初春大歌舞伎・夜の部【松竹座】

二代目中村魁春襲名披露! 2003年の“歌舞伎はじめ”は大阪松竹座への遠征でした♪
翫雀さん、孝太郎さん…とご贔屓役者が揃ってのご出演という事で即決だったのですが…とっても良かった! 【歌舞伎四百年】という今年、更なる素敵な舞台に遭遇できそうな、そんな熱のこもった舞台でした。(上村吉弥さんの女形のお姿が拝見できなかったのは意外~)

義賢最期

公演期間半ばで仁左衛門さんが足に怪我をされたとの事で、残念ながら私が拝見した時は“戸板倒し”がありませんでした。  しかし、そんな事は見終わるまで全く忘れてしまう気迫のこもった舞台でした。 仁左衛門さんがこの当り役を大阪で演じるのは初演以来だそうです。 気迫はもちろんなのですが“絵的になんて美しいのだろう…”と思いました。 浅葱色の裃を振り回しながらあばれ、白い顔や着物に流れる赤い血、そして逆毛の黒髪を振り乱し…色彩の対比がそれはそれは鮮やかで見入ってしまいました! 舞台から「気迫に押される!」と思ったのは今回が初めてかもしれません。

京鹿子娘道成寺

魁春さん@白拍子花子。 しかし…どうしても“豪華所化陣”に目がいってしまう~! “まいづくし”に大袈裟なリアクションをする翫雀さんに笑い、思いっきりご本人が楽しんでいらっしゃる様子の孝太郎さんに笑い…楽しかったです♪

曽根崎心中

今年は鴈治郎さんが“お初上演50年目”という記念の年。 翌月は新橋演舞場で、6月にはロシアで上演予定。 『半世紀・19才のお初』というのはスゴイ! 翫雀さん@徳兵衛を見つめる目はハートで、手を叩いてはしゃく様は間違いなく“恋する19才の乙女”。 スゴイ…。
実は…翫雀さんのファンになってから、今回が初観劇。 以前は何の思い入れもなく観ていた事もあったのでしょうか? 今回は感情がググッと入ってウルウルッときてしまいました。 あらぬ疑いをかけられ、額から血を流しながら無実を訴える様と、それを見下す坂東吉弥さん@油屋九平次の意地悪さの対比が鮮やかで、胸が痛くなりました。 お初が徳兵衛の手を引いての花道の引込み。 今回、筋書きにまさにこの意図せずにこの演出が生まれた瞬間を偶然に撮影したお写真が掲載されていて、いつにも増して感慨深いシーンとなりました 。(寿治郎@下女お玉は息詰まる舞台をホッとされる芸達者さがキラリです)