座】

前回のPart1は“大千穐楽”という事もあって、遠征組も多く、熾烈なチケット争奪戦のうえ、補助席、立見席…と観客も興行主も大変な騒ぎでした~。 今回は翌4~5月に新橋演舞場にて2ヶ月の凱旋公演が控えていましたので、パニックにはならなかったようですが…それでも、連日大入りのようでした。 昨年末より体調を崩されていた段四郎さんの代役で金田龍之介さんが登場。 戦う女形・武旦はこの公演よりWキャストとなりました♪
平成15年には新橋演舞場でPart3が2ヶ月間上演され、その後すぐに博多座へ登場します! なんか… スゴイぞ博多座!

一幕

新橋演舞場で5月に観ていたのですが、その後、御園座~松竹座と経て、かなり演出が変わっていて楽しめました♪ 特に初見では今イチそのキャラクターに馴染めなかった笑三郎さん@ 祝融は“恋する乙女”色が強くなって、かわいらしくなっていた事に驚きました! 寝所で孔明に拒否されて、ふくれっつらで足をブラブラさせるだなんて(*o*) 博多座公演では、祝融に対する客席の反応ってスゴク良かったと思います。 九州女と気質が似ているのでしょうか♪ 戦う女形・武旦は今公演から沙立金くんに加えて馬笑くんがWキャストとして加わりました。 シャープな沙くんと柔らかい感じの馬くん、さすがの立ち廻りで圧倒されました! !

二幕

『泣いて馬謖を斬る』にふさわしい、孔明の愛弟子・馬謖の演出になっていました♪ 功を急ぐあまりに惨敗する前は、特に目立った活躍もなく「そこまで号泣しながら斬るような武将なの?」と疑問を感じていましたがこれにて解決! 一幕でも、敵軍や戦法を孔明に進言する場面 が増え、孔明との師弟関係も解りやすくなっていました。 初めての大役を立派に果そうと、一人いきがる様子は◎だったけど、猿也さん@王平とは、ただ仲が悪いようにしか見えなかったのは残念! 処刑のシーンは特に変化はなかったけれど、処刑台に立って振り返りセリ上がって行く所の表情は◎ “星になる”にふさわしい、まるで悟りを開いた僧のような感じでした。
そして…馬謖を失った猿之助さん@孔明の心の痛み・苦しみがとても増していて、心を打たれました。

三幕

歌六さん@関平の、死を覚悟したセリフに泣けました…(T-T)  今年2月の松竹座から私の中で歌六さん、赤丸急上昇!なんです(*^-^*)  天水城での本水を使っての立ち廻りも、全身全霊の気迫がスゴクて感動しました! でも、亀治郎さん@安仁は気合いが入っている時とそうでナイ時の差が激しくて、観ていてとても残念だったな…。 孔明の命がつきる“五丈原”での夕日 ~夕暮れは「博多座が一番キレイ!」でしょう、多分!と思うほど♪ バックスクリーンに映し出されたその鮮やかな色から日の落ちる様までの色の変化がなんとも自然で美しかったです。

新・三国志II【新橋演舞場】

「Part2として作る意味があったのかな?」と いうのが正直な感想です。 宙乗りにしても…「宙乗りにしなくてはいけない必要性」 は感じられず、お約束シーンを盛り込んだ…という感じが強かったですし、 アクロバットの連続技に魅せられたとしても 「そこまでする必要があるの?」という、ちょっと過剰気味演出である印象が ぬぐえませんでした。 “スーパー歌舞伎”の“スーパー”な部分が、私の中ではちょっとズレてきた感じがしました…。

衣装は今回も素晴らしかった! チーム編成によるカラーリングはもちろんの事、 細部にわたるデザインまで魅せてくれました♪ 南方国の美人姉妹の衣装、胸の部分が…昔のアニメ【マジンガーZ】の“おっぱいロケット”のようにどうしても見えてきて、バーンと飛び道具が胸から出ないかなぁ…と期待しましたが、それはなかったデスね、やっぱり。  舞台セットや表現の手法に「お~っ、オグリだ!」「お~っ、八犬伝だ!」 というものが見受けられ、その時の感動も思い出されて 楽しめました♪

役者さんに関しては、前半のくどさが気になりつつも笑三郎さん@祝融が好きでした♪ 恋を知ってた女心の経過をとても自然に観ることができ、グッときました…。 ご自身も より一段とシャーブになって美しさに磨きがかかり、衣装替えも多く 視覚的にとても楽しませてもらいました♪

ご贔屓役者・段治郎さん@馬謖は、若き武将という精悍な感じが出ていて好演でしたが、ストーリー自体がもう少し死に至るまでの馬謖の活躍が描かれていると、より「殺すには惜しい…」という点が 際立ったのではないかしら?…とちょっと残念。  猿之助さん@孔明のセリフのみで説明される状況はちょっとツラかったような気がしました。

そして、今回のお気に入りのキャラは…仲達親子☆ 段四郎さん@仲達猿四郎さん@子元段三郎さん@子尚の“紫三人組”はナイスでした♪  弟が兄に向かって「兄上」というのは分かるけど、 兄が弟に向かって「弟!」と呼ぶのには笑えた~。 …名前を呼んであげなよ。
実は、途中からこの仲達親子が【おじゃる丸】にでてくる“小鬼たち”にイメージがダブってしまって、しょうがなかったんです、私☆  「やい!孔明、今日こそはお前の命をいただくでごんす!」 「ひとまず今日は退散するでごんす!」ってな感じで…。

最近、何故か“笑いどころ”探してしまう自分の観劇姿勢に困っています〜。
来年3月の博多座では、どのように変わっているか楽しみです♪

新・三国志【博多座】

永い間、お待ちしていました…。 博多座が出来て嬉しい!ってのは何故って? そりゃもう絶対【スーパー歌舞伎】が上演される事を確信していたからであります! 平成12年の演目予定表を手にした瞬間、小躍りした事は言う間でもありません。 博多で観れる日を迎えるなんて…幸せ♪
8月にはひと足早く猿之助さんがPRの為来福され、「スーパー歌舞伎を熱く語るトーク・ショー」開催。 もちろん行きました♪
当然のごとく、チケットは入手困難で、“立見席”の争奪戦は熾烈を極め、博多座としは初の補助席まで出して対応していたようです。

一幕

感動の再会~♪ かぶりつきのお席だったので…そりゃもうスゴイ迫力でした~! 休むことなく回転する雑疑団の技に「こっちに落っこちて来るんじゃなかろうか…」と不安になってしまいました。 ん~、スゴイ…。 いゃ~、久し振りに観る笑也さんは“綺麗+りりしい”お姿で、舞台にスックと立った姿には圧倒的な存在感があって感動しました。 噂の“劉備が脱ぐシーン(違う!)”は「ほぉ~、色っぽーい♪」とクラッときちゃいました。 有名な【桃園の誓い】のシーンは期待通りの演出で大感激! 【八犬伝】で好きになった春猿さんも一幕から嬉しい登場♪ 相変わらずはかなげで、可憐でステキ!

二幕

ダンジロさん登場! その昔、NHKの人形劇【三国志】にハマって観ていた私には、諸葛孔明と言えば“細面 のシャープな顔”“声=森本レオ”なんです。 だから、どうしても右近さんが気になって、気になって…。 でも、それを上回る気になる事が! 「あの曹操軍の軍師役の人は誰?!」 ハイ、それが段治郎さんだったんですね♪ 劉備の婚礼のシーンでは、猿弥さんのアメリカンなオーバーアクションで笑わせてもらいました。 笑三郎さん、あのツンとした気位 い高そうなお姫さまがとってもお似合い! 【紅】という色が本当に綺麗な場面 でした。 私はコレで! 段治郎さんご贔屓になりました

三幕

“スーパー歌舞伎”の魅力再認識! 昨年末の舞台録画放映で一度はテレビで観ていたから、この第三幕の見せ場は、もう心臓バクバクで構えていました。 う~ん、やはり生で観ないことには語れませんね! 笑也さんの「出陣じゃ~!」では、行く手を示す指がもう私の目の前! ヅカタップもゾクゾクしちゃいました。 亀治郎さんの見せ場では…水かけてもらいました☆ 猿之助さんが「博多座での宙吊りは飛距離&高さとも日本一なんですよ!」とおっしゃっていました! …じっくり天に登る二人のお姿がゆっくりと拝めました♪ もちろん純粋に演目を楽しんだんだけど、かなりミーハー的な観劇をしていたのも確かでした♪

猿之助(関羽)/歌六(孫権) / 右近(孔明) /笑也(劉備=玉 蘭)/ 猿弥(張飛)/笑三郎(香渓) /春猿(彩霞)/ 段治郎(程イク)/亀治郎(関平) / 門之助(陸遜) /段四郎(曹操)